
「シニア大学ってどんなところだろう」
「自分のやりたいことはシニア大学で学べるのかな」
シニア大学とは、全国にある地方自治体や市区町村の福祉法人などが運営する高齢者教室です。運営している自治体によってその内容はさまざまですが、おおよそ以下のような内容です。
シニア大学とは? | |
運営母体 | 地方自治体や市区町村の福祉法人 |
受講期間 | 全8回や3ヶ月ほどの短期間のコースから2~3年制のコースまでさまざま |
講義内容 | 健康長寿系または地域活性系の多彩なプログラム |
学費 | 完全無料から入学金と授業料のかかるものまでさまざま |
通学 | 週1回~週2回程度 |
入学資格 | おおむね50歳または60歳以上で自治体周辺の居住者 |
入学試験 | なし |
卒業・学歴 | 最終学歴にはならない |
例外のシニア大学もありますが、自治体が運営しているので、その地域の居住者に限定して募集を行っているのが特徴です。
この記事では、シニア大学がどんなところなのかをわかりやすく説明した上で、シニア大学に限らず、あなたの求める学びを授けてくれる「シニアが学べる大学」についても分かりやすくご紹介していきます。
本記事のポイント
- シニア大学について知ることができる
- 「シニア世代が学べる大学」を知ることができる
- 自分に合った「シニア世代が学べる大学」の選び方が理解できる
この記事を読むことで「シニアの今だからこそもっと学びたい!」というあなたの希望にぴったりの、シニアが学べる多彩な大学を知り、自分に合う学びのスタイルを選ぶことができるでしょう。
1.シニア大学とは
シニア大学とは、正式名称を「老人大学」と言い、みずからの教養を高めて学び続けたいと願う、おおむね50〜60歳以上の高齢者を対象とした教養講座です。
「大学」という名前がついていますが、「学校教育法」や「大学設置基準」に基づく大学には当たらず、全国にある地方自治体や市区町村の福祉法人などが運営する高齢者教室のことを指しています。
シニア大学の設置目的は、おおよそ以下の通りです。
自治体によるシニア大学の設置目的
- 定年後の高齢者などに勉学に励む場や機会を提供する
- 趣味を愉しむことを通じて地域と繋がりを持つ、深い友情を培う
趣味や教養を通じて、高齢者の生きがいと教養を高めるものと言えます。
どんなことを学べて、どんな条件があるものかなど、シニア大学について詳しく見ていきましょう。
1-1.シニア大学の運営母体
シニア大学は、主に地方自治体や市区町村の福祉法人などが運営しています。
自治体が「老人大学運営事業」の実施要綱を作成し、福祉課や教育委員会などが主管するもので、社会福祉協議会や老人会といった団体による支援を受けているものなどもあります。
「大学」という名称がついていますが、専門の教室施設を持っているところは少なく、地域の公民館や市庁舎の講堂や会議室、国公立博物館のホールなどを利用して開催します。
開校が昭和45年前後にさかのぼるところも多く、「老人大学」から「シニア大学」に名称を変え、講座の内容を時代に即したものに変化させていくなど、自治体ごとに、より魅力的な大学作りを目指しています。
1-2.シニア大学の受講期間
受講期間は講座によって異なりますが、基本的に一度きりの講座といったものではなく、全8回や3ヶ月ほどの短期間のコースから2~3年制のコースまで、一定以上の期間の継続受講が求められます。
同じ目的や興味を持ったほかの学生と継続的に学ぶことが奨励されているため、仲間作りがしやすくなっています。
1-3.シニア大学の講義内容
カリキュラムは一般教養科目から専門科目、趣味の講座や健康づくりのスポーツなど多岐にわたります。
科目や講座ごとに、その道の専門家を招いて講義を行います。
シニア大学によっても異なりますが、だいたい以下の2つの目的と方向性で講座を開設しています。
シニア大学の講義の2つの目的と方向性 | |
方向性①: 健康長寿プログラム | 安心して暮らしていくために必要な知識の習得、健康習慣を身につける |
方向性②: 地域活性プログラム | NPO活動やボランティア、起業などを目指すシニアのために、実践的なノウハウを授ける |
