訪問介護のサービス内容と利用時の流れ・費用・事業者選びのポイントを確認

訪問介護

一人暮らしや同居している高齢の家族への介護が必要になった場合、何らかの介護サービスの利用を考えなければなりません。

本格的な介護というと、老人ホームなどの施設への入居をイメージしがちです。

しかし、なるべく住み慣れた自宅で暮らしたいと思われる高齢者やその家族は多いはず。

在宅で受けられる介護サービスとして、訪問介護の利用を検討してみるのがよいでしょう。

訪問介護では、高齢者は自宅にいながら食事や入浴などのサービスを受けられます。

この記事では、訪問介護の気になる点であるサービス内容を中心に、

  • 利用のメリット、デメリット
  • 費用や事業者選びのポイント

について解説します。


1. 訪問介護とは自宅での介護を受けられるサービス

訪問介護

訪問介護とは、名前の通り自宅にいながら専門のスタッフによる介護サービスを受けられる、介護保険を利用したサービスのことです。

介護福祉士やホームヘルパーなどプロの手により、利用者の体調や希望する内容に合わせた介護サービスを受けられます。

高齢者や家族だけで日常生活を送るのが困難になった場合に、心強いサービスとなるでしょう。

詳細は後述しますが、訪問介護は要介護1以上の認定を受けた方が利用できます。

要支援12の認定を受けている方は、「介護予防訪問介護」というサービス内容を受けられます。

1−1. 訪問介護の利用が向いている方

訪問介護を利用するのは、以下のような方が向いているといえます。

  • 一人暮らしをしており、自立した生活が難しい高齢者の方
  • ある程度自立した生活ができているが、一部サポートを必要とする方
  • 住み慣れた自宅で生活を続けたい方
  • 同居する家族への負担を減らしたい方

老人ホームなどの施設に入ったり、デイケアやデイサービスなど施設に通ったりするよりも、自宅で介護サービスを受けたい方におすすめです。


2. 訪問介護で受けられるサービス内容をチェック

訪問介護で受けられるサービスは、主に以下の3つです。
それぞれの内容を詳しく解説します。

  1. 身体介護
  2. 生活援助
  3. 通院等の乗車降車等の介助

2−1. 身体介護

訪問介護

身体介護とは、利用者の身体に直接接触して行うサービスのことです。

食事や入浴、排泄の介助や、ベッドの上での姿勢を変えるなど、利用者に触れながら行います。

利用者の状態に合わせた介助を行い、自立した生活をサポートする目的があります。

身体介護における主なサービス内容は以下の通りです。

身体介護のサービス内容

食事介助

食事の際の支援や見守りを受けられます。

入浴介助

 

入浴の際の介助を受けられます。部分浴や洗髪も可能です。入浴できない場合は身体の部分的な清拭も可能です。

排泄介助

トイレやおむつの交換などの介助を受けられます。

 

たんの吸引

たんの吸引を受けられます。一定の研修過程を修了し、認定を受けた訪問介護員のみが対応可能です。

歩行介助

利用者が自分で歩けるように介助を受けられます。

更衣介助

着替えなどの介助を受けられます。

体位変換

ベッドや布団の上で、床ずれを予防するために体位を変える介助を受けられます。

移乗介助

ベッドと車いす間の移動の介助を受けられます。

服薬介助

 

処方された薬の確認と服薬の介助を受けられます。

見守り介助

声かけや見守りを行うことで、自立支援を促します。

2−2. 生活援助

訪問介護

生活援助とは、利用者の日常生活のサポートを行うサービスです。

食事の用意や掃除、洗濯など身の周りの整理、食料品の買い出しや医薬品の受け取りなどを行います。

生活援助のサービス内容

食事の準備

料理や配膳の介助を受けられます。片付けまで対応します。

清掃

室内の清掃やゴミ出しを行います。

洗濯

衣類の洗濯をし、干して畳むまで行います。

買い物代行

食料品や日用品など生活必需品の買い出しを代行します。

薬の受取代行

処方された薬の受け取りを代行します。

 2−3. 通院等の乗車降車等の介助

訪問介護

利用者の通院のためのサポートを行います。

「介護タクシー」とも呼ばれ、介護資格を持った運転手が通院の際に同行し、乗車や後者をサポートします。通院先での手続きなども対応可能です。

また、利用目的は日常生活のために必要な行為に限られており、事前に何が該当するかを把握しておきましょう。

  • 通院(受診やリハビリ)
  • 本人でなければできない買い物(眼鏡や補聴器など)
  • 預金の引き下ろし
  • 選挙への投票や公共機関への申請が必要な場合

