
少子高齢化が進む中、シニアが老後を楽しくいきいきと過ごせるよう、福祉サービスやシニア向け市場が充実してきています。
その一方で、一人暮らしで寂しく孤独死を迎えてしまう高齢者も増えているのが現状です。
「そういえば、ご近所の◯◯さんも、自宅で倒れて亡くなっているのが発見されたっけ」
「私も一人暮らしで、一日中誰にも会わない日もある……」
そんな不安を抱えている人は、できるだけ早く「孤独死対策」に取り組んでください!
嬉しいことに、最近では行政も企業も孤独死対策に積極的に取り組んでいて、
- シニアの生活を見守るサービス
- シニアを孤独にさせず、人との交流を持てるコミュニケーションの場
など、充実してきています。
そこで、この記事では孤独死を防ぐ対策として、オススメの8つの方法をご紹介します。
中には無料のものもありますので、年金暮らしでも気軽に導入できるでしょう。
あなたのライフスタイルにぴったりの方法が、きっと見つかるはずです!
ぜひ明日からでも実行してみてください。
目次
1 一人暮らしシニアの孤独死が増えている
以下のグラフを見てください。
全国の65歳以上のシニアで、一人暮らしをしている人の数を5年ごとに調査した結果です。
家族と離れて一人で暮らしているシニアが、年々増えているのがわかります。
65歳以上の一人暮らし高齢者の動向

さらに、もうひとつのグラフも見てみましょう。
こちらは、東京23区内で一人暮らししている高齢者のうち、孤独死してしまった人の数です。
※ここでいう「孤独死」とは、病院で亡くなったり、自宅などで家族や医師に看取られながら亡くなった「自然死」ではなく、何らかの原因で「異状死」を迎えて、東京都監察医務院で検案・解剖が必要だったk案件をさしています。
東京23区内で一人暮らししていた65歳以上の高齢者についての調査です。
東京都監察医務院で取り扱った自宅住居で亡くなった単身世帯の者の統計(東京23区・65歳以上)

少子高齢化社会が進む中で、老後をひとりで暮らし、自宅でひとり死を迎え、あとで発見されてしまうシニアがじわじわと増えているのがよくわかります。
これを見て、
「私も一人暮らしだから、孤独死してしまうかもしれない」
「子どもや孫とは離れているし、友だちも少ないから、もし病気で倒れても発見されないかも」
と、我が身に不安を感じる方もあるでしょう。
こんな現状に、政府や自治体も危機感を覚えて、さまざまな「孤立死防止対策」を行ってはいます。
が、シニア自身が自分で「孤独にならない」ことや、「人や社会とのつながりを持つ」ことを心がけることも必要なのです。
今日からでもできる「孤独死予防・対策」はいろいろあります。
ぜひ取り組んでみてください。
2 孤独死を未然に防ぐ8つの対策
では、具体的にはどんな孤独死対策があるでしょうか。
大切なのは、「一人暮らしでも、人とのつながりを絶やさないこと」。
そのために、誰でもできる方法を8つご紹介しましょう。
以下の表を見てください。
オススメ対策 | 具体例 |
自治体のサービスを利用する | 見守りサービス、安否確認サービスなど |
訪問サービスを利用する | ホームヘルパー、宅配弁当など |
スマホの見守りアプリを利用する |
|
SNSで人とつながる |
|
企業の見守りサービスを利用する | ・電気、ガス会社が使用量の変化から安否を確認 |
見守り家電を利用する | ・利用状況を離れた家族などに通知する電気ポット |
通所サービスを利用する | デイサービス、デイケア |
老人向け施設に入居する | 老人ホーム、サービス付き高齢者向け住宅など |
以下に詳しくご紹介していきましょう。
2-1 自治体のサービスを利用する:見守りサービス、安否確認サービスなど
住んでいる市区町村によっては、孤独死を未然に防ぐために、高齢者を定期的に見守ったり、安否確認をしたりするサービスを行っています。
例えば、
- 地域のボランティアが一人暮らしのシニアの住まいをときどき訪れて見守りや声かけをする
- 新聞配達やガスの検針、生協の配達などの業者と提携して、配達・巡回時に一人暮らしシニアの家に異常がないかチェックする(新聞がたまっている、ガスや電気の使用量が少ないなど)