■健康長寿プログラム
これからの人生の方向性を展望するため、人生・仕事・お金・健康といったさまざまな要素について、総合的に考える機会と情報を得るものです。
健康長寿プログラムの一例:
- 「老後のお金」の使い方/残し方
- 自分の足でいつまでも〜史跡探訪フィールドワーク~
- 男の料理教室健康習慣を身につける講座では、実際に体を動かしてみたり「不自由な状態」を体験することで将来に備えたりと、座学だけではない有機的な講座を提供するところが多いです。
一回ごとの講座の受講人数が多く、受講期間が短いものが多いです。
■地域活性プログラム
地域の課題を明確に捉え、学びながら地域活動に参加するものです。
地域活性プログラムの一例:
- 地域で子どもを育てる
- 郷土料理や、観光業から地域活性化を図る活動
保育園の待機問題や商店街の過疎化など、その地域で起きている身近な問題について、グループワークで課題をこなしたり発表をしたりして、具体的な問題解決策を自分達の手で作り上げていくことを目的にしています。
ビジネス経験がない人でも、長年主婦をしていて社会人ブランクが何十年もある人でも、「問題解決したい」という意思があれば、さまざまな分野の専門家から知識と方法論を学ぶことができるのです。
1-4.シニア大学の学費
入学金を含めたすべての学費を完全無料で提供しているところもあれば、1万円ほどの入学金を支払うところもあり、自治体によって異なります。
また授業料についても、月謝制だったり年間授業料を一括または分割で支払ったりと、シニア大学によってさまざまです。
一般的に、健康長寿プログラムよりも地域活性プログラムの方が、学費が高くなる傾向があります。
1-5.シニア大学の通学
新型感染症の影響によりオンラインで開催しているところも多いですが、基本的には週に1回、市庁舎の講堂やカルチャーセンターなどに通います。
座学なのかグループワークなのか、運動を伴うのかなどの講義内容によって、回ごとに教室が変わるのが一般的です。
また、授業のほか、料理やゴルフ、ハイキングや芸術鑑賞といったさまざまなサークル活動を奨励しているところが多いため、授業のない日にも学生同士で集まり交流を楽しむことができます。
1-6.シニア大学の入学資格
シニア大学の入学条件は、おおむね50歳または60歳以上を対象としているところが多く、原則的にその自治体周辺の居住者に限って募っています。
年齢の下限設定以外、学歴や性別、その自治体の居住期間についての条件を設けているところはありません。
1-7.シニア大学の入学試験
シニア大学への入学に、試験を設けているところはありません。
3ヶ月を1学期として講座を開設していますが、年度の途中でも学期の途中でも、希望者は無試験で入学することができます。
また、入学試験だけでなく、学習内容の理解度や進捗度を確認するための試験やテスト、宿題等も一切ありません。
1-8.シニア大学の卒業資格
シニア大学の中には、対象の講座にすべて出席した学生に対して、卒業資格を与えるところがあります。
2年または3年の大学年限だけでなく、さらに2年の大学院を設けているところもあるため、卒業後はシニア大学院で学びを継続することができます。
ただし、この章の冒頭でもお伝えしましたが、シニア大学は「学校教育法」や「大学設置基準」に基づく大学のことではないため、シニア大学を卒業しても、最終学歴として記載されるものではありません。
2.全国の主なシニア大学一覧
全国の自治体で現在展開している、主なシニア大学を一覧にしました。
自治体によって、活動の頻度や内容はさまざまですが、ほとんどのシニア大学が、年度や学期の途中であっても新入生の受け入れをしています。
もしもあなたの居住エリアにシニア大学がなかったとしても、大きなシニア大学であれば居住地域に関係なく入学することができるため、下記の一覧を参考に、まずは気軽に問い合わせてみてください。
大学名 | 教室所在地 | 入学資格 | 学費 |
奈良市・橿原市 東京都港区 | 知的好奇心溢れる方なら誰でも | 入学金:11,000円 授業料:11,000円 保険料:800円(年額) | |
