同じ通所型でも違う!デイケアとデイサービスのわかりやすい違いまとめ

車椅子の夫婦とヘルパー

「デイケアとデイサービスって何が違うのだろう?」と思っていませんか?

同じ通所型の介護サービスでも、その内容と対象者が異なります。

「デイケア」の正式名称は「通所リハビリテーション」であり、利用者が施設(老人保健施設、病院、診療所など)に通い、食事や入浴などの日常生活上の支援や、基本的な生活動作が行えることを目指す機能訓練などを日帰りで受けるサービスです。

「デイサービス」の正式名称は「通所介護」であり、利用者が施設(デイサービスセンターなど)に通い、家に引きこもりがちな高齢者の孤立感の解消や心身機能の維持、家族の介護負担軽減などを目的としたサービスになります。

この文章では、デイケアとデイサービスの内容・対象者を紹介し、どう違うのか詳しく説明します。さらに、両サービスを併用できるのかどうか、介護サービスを受けるまでの流れもみていきます。

デイケアとデイサービスへの理解が深まり、介護福祉サービスを有効的に利用できれば幸いです。


1.デイケアとデイサービスの違いは?

An old couple is doing dumbbell training with a trainer

「通所リハビリテーション」の通称が「デイケア」であり、その名の通りリハビリテーション中心のサービスです。

「通所介護」の通称が「デイサービス」であり、こちらは介護中心のサービスとなります。

サービス内容や対象者など、もう少し詳しくみていきましょう。

1-1.デイケアとは

デイケアは一言でいうと、要支援または要介護の認定を受けた高齢者が利用できる、介護保険給付対象の通所型リハビリテーションサービスです。

例えば、高齢者が病気や転倒によるケガなどで入院した場合、そこから認知症や寝たきりの生活に移行することが少なくありません。デイケアでは、それらを予防するという目的があり、老人保健施設や病院・診療所などの施設に通い、主治医の基で心身機能の回復や維持、生活機能(歩行・食事・更衣・入浴・排泄など)の向上を目指したリハビリテーションを受けます。

対象となる高齢者は、
● 病気やけがの症状が安定している
● 医師や理学療法士の認定を受けている
であり、サービスの中心は
● 理学療法士など専門家の指導による、マシン(機器)を用いた機能訓練
● 作業療法士など専門家が行う、レクリエーションによる身体機能アプローチ
となります。

デイケアを受けるには、

① 介護支援専門員(ケアマネジャー)に介護サービス計画書(ケアプラン)の作成を依頼
② 医師や理学療法士から、デイケア利用の認定を受ける
③ サービスを提供しているデイケアの施設と契約する

という流れで利用開始します(さらに詳細は3章で説明します)。

1-1-1.デイケアにかかる費用

利用する施設の規模やリハビリにかかる所要時間により、デイケアにかかる費用は異なります。介護保険が適用されると、利用者は請求金額の1割負担でサービスを受けられますが、年金だけで年間160万円以上の収入があるなど、一定以上の収入がある高齢者は2~3割負担するケースもあります。

また、要支援の方と要介護の方とサービスの内容や料金体系が異なります。以下の表は、厚生労働省のサイトの「通所リハビリテーション」に示されている利用者負担額(参考額)です。

デイケアの金額

厚生労働省のサイト:https://www.kaigokensaku.mhlw.go.jp/publish/group8.html

1-2.デイサービスとは

デイサービスは一言でいうと、要介護認定を受けた高齢者が利用できる、介護保険給付対象の通所型介護サービスです。

歩行や移動に何らかの支えが必要など、身体に不自由を感じている要介護の高齢者は、家にこもりがちで、孤立感やストレスに悩まされるほか、足腰も弱ってきます。デイサービスは、そのような状態を回避するという目的や、介護を行っている家族の負担を軽減させるという目的があります。

施設によって多少介護内容は異なりますが、
● 利用者を車で自宅まで送迎
● 要介護のレベルに合わせて食事や入浴などのケア
● 施設スタッフによるレクリエーションの提供
● 必要に応じて生活機能向上のためのトレーニング
などのサービスを受けることができます。
また、外出することにより家族以外の人々に接するよい機会にもなります。

要介護の認定を受けている高齢者がデイサービスを受けるには、

① 介護支援専門員(ケアマネジャー)に介護サービス計画書(ケアプラン)の作成を依頼
② 候補施設の絞り込み・実際に見学や体験利用してみる
③ 納得できるデイサービスの施設と契約する

という流れで利用開始します(さらに詳細は3章で説明します)。

1-2-1.デイサービスにかかる費用

利用する施設の規模、介護内容や利用時間によって、デイサービスにかかる費用は異なります。また介護保険が適用されると、利用者は請求金額の1割負担でサービスを利用できますが、年金だけで年間160万円以上の収入があるなど一定以上の収入がある高齢者は2~3割負担するケースもあります。

