
セカンドライフの趣味として、俳句でもはじめてみようかとお考えでしょうか。または、少しかじってはみたものの、思ったように俳句作りが進まずに、伸び悩んでいらっしゃいますか?
俳句を始めたばかり、またはこれから始めようと思う方の多くは、俳句に対して、次のようなイメージがあります。
「やっぱり、自分にはセンスないから、無理かなあ」
「なんか、文学的な感じで難しいよ。出来る気がしない」
「ルールがいっぱいあって、全然わからなかった」
「そもそも教養がないと、作れないんでしょ?」
など、俳句は難しいもの・高尚なものとして、何となく苦手意識を持ってしまうのです。しかし、俳句は決して難しいものではありませんし、初心者がはじめから名句を作れないのは当然なのです。
そこで今回は、俳句の作り方について、次のようにまとめました。
- 俳句の基本3大ルールを覚えよう
- 具体的な俳句の作り方基本5ステップ
- 初心者でもスラスラできる俳句の作り方8つのコツ
- もっと上手に俳句が作れるようになる4ポイント
最後までお読みになれば、これから俳句作りを始める方、少し俳句を習っていて伸び悩んでいる方も、自分が思っていること・感じたことをそのまま上手に俳句にして、人に伝わるステキな一句が作れるようになります。
1.俳句の基本3大ルールを覚えよう
俳句は、自分の体験を語る、形式のある短い詩的な文、または短歌です。17のリズムある定型音の中に、自分が体験したことを描き出し、気持ちや感覚を読者に伝えるという、1つの文学ジャンルです。
歴史的には、江戸時代に日本文学として栄えた俳諧の連歌を起源とし、松尾芭蕉などの著名な俳人が出たことで一般にも広まりました。明治に入ってから、正岡子規ら複数の俳人・歌人たちによって短歌としての形式が整い、今の形となっています。
近代以降、俳句を作るときには、以下の3大ルールに則るのが基本となっています。
ルール1 5・7・5の17音になること
ルール2 季語を使うこと
ルール3 切れは一回だけ使う
1-1.ルール1 5・7・5の17音になること
俳句の基本は、短歌の文章となる音の並びが5・7・5の合計17音になるように作ることです。この5・7・5は場所が上・中・下と別れており、それぞれ、決まった音数(文字数)で構成されています。
- 上5(かみご) 5音の言葉
- 中7(なかしち)7音の言葉
- 下5(しもご) 5音の言葉
これが俳句の定型であり、この5・7・5の合計17音の決まりの中で作るのがルールの1つめになります。
1-1-1.チューリップは何文字?
俳句はカタカナや外来語・現代語も使って良いので、中には、何音かがわからなくなる単語もあります。そんな時のために、チューリップが何文字かで数え方を覚えましょう。
俳句は、音の数え方にも独自のルールがあります。チューリップは、一般的に数えると「ちゅう」・「りっ」・「ぷ」で3音かと思うのですが、俳句では5音になります。以下の図を見てください。
俳句の音の数え方には、次のような法則があり、それに沿って17音の中に当てはめる様にします。
- 「きゃきゅきょ」・「ふぁふぃ」、などの小さい「やゆよ」「あいうえお」の文字が入る拗音は、前の字と合わせて一音で数えます。
- 「あー」・「わー」などの、音を長く伸ばす長音「ー」は1音と数えます
- 「かっ」、「くっ」などの、小さい「っ」が入る促音は1音です。
俳句を作っている途中で、使いたい言葉の音数がわからなくなったら、この「チューリップは5音」であることを思い出してください。
1-2.ルール2 季語を使うこと
季語とは、季節を象徴的にあらわす言葉のことです。たったの17音しか使えない俳句の中で、とても大きな力を発揮する、俳句の主役と言っても良いものです。多くの場合、上5で使われるため、季語は基本的に5音でできています。
季語は、もともと日本に古くからあった季節を表す言葉として、古くは万葉集の頃から存在しています。季語そのもので一つの強い世界観を持っていますので、その5音を使うだけで、作者が俳句を詠んだ時の背景や情景を、読者の中に、いともカンタンに再現させる効果があります。
例えば、冬の季語である「除夜の鐘」と聞いただけで、そのあとの句を知らなくても、読者の脳裏には、12月末日の明かりが消えて、街がシーンとなった情景などが映し出されます。
これを、夏の季語である「扇風機」に変えると、今までの冬の景色から、一気に、うだるような暑さの中、汗だくで扇風機の風を感じた時の心地よさが、感じられるようになります。
このように、作者が何も言わなくても、読者の心にさまざまな思いや情景を呼び覚ます力のある、パワーのある5音ですので、俳句には、季語を上手に活用しましょう。
また、季語を使うことにより、それ以上、季節や温度に関する言葉を使う必要がなくなるため、残りの12音に、より自分の心の情景を乗せやすくなります。季語には、四季を表すものと、新年を表すものがあります。
1-2-1.四季の季語
春夏秋冬の季節のことです。季節や時期を限定したい時に使う「桜」「紅葉」「雪」などを使えば季節のシーンを伝えることが出来ますが、季語を使うことにより、より文学的な表現をすることができます。
以下は、各季節を表す代表的な季語の一部です。
春 | 夏 | 秋 | 冬 |
