
「突然、スマホに覚えのない高額料金請求の画面が表示された…、どうしよう」「ワンクリック詐欺に遭ってしまったかもしれない」などと不安に思っている方は多いでしょう。近年、スマホ利用者を狙った詐欺が増えています。皆さんも不安に感じたことはないでしょうか?
ワンクリック詐欺は、主にメールやSMS、ポップアップ表示から詐欺サイトに誘導をかけ、高額請求をしてくる手口のことを指します。
この記事では、そんなワンクリック詐欺の不安を解決するのに役立つ、手口・対処法・予防法などをご紹介します。
スマホに届くワンクリック詐欺に注意!
ワンクリック詐欺に遭うリスクは、年齢を問わず誰にでもあります。スマホにメールやSMSで、ワンクリック詐欺のURLが送信されてくるケースが多いためです。不用意にURLにアクセスしてしまうと、不当な請求・個人情報漏洩などのリスクがあります。
ワンクリック詐欺の厄介な点は、ショッピングサイトや運送業者、銀行などのメールを装い、一見信頼できる発信元のメールと勘違いをさせることです。
「一見、怪しくないから」と、すぐにURLを開くのではなく、送られてくる心当たりのあるメールかどうか見極めることで、安全にスマホを使うことができます。
【事例】ワンクリック詐欺の手口を紹介
ワンクリック詐欺には、さまざまな手口があります。ここでは、代表的な手口3つを確認してみましょう。
ワンクリック詐欺の手口 |
・メールやSMS上のURLから詐欺サイトに誘導 ・Webサイト上のボタンを押した際に金額請求 ・有名企業や運送業者に扮して個人情報を抜き取る |
それぞれの手口について、以下の内容を確認し、トラブル回避の参考にしてください。
メール・SMS上のURLから詐欺サイトに誘導
よくあるワンクリック詐欺の手口の1つが、メール・SMS上のURLから詐欺サイトに誘導するというものです。
メール・SMSでは、以下のような内容で、巧みに詐欺サイトへのアクセスを誘導してきます。身に覚えの無い抽選・プレゼント情報が記載されたメールに注意が必要です。
ワンクリック詐欺のメール・SMSの例 |
・「無料」「当選おめでとう」「今だけの特典を受け取る」など、ついクリックしたくなる文面で誘導する ・何気なくURLをクリックしたら、一方的に「登録完了しました」など契約が成立したかのようなメッセージが表示され、料金請求 ・対応しないと「訴訟」「損害賠償請求」「遅延金発生」など、不安や恐怖をあおるような内容で詐欺サイトへ誘導 |
以下は、実際に送られてきた詐欺メールの画面です。メール内容を見ると、抽選内容やサービス名、詳細情報などが記載されていないことが分かると思います。不自然な記号や英文字の長文URLは、公式サービスが送信するURLにしては不自然であるため、そういったポイントで見極めることが可能です。
また、URLの頭の部分が「http(httpsではない)」である場合も警戒が必要です。httpのURLは通信が暗号化されていないURLのため、利用端末の盗聴できてしまうため、疑う必要があります。
Webサイト上のボタンを押した際に金額請求
Webサイト上で「無料ダウンロード」などのボタンを押したら、高額の料金を請求されるという事例も多数あります。
例えば、違法サイトで動画をダウンロードしたり動画の再生ボタンを押したりすると、「規約への同意」や「年齢確認」が表示されます。これらに同意や入力などの対応をすると、突然、高額な料金請求画面が出てくるのです。
クリックするボタンには「無料」などと表示されていても、よくよく見てみると有料である旨の利用規約が、「とても小さい文字で書かれている」、「見つけづらい場所に表示されている」といったケースがあるため、注意しましょう。
有名企業・運送業者に扮して個人情報を抜き取る
有名なショッピングサイト・運送業者・銀行・携帯電話会社を装って、ワンクリック詐欺のメール・SMSを送ってくるケースもあります。
