
シニア世代も使えるSIMフリーのスマートフォン(以下、「スマホ」と表記)をお探しでしょうか。
SIMフリースマホは、「格安スマホ」という名前で呼ばれているとおり、格安=料金が大手通信事業者3社(キャリア)より安いことから、スマートフォンを初めて持つお子様やシニアのご両親にすすめたいとお考えの方も多いでしょう。
しかし、
「シニアにも使いやすい格安スマホの機種やサービス、具体的にどういうものがあるのかわからない」
そんな方に、シニアにも使いやすいSIMフリースマホ、格安スマホをご紹介します。この記事を読み終わったときには、ご両親にプレゼントするのに最適なSIMフリースマホが分かるようになるでしょう。
目次
1.「 SIMフリースマホ」がシニアのスマホデビューにおすすめの理由3つ
ここでは、シニア世代がガラケーからスマホに乗り換える際、SIMフリーがおすすめな理由を述べていきます。
1-1. 月額料金がキャリアのスマホに比べて安い
ここで言う「月額料金」は月々に支払う通信料のことです。(スマホ本体の価格は機種によります)
以下、キャリア3社と格安SIM3社をデータ通信量1Gで比較してみました。(家族割は含まない・2年縛りは利用しない・通話時間は5分程度と仮定・その他の割引は考えない・通話機能のみ)
格安SIMは、1G・通話のみのプランで最も安い3社を選んでいます。
| 通信会社 | プラン名 | 月額合計(税別) | 参考 |
大手通信事業者3社(キャリア) | NTT docomo | ベーシックパック<ステップ1> | \2900 | |
au | 新auピタットプラン + 通話定額ライト | ¥3680 | https://www.au.com/mobile/charge/application-ended/new-pitatto/ | |
ソフトバンクモバイル | ミニモンスター+ 定額オプション | ¥4500 | https://www.softbank.jp/mobile/price_plan/data/mini-monster/ | |
格安SIMの一例 | LinksMate | 1Gプラン+音声通話機能オプション | ¥1100
| |
LINE MOBILE | LINEフリー3G | ¥1480 | ||
DTI SIM | 音声通話用SIMカード | ¥1200 |
上記価格は2020年4月時点での価格です。最新版は各キャリアのHPをご確認ください。
格安SIMがとても安いことが一目瞭然です。
1-2. 使う分、使い方に合わせてプランを簡単に選べる
SIMフリーならば、「通話料とデータ通信量1G分だけ」とシンプルな月額料金のみの支払い方ができます。
キャリアのプランは、「基本料金+データ通信量によるパケット代金+その他(接続サービス料金など)」と組み合わされていることがほとんどです。
また2年契約縛りや家族割、特定のプロバイダ利用割引などで割引するサービスがありますが、かえって料金がややこしく分かりにくくなっています。
一方でSIMフリーの場合は、使う機能だけを選んでオプションとして追加していくだけなので非常にわかりやすいことが多いです。
ホームページで料金シミュレーションができるので、気になるところでシミュレーションしてみるとよいでしょう。
ガラケーを利用していたシニアの方は、通話やメールに使っていることがほとんどで、それほどデータ通信量は多くありません。
また、スマホにしたからといって急に動画をたくさん見たりゲームを複数遊んだりはしないと思われます。
ですから、「通話機能と、ごく少ないインターネットのデータ通信量」で十分と考えられます。
SIMフリーの方が、使うデータ分量と使い方に合わせてプランを組み立てられるので無駄がないため、さほど多くの機能を必要としていないシニアの方にはおすすめです。
1-3. ガラケーよりスマホの方が災害時などに安心。SIMフリースマホも非常時に対応可能
災害大国である日本では、非常事態における通信手段、連絡手段の確保は必須です。この機能が、スマホはガラケーより優れています。
シニアの方にこそ、ぜひスマホを持たせてあげてください。
シンプルで料金の安いSIMフリースマホならば気兼ねなく持ってもらえるでしょう。
たとえば、ラジオのアプリを入れれば、スマホさえあればラジオを聴くこともできます。
また、LINEアプリは、電話回線が混雑で使えない場合もインターネット回線で通話ができます。
さらに、LINEチャットには、相手がそのメッセージを見た場合「既読」と表示されるため、相手が少なくともスマホを見られる状態にあることが確認できます。
元々このLINEの「既読」機能は、2011年に起きた東日本大震災の際の経験をもとに、被災者の安否がすぐに確認できるようにと実装されたものです。