風光る シャボン玉 春の宵 山笑う 春日和 春の空 朧月 | 蝉しぐれ 扇風機 夏の夕 熱帯夜 夏の空 夏の雲 サングラス | 秋深し 天高し 星月夜 虫の声 秋晴 馬肥ゆる 渡り鳥 | 大みそか クリスマス 除夜の鐘 冬の朝 冬景色 オリオン(座) 冬牡丹 |
1-2-2.新年の季語
俳句では、新年を一つの季節として取り扱うため、新年の季語というものがあります。
新年 |
お正月 |
1-3.ルール3 切れは一回だけ使う
切れとは、「切れ字」という俳句のテクニックの一つです。俳句の中で、強調や感嘆を表したい時に使うのが基本で、切れ字は、切れ字がある前の語句を強調して、作者の感嘆を表現します。
現代風な言い方をすれば、切れ字は「!」がつく文になります。例えば、私たちも普段、SNSやメールなどを打つときに、「!」は自分がびっくりしたこと、想定とは違ったこと、とても強い感情を伴った時に、語尾につけていますね。
あまり「!」が多い文は、その文の中で、その人が一体、何に一番びっくりしたり、強い感情を持ったりしたのかが不明瞭になるので、普通は、とても伝えたい部分にだけ使っていると思います。
そして、多くの場合、文章中で「!」を使った後の文の内容は、「そう、それでね………」と、先ほどの「!」に関係のある、起きた出来事の話をしていると思います。
俳句でも同じです。作者の驚きを相手に伝えてから、話を続けます。
それ以上使っても、ただでさえ少ない文字数で構成されている俳句で、伝えたいことの焦点がぼやけてしまいますので、切れ字は1俳句で1回しか使わないことがルールなのです。
よく使われる代表的な切れ字と、その他の切れ字は以下になります。
代表的な切れ字 | 役割 | よくある使い方 |
・や | 強調や感嘆 | 直前の言葉を、きっぱりと切るために使う。最も使いやすい切れ字。典型的な「!」として使える。 |
・かな | 強調や感嘆 | 直前の言葉に対し、主に心情的な揺れを表わし、相手に答えを託す時に使う。今風に言うと「~的な」。作者の思いがある所に向けられる。下5に使われることが多い。 |
・けり | 強調や感嘆 | 直前の言葉に対し、気づきや、驚きを表す。今風に言うと「~だってさ!」。主に、下5に使われることが多い。 |
その他の切れ字 | ・たり ・こそ ・なり ・ぞ ・か |
例として、有名な俳人、松尾芭蕉の俳句「古池や 蛙飛び込む 水の音」を使って、切れ字がどのように作用しているのかを見てみましょう。以下の図のように、上5の「古池や」の「や」が切れ字です。
俳句の中で、切れ字「や」が「!」として機能していますので、この古い池を見た作者・松尾芭蕉の驚き具合が伝わります。今風の言い方をすれば「うっわあ!なんて古い池なんだ!」くらいの驚きでしょう。
切れ字「や」には驚き以外に、その直前の言葉を強調する効果もありますので、この句の読者の脳内には、日本のどこかにある、とても古い池が強いイメージとして残り、俳句の最後まで強い印象として映像化され続けます。
このように、直前の言葉を作者が狙った通りに読者に印象付けることができるのが、切れ字の持つ独特の効果です。切れ字の効果的な使い方については、3章で解説があります。
◆コラム◆俳句・川柳・和歌の違い
日本人として生まれ育ってきても、俳句・川柳・和歌の違いを知らずに大人になっている方は、かなり多くいらっしゃいます。何となく、文字数も雰囲気も似ているので、どれも同じように見えますが、以下のような明確な違いがあります。
- 俳句
俳句の基本は、短歌の文章となる音の並びが5・7・5の合計17音になるように作ります。俳句の数え方は、一句、二句(いっく、にく)と数えます。必ず季語を使うというルールがあります。 - 川柳
川柳も俳句と同じく、5・7・5の17音で構成されますが、俳句と違い、季語は使わなくてもOK。数え方は、一句、二句(いっく、にく)です。川柳は、俳句よりも俗っぽいテーマが多いため、句の内容もカジュアルダウンした印象です。俳句が文学だとしたら、川柳は、マンガや週刊誌に近いことを表現しています。何かをユーモアたっぷりに皮肉ったり、風刺する時にも使われるのが川柳なので、読むとつい笑ってしまうものがたくさんあります。有名な川柳のコンテストに「サラリーマン川柳」があります。【参照:シルバー川柳 誕生日ローソク吹いて立ちくらみ】
- 和歌
和歌は、5・7・5・7・7の文字数で合計31音、みそ一文字と呼ばれる文字数で作ります。5・7・5を上の句、7・7を下の句と呼びます。和歌の数え方は一首、二首(いっしゅ、にしゅ)と数えます。代表的なものに、百人一首があります。
【参照:百人一首(全) ビギナーズ・クラシックス 日本の古典 】
2.具体的な俳句の作り方基本5ステップ
本章では、いざ俳句を作ろうと思った時の、具体的な基本の5ステップです。俳句は、作者が感じたことを自分の言葉で人に伝える短歌ですので、この基本5ステップを守って作ると、誰でも自分らしい俳句が出来上がります。
ステップ1. 素材やテーマを見つける
ステップ2. いつもの言葉で思ったことを書いてみる
ステップ3. 一番伝えたいことを選ぶ
ステップ4. 5・7・5にしてみる
ステップ5. 俳句を声に出して詠んでみる
2-1.ステップ1. 素材やテーマを見つける