- 人感センサーやテレビ電話、タブレットなどを設置して、一人暮らしシニアの安否を確認する
といった取り組みがあります。
自分のところではどんなサービスがあるか、役場に確認してみましょう。
※ 参考:厚生労働省「孤立死防止対策取組事例」
https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000034189.html
2-2 訪問サービスを利用する:ホームヘルパー、宅配弁当など
家事の手伝いや食事の配達など、自宅に来て生活をサポートしてくれるサービスを利用するのもオススメです。毎日、または2〜3日ごとに誰かが来てくれることで、もし病気で動けなくなったり倒れたりした場合、早く気づいてもらえる可能性が高まります。
2-3 スマホの見守りアプリを利用する
スマートフォンを使っている人なら、見守りアプリ、安否確認アプリを使ってみてください。
- GPS機能を使って、離れて暮らす家族や友だちのスマホに、あなたの居場所や動きがわかるアプリ。長時間同じ場所から動かない、いつもの散歩コースを通らないなど、異常を察知できる。※ GPS…人工衛星を利用した位置情報計測システム
- 毎日決められた時間にあなたのスマホのアラームが鳴り、それに対してスマホ画面をタッチすると、家族や業者側に通知が届いて安否確認ができるアプリ。もし病気で倒れたりして通知を送れなければ、短時間で異常に気づいてもらえる。
など、シニア側からは難しいメール送信などの操作が必要ないアプリがさまざま出ています。
利用料は無料のもの、毎月数百円のものが多いので、おサイフの負担にもなりません。
以下におススメアプリをご紹介します!
アプリ名 | 価格 | 仕組み |
あんしん365 | 無料 | あらかじめユーザーが指定した時間に、自動的にアプリのアラームが起動する。ユーザーが画面をタッチすると、登録しておいた相手(家族など)に、タッチがあったことを知らせるメールを自動送信。 もしタッチされないと、一定時間後に「アラームに対する反応がありませんでした」というメールを自動送信。 また、ユーザーの位置情報もメールで知らせることができる。 ◎GooglePlay https://play.google.com/store/apps/details?id=com.atomsystem.smartalarm&hl=ja |
みまサポ2 | 無料 | ユーザーが歩数や体調、1日の出来事を入力してボタンを押すと、登録した相手(家族など)にメールで内容を送信する。入力が苦手な場合は、スマホを持ち上げて振るだけで同様のメールが送信されるような設定も可能。 24時間何の操作もされないと、アプリが音声でユーザーに「大丈夫ですか?」と呼びかけ、さらに30分応答がなければ、家族などにメールで異常を知らせる。 ◎GooglePlay https://play.google.com/store/apps/details?id=jp.co.liberty_innovation.mimasapo25 |
「らくらくスマホ」「らくらくホン」とドコモの「つながりほっとサポート」がオススメ!
「スマホは使っていないから、アプリは利用できないわ」
「いい機会だからスマホに変えたいけれど、アプリってよくわからない」
そんなシニアのみなさんには、富士通コネクテッドテクノロジーズの「らくらくスマホ」や「らくらくホン」で利用できるドコモのサービス「つながりほっとサポート」をオススメします!
◎ つながりほっとサポートとは ─────
「らくらくスマホ」「らくらくホン」を日常的に使っているだけで、
- 歩数計で計った歩数
- 写真撮影
- ロック解除
などの利用状況を、あらかじめ指定した家族や友人など「つながりメンバー」へメールでおしらせします。もしも長時間、何の動きもなかったり、いつもと違う異変があれば、離れていてもすぐ気づいてもらえます。
◎ 利用料は無料です!
※ 詳しくはこちら https://www.nttdocomo.co.jp/service/tsunagari_hotto_support/
スマートフォンや携帯電話の買い替えをご検討中の方は、ぜひらくらくシリーズをご利用ください!