上記の内容であれば、介護保険の適用範囲内となります。


3. 訪問介護のメリットとデメリットを確認

訪問介護

自宅での生活をサポートしてくれる、さまざまなサービス内容を持つ訪問介護。

実際に受ける利用者とその家族にとっては、多くのメリットがあります。

ここでは、訪問介護の利用で得られるメリットに加え、デメリットといえる点について確認しておきましょう。

3−1. 訪問介護のメリット

訪問介護を利用する最大のメリットは、自宅に暮らしながら介護サービスを受けられる点です。

老人ホームなどに入る場合、住み慣れた環境を離れることに不安を感じる高齢者もいるでしょう。

デイケアやデイサービスを利用する場合、外出によって生活パターンが変わることを好まれない場合もあります。

住み慣れた自宅の環境の中で、自立へ向けての支援を受けることで、リラックスしながらサービスを受けられるのは非常に大きなメリットといえるでしょう。

また、訪問介護では必要とする介護サービスを選んで受けられるため、高齢者が自分でできることを増やしていけるメリットもあります。

3−2. 訪問介護のデメリット

訪問介護にはデメリットといえる部分も存在します。
それは、受けられる介護サービスの内容が限られている点です。

特に医療行為については受けることができません。
ただし、たんの吸引など一定の研修過程を修了している、認定を受けた訪問介護員のみ対応できます。

訪問介護では利用者以外へのサポートは行われません。
家族の分の食事を作ったり、衣類を洗濯したりすることはできないのです。

また、訪問介護員が部屋に入ることに対して、利用者が快く思わないケースもあるでしょう。

利用を開始する前に、きちんと家族間で話し合いを持つことが大切です。


4. 訪問介護で受けられないサービス

訪問介護を利用する場合には、受けられないサービス内容がある点を把握しておきましょう。

訪問介護の目的はあくまで利用者の自立をサポートすることであり、依頼できる内容は限られているのです。

訪問介護では、以下の内容のサービスは受けることができません。

訪問介護が対応しなくても支障のない行為

  • 家具の移動や家電製品などの修理
  • 窓や床の掃除
  • 庭の手入れ
  • ペットの散歩

など

先述の通り、訪問介護では医療行為を行うことができません。

医療行為

  • インスリンの注射
  • カテーテルなどの管理
  • 摘便
  • 床ずれへの対応

など

そして、利用者の家族に対するサービスにも対応していません。

利用者意外の家族への行為

  • 家族分の食事の用意
  • 家族分の衣類の洗濯
  • 共用部分の掃除
  • 来客対応

など

上記の受けられないサービス内容を踏まえた上で、利用を検討してみましょう。


5. 訪問介護の利用条件と利用の流れ・費用をチェック

在宅介護

実際に訪問介護を利用するにはどのような条件があるのかを確認しましょう。

合わせて、利用開始までの流れと費用をチェックします。

5−1. 要介護1以上の認定が必要

訪問介護を利用するためには、要介護15の認定を受ける必要があります。

要介護の5段階の内容は以下の通りです。

要介護の5段階の内容

要介護1

一人で生活ができるが、要支援2よりも運動機能、思考力、理解力が低下している。

要介護2

要介護1よりも思考力、理解力が低下し、食事や排せつの際に部分的な介助が必要。

要介護3

生活において全体的な介助が必要となり、思考力、理解力が低下している。

要介護4

要介護3よりも思考力、理解力が低下している。全体的な介助が必要。

要介護5

生活には介護が必要で、意思の疎通も難しい状態。

要支援12の認定を受けた方は、「介護予防訪問介護」というサービスを受けられます。

訪問介護員が自宅に来てサポートをしてくれる点は同じですが、介護予防訪問介護は利用者が要介護状態にならないように介助することが目的という違いがあります。

日常生活における動作は、なるべく利用者が自発的に行うことを重視しているのです。

要支援の2段階の内容は以下の通りです。

要支援の2段階の内容

要支援1

一人で生活ができるが、日常での複雑な動作には部分的な介助が必要。

要支援2

要支援1よりも介助が必要な場面が多くなる。

5−2. 訪問介護の利用までの流れ

訪問介護を利用できるようになるまでの流れを紹介します。