俳句を通じて読者に何かを伝えるのが目的ですので、まずは、伝えるべき素材やテーマを探します。仕事をしている方は、通勤や仕事場で探せます。おうちにいらっしゃる方は、家の中、近所の公園や、いつも行くスーパーにも、テーマにすべきものがあります。
毎日の生活以外にも、月ごとのイベントに合わせて俳句を作るのも良いでしょう。素材やテーマは、本当に何でもよいのですが、うまく自分で見つけられない時には、歳時記の季語から選んで、素材やテーマの逆引きをするのも良いでしょう。
【歳時記とは】
歳時記は、俳句の季語を集めて分類・整理して、解説や例題などが載っている本です。【参照:いちばんわかりやすい俳句歳時記】
2-2.ステップ2. いつもの言葉で思ったことを書いてみる
何かテーマが決まったら、そのことについて、いつも自分が使っている言葉で、主語述語を使った10~12文字くらいの短い文を書いてみます。長い文にすると、後で俳句にするときに使いづらいので、短い文で書きます。
例えば、今、あなたがお気に入りのカフェにいて、カフェでのことをテーマに選んだとします。カフェの自分の席から見えること、店内の様子や、窓からの風景、他のお客さんのことなど、思ったこと・浮かんできたこと・連想したことなどを、ただ書いてみます。
雰囲気としては、ツイッターやニュースのコメント欄などに、記事の感想や、思いついたことを短い文章で書いている方がいますね。あのような感じで、ただただ、思ったこと、見たままのことを書いていきます。
例)午後、カフェでのんびりしていた
- 昼過ぎだから空いているな
- コーヒーのいいにおいがするな
- 何か本でも読もうかな
- 雨が降ってきそうだな
- もう少しここにいたいなあ
など、どんどん書いていきます。「え?こんなんでいいの?」と思われるかもしれませんが、そうです、こんなので良いのです。
読者も自分と同じ普通の人ですから、普通の人が使ういつもの言葉を使う方が、俳句からより多くの連想やイメージを引き出すことができるのです。難しい言葉や、カッコいい言葉を使う必要はありません。
2-3.ステップ3. 一番伝えたいことを選ぶ
ステップ2で書き並べた、テーマに沿った文の中から、自分が一番伝えたいことを選びます。先ほどのカフェの例を使った場合で、「もう少しここにいたいなあ」が伝えたいことならば、以下のように◎をつけておきます。ステップ4に進みましょう。
例)午後、カフェでのんびりしていた
- 昼過ぎだから空いているな
- コーヒーのいいにおいがするな
- 何か本でも読もうかな
- 雨が降ってきそうだな
◎もう少しここにいたいなあ
2-4.ステップ4. 5・7・5にしてみる
次に、ステップ3で◎をつけたことを軸にして、書き出した言葉を5・7・5音になるように並べ替えてみましょう。以下の図のように、書き出した文から、使える言葉を抜き出して、5・7・5の音数に直して並べ替えます。
あとは、配列を変える、少し言い回しを変えてみるなどで、文字数を合わせ「コーヒーの香りと、カフェでリラックスしているイメージ」など、自分が感じていることに近くなるようにしていきます。あくまで、自分の感覚だけが頼りです。
今回は、以下のように言い回しを変えて、より収まりが良いようにしてみました。
- コーヒー
コーヒーといい香りは同じ意味ですので、一緒にできるのですが、コーヒーだけで4音もありますので、カフェで2音に変更して「カフェの香り」に変更しました。ステップ5に進みます。
2-5.ステップ5. 俳句を声に出して詠んでみる
最後に、出来た俳句を、声に出して詠んでみます。俳句は短歌であり音ですので、何度も声に出して実際に読み上げると、音がつっかえてしまうようなところや、17音にはなっているものの、なんだか流れがしっくりこない部分が、気になりはじめます。
わざわざ発声をして自分の俳句を耳で聞く理由は、最終的に人に読んで(詠んで)もらうことが前提だからです。
ですから、自分の中でこしらえたイメージだけではなく、読者にもわかってもらえるように、文字だけではなく、音でも推敲をする必要があるのです。
ステップ4で出来た俳句を、以下の図の赤字部分のように直しました。音にしたときに、よりハッキリと状況が伝わるようになります。
「もう少し」よりも「あと少し」のほうが、よりここに居たい、まだここに残っていたい気持ちが強く伝わります。大きく変更をした下5「カフェの午後」には、お昼過ぎ・コーヒーの香り・場所がカフェであることの情景がすべて詰まっていますので、読者の脳裏に喫茶店やカフェの情景が浮かびやすくなります。
文章で読むのと、音に出して詠むのでは、少し印象が違うことがわかっていただけたと思います。この俳句には季語は含まれていませんし、難しい表現もなにもありませんが、これも、日常生活の「とある情景を詠んだ俳句」なのです。
このようにして、上5中7下5のルールの中で、自分が伝えたい状況を音数に合わせて、たくさんの言葉から選んでいく。これが俳句作りの基本5ステップになります。
3.初心者でもスラスラできる俳句の作り方8つのコツ
本章では、基礎や作り方は理解したものの、自分で納得できるような俳句が作れずに悩んでいる方々のために、初心者でもスラスラと俳句が作れるようになる8つのコツをまとめました。
- ビギナーは下5からつくる
- 俳句ネタ帳作りをしておく
- 感情の言葉を使わない
- 季節の言葉を使わない
- 比喩・擬音を使う
- 「切れ」を効果的に使う
