
自宅で過ごす時間が増えた昨今、身体を動かす機会が減ってしまった高齢者は多くいるのではないでしょうか?
「適度に身体を動かしたいけど、狭い室内だと難しい」
「部屋に閉じこもりぎみでストレスが溜まっている」
という方はぜひ、家庭内や介護施設などで手軽にできる、リズム遊びを試してみてください。
リズムに合わせて口や手足を動かすことで、適度な運動ができます。
今回は、高齢者が楽しく向き合えるリズム遊びとして、
- 身体を動かすリズム遊び
- 歌や音楽を使ったリズム遊び
- 道具を使ったリズム遊び
の3つを軸に、遊び方や得られるメリットを紹介します。
目次
1. 高齢者向けの身体を動かす5つのリズム遊び
まずは、適度に身体を動かせるリズム遊びを5つ紹介します。
座った状態でも口や手足の指先を使って遊べるため、身体状況や場所を選ばずに楽しむことができます。
- 健口体操:口腔機能の維持ができる
- 足指じゃんけん:咄嗟の判断力を養える
- 指折りゲーム:一人でも楽しめる
- グーパー体操:認知症予防に効果的
- 特殊なしりとり:記憶力が試される
ルールは簡単で備品なども基本的に不要なため、誰でもすぐに覚えられる内容となっています。
遊ぶための敷居が低い点が特徴です。
1−1. 健口体操:口腔機能の維持ができる
出典:江戸川区公式チャンネル えどがわ区民ニュース 健口体操フルバージョン(動画)
健口(けんこう)体操とは、発音に合わせて口元を動かすリズム遊びです。
高齢になってもきちんと食べ物を噛んで食べられるよう、普段から口周りの筋肉を鍛えられます。
健口体操の方法は非常に簡単です。
- まずは身体と心をリラックスさせます。
- 「ういうい」や「あいうえお」など、曲に合わせて口を開いたり閉じたりします。
- 上記の運動を繰り返します。
1−1−1. 健口体操で得られるメリット
健口体操により口元を動かすことで、唾液の量を増やしたり、舌の動きを滑らかにしたりできるため、嚥下障害の予防効果が期待できます。
発音もよくなるため、積極的に会話をしやすくなることもメリットの一つです。
口を動かすことで表情が豊かになり、周囲とのコミュニケーションも円滑にとれるようになるでしょう。
- 遊ぶ際の人数:特になし
- 遊ぶ場所:どこでもできる
- 必要な備品:特になし
健口体操の効果の出典先:高齢者のための新しい口腔保健指導ガイドブック(PDF)
1−2. 足指じゃんけん:咄嗟の判断力を養える
部屋の広さを気にせず足の指先を鍛えられる、足指じゃんけん。
2人以上いれば、すぐに始められる手軽さが魅力です。
指先を動かすことで、じゃんけんのグー、チョキ、パーを表現します。
表現方法はとても簡単で、以下のように足の指を曲げるだけでOKです。
- グー:足の指を内側に曲げる。
- チョキ:親指だけを立てて、残りの指は内側に曲げる。
- パー:足の指をすべて開いた状態にする。
年齢を問わずにできるリズム遊びであり、家族と同居している高齢者にもおすすめです。
1−2−1. 足指じゃんけんで得られるメリット
足指じゃんけんは手の指を使う場合と異なり、多くの人が動作に慣れていません。
そのため、グーやチョキを出そうとしても、少し考えながら動きをつけなくてはなりません。
足の指の運動に加えて、勝つために考えることで脳への適度な刺激を得られる点がメリットといえます。
- 遊ぶ際の人数:2人以上
- 遊ぶ場所:どこでもできる
- 必要な備品:特になし
足指じゃんけんの効果の出典先:健康は 足 高齢者の か ら – 久留米市(PDF)
1−3. 指折りゲーム:一人でも楽しめる
出典:にしのみやインターネットテレビ(YouTube版) 【スポトレ】頭の体操 レクリエーション②~指折りゲーム~(動画)
一人暮らしの高齢者でも手軽に楽しめるリズム遊びが、指折りゲームです。
これは、座ったり横になったまま、手先を使うだけで遊べます。
- 両手の指をすべて開いた状態にします。