通話料金も無料なので、シニアの方にスマホをもってもらう場合、LINEアプリはぜひ入れてあげたいところです。
さて、現在、弾道ミサイル攻撃に関する情報や緊急地震速報、津波警報、気象警報などの緊急情報を、消防庁では地方公共団体と連携して国民に発信するシステム「全国瞬時警報システム(Jアラート)の整備をすすめています。
このJアラートは数年前までSIMフリースマホには対応していないものもあったのですが、現在は消防庁の指導によりほとんどのSIMフリースマホが対応しています。
もしも対応していない場合はアプリをダウンロードすることで対策できます。
そのため、SIMフリースマホであってもシニアの方にもっていただくには、災害対策の点でも全く問題はないと言えます。
2. シニアにも使えるSIMフリースマホおすすめ4選
上記ではSIMフリープランについて簡単に説明しました。
ここではシニアの方にもわかりやすい、使いやすいスマートフォンをご紹介します。
なお、SIMカードを契約した会社のカードに差し替えればいいだけなので、キャリア3社で購入したスマホや、家族の誰かが使っていたものを貰い受けたスマホでも使える場合があります。
ただし、機種によってはSIMカードが適合しない場合もあるので、事前に確認が必要です。
2-1. らくらくスマートフォン me F-01L(富士通コネクテッドテクノロジーズ)
http://www.fmworld.net/product/phone/f-01l/
デザインや使いやすさが追求されたシニアにぴったりのスマートフォン。画面のボタンを押し込むと「ブルッ」と指先に振動が伝わり、押し込んだ感覚がよくわかるようになっています。画面を「滑らせる」感覚に慣れないシニアに向いている親切設計です。
大きな画面や見やすい文字、防水・防塵機能、またわからないことがあるとき尋ねられるサポートサービス、音声読み上げ機能なども充実。
また、公益財団法人 全国防犯協会連合会が推奨する「有料迷惑電話防止機器」(有料防犯電話)にも認定されています。
シニアの方に安心してもってもらえるスマホです。
【参考価格】40,824円
【ROM(ストレージ容量)】32GB
※らくらくスマートフォンはスマホ単体で入手するのが難しいのが現状です。ドコモショップで端末だけを買うことができません。富士通コネクテッドテクノロジーズ製のSIMフリースマホであれば、arrowsUやarrowsRX、arrowsJもお勧めです。
2-2. TONE e19(トーンモバイル株式会社)
https://tone.ne.jp/pickup/beginner.html
「TSUTAYAのスマホ」で知られているトーンモバイル。
大きいメニューアイコン、シンプルな画面、手厚いサポート、見守り機能、健康管理機能など、シニアのスマホデビューに最適なサービスと機能が充実しています。
シニア本人の使いやすさの追求はもちろんですが、どちらかというとシニアを見守る立場の子ども世代孫世代には、特に安心できるサービスが多い印象です。
【参考価格】19,800円
【ROM(ストレージ容量)】32GB
2-3. BASIO3(京セラ)
https://www.kyocera.co.jp/prdct/telecom/consumer/lineup/kyv43_j/
大きく見やすいホーム画面でタップ位置がわかりやすい。画面には傷がつきにくく、高い強度を誇るガラスを採用。安心の防水・防塵設計。
また、事前に設定することでガラケーで使い慣れた「テンキー操作」ができるため、文字入力も戸惑わずにできます。
カメラも使いやすく、音声も聞き取りやすく、シニアの方がわかりやすく使いやすいように工夫されています。
【参考価格】49,680円
【ROM(ストレージ容量)】32GB
2-4. ZTE BLADE E02
http://www.zte.co.jp/press_center/news/ztejapan/201709/t20170922_15567.html
スマートフォンビギナーにもうれしい1万円台のお買い得感の高いモデル。
ストレージ容量は16GBを搭載し、快適な操作、片手でも持ちやすく滑りにくいデザイン、充実した基本性能。明るいレンズと画像加工・編集機能、マニュアルモードで表現が拡がるカメラも搭載しています。写真が趣味の方にはおすすめの機種です。
さらに、スマートフォンビギナー向けに、よく使う機能や連絡先が色分けされた大きなボタンで表示される「ファミリーモード」を搭載。それでいてシンプルでスタイリッシュなUIです。
「いかにもシニア向け」というデザインには少し抵抗がある方にもおすすめです。
【参考価格】17,800円(税抜き)
【ROM(ストレージ容量)】16GB
3. シニアにふさわしいデータ容量プランはどれくらいか?