- 心の図解チャートで確認して仕上げ
- 季語は最後の最後に選ぶ
3-1.コツ1. ビギナーは下5からつくる
俳句をはじめて日が浅い方は、俳句を上5・中7・下5の、「下5」から作ると、俳句がスラスラ出来てきます。この方法は、俳句の最後から始めるので「尻から俳句」※と言います。俳句の作り方は次の方程式通りにそのまま作れば、どんどん俳句ができます。
※手法としては昔からありますが、TBS番組「プレバト!」の俳句コーナーを担当する夏井いつき先生が広めたものです。
最初に、下5で使う言葉を決めます。5文字の普通名詞を使います。
次に、中7で下5の名詞を描写する言葉を選びます。
最後に、季語を選びます。
尻から俳句の作り方は、これだけです。では、次項で、方程式通りにやってみましょう。
3-1-1.下5で使う普通名詞を決める
普通名詞は何でもよいのですが、練習で作るのであれば、今座っている目の前にあるもので5文字の物を、次々と書き出せば良いだけです。例えば、今、自宅のリビングにいるのであれば、次のような単語が並ぶでしょう。
- ホッチキス
- 置時計
- 腕時計
- 新聞紙
- 萩の月(お菓子)
- 綿ほこり
今回は、この中から「腕時計」を下5に使ってみましょう。この時点で、すでに俳句の下5が出来ていることになりますので、あとはカンタン。以下の図のように、下5を描写する言葉を中7に入れ、それに合いそうな季語を当てはめていくだけです。
3-1-2.中7で下5を描写する+季語を入れる
「尻から俳句」で作る時の中7は、下5の「腕時計」を表現する場所ですが、ここも7音になっていれば好きな表現をしてかまいません。今回は、以下の3つを候補にあげました。今回は、中7を時の「止まった時計」で作ってみましょう。
- 記念に買った
- 時の止まった
- 使い古した
中7が決まったら、あとは上5で使う季語を選ぶだけです。季語は、はすでに文学として完成された5音ですので、春夏秋冬と新年の中から、中7の情景に合ったものを、いろいろ当てはめていきます。今回は、夏の季語として、わかりやすい「熱帯夜」を使ってみます。
さて、中7と季語を入れたら、俳句が一句できてしまいました。俳句だけだとわかりにくいので、言葉から連想されるイメージを訳文として書いてあります。
熱帯夜 時の止まった 腕時計
クーラーも効かない寝苦しい夏の夜、汗が体にはりついて、時間が進まない感じが伝わってきます。
このあとは、俳句の上5の季語を入れ変えていくだけで、いくらでも俳句ができてきます。例として、次の図を参考にしてください。
このように、下5から作る「尻から俳句」では、下5の普通名詞+下5を表現する中7+季語の方程式を当てはめるだけで、あっという間に俳句が完成します。このやり方であれば、一句出来れば、そのあとは季語を入れ替えるだけで、次々と俳句が生まれてくるでしょう。
「尻から俳句」での作り方は、本記事で紹介した松尾芭蕉の「古池や………」のような、情景を描写したものとは違いますが、俳句はもともと文学ですから、イマジネーションで一句作るのも、当然、アリなのです。
【参照:夏井いつきのおウチde俳句】
3-2.コツ2. 俳句タネ帳作りをしておく
俳句の17音の中で、季語とは関係ない言葉を、俳句では「俳句のタネ」と呼びます。俳句のタネには、俳句で自分の気持ちを自分らしく表現するために必要な、自分の言葉が詰まっています。
俳句のタネは多ければ多いほど良いので、毎日の暮らしの中、新聞や雑誌、スマホ画面の中などから、自分にとって目にとまった・気になったことをメモ帳に書いていきます。書き方はカンタンな日記のような形式です。
例えば、仕事中にコーヒーを淹れたら、こんな風にメモをします。
【俳句タネメモ帳】
例)会社でコーヒーを淹れた
- 窓開けた(5音)
- 寒かった(5音)
- のどが渇いた(7音)
- コーヒーカップ(7音)
- 空気乾いて(7音)
- 砂糖なし(5音)
この時に大切なのは、俳句のタネとなるメモをするときには、5文字か7文字、最高で12文字までの短い文で書くことを意識することです。
自分のメモ帳が全部、5文字か7文字でできていれば、俳句を作る時にそのまま使えますので、とても便利です。このようなメモのことを、俳句のタネ帳・俳句メモ・句帳メモ・句帳などと呼ぶことがあります。
3-3.コツ3. 自分の感情の言葉は使わない
俳句では、「うれしい」「楽しい」「悲しい」などの、感情を入れる言葉は使いません。その理由は、俳句で季語を使うためです。
季語には、季節感を表現するのと同時に、その季語に込められた感情的な世界観があります。季語を使えば、作者の気持ちを代弁することができるため、俳句の中に感情を表す言葉は不要なのです。各季語に、どのような感情が含まれているかは、俳句歳時記などを参考にしてみましょう。
自分の気持ちを俳句に入れたい時には、自分の気持ちに沿った季語を選ぶようにしましょう。自分の気持ちに近い季語選びには、歳時記を使ってじっくり探しましょう。
3-4.コツ4. 季節の言葉を使わない
前項同様、俳句の中の季語が、季節を表しているので、残りの12音の中に季節の言葉を入れると、一つの俳句に2つ以上の季語が存在してしまいます。これを「季重なり」といい、俳句では避けるべきこととされています。