京都市中京区 | 55歳以上 | 入学金:10,000円 授業料 :23,000円 | |
横浜市内18箇所 | 横浜市内在住のおおむね60歳以上 | 受講料:2,000円(全8回) | |
北海道旭川市 | 毎年4月に、シニア大学1年生のみ入学申込・受付 | 無料 | |
岩手県花巻市石鳥谷町・東和町 | 市内に居住する60才以上 | 無料(材料費や見学料などは自己負担) | |
広島市 | 広島市内に在住の65歳以上 | お問い合わせください | |
埼玉県伊奈町 | 県内在住で満50歳以上 | 授業料:28,000円(4月~9月・18日間) | |
さいたま市内6箇所 | 市内在住の60歳以上 | お問い合わせください | |
東京都世田谷区・三鷹市 | 1.都内在住または在職の65歳以上 2.55歳以上64歳まで 3.中高年齢者と企業対象のオンライン | 無料 | |
東京都杉並区 | 区内在住で60歳以上の方 | 無料 | |
千葉県内6箇所 | 県内に住所を有する原則として60歳以上 | 【授業料】 健康・生活学部:16,400円(2年・週1回) 造形学部:33,300円(2年・週1回) 造形学部:59,200円(1年・週2回) | |
長野県内10箇所 | 概ね50歳以上の県内在住者 | 年間12,000円 | |
草津市・米原市 | 県内に居住し、毎年10月1日現在において60歳以上 | 授業料:前期25,000円/後期25,000円 | |
岸和田市内19箇所 | 65歳以上 | お問い合わせください | |
東京都江戸川区 | お問い合わせください | お問い合わせください | |
佐賀県内4箇所 | おおむね60歳以上 | 入学金:無料 受講料:36,750円(年額)
| |
広島県福山市 | 福山市に住所を有する満60歳以上 | 年会費:14,000円 | |
兵庫県加古川市 | 60歳以上の県内在住者 | 入学金:6,000円 学習費・教材費:50,000円 | |
島根県松江市・浜田市 | 原則として島根県内在住で 60 歳以上 | お問い合わせください | |
兵庫県明石市内13箇所 | 60歳以上の明石市民 | 年額:1,000 円 |
地域密着型のシニア大学で仲間を作りながら勉強するもよし、全国規模のシニア大学で知的好奇心を満たすもよし、あなたの学びのイメージに合うシニア大学を見つけてください。
3.シニアが大学で学ぶ3つの方法
シニア大学は「学校教育法」や「大学設置基準」に基づく大学ではないため、大学に通って本格的に専門分野について勉強することを想像していた方には、もしかしたら物足りなく感じることもあるかもしれません。
もっと本格的な学びを求めている、学位を目指したいという方には、シニア大学ではなく正規の大学で学ぶ3つの方法があります。
シニアが大学で学ぶ3つの方法
- 生涯学習センター
- 通信制大学
- 一般大学の社会人入試制度
それぞれどんな特徴があるのか、入学や進級、卒業の難易度と合わせて詳しく見ていきましょう。
3-1.生涯学習センター
難易度 | 入学試験 | 科目テスト | 入学金 | 授業料 |
★☆☆☆☆ | なし | なし | なし※ | 講座単位 |
※会員として入会金を支払う場合もある
生涯学習センターは、一般の大学が、地域住民などに向けて公開しているオープン講座です。
自分の知的関心に合った好きな授業を自由に受講し、教養を身につけることを目的としています。
もともとは特別にシニアを対象にしたものではなく、広く社会人全般に向けて講座の開設がされてきましたが、近年の高齢化に合わせて、高齢者対象と明記したものや、高齢者の興味を引く内容のものが増えています。
継続学習を促すため、大学によっては、受講した講座の数をポイントにしてカウントし、一定の数値を超えることで「修了証」を発行してくれるところもあります。
文部科学省の「開かれた大学づくりに関する調査(令和元年度)」によると、大学および短期大学で開催する公開講座は、年間約2万7,000講座、受講生数は約98万人にのぼっています。