この場合のデータ容量とは、データ通信量を指します。
一般的にガラケーを使っていたシニアの方は、データ通信量はそれほど多くありません。通話やカメラ機能にはデータ通信量はかからないためです。メールもショートメッセージならば無料の場合が多かったと思われます。
スマホの場合も、通話とメール、ひとつ程度のアプリならばほとんどデータ通信量は必要ないと考えられます。
しかしアプリをダウンロードして動画を見たりゲームをする場合は、当然多くのデータ通信量が必要になります。
最初はスマホが使えないシニアでも、触っているうちに馴染んできて、新しい機能やアプリをどんどん使いこなしていく方も中にはおられます。そのような方には、大目のデータ通信量が必要です。
一般的に、1ヶ月で使う平均的なデータ通信量は3GB以下だといわれています。
最初は1G程度で契約をし、その後様子を見て、容量が不足しているようならばプラン変更するのが賢明と言えるでしょう。
プラン変更はどの事業者でも、月ごとに自由に変更できることがほとんどです。心配な場合は、契約の際にプラン変更タイミングや回数についても聞いておきましょう。
4. シニア世代のSIMフリースマホ端末とMVNO(通信事業者)の選び方
実際にSIMフリースマホを使うために必要な端末と、契約する事業者の選び方をここでは述べていきます。
4-1. MVNO(通信事業者)を選ぶ基準
端末と事業者どちらを先に選ぶかですが、事業者ごとにプランと端末がセットになっていることがあります。
また、端末も、通常売られているものと同じ機種だけれど、その事業者向けに少し安く作られている場合もあるので、まずは契約する事業者を料金やサポートから選び、それから自分に合った端末機種を選ぶ方が現実的でしょう。
①プランの料金体系(安さ)
これはMVNOごとに大きく差があるわけではありません。
②プラン内容
一か月に使うデータ通信量を選択するほかに、さまざまなオプションが用意されています。
例えばLinksMate(リンクスメイト)の場合、以下のようなオプションが用意されており、これを契約の際に選びます。
・音声通話機能
・留守番電話機能
・割り込み通話機能
・10分かけ放題
・追加容量チケットオプション(2枚)
・追加容量チケットオプション(10枚)
※追加容量チケットについてはこちらをご確認ください。https://linksmate.jp/about/capacity-ticket/
もちろん、オプションは何も選ばないことも可能です。
③サポート体制
端末修理やSIMカードの修理などの保険・保証プランが用意されている場合もあり、必要に応じて選択できます。
例:LinksMate のサポートについてhttps://linksmate.jp/support/
4-2. スマホの端末を選ぶ基準
ガラケーから乗り換える初めてのスマートフォンです。特にシニアの方は、初めてのものに慣れるのに時間がかかります。
可能な限り手にとってもらい、使いやすいものを選んでください。
防水・防塵機能や耐久性の高いガラスを使用しているものもおすすめです。
①使いやすさ
文字が大きいか、ボタンは見やすくわかりやすい位置にあるかを確認しましょう。
②サポート体制(端末の故障、使い方質問など)
メーカーで保証は1年間ついているのが普通です。
使い方のサポートサービスがあると、さらに便利ですね。
例えば、富士通のらくらくスマートフォンの場合は、初めてスマートフォンを使う方向けの教室を開催しています。また、実際に使っている際にわからなくなったときには質問できるボタンが端末についています。
https://www.nttdocomo.co.jp/support/utilization/product/f12d/index.html
③同世代の友人知人、子世代との端末機種共有
これはシニアならではの、端末を選ぶポイントと言えます。
シニアの方の場合、まだ周りの知人や友人にスマホを使っている方が多くない場合もあり得ます。そのため、たとえば周りの人と同じ機種を使っていない場合、使い方がわからなくなって困った際に誰にも教えてもらうことができないためストレスを感じる可能性があります。
スマホのUIはiphoneとAndroidでもかなり違います。使い方を共有できる人がいる方が傍にいる方が良いので、例えばご夫婦で同じ機種の色違いにするなどしてみてください。
④セキュリティ
日本製の場合はセキュリティについてはほぼ問題はありません。
Huawei製品など海外の端末を選ぶ場合は、リスクもあることを心得ておきましょう。
5. SIMフリーで大丈夫?不安な点5つを解消
「SIMフリースマホがシニアが使うのに充分な機能をもち、料金も格安だとはわかったけれど、まだ不安な点がある」
という方へ、ここではSIMフリースマホを契約し使う際に考えられるいくつかの不安点とその解消法を挙げます。
この内容をお読みになってもどうしても納得がいかないと思った方は、キャリアの安いプランを探したほうが建設的でしょう。
5-1. 海外メーカー品でも問題ない?