俳句は季語を1つで作るのが基本ですので、季語が2つあるのは、例えば、辛いものと甘いものを一度に食べたときのように、持ち味をお互いにつぶしあうような句になる可能性があります。このようなことを避けるために、一句に季語は一つというルールがあります。
季語の数はとても多く、江戸時代に刊行された滝沢馬琴がまとめた『俳諧歳時記栞草』(岩波文庫)に約3,400個の季語が採録されています。現代の最も語数の多い歳時記『図説俳句大歳時記』(角川書店)には、約6,000個もの季語があります。
これだけあると、知らないうちに季語をいくつも使ってしまう可能性がありますので、季節に関した言葉ではないかと思ったら、使わないようにしておけば安全です。ただし、いくつかの名句には、季重なりのものもあり、必ずしも季重なりが悪いというわけではありません。
3-5.コツ5. 比喩・擬音を使う
俳句には、比喩や擬音も使えます。俳句のタネを探してメモをし始めると、言葉では言い表せない事象があることに気が付きます。
例えば、「雨が静かに降っている」よりも「しとしと降っている」のほうが、その時の情景や、自分の気持ちにピッタリすることがあります。このように、伝えたいことを何かに例える・音で表現すると、より俳句が生き生きとしてきます。
- 何かに例える1(比喩・見立て)
出来語を何かに例えて「~のようだ」とするテクニックです。
雨:滝のような雨
虹:橋のような虹
雲:綿菓子のような雲 - 擬音を使う
出来事を、音に例えて使う方法です。
雨の降る擬音:しとしと・ぽつぽつ・パラパラ・ザーザー
動きを表す擬音:テクテク・ガザゴソ・ウロウロ・ノロノロ
状態を表す擬音:ぐったり・しんなり・つるつる・ぐちゃぐちゃ
【参照:擬音語・擬態語辞典】
3-6.コツ6. 「切れ字」を効果的に使う
切れ字を効果的に使うと、俳句をとてもライブ感のあるものに仕上げることができます。
1章でも解説をしましたが、切れ字は俳句の中で、強調や感嘆を表したい時に使うのが基本ですが、俳句のシーン切り替えをする役割も果たしています。以下は代表的な3つの切れ字です。
代表的な切れ字 | 役割 | 使い方 |
・や | 強調や感嘆 | 直前の言葉を、きっぱりと切るために使う。最も使いやすい切れ字。典型的な「!」として使える。 |
・かな | 強調や感嘆 | 直前の言葉に対し、主に心情的な揺れを表わし、相手に答えを託す時に使う。今風に言うと「~的な?」「~なんだけど」。下5の最後に使われる。 |
・けり | 強調や感嘆 | 直前の言葉に対し、気づきや、驚きを表す。今風に言うと「~だそうな」「~ということらしいよ!」。主に、下5に使われることが多い。 |
今回は、1章で使った松尾芭蕉の「古池や~」の俳句で、「や」の切れ字の効果を見てみましょう。以下の図の通り、「や」が「!」を表す切れ字であり、直前の言葉を強調していることがわかります。
上5の「古池や」で強調と詠嘆をすると、読者の脳内には、日本のどこかにある古い池が映像として浮かんできます。読者は、この上5でもらった「古池や」からいろいろなことを想像しはじめます。
「どこにある池なのかな」
「池の水はきれいなのかな」
「古池でなにが起きたんだろう」
このように、驚嘆を表す「や」があることで、読者が古池を脳裏に強いイメージを残すので、読者が作者の世界観へアクセスしやすくなるのです。
さらに、切れ字「や」は、古池の映像をカットして、別のシーンへ画面を切り替える役割を担います。
イラストのように、切れ字「や」を使うことで、次の中7「蛙飛び込む」に移動した読者の視線は、古池の水面へ向かって、蛙がポチャンと音を立てて飛び込んだ情景や音に切り替わります。
この時、読者の脳内には、以下のような情景が広がりますが、読者の脳内には、まだ古池の強烈な映像が残っています。
「蛙の飛び込んだ音が聞こえるくらい静かな場所なんだな」
「清らかな水の池なんだろう」
「飛び込んだ蛙は一匹だけだったのかな」
このように、俳句の中の「古池や」の切れ字「や」は、直前の「古池」を見た作者の感動を最大限に強調しつつ、同時に「古い池だなぁ!」という感動を声に出して言っているような印象を与え、とてもライブ感のある俳句に仕上がっています。
そして、古池で起きたことを伝えるために、中7下5にカメラワークを切り替え、作者である松尾芭蕉が見た、古い池のある、日本のどこかの情景を、読者にも同時に思い起こさせる役割を果たしているのです。
このように、切れ字にはそれぞれ、独特な効果がありますので、上手に使って伝わりやすい俳句作りに役立てましょう。
◆コラム2◆実は俳句には2つの型がある
俳句には、大きくわけて「一物仕立て」「取り合わせ」という2つの手法があります。
「一物仕立て」は、俳句に切れ目がなく、上からするすると一つのシーンが続いている句のことです。一物とは季語のことですので、「一物仕立て」の俳句では、季語のことだけで俳句を作ります。
「取り合わせ」は、一つの句の中に、ふたつの異なるものが入っている俳句のことです。今回、例題で出した松尾芭蕉の「古池や~」は、古池と蛙のふたつのシーンが出てきますので、取り合わせです。
一物仕立ては上級者向けなので、初心者スタートの場合は、切れ字を上手に使って、情景の切り替えがある「取り合わせ」の俳句を作ることから始めましょう。
3-6-1.切れ字を使わない芭蕉の俳句はどうなるの?