以下の表は、厚生労働省のサイトの「通所介護」に示されている利用者負担額(参考額)です。

デイサービスの金額

厚生労働省のサイト:https://www.kaigokensaku.mhlw.go.jp/publish/group7.html

1-3.デイケアとデイサービスの比較表

上記の内容を表にまとめます。各サービスの役割や内容、対象者、介護保険適用時の利用者負担額(参考額)を見比べてみましょう。

デイケアとデイサービスの違い

※要支援の認定を受けている方がデイケアを受ける場合、要介護の方とは異なるサービス・料金体系です。


2.デイケアとデイサービスの併用も可能

グラウンドゴルフを楽しむ人

前章で、デイケアとデイサービスは通所(自宅から通い)で受ける介護サービスでありながら、その内容は異なるということがわかりました。要介護認定を受けている高齢者の中には「両方のサービスを受けたい」という方もいるでしょう。

その場合「デイケアとデイサービスの併用も可能」ですが、その両方に介護保険は適応できません。つまり、片方のサービスは利用者が全額負担することになります。

ご参考までに、全額負担の場合の参考金額を表にまとめます。

金額


3.介護サービス利用の流れ

介護

最後に、デイケアやデイサービスなどの介護サービスを利用するときに必要な、要介護認定の申請から介護サービス事業者(施設)選定までの流れを見ておきましょう。

3-1.要介護認定の申請

介護サービスを利用するには「要介護認定」または「要支援認定」を受ける必要があり、市区町村の介護保険課や地域包括支援センターで受付が行われています。

申請に必要なものは、
● 介護保険要介護認定・要支援認定申請書
● 介護保険被保険者証または医療保険被保険者証
● 主治医意見書
の3点と印鑑が必要です。

各書類についての詳細は、受付窓口で確認しましょう。要介護になるのか、要支援になるのかは判定結果次第なので、申請するときに気にしなくて大丈夫です。

3-2.市区町村等による要介護認定調査

市区町村の専門職員や事業受託された法人職員など「介護認定調査員」が申請者の自宅を訪問し、本人および家族と面談します。また市区町村の担当者は、支援や介護が必要な申請者の生活機能を評価するため、医師に意見書の作成を依頼します。

3-3.一次判定・二次判定

上記の調査結果をもとに、コンピューターによる一次判定が行われます。
一次判定の結果と医師の意見書に基づき、医療・福祉・保険の学識経験者5人ほどの審査員による二次判定が行われます。
判定された結果は、郵送で申請者に通知されます。要支援・要介護の認定が下りれば、認定結果通知書と保険証も届きます。
※申請から判定まで、通常約1か月かかります。
※初回認定の有効期限は介護申請日の翌月から6カ月間です。

3-4.介護サービス計画書(ケアプラン)の作成

要支援や要介護の認定を受けた後、介護サービス希望者の現状や、どの介護サービスをどの位利用したいのかを決める計画書(ケアプラン)を、ケアマネージャー作成してもらいます。

● 「要支援1~2」の人は、地域包括支援センターにケアプランの作成を依頼
● 「要介護1以上」の人は、指定居宅介護支援事業者のケアマネージャーにケアプランの作成を依頼

ケアマネージャーは、

● 認定結果通知書と同封されている「居宅介護支援事業所リスト」
● 保険福祉相談所などで無料配布されている介護サービス事業者ガイドブック「ハートページ」
● 「ハートページ」のウェブサイト「ハートページナビ https://www.heartpage.jp/
などで探すのが一般的です。また地域包括支援センターなどで紹介してもらうことも可能です。

ケアマネージャーの対応が、介護サービス利用者の生活を大きく左右するので、ご自身が相談しやすそうなケアマネージャーを探しましょう。また、介護保険利用時はケアマネージャー選定やケアプラン作成に別途費用はかかりません。

3-5.介護事業者選定

ケアプランをもとに、利用する介護事業者(施設)を選択します。ケアマネージャーから介護事業者へ依頼することにより、実際に介護サービスを利用できるようになります。自分の好みだけでは選べないので、ケアマネージャーとよく相談しましょう。


まとめ

ここでは、デイケア(正式名称:通所リハビリテーション)とデイサービス(正式名称:通所介護)について紹介しました。

デイケアもデイサービスも通所型(自宅から通うタイプ)の介護サービスでありながら、その内容や対象者が異なりました。
● デイケア:食事や入浴など基本的な生活動作が行えることを目指し、医師や専門家が指導する機能訓練などが中心の介護サービス
● デイサービス:高齢者の孤立感の解消や心身機能の維持、家族の介護負担軽減などを目的とした介護サービス

また、デイケアとデイサービスの比較表で、サービスや費用(参考額)の違いも確認しました。

さらに、デイケアとデイサービスの併用も可能ですが、その両方に介護保険は適応できない(片方のサービスは利用者が全額負担することになる)ことも紹介しました。

最後に、デイケアやデイサービスなどの介護サービス利用時の全体の流れも見てきました。
1. 要介護認定の申請
2. 市区町村等による要介護認定調査
3. 一次判定・二次判定
4. 介護サービス計画書(ケアプラン)の作成
5. 介護事業者(施設)選定

この文章を読むことで、デイケアとデイサービスがどんな介護サービスなのか理解でき、もし介護認定を受けていないのであれば申請するなど、具体的な行動に移れることを願っています。

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