※ らくらくシリーズについてはこちら http://www.fmworld.net/product/phone/rakuraku/
2-4 SNSで人とつながる
一人暮らしでも孤独にならないためには、つねに人とのつながりを絶やさないことも大事です。
そのためには、近所の人たちとのお付き合いをていねいにすることはもちろん、日頃からたくさんの人たちに自分の暮らしぶりを見てもらえるSNSの利用もオススメします。
総務省の「平成29年版 情報通信白書」によると、シニア層にも利用者が多いのは、
- LINE:家族や友人など複数の人と同時にチャットしたり、テレビ電話したりできる
- Facebook:写真・動画と文章で近況を投稿、「友達」登録した人に共有できる
- Twitter:140文字以内の短い文章と写真や動画が投稿でき、フォローしている人に共有できる
など。
インターネットを通じて、フォロワーや友達をどんどん増やすこともでき、シニア世代の仲間づくりにも役立つと注目されています。
らくらくコミュニティに参加して楽しもう!
スマホを持っていても、
「SNSに興味はあるけれど、どれが自分に合うのかわからない」
「友達が少ないから、SNSをしてもあまり見てもらえないかも……」
などの理由で、電話とメールくらいしか使っていないシニアもいるでしょう。
そんな人はまず、「らくらくスマホ」のご利用者が手軽に交流できる無料サービス「らくらくコミュニティ」に参加してみてください!
◎ らくらくコミュニティとは ─────
会員登録するだけで、写真やコメントを自由に投稿できるコミュニケーションのためのサイトです。
サイト内には、「旅」「健康」「グルメ」「ペット」など、テーマ別に自由にコメントや写真を投稿できる掲示板がたくさんあり、あなたにぴったりの話題がきっと見つかります。
会員数は、2017年4月現在で何と100万人!
コメントをやりとりしているうちに、サイト内での仲間や友達もどんどん増えていくはずです。
<らくらくコミュニティがシニアにオススメの理由>
TwitterやFacebookなどのSNSは、まずスマホにインストールして、自分のアカウントを作って……という準備が必要です。
スマホ初心者のシニアにとっては、これが意外にハードルが高いですよね。
らくらくコミュニティなら、
- らくらくスマホにあらかじめインストールされている
- らくらくスマホのホーム画面にある「らくらくコミュニティ」アイコンをタップして、画面の指示に従うだけで、自分の電話番号やメールアドレスを入力しなくてもアカウントが作成できる
と、シニアでも簡単に使い始めることができます!
らくらくスマホ以外のユーザーでも会員になれますので、家族にも会員になってもらって、お互いの投稿を見たり、コメントしあったりして、日常のコミュニケーションと安否確認に活用できますよ。また、定期的に「フォトコンテスト」も開催しています。
自慢の写真を投稿、会員のみなさんに披露することもできますので、ぜひ参加してください!
◎ 利用料は無料です!