参考までに、松尾芭蕉の「古池や~」の俳句で、切れ字を使わなかった場合をみてみましょう。
切れ字「や」を使わずに、助詞「に」を使っても、俳句としてはおかしくはありません。しかし、これだと「古い池に蛙が飛び込んで水の音がしましたよ」という平坦な内容になり、俳句として読者の共感を得て、強く心を揺らす部分が薄くなってしまいます。
また、切れ字がないことで、場面の切り替わりが起こらないため、読者は最後まで古池に飛び込む蛙にしか焦点が合いません。
そのため、俳句の中で起きている出来事との間に距離感が出来てしまい、作者と一緒に蛙が池に飛び込むところを、遠くから観察しているような雰囲気になってしまいます。
切れ字「や」があることで、一つの俳句の中に2シーンが出来て(取り合わせ)、読者に短い映画のような情景を再生させることができます。切れ字を使わない場合は、シーンの切り替わりが起きませんので、ずっと同じことを語るタイプの俳句(一物仕立て)になっています。
どちらも、俳句としては成立していますので、作者が伝えたい内容によって、切れ字の使用を選択するだけですが、切れ字があると俳句がよりドラマティックになることだけは覚えておきましょう。
3-7.コツ7. 心の図解チャートを確認してから仕上げる
本章でお伝えした「尻から俳句」「俳句タネ手帳」などを駆使していると、俳句を量産するのに慣れてきます。しかし、それでもまだ、自分が伝えたいことと、読み手が受け取ることの間に溝があることに気が付きます。
要するに「伝えたいことが伝わらない」状態です。多くの場合、このもどかしさは、季語の選び方が不適切であることで起こります。
では、なぜ季語選びが上手く出来ないかというと、季語を選ぶ前に、自分が何を伝えたいのかがハッキリしていないからです。
伝えたいことが曖昧な状態で、季語というパワーある言葉を選ぶと、季語の力強い世界観にひきずられてしまい、自分の気持ちにピタリと収まる季語を見つけにくくなってしまうのです。
こういう時には、先に心の図解チャートを使って、自分の俳句を客観的に分析します。心の図解チャートとは、よく占いや心理分析などでみる、以下のようなチャート図のことです。
やさしい言い方をすれば、自分が今作っている俳句の「気分」を振り分けるものです。
チャート図を元に、自分が読みたい句の気分が、チャートの中のどのあたりにあるかを探ります。これは、あくまで自分の中の出来事ですので、この時点では、季語などは気にせずに選んでいきます。
普段の俳句タネ帳作りでも、出来た言葉をすぐにチャート分けしておくと、俳句作りの時の、適切な言葉や季語選びがうまくなります。
3-8.コツ8. 季語は最後の最後に選ぶ
前項コツ7で俳句の気分をつかんだら、最後の最後に季語を選びます。季語は、歳時記などの、季語の内容が細かく書かれたものを参考にしながら、自分の気分とぴったりくるものを、念入りに探します。
何度も言いますが、季語は、万葉集の時代から語り継がれ、千年の時代に洗われて今なお存在する、日本の季節を表す言葉です。季語を的確に選ぶことができれば、俳句作りのほとんどはクリアしたのと同じですから、この最後のコツは、じっくり取り組んでください。【参照:ハンディ版 入門歳時記】
4.もっと上手に俳句が作れるようになる4ポイント
本記事では、もっと早く・もっと上手に俳句が作れるようになるポイントを4つに絞ってまとめています。
ポイント1. はじめたらすぐ俳号をつける
ポイント2.一日のどんな瞬間も俳句にする
ポイント3.句会に参加してみる
ポイント4.コンテストなどにも応募してみる
4-1.ポイント1. はじめたらすぐ俳号をつける
俳号とは、俳句を作る時の名前です。俳句のペンネーム・芸名のようなものです。俳句を見ると、縦書きになった俳句の左下当たりに、誰かの名前が書いてありますが、あれが俳号です。
何でも好きなものをつけてよいので、自分の使いたい文字や言葉を使って自由に俳号をつけましょう。
俳号をつけたほうが良い一番の理由は、発表して失敗しても恥ずかしくないからです。これから俳句をいくつも作って、自分としては、良さそうな俳句ができたとします。
俳句をどこかに発表するときに、本名で出して「稀に見るヘタですね」などと酷評されたら、ちょっと立ち直れないかもしれません。もし、知人や友人も参加していたら、かなり恥ずかしいですね。
俳号であれば、俳句をたくさんの人が読んでも、作者が誰なのかはわかりませんので、安心してチャレンジできます。また、俳号があると、秀作ができたときに「これは私の俳句です」という印にもなります。
作り方の決まりはありませんが、俳句の横に並べて書くことが前提ですので、漢字や平仮名のほうが収まりは良いでしょう。しかし、イニシャルなどを俳号としている方もいらっしゃいます。
例)
本名:山田太郎 仕事:銀行員 趣味:バイク 出身:北海道
俳号の候補:太郎丸・歌人Y・銀鉱印・倍句太郎・北海童
4-2.ポイント2.一日のどんな瞬間も俳句にする
俳句は、頭の中で言葉をこねくり回すよりも、日々の生活の中で、見たまんま・感じたまんまのことを、素直に題材にして作る方が、良い句ができます。