- 1から5まで数字を数えるリズムに合わせて、親指から順に折り曲げます。
- 続いて6から10まで数字を数えるリズムに合わせて、小指から順に開きます。
慣れてくれば、リズムに合わせて折り曲げる指の順番を変えてみるなど、変化をつけるのもよいでしょう。
1−3−1. 指折りゲームで得られるメリット
自室でどんな態勢でも手軽に指先の運動ができる点がメリットです。
指を動かすことで脳への刺激になり、認知症予防が期待できます。
時間を気にせずできる点も優れています。段々と難易度を上げるなど、指先に複雑な動きを加えていくとよいでしょう。
- 遊ぶ際の人数:特になし
- 遊ぶ場所:どこでもできる
- 必要な備品:特になし
指折りゲームの効果の出典先:医者も実践「どんどん進む脳の老化」を防ぐ習慣
1−4. グーパー体操:認知症予防に効果的
座ったままでできる、手を動かす運動がグーパー体操です。
やり方は非常に簡単で、両手を前に出し、片手をグー、もう片方法手をパーにするだけ。
これを掛け声に合わせて、左右のグーとパーを入れ替えるというものです。
シンプルな内容ですが、手を開いたり握ったりすることで度な脳への刺激が伝わり、認知症の予防が期待できます。
動きに慣れてきたら、少しずつスピードを上げることで難易度を高めるとよいでしょう。
1−4−1. グーパー体操で得られるメリット
グーパー体操はシンプルな内容の遊びですが、どんな人でも比較的参加しやすい点がメリットです。
自宅に居ながら一人でも、介護施設などのレクリエーションとして複数人でも無理なく、スムーズに進行できます。
- 遊ぶ際の人数:一人から数人
- 遊ぶ場所:どこでもできる
- 必要な備品:特になし
グーパー体操の効果の出典先:平成29年度スポーツ・レクリエーション活動を通じた健康寿命延伸事業報告書(PDF)
1−5. 特殊なしりとり:記憶力が試される
リズムに合わせた数人での遊びとしてしりとりがありますが、それに記憶力の重要度を増した、特殊なしりとりがおすすめです。
- 出題者が、しりとりの最初の文字を指定します。例:「最初に『い』のつく言葉」。
- 参加者は思いついた言葉を発表し、出題者がホワイトボードなどにまとめます。
- 参加者が慣れてきたら、出題者はしりとりの最後につく文字を指定します。例:「最後に『る』のつく言葉」。
- 参加者は思いついた言葉を発表し、出題者がホワイトボードなどにまとめます。
通常のしりとりよりも、頭を働かせられるリズム遊びとなっています。
1−5−1. 特殊なしりとりで得られるメリット
特殊なしりとりは、回答者の個性が発揮されます。
周囲と同じ言葉を発表したり、誰もが思いつかないような斬新な言葉を発したりするなど、続けていくうちに共感性や独自性を得られる点がメリットです。
また、ウォーキングなどの適度な運動としりとりを組み合わせることで、認知症予防に効果的とされる「コグニサイズ」という取り組みになります。
運動と組み合わせると難易度が高まりますが、最初は普通のしりとりから始め、慣れてきたら特殊なしりとりに挑戦するとよいでしょう。
- 遊ぶ際の人数:数人
- 遊ぶ場所:どこでもできる
- 必要な備品:ホワイトボードなどメモができるもの
特殊なしりとりの効果の出典先:認知症予防に向けた運動コグニサイズ
2. 高齢者向けの歌や音楽を使った5つのリズム遊び
リズムの中に歌や音楽を取り入れた高齢者向けの遊びを5つ紹介します。
テーマとなる歌はすべて童話などなじみ深い曲です。
昔を懐かしみながらリズム遊びに興じられるようになっています。
- 童謡やわらべ歌を歌う:懐かしの曲で楽しめる
- 童謡かるた:スリル満点
- 歌いながらのボールパス:バランス感覚を養える
- 曲のイントロクイズ:記憶を頼りに競える
- 一つの曲を輪唱する:仲間意識を高められる
2−1. 童謡やわらべ歌を歌う:懐かしの曲で楽しめる
音楽を使ったリズミカルな遊び方として、童謡やわらべ歌などを歌う方法があります。