うっかりメール・SMSに掲載のURLにアクセスすると、本物そっくりに作られた詐欺サイト(フィッシングサイト)に移動してしまいます。
そこで、ログイン情報や支払い情報(クレジットカードなど)を入力してしまうと、個人情報を盗み取られてしまうのです。
有名企業などを偽装する例 |
・サイトのカスタマーセンターを装い「他の人のログイン形跡がありました」など、確認メッセージに偽装した詐欺通知を送り、ログインを迫る ・荷物を配達したが不在で、再配達情報入力が必要としてサイトへアクセスさせ、個人情報を入力させる ・銀行のカスタマーサービスを装い、口座番号などを確認 ・携帯電話利用料金が延滞しているとして、サイトへ誘導 |
基本的に公式サイトがログイン情報などを求めることはないため、ログインを求められた場合は、疑うようにしましょう。
下記は、有名ショッピングサイトを偽り送信された、実際の詐欺メールの画面です。一見、本物と見間違うメール内容ですが、よく見ると「親愛なる」「こんにちは!」など、公式が使わない不自然な文章が記載されていることが分かると思います。
また、サービス名がアドレス内に含まれていないことを確認して判断するのも良いでしょう。詐欺メールのメールアドレスは、英数字の羅列を使われていることが多いです。ただし、近年は詐欺メールでもサービス名がメールアドレスに含まれている場合も存在するため、判別が難しい際は公式に問い合わせるのが最も安全です。
ワンクリック詐欺に遭った際の対処法
ワンクリック詐欺に遭遇した場合、落ち着いて以下の対処を取りましょう。
料金請求に応じず無視をする
ワンクリック詐欺への、一番適切で最善の対処法は、料金請求に応じず無視をすることです。
契約とは関係のないボタンをクリックし、一方的に「登録完了しました」など契約が成立したかのようなメッセージが表示されても、契約は不成立で支払いの義務はないからです。
特定商取引法では、有料の契約と明示していない場合などの契約は無効としています。
「裁判沙汰にする」など脅迫めいた内容があっても真に受けず、決して振り込まないことが大切です。
サイト上で住所を入力するなどを行い、相手に住所が把握されている場合は、訴状名目の郵送物が届く場合もあります。その際は、「消費生活センター」に相談しましょう。
閲覧履歴をキャッシュ含めて削除する
ワンクリック詐欺に遭遇したら、閲覧履歴(キャッシュ)を削除しましょう。
ワンクリック詐欺に遭ってしまった場合、「戻る」を押しても請求画面が消えず、何度も表示される可能性があるからです。
以下の手順で、ブラウザやアプリから履歴(キャッシュ)を消すことで、請求画面を消すことができます。
スマホの閲覧履歴の削除方法 |
【Android端末】 ①「設定」から「アプリ」を選び「Chrome」を選択 ②「ストレージ」の中から「キャッシュを消去」を選択 |
【iOS端末】 ①「設定」から「Safari」を選択 ②「履歴とWebサイトデータを消去」から「履歴とデータを消去」を選ぶ |
ログイン情報・個人情報の変更を行う
ワンクリック詐欺と気付かずに、誤って情報を登録してしまった場合などは、速やかにログイン情報・個人情報を変更しましょう。
登録後に放置してしまうと、不正アクセスをされアカウントを悪用されるなど、被害が大きくなる可能性があるためです。
誤って登録してしまった場合は、そのまま放置せず専門家や公的機関に相談し、自分一人で解決しようとしないようにしましょう。
ワンクリック詐欺に遭わないための予防法
ワンクリック詐欺に遭うことを未然に防ぐには、以下の予防法が効果的です。
ワンクリック詐欺に遭わないための予防法 |
▼不用意にURL・動画・広告をクリックしない ▼個人情報を入力する前に公式のお問い合わせで確認する ▼利用規約を確認する ▼アプリのDL時は提供元を確認する ▼スマホのセキュリティ設定を強化する |
順番に確認していきましょう。