つまり、毎日、自分が目にするもの触れるものは、全て俳句のタネになるわけですから、俳句をはじめると、一日のどのような瞬間もおろそかには出来なくなります。日々起きる良いことだけでなく、嫌なことだって題材にできるのです。
良いこと例 | 嫌なこと例 |
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大切なのは、自分が触れた光景を、よく観察をして、自分なりの解釈をして、必ず俳句タネ帳にメモすることです。これを、俳人であり文学者でもある正岡子規は「写生をする」と表現しました。
目に映ったものをカメラのように映し出すのであれば、機械と同じですが、人の目はどうしても「自分が気になったもの」に吸い寄せられてしまいます。
だからこそ、同じ一枚の情景や写真を見て詠んだはずの俳句なのに、参加した人の数だけ、違う俳句が生まれてくるのです。そこに、俳句の面白さがあるのです。
ですから、「毎日の普通の生活なんて、題材としてつまらないのではないか」などと感じる必要はなく、何でもない暮らしの中にあるものを見つけて、俳句にしていくのが、上達への近道でもあるのです。
4-3.ポイント3.句会に参加してみる
早く上手くなりたければ、句会に行きましょう。句会とは、俳句を趣味としてしている方や、俳句の勉強をしている方が集まる会です。共通点は「俳句をしている」ことだけですので、句会では、全員が俳人として平等な立場にいます。
もちろん、1人でコツコツと俳句を作っていくのも良いのですが、たくさん作っていくうちに、誰かに見てもらいたくなるものです。また、俳句を多くの人の前で発表することで、育まれ・鍛えられて技術が磨かれます。早く上達したいのならば、句会に参加しましょう。
4-3-1.句会ではどんなことをしてるの?
句会には、地域でやっているものと、俳句結社(同好会・グループ・チーム)によって開催されているものがあります。どちらも自由に参加できます。
句会に行くと、だいたい、こんなことをします。
①時間前に会場に到着または専用サイトにログインをしておく。
②子短冊という細長い紙(または画面)に、自分が書いてきた俳句を全て書き写す。
③係員が、全員分の俳句を集めて、出席者にバラバラに再配布する。
④出席者は、自分のところに配られてきた俳句を、清記用紙に書き写します。
⑤清記用紙を反時計回りに回し、その中から、自分の好きな句を選びます。「選句※」といいます。
⑥選んだ俳句を、選句用紙に書き写して提出します。
⑦選ばれた俳句が読み上げられます。自分の句が読み上げられたら、自分の俳号を名乗ります。
⑧手元にある清句用紙に、選ばれている俳句があったら、選んだ人の俳号・作者の俳号を記入します。
⑨主催者が、選評をします。
上記の流れを見るとわかりますが、句会に参加するには、自分が発表する俳句を準備して参加する必要があります。つまり、句会の基本は、俳句の発表会なのです。
4-3-2.句会の参加者って、どんな感じ?
句会の雰囲気は、趣味の仲間が集まる、和やかでにぎやかな雰囲気が多く、初心者にも丁寧な対応をしてくれるところが多いでしょう。面白い俳句が出ているときには、ジョークが飛び交い、かなり楽しい時間になることもあります。
俳句という言葉の遊びを嗜む方が参加していますので、基本的に、お話や言葉使いも面白い方が多く、中級以上の方がしている会話は、ちょっとした掛け合い漫才のような面白さがあります。
句会によって、集まる人のタイプや、選出される俳句のタイプが少しずつ違います。多くの句会はサイト運営をしていますので、主催者の俳句の雰囲気を確認してから参加しましょう。また、どの団体・句会でも、入会金・会費があります。
句会の選び方は、地域の句会の場合は「地域名 句会」(例:東京都渋谷区 句会)と入れると、地元で運営されている句会が検索できます。また、角川書店が編集する月刊の俳句専門誌「俳句」には、全国で活発な活動をしている句会が掲載されています。
2020年コロナ禍以降は、多くの句会や俳句結社で、オンライン句会が開催できるようになっています。また、1人でも複数人でも楽しめる俳句関連のアプリも増えてきています。
以下は全国の句会・俳句結社をネットから探せる団体の一覧です。
団体名 | 活動内容・特徴 | 講座 | ネット句会 |
1961年(昭和36)年発足、世界で唯一の俳句文芸専門の資料センターがある団体。多くの句会と結社が登録をしている。登録句会・結社一覧 | 指導者 向け | 対象: 50歳未満 | |
1987年(昭和62年)発足、高浜虚子の孫である稲畑 汀子が運営、月刊俳句誌「ホトトギス*」を発行する団体。高浜虚子直伝の俳句が学べる保守俳壇の雄。 *夏目漱石が小説『吾輩は猫である』『坊っちゃん』を発表した雑誌。 | |||
1947年(昭和22年)発足。季語なし・口語調・自由律など型にとらわれない「俳句自由」を目指す団体。 | |||
1946年(昭和21年)発足。結社や句会の枠を超えて参加できる、自由な交流をする団体。 | なし | なし | |
1989年(昭和64年)発足。俳句を通じた国際交流を目的とする団体。外国人の俳句参加、俳句英訳を行う。 | なし | なし | |