定番ともいえる曲を歌うことで、昔を懐かしみながら楽しめるでしょう。
曲を聞いていた過去を思い出すことは、脳への刺激になります。
リズムに合わせて歌いながら、発声器官や身体を鍛えられるのです。
歌詞カードを見ながら、数人で歌うだけで楽しめる手軽さが魅力です。
最初にテーマとなる曲をCDなどで再生すると、より歌いやすい状況をつくれます。
2−1−1. 童謡やわらべ歌を歌うことで得られるメリット
リズムに合わせて歌いながら、バランス感覚や聴覚へ刺激を与えられます。
声に出して歌うことでストレスの発散にもつながります。
また、口を大きく動かすため、周辺の筋肉が鍛えられ誤嚥障害の予防が期待できます。
- 遊ぶ際の人数:数人
- 遊ぶ場所:ある程度音を出せる場所
- 必要な備品:歌詞が書かれた紙。童謡やわらべ歌の音源
童謡やわらべ歌の効果の出典先:補完代替医療としての音楽療法が認知症に及ぼす効果(PDF)
2−2. 童謡かるた:スリル満点
2種類の札を使い、読み札に対応する札を集める遊びであるかるた。
高齢者の認知度の高いかるたを使った遊びです。
リズミカルに遊ぶためには、童謡をモチーフにしたかるたを使うのが効果的といえます。
童話の歌詞をベースにしたかるたであれば、歌いながら楽しむことができます。
子供の頃によく歌った記憶をよみがえらせながら、集中して取り組めるでしょう。
童謡かるたを遊ぶ場合は、市販品を購入するのがおすすめです。
レトロなイラストとわかりやすい文字表記により、高齢者もストレスなく楽しめるようにつくられています。
2−2−1. 童謡かるたで得られるメリット
歌を聞きながら記憶をよみがえらせることで、脳への刺激を受けることができます。
また、他の参加者よりも早く札を見つけるために、判断力が鍛えられます。
ゲーム中に得点を記録して競い合うようにすれば、より白熱するでしょう。
- 遊ぶ際の人数:数人
- 遊ぶ場所:どこでもできる
- 必要な備品:童謡かるた、点数を記載する紙
童謡かるたの効果の出典先:日本福祉大学 認知症啓発を目的とした「にっぷく にこにこカルタ」を商品化しました
2−3. 歌いながらのボールパス:バランス感覚を養える
出典:すき!がみつかる 放課後たのしーと 【体あそび】歌いながら風船をパスできるかな(動画)
本格的に腕を使ったリズム遊びをするなら、歌いながらのボールバスが効果的です。
ボールといってもビニール製のものや紙風船など、当たっても大丈夫な柔らかい素材のものを使用します。
童謡の「あんたがたどこさ」など曲を歌いながら、リズムに合わせてボールを手で浮かせます。
ボールを落とさないように次の人へとパスを回していくことで、共同作業への意識を高めることが可能です。
参考動画では立ったまま遊んでいますが、座った状態でボールパスを回せるため、高齢者でも無理なく対応できます。
2−3−1. 歌いながらのボールパスで得られるメリット
ボールは風に流されて予想外の方向へと向かうため、反射神経が鍛えられます。
うまくパスがつながり、ボールの滞空時間が延びれば大いに盛り上がることでしょう。
ただし、ボールに手を触れることからスタートするため、慣れるまで時間がかかるかもしれません。
ある程度は身体を動かせる高齢者でなければ遊ぶのは難しい内容といえます。
- 遊ぶ際の人数:数人
- 遊ぶ場所:やや広めの障害物のない場所
- 必要な備品:ビニールボール、紙風船などの柔らかい球状の遊具
歌いながらのボールパスの効果の出典先:認知症高齢者に対するボール拾い課題の認知・前頭葉・注意機能に対する効果(PDF)
2−4. 曲のイントロクイズ:記憶を頼りに競える
出典:脳トレクイズラボ 【昭和歌謡クイズ】全15問!懐かしい昭和時代の歌謡曲を思い出してみよう【スリーヒントクイズ】(動画)
昭和の歌謡曲や童謡など、高齢者が懐かしいと感じる曲のイントロ(冒頭部分)だけを流し、何の曲名かを当てるイントロクイズ。
曲名は伏せた状態でイントロ部分を再生し、参加者の中で気づいた人から挙手して曲名を発表するという、シンプルな遊びです。