海外メーカー品でもスマホ端末としての品質・性能には、ほぼ問題はないでしょう。検索しても出てこないようなよほど怪しい機種、見たことも聞いたこともないような機種でなければまず大丈夫と言えます。
しかし、もしもセキュリティ面で不安を感じるのなら、使わない方が無難です。個人情報が抜かれてしまうのではないかと心配な方は、日本製を選びましょう。
なおSIMカードは日本の事業者の提供するものですので、特に不安になることはありません。
5-2. ストレージ容量は十分か。残量がなくなった時の対応方法は?
スマホのデータを入れておくストレージ容量が不足すると、アプリがダウンロードできなくなったり、写真が撮れなくなったりします。
スマホにすれば綺麗な写真が撮れるのでたくさん撮りたい、と楽しみにしているシニアの方は多いでしょう。そのため、ストレージ容量が購入しようとしている機種にどの程度あるのか、前もって調べておく必要があります。
目安としては16GB以上は欲しいところです。(この記事で紹介したものは4つとも16GB以上です)
もっとも、もし写真や動画でストレージがいっぱいになってしまったとしても、バックアップ用外付けハードディスクがあればそちらに保存は可能です。
ですので、よほど容量が少なく、使い方と合っていないことがなければ、それほど不便は起きないと思われます。
5-3. SIMカードの保証はどうなっているの?
多くのMVONでは、SIMカードの保証はありません。
SIMカードが破損した場合、不具合が起きた場合は、再発行の手続きを取るのが一般的のようです。
SIMフリースマホを使う場合は、この点がいちばんの注意点と思われます。
破損までの期間はそのSIMによるため、個体差が大きいのが現状のようです。再発行料金はおおむね2000円程度とのことです。
この点が不安ならば、SIMフリースマホを選ぶのはやめたほうがよいかもしれません。
5-4. Jアラート(全国瞬時警報システム)に対応している?
弾道ミサイル攻撃に関する情報や緊急地震速報、津波警報、気象警報などの緊急情報を国民に発信するシステム「全国瞬時警報システム(Jアラート)。
このJアラートに対応していないSIMフリースマホも数年前はあったのですが、現在は消防庁の指導によりほとんどのSIMフリースマホが対応しています。
中古の機種を購入する場合などは、念のため確認するようにしましょう。
もしも対応していない場合はアプリをダウンロードすることで対策できます。
シニア向けスマホは、機種によってはアプリが自由に入れられないものもあります。アプリが入れられるかどうかも確認しておきましょう。
「MVNO 事業者が扱う Android 端末における緊急速報メールの受信(平成30 年1月30 日)」
総務省消防庁「国民保護」のページ
5-5 今までのメールアドレス(キャリアメール)が使えない
今までドコモやau、ソフトバンクなどの大手キャリアでケータイやスマホを使っていた方は、〇〇@docomo.ne.jpといった、キャリアメールを使っていた方も多いでしょう。SIMフリーになるとこのメールアドレスは使えなくなるので注意が必要です。
6. まとめ
シニアの方がスマホを持つ場合、SIMフリースマホは、とにかくスマホの通信費用を節約したい!と思っているシニアにおすすめです。
シニアの方は、通話とメールが携帯電話の利用のほとんどを占める場合が多いため、キャリア3社のスマホのプランでは使わない部分が多すぎてもったいないと言えます。
そのため、使う分だけをプランとして選べ、契約できるSIMフリースマホはぴったりです。
ただし、SIMの破損や不具合の際、保証はありません。その点は心得ておきましょう。
シニアの方が使いやすい端末を十分に吟味して選びましょう。実際に触ってみて使いやすいと感じるものがいちばんです。
まずはこの記事で紹介したものから試してみてはいかがでしょうか。
スマホデビューはSIMフリーでお得に、満足できるプランをあ見つけてください。
コメント