2018年(平成30年)に発足。オンラインに特化した俳句協会として、俳句の世界配信を目指す団体。Facebookに俳句大学を運営している。 | Ameba ブログ上 で開催 |
【俳句作りに役立つアプリ・サイトの紹介】
名称 | スマホの種類 | アプリの内容 |
俳句てふてふ | 気軽にオンライン句会を楽しめるアプリ。季語が内蔵されているため、適切な物が選べる。自分で作った俳句を投稿、または人の俳句にコメントを寄せるだけもできます。ここで投稿したものを、Twitter同時配信もできます。 | |
五七五オンライン | 俳句をネット上の見知らぬ人と一緒に完成させるアプリ。出されたお題に対し、上5中7下5を交互に書いて2~3人で一句を作る。自分ひとりでは決して生まれてこないタイプの俳句に出会える。 | |
くらしのこよみ | 実際のカレンダーに沿って、自然の変化を表す72の言葉をベースにした画像・図解・俳句・読みものを配信するアプリ。5日ごとに内容が更新されるので、まさに「今」を読む俳句のタネが見つかります。 | |
FCNT株式会社が運営する50代以上のユーザーが多く集まるSNS(ソーシャルネットワーキングサービス)。コミュニティ内の趣味コーナーには、お気に入り登録者が6,000人もいる「俳句」ジャンルがありまます。 らくらくコミュニティに登録しているシニアの方々が、自由に俳句を投稿し、それを詠んだ参加者が「いいね!」やコメントを返しています。 句会とは違う、ただの趣味を同年代の人とほんわかと楽しむ投稿をしたい方は、こちらもお楽しみいただけます。らくらくコミュニティはパソコンからも、スマホからも投稿できます。 |
4-4.ポイント4.コンテストなどにも応募してみる
俳句を早く上達したいのであれば、腕試しとしてコンテスト応募も検討しましょう、コンテスト参加をする一番のメリットは、コンテストには締切・お題などがあるため、目標設定ができることです。
例えば、始めたててであれば、「よし!次のABC俳句コンテストまでには、最低でも50句を作ろう」など、俳句作りの励みになるのです。
また、コンテストの多くは、お題やテーマとすべき写真などがありますので、自分以外の方が、どんな俳句を作ったのかもとても勉強になります。
俳句コンテストは毎年、数多く開催されています。俳句協会が行う新人賞発掘、句会が主催する小規模なもの、大手企業が賞金付きで公募するものなど多数ありますので、年間スケジュールに組みこむのも面白いかもしれません。
一般の方も参加する、有名なコンテストには、以下のようなものがあります。
※全国のコンテストを探す場合には、コンテストなどの専門誌・公募ガイドや、俳句専門誌「俳句」などをご利用下さい。
◆コラム◆参考書籍などの紹介
俳句作りに役立ちそうな、初心者向けの、書籍の紹介をしています。
- 今はじめる人のための俳句歳時記
わかりやすい、丁寧な解説がついた歳時記。スグに使えそうな季語がピックアップされています。
- 角川書店の俳句雑誌 俳句
月刊誌のため、次々と最新の俳句が上がってくるので、読むのが追い付かないほど。俳人だけではなく、歌人・小説家・芸能人・政治家など、俳句に興味のある方が参加して紙面に出ているため、読み物としても面白い。 - NHK 俳句
NHKの俳句講座で使うテキスト。ハガキ応募すれば、添削もしてもらえます。 - 超辛口先生の赤ペン俳句教室
TBSのバラエティ番組「プレバト!」でお馴染みの夏井いつき先生が書いた、俳句添削の本です。大変ためになる赤ペン指導がギッシリです。
- フルーツポンチ村上健志の俳句修行
同上のテレビ番組「プレバト!」史上、最速で上達したと言われるお笑い芸人・フルポンの村上さんが、全国の句会に武者修行参加をして体験した素直な感想と、句会ごとの視点の違いなどを話してくれています。句会選びの参考になります。 - 考える短歌: 作る手ほどき、読む技術 俵 万智
シニア世代なら誰でも知っている「サラダ記念日」の歌人である俵 万智さんがまとめた、短歌に関した指南書です。どうすれば気持ちがストレートに伝わるのかに行き詰っている方に。俳句を始めた状態で俵さんの作品を読むと、一世風靡できた理由に納得します。
まとめ
いかがでしょうか。俳句作りがはじめてのかた、伸び悩んでいる方向けに、俳句の作り方について、以下のようにまとめました。
- 俳句の基本3大ルールを覚えよう
- 具体的な俳句の作り方基本5ステップ
- 初心者でもスラスラできる俳句の作り方8つのコツ
- もっと上手に俳句が作れるようになる4ポイント
3大ルールを外さなければ、少しくらいの失敗は、初心者のうちは誰も咎めたりはしませんので、安心して始めてください。基本5ステップをベースに、8つのコツを組み合わせれば、お持ちの俳句ノートはすぐに、自分らしい俳句で一杯になるでしょう。
また、句会に参加する、アプリなどで自由に俳句を配信する、コンテスト入賞を目指すなど、その人に合った楽しみ方が出来ます。参考書籍なども使いながら、俳句作りを楽しんでください。
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