生涯学習センターを設けている主な都内の大学は、以下の通りです。
大学名 | 所在地 | 講座 | webサイト |
専修大学 | 千代田区 | 資格・検定 語学 経済・文化・歴史 ビジネス | |
共立女子大学 | 千代田区 | 資格・検定 語学 教養・文学 | |
明治大学 | 千代田区 | 資格・検定 語学 教養・文化・歴史 政治経済 ビジネス | |
早稲田大学 | 新宿区 | 資格・検定 語学 教養・文化・歴史 ビジネス 暮らし | |
東洋大学 | 文京区 | 資格・検定 教養・文化・歴史 暮らし | |
文京学院大学 | 文京区 | 実務・資格 語学 文芸 健康・心理 | |
青山学院大学 | 渋谷区 | 教養・文学・歴史 社会・文化 | |
聖心女子大学 | 渋谷区 | 宗教 教養・文学・歴史 | |
東海大学 | 渋谷区 | 語学 文学・歴史 教養・文化 社会 暮らし | |
学習院大学 | 豊島区 | 資格・検定 教養・文学・歴史 ビジネス | |
東京工業大学 | 目黒区 | ビジネス | |
駒澤大学 | 世田谷区 | 教養・文化・歴史 | |
東京農業大学 | 世田谷区 | 暮らし | |
産業能率大学 | 世田谷区 | ビジネス | |
大東文化大学 | 板橋区 | 語学 教養・文学・歴史 暮らし | |
芝浦工業大学 | 江東区 | 教養・文学・歴史 ビジネス 暮らし 子ども | |
桜美林大学 | 町田市 | 語学 教養・文化 | |
玉川大学 | 町田市 | 語学 教養・文化 自然・暮らし 資格 | |
東京都立大学 | 八王子市 | 教養・文化・歴史 暮らし 社会 | |
多摩美術大学 | 八王子市 | 教養・文化・歴史 子ども | |
中央大学 | 八王子市 | 教養・文学・歴史 語学 スポーツ ビジネス | |
東京外国語大学 | 府中市 | 語学 | |
東京学芸大学 | 小金井市 | スポーツ 教養 子ども | |
実践女子大学 | 日野市 | 教養・文学 | |
武蔵野大学 | 西東京市 | 宗教 教養・文学 子ども | |
恵泉女学園大学 | 多摩市 | 暮らし |
基本的に地域住民のために開かれているものなので自宅から近い大学を選ぶのも良いですが、憧れの大学で学んだり、通学前後の時間を楽しめたりする大学を選ぶと、学びのモチベーションもアップすることでしょう。
シニア大学との違い | 正規の大学の敷地内で学ぶことができる |
こんな方におすすめ | ・憧れの大学がある ・通学前後で大学周辺を学生気分で街歩きしたい |
3-2.通信制大学
難易度 | 入学試験 | 科目テスト | 入学金 | 授業料 |
★★★☆☆ | なし※ | あり | あり | 大学・学部による |
※面接や小論文提出などが行われる場合もある
通信制大学は、働きながら学ぶことを想定した、自宅学習を中心にした大学です。
主にインターネットやテキストなどの自宅学習によって、通学制の大学と同じ大卒資格を取得することができます。
多くの通信制大学が、入学の際の学力試験が課されないこともあり、年齢などの資格をクリアしていれば入学は容易と言えるでしょう。
しかし、学士号の学位が授与される正規の大学なので、卒業することは簡単ではありません。自分自身で自律的な学習を継続させることが卒業の鍵となります。
通信制大学の卒業率は40~75%と、大学によってさまざまですが、これは通信制大学側が、どれだけ学生のモチベーションを維持する工夫をしているかによります。
自宅学習が中心ですが、多くの通信制大学で年間に数十日程度の「スクーリング」と呼ばれる対面授業を設定しています。先生やほかの学生と会える機会なので、互いに励まし合うなど世代を超えた「同級生」とコミュニケーションを図ることができます。
キャンパスを持つ通学制の大学が通信課程を設けているケースのほか、通学制のない、通信教育専門の大学があります。
通信教育専門の大学 | |
大学名 | 学部 |
教養学部 | |
情報マネジメント学部、人間福祉学部 | |
IT総合学部 | |
人間科学部 心身健康科学科 |