※ 詳しくはこちら http://www.fmworld.net/product/phone/rakuraku/special/article/0001/
2-5 企業の見守りサービスを利用する
行政だけでなく、企業も見守りサービスを行なっています。
電気・ガス会社が使用量の変化から安否を確認、生活リズムに異常があれば、家族などにお知らせする
東京電力「遠くても安心プラン」https://www.service.tepco.co.jp/s/Anshin_Tooku/ ⇒ 専用センサーを設置、どんな家電を何時頃使ったかを離れた家族にメールなどで知らせるサービス。 初期契約・事務手数料 3,000円/月額利用料 2,980円 |
ホームセキュリティ会社と契約すると、緊急通報ボタンを押すだけで駆けつけてくれたり、人感センサーが動きを察知、異常があれば訪問してくれたりする
セコム「親の見守りプラン」https://www.secom.co.jp/homesecurity/plan/seniorparents/ ⇒ 室内にセンサーを設置、一定時間動きがなければセコムが確認してくれる。 また、専用ペンダントを握るだけでセコムに緊急信号が送信されるなどのサービスもあり。 初期費用:工事料44,000円+保証金20,000円(契約満了時返却)/月額利用料 4,700円 |
など、さまざまなタイプのサービスがありますので、予算や生活スタイルに合ったものを選ぶことができます。
2-6 見守り家電を利用する
家電の利用状況から生活リズムの変化を察知できる「見守り家電」も人気です。
電気ポットを使うと、その利用状況が離れた家族などに通知される
「iポット」(象印マホービン)http://www.mimamori.net/ |
コンセントで電力使用量をチェック、消費電力のパターンに異常があればメールで知らせてくれる
「見守りコンセント WiFi-plug」(パワーエレック)http://www.powerelec.biz/wifiplug/setup/ |
など、家電を利用しているだけで、安否を誰かに知らせることができるため手軽です。
2-7 通所サービスを利用する:デイサービス、デイケア
見守られるだけでは不安、という人は、定期的に通う場所をつくるのもよいでしょう。
車で送迎もしてくれるデイサービス、デイケアなどに通えば、
- 定期的に自宅に人が訪れてくれる安心感
- 通った先でたくさんの人と触れ合う楽しさ
を感じられるはずです。
2-8 老人向け施設に入居する:老人ホーム、サービス付き高齢者向け住宅など
究極の孤独死対策として、シニア向けの施設に入居してしまうという方法もあります。
老人ホームやサービス付き高齢者向け住宅(サ高住)なら、つねにまわりに誰かがいますし、介護や看護の環境も整っていますので、突然病気で倒れた場合でも安心です。
他の入居者と交流できるイベントをたくさん行なっていたり、身体や脳を鍛えるレクリエーションを豊富に準備している施設を選べば、寂しさと無縁の楽しいシニアライフを迎えられるでしょう。
3 まとめ
いかがでしたか?
ではもう一度、孤独死対策についてまとめてみましょう。
1)一人暮らしシニアの孤独死が増えているため、未然の対策が必要
2) 孤独死を未然に防ぐためオススメの対策は8つ
2-1)自治体のサービスを利用する:見守りサービス、安否確認サービスなど
2-2)訪問サービスを利用する:ホームヘルパー、宅配弁当など
2-3)スマホの見守りアプリを利用する
2-4)SNSで人とつながる
2-5)企業の見守りサービスを利用する
2-6)見守り家電を利用する
2-7)通所サービスを利用する:デイサービス、デイケア
2-8)老人向け施設に入居する:老人ホーム、サービス付き高齢者向け住宅など
◎「らくらくスマホ」「らくらくホン」を持てば
- 家族につねに生活状態を知らせる「つながりほっとサポート」が無料で利用できます!
- SNS初心者でも簡単に参加できる「らくらくコミュニティ」でたくさんの人と交流できます!
一人暮らしは気楽で自由なものですが、それを長く続けていくためには、これらの対策を今からぜひ準備しておくことも必要です。
その上で、楽しいシニアライフをいつまでも安心して送ってくださいね!
<参考サイト>
平成29年版高齢社会白書(全体版)
https://www8.cao.go.jp/kourei/whitepaper/w-2017/html/zenbun/index.html
東京23区における孤独死の実態http://www.fukushihoken.metro.tokyo.jp/kansatsu/kouza.files/19-kodokushinojittai.pdf
高齢者の社会的孤立の防止対策等に関する行政評価・監視 結果報告書http://www.soumu.go.jp/main_content/000217422.pdf
統計表および統計図表http://www.fukushihoken.metro.tokyo.jp/kansatsu/database/27toukei.files/21-27.pdf
http://www.fukushihoken.metro.tokyo.jp/kansatsu/database/27toukei.files/40-55..pdf
総務省「平成29年版 情報通信白書」http://www.soumu.go.jp/johotsusintokei/whitepaper/ja/h29/html/nc111130.html
見守りサービスで安心!高齢者、シニア向けホームセキュリティ5社比較
https://xn--dckta5b5b6f4a0b2b1kx093d14od.jp/comparison/senior.html
高齢者見守りサービスおすすめ42選
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