不用意にURL・動画・広告をクリックしない
ワンクリック詐欺に遭わないためには、不用意にURL・動画・広告をクリックしないようにしましょう。
送信元不明のメールに記載されたURLや、SNS上の広告・動画は、ワンクリック詐欺への導線である可能性が高いからです。
安易に不要なクリックをしないことで、被害を未然に防げます。また、成人向けのサイトでは詐欺のリスクが高いので、「はい」「入場」などの認証ボタンを安易にタップするのは避けましょう。
個人情報を入力する前に公式のお問い合わせで確認する
有名企業からお知らせが来た場合であっても、個人情報の入力を求める内容なら、メール・SMS記載のURLではなく、Web検索上の公式サイトのお問い合わせから相談・確認するようにしましょう。
大手企業や金融機関を偽装したワンクリック詐欺メールも多いからです。特に、ログイン情報・個人情報を求められたときは、必ず確認することをおすすめします。
利用規約を確認する
サービスの利用やデータのダウンロードをするときは、必ず利用規約を確認しましょう。
特に、料金が発生するかどうかや、利用にあたっての契約成立の有無などの記載を確認してから、サービスを利用すると安全です。
悪質なサイトでは、利用規約が無い場合もあります。利用規約の有無やその内容を確認することで、不審なサイトを見極めるヒントにもなるでしょう。
アプリのDL時は提供元を確認する
Webサイト上からアプリをダウンロードする場合は、提供元を必ず確認してください。
公式のアプリストア以外でダウンロードする場合、appleやGoogleの審査を通過していないアプリであるため、安全性の保証がないからです。
特に無料ダウンロードできるアプリの場合は危険性が高い傾向にあるので、提供元の確認をし、不明な提供元のアプリはダウンロードしないようにしましょう。
スマホのセキュリティ設定を強化する
スマホのセキュリティ機能によっては、URLからサイトを開く際に、警告を表示することができます。誤ってワンクリック詐欺のURLをクリックしないよう、セキュリティ設定を強化しておきましょう。
例えば、らくらくスマートフォン F-52Bの場合、不審なURLを開く際に注意喚起をしてくれる「フィッシング詐欺警告機能」が搭載されています。
また、電話帳未登録の連絡先からの着信・メールがあると事前に教えてくれる「迷惑電話・メール対策機能」も搭載されているので、安心してスマホを利用することができます。
詳しくは「らくらくスマートフォン F-52Bの商品ページ」をご確認ください。
【注意】新しいクリック詐欺
1回クリックしただけで料金請求画面などが表示されるのがワンクリック詐欺ですが、最近では新たなクリック詐欺も増えています。
代表例は、複数クリック詐欺・ゼロクリック詐欺です。ワンクリック詐欺とあわせて注意しましょう。
複数クリック詐欺
複数クリック詐欺とは、ワンクリックではなく複数の手順をあえて踏ませたうえで、不当な請求などをする詐欺のことです。
正常な登録の手順であると利用者に思い込ませるために、会員登録やメール確認など複雑なステップが用意されています。
複数クリック詐欺への対処法は、ワンクリック詐欺と同様、無視する・履歴を削除するなどが有効です。
ゼロクリック詐欺
ゼロクリック詐欺とは、1回のクリック(ワンクリック)ですら必要としない詐欺の手法です。
詐欺目的のサイトにアクセスしただけで、突然高額な料金を請求するポップアップが表示されます。
クリックすらしてなくても詐欺に遭うケースがあることを念頭に置き、もしものときも冷静に対処できるようにしておきましょう。
まとめ
ワンクリック詐欺の危険性は、メール・SMS・Webサイトなど身近なところに潜んでおり、誰でも被害に遇う可能性があります。安易にURLなどをクリックするのは避け、万が一、料金請求画面が表示されても無視するなど、適切な対応を取ることで身を守りましょう。