自分のペースで勉強を進められることが最大のメリットなので、日々の生活の中でほんの少しの時間であっても集中して勉強できる時間を作るなど、勉強を生活習慣に取り入れる工夫をすると良いでしょう。
シニア大学との違い 学位が取れる
こんな方におすすめ 自分のペースで勉強がしたい
3-3.一般大学の社会人入試制度
難易度 | 入学試験 | 科目テスト | 入学金 | 授業料 |
★★★★★ | あり | あり | あり | 大学・学部による |
多くの大学では、学校を卒業して一度社会に出た人たちに学びの機会を提供するため、「社会人入試制度」を設けています。
その中で、シニア世代をもう一度大学に呼び戻すため、社会人入試の中にさらに「シニア特別枠」を設ける大学が増えてきているのです。
シニア特別枠の社会人入試制度を設けている大学と大学院は、以下の通りです。
大学および大学院名 | シニア特別枠入学資格 | 入学試験 |
50~70歳 | 課題レポートと口述試験 | |
50歳以上 | 小論文と面接 | |
60歳以上の大卒者 | 書類審査と面接 | |
年齢50歳以上で信仰歴5年以上 | 小論文と面接 | |
出願時において社会人として4年以上の経験を有する | 小論文と面接 | |
中高年者 | 小論文と面接 | |
兵庫県 | 満60歳以上 | 書類審査と面接 |
栃木県 | 55歳以上 | 志願書と面接 |
新潟県 | 55歳以上 | 2回の面談 |
岡山県 | 50歳以上 | 書類審査と面接 |
福島県 | 60歳以上 | 面接・自己推薦書・履歴書 |
山梨県 | 入学時50歳以上 | 書類審査と面接 |
ご覧いただくと分かるように、シニア特別枠の試験では主に小論文と面接による特別選考を行い、学生のような科目の入学試験はありません。なお、合格者には奨学金制度などを設け、シニアの学びを助ける大学や大学院もあります。
社会人入試で合格すると、一般の大学生とともに、キャンパスに通学して勉強をすることになります。
若い世代との交流ができ、自分の所属する場所ができることはとても生きがいを感じることですが、一般の学生に比べると募集人数が圧倒的に少ないため、入学は狭き門となることがあります。
また、履修する科目にもよりますが、4年間ほぼ毎日通学することを考えると、体力や経済力など、さまざまな面で検討が必要になるでしょう。
シニア大学との違い | ・正規の大学で学ぶことができる ・学位が取れる |
こんな方におすすめ | 専門的かつ本格的に学びたいことがある |
4.自分に合った「シニアの学び」の選び方
知的好奇心が強いシニアの大学での学びは、どんなことをどんなスタイルで学びたいかによって、選ぶべき大学が変わってきます。
これまでご紹介してきた4つの「シニアが学ぶ場所」は、それぞれ以下のような方におすすめです。
自分に合った「シニアの学び」の選び方 |
|
それぞれ、おすすめの理由を詳しく説明していきます。
4-1.地域貢献や住んでいるい地域を中心に学びを広げたいを考えたいなら「シニア大学」
シニア大学は、地域貢献して活躍したい方におすすめです。
シニア大学は、自治体が主催し、地域の課題解決を目的にしているため、非常に実践的な学びを得ることができます。
学んだことを地域に還元できる機会を設けているシニア大学も多いため、地元と密に繋がり、地域に根付いた活動を通して、達成感や所属意識を高めることができるでしょう。
4-2.興味のある講座だけ受講したい人は「生涯学習センター」
生涯学習センターは、知的好奇心が多方面に渡る方や、逆に関心のあるテーマが明確な方におすすめです。
興味のある講座を一つから選ぶことができ、専門家から学ぶことができるため、自分の興味を掘り下げていくのに役立ちます。
通学とオンラインと、受講スタイルを選ぶことができるため、時にクラスメイトとコミュニケーションを取ることを楽しんだり、あるいはひとりでじっくり内省しながら勉強をしたり、両方を楽しむことができます。
4-3.自分のペースで学びたい人は「通信制大学」
通信制大学は、しっかりと学位を目指して勉強をしたいものの、自分の時間も大切にしたい方におすすめです。