1.要介護認定の申請

地域の役所や地域包括支援センターで要介護認定を申請します。

2.介護支援専門員の決定とケアプランの作成

介護(介護予防)サービス計画書である「ケアプラン」を作成します。

担当のケアマネジャーと話し合って決めましょう。

ケアマネジャーを探す場合は、以下の場所に相談して選定します。

  • 要介護1以上場合:介護支援専門員(ケアマネジャー)が在籍する居宅介護支援事業者(ケアプラン作成事業者)
  • 要支援12場合:地域包括支援センター

3.サービス事業者の選定

作成したケアプランを元に、訪問介護を行う事業者を選びましょう。

契約を交わしたのちにサービス開始となります。

5−3. 訪問介護サービスの利用にかかる費用

訪問介護では、利用したいサービスを必要な時間だけ受けることが可能です。

基本的には自己負担額が1割となる介護保険を利用した場合の、訪問介護の費用はどれくらいになるのかを確認しましょう。

訪問介護を利用した場合、1日にかかる費用は「サービス内容 × 利用時間 + その他の料金(加算)」で計算できます。

その他の料金とは、より丁寧なサービスの提供を行うもので、利用する事業所によって異なります。

下記は、要介護の場合の利用料金の一例です。

種別      

時間

単位数

料金(自己負担額)

身体介護

20分未満

166単位

166円

20分以上30分未満

249単位

249円

30分以上60分未満

395単位

395円

60分以上

575単位

575円

以降30分増すごと

83単位

 

生活援助

20分以上45分未満

182単位

182円

45分以上

224単位

224円

通院時の乗車・降車等介助

98単位

98円

介護保険適用のサービスは「単位」によって料金が決定します。

上記の表を参考に要介護の利用者が週に2回の割合で45分の生活援助を受けた場合、以下のように利用料金を計算できます。

182円(生活援助45分の利用料金)×2回(週)×4(月)=1,456

生活援助のサービスを利用した場合、毎月1,456円の自己負担というわけです。


6. 訪問介護サービスの事業者を選ぶ際のポイント

訪問介護

実際に訪問介護のサービスを利用する場合、事業者選びを行う必要があります。

訪問介護員と利用者との相性も大切です。

同じようなサービス内容だとしても、丁寧な対応を心がけている事業者を選ぶことで、不要なトラブルを回避しつつ安心して利用できるようになります。

6−1. 複数の事業者を比較検討する

訪問介護を行う事業者を、複数の中から比較検討して選ぶようにしましょう。

提供しているサービス内容やスタッフの対応力を吟味した上で決定します。

事業所独自のサービスの付加価値や費用についてもしっかりと確認しましょう。

ケアプランに沿ったサービスが行われるかもチェックします。

ホームページの紹介やパンフレットの内容だけではわからないことも多いため、事前に説明を受けることで事業所の特徴や考え方を理解することが大切です。

6−2. 身近な事業者はインターネットで検索しよう

訪問介護を行っている事業所を探すには、インターネットを使って調べるのが便利です。

地域の事業所を調べることで、まとめて比較検討しやすくなります。

訪問介護を行う事業所を探すには、検索エンジンを使って調べたり、地図アプリを使って近隣の施設を探したりする方法があります。

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まとめ

訪問介護は介護福祉士やホームヘルパーなどの訪問介護員に自宅に来てもらい、利用者への介護を行うサービスです。

要介護か要支援の認定を受けていれば利用可能です。

食事や排泄のサポートから必需品の買い出し、通院の送迎など、目的に合わせたサービスを受けられます。

利用者にとっては住み慣れた自宅でサービスを受けられ、自分でできることをサポートしてもらいながら、日常生活を送れるメリットがあります。

同居する家族にとっては介護の負担のない時間ができ、負担を減らせます。

高齢者の生活支援として、まずは在宅で受けられる訪問介護から利用を検討してみるのがよいでしょう。

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