通学が中心の大学では、通学に時間を取られる部分がどうしても出てきてしまいますが、通信制大学であれば、自分の時間をどう使うか、自由に決めることができます。
お仕事やボランティアなどで日中に時間があまり取れない方などは、朝活で集中して勉強したり、夜のプライベートタイムで教養を深めたりと、自由な時間配分ができるのが魅力です。
4-4.本格的に学びたい人は「一般大学の社会人入試」
社会人入試は、本格的な学び直しをして憧れの自分を実現しようという強い意思のある方におすすめします。
年単位で自分の時間の多くを割いて取り組むため、体力面や経済面での不安について事前に検討する必要があるでしょう。
しかし、若い世代との交流や「学生」という新たな身分、専門教育を集中して網羅的に受けられることは、社会人入試を経て大学生にならないと決して味わうことのできない経験です。
知らないことを学び、先生や同級生とリアルな交流を取りながら進める勉強は、かけがえのない財産になるはずです。
5. 「らくらくコミュニティ」で学びの仲間を見つけよう
年を重ねるほどに学びたい意欲と知的好奇心が尽きないあなたには、シニアのためのSNS(ソーシャルネットワーキングサービス)『らくらくコミュニティ』の活用をおすすめします。
『らくらくコミュニティ』は、50代以上の良識ある大人のユーザーが200万人以上(2021年4月時点)250万人以上(2022年4月時点)も集い、さまざまな趣味を通して仲間を見つけている無料のSNSです。
中でも60代以上の利用者が多く、男女も地域も超えて気の合う仲間を作ることができます。
成熟した大人同士だからこそできる、らくらくコミュニティでのコミュニケーションは以下のものが挙げられます。
- いろいろな地域にいる同じ趣味を持つ人と話ができる
- 地域ごとの問題解決事例を市民目線で集めることができる
- 共に励まし合いながら勉強する仲間を見つけることができる
もし現実の友達でシニアの学びについて興味のある人がいなくても、らくらくコミュニティなら、全国のいろいろな「シニア学生」の仲間が見つかるでしょう。
世代が近いため気軽に投稿やコメントのやりとりがしやすく、日々新しい交流が生まれています。
ほかの人の投稿写真に「いいね」をしたり、コメントを送ったりといった小さな交流から、生涯の学び仲間が見つかるかもしれませんね。
まとめ
今回は、シニア大学を皮切りに「シニアが学べる大学」についてお伝えしてきました。
シニア大学の概要は、以下の通りです。
シニア大学の概要 | |
運営母体 | 地方自治体や市区町村の福祉法人 |
受講期間 | 全8回や3ヶ月ほどの短期間のコースから2~3年制のコースまでいろいろ |
講義内容 | 健康長寿系または地域活性系の多彩なプログラム |
学費 | 完全無料から入学金と授業料のかかるものまでいろいろ |
通学 | 週1回から週2回程度 |
入学資格 | おおむね50歳または60歳以上で自治体周辺の居住者 |
入学試験 | なし |
卒業・学歴 | 最終学歴にはならない |
シニア大学のほかに、シニアが大学で学ぶ方法は、以下の通りです。
シニアが大学で学ぶ3つの方法 |
|
それぞれの難易度や試験などの概要は、以下のようになります。
| 難易度 | 入学試験 | 科目テスト | 入学金 | 授業料 |
生涯学習センター | ★☆☆☆☆ | なし | なし | なし※ | 講座単位 |
通信制大学 | ★★★☆☆ | なし※ | あり | あり | 大学・学部 |
一般大学の | ★★★★★ | あり | あり | あり | 大学・学部 |
※1 会員として入会金を支払う場合もある
※2 面接や小論文提出などが行われる場合もある
「シニアの学び」の選び方は、以下を参考にしてください。
自分に合った「シニアの学び」の選び方
- 地域貢献を考えたいなら「シニア大学」
- 興味のある講座だけ受講したい人は「生涯学習センター」
- 自分のペースで学びたい人は「通信制大学」
- 本格的に学びたい人は「社会人入試」
この記事が「シニアの今だからこそもっと学びたい!」というあなたの指針となり、豊かなシニア学生ライフのお役に立ちますように。
コメント