他の参加者よりもいかに早く曲名を答えられるかを競うため、競技性があります。
正解者が出たら、曲を通常通り再生します。
懐かしの曲のリズムに合わせて身体を動かしたり口ずさんだりと、全身を使える遊びといえるでしょう。
2−4−1. 曲のイントロクイズで得られるメリット
曲名を理解するための聴力や記憶力が鍛えられます。
回答にはスピード感が求められるため、素早く挙手をするための瞬発力も養われます。
参加者にとっては共通の時代の話題で盛り上がれるなど、多くのメリットがあるのです。
- 遊ぶ際の人数:数人
- 遊ぶ場所:ある程度大きめの音楽をかけられる場所
- 必要な備品:音楽を再生できる機器
曲のイントロクイズの効果の出典先:認知症予防回復支援サービスの開発と忘却の科学(PDF)
2−5. 一つの曲を輪唱する:仲間意識を高められる
参加者で一つの曲を輪唱します。
輪唱とは、一定間隔ごとに歌い手を変えながら順番を回していくことです。
自分の番が回ってくるまで、「きちんと歌詞を歌えるか」という緊張感があります。
歌いきった際には、曲をみんなでつくり上げる達成感を得られるでしょう。
輪唱に使う曲は、高齢者なら誰でも知っているような童謡やわらべ歌、ヒットした歌謡曲などがおすすめです。
2−5−1. 一つの曲を輪唱することで得られるメリット
人前で歌うことに緊張するかもしれませんが、多くの刺激を得られます。
歌詞を間違った人がいても、責めることなく次の順番の人がスムーズに引き継ぐなど、フォローする体制を整えておきましょう。
音楽を再生できる環境がなくても、手軽に遊べる点はメリットといえます。
- 遊ぶ際の人数:数人
- 遊ぶ場所:どこでもできる
- 必要な備品:必要であれば歌詞カードなど
一つの曲を輪唱する効果の出典先:補完代替医療としての音楽療法が認知症に及ぼす効果(PDF)
3. 高齢者向けの道具を使った5つのリズム遊び
簡単な道具を使ったリズム遊びを紹介します。
道具を織り交ぜることで遊びの内容が適度に複雑化し、より多くの刺激を受けられるようになるでしょう。
以下の5つの遊び方がおすすめです。
- 手足の先を使って新聞紙を丸める:脳への刺激になる
- 風船バレー:安全に楽しめる
- 風船文字当てクイズ:反射神経を高める
- 紙コップボーリング:狙いを定めて楽しめる
- スプーンリレー:手元のバランスを鍛える
3−1. 手足の先を使って新聞紙を丸める:脳への刺激になる
自宅の限られた空間でできるリズム遊びとして、新聞紙を使ったものを紹介します。
足の指先で新聞紙をビリビリと破いたり、筒状に丸めた新聞紙を手で持ってストレッチをしたりするものです。
足の指で新聞紙を破るにはそれなりの力を入れる必要があり、歩行に関する筋肉を鍛える効果があります。
丸めた新聞紙で肩や腕のストレッチをすれば、充分な運動になるでしょう。
一人でも遊べますが、誰かと破く速さを競い合うことで、リズム感が増しゲーム性を高められます。
3−1−1. 手足の先を使って新聞紙を丸めることで得られるメリット
長期間自宅に引きこもりがちな高齢者の場合、足の筋肉が劣えてしまいがちです。
新聞紙を破るなどして足先を鍛えることで、歩行に必要な踏みしめる力を得られます。
外出機会の少ない人ほど、手軽に手に入る新聞紙を使い、手足をバランスよく運動させましょう。
- 遊ぶ際の人数:一人から数人
- 遊ぶ場所:どこでもできる
- 必要な備品:新聞紙
手足の先を使って新聞紙を丸める効果の出典先:新聞ビリビリ、手足を動かして脳を活性化! 簡単にできる認知症予防体操
3−2. 風船バレー:安全に楽しめる
先に紹介した歌いながらのボールパスと似ていますが、こちらはよりリズム感を重視した内容です。
数人ずつの2チームに分かれ、中央に低めのネットを張り、バレーボールを楽しみます。
ボールには風船を使うため、万が一顔などに当たっても怪我をする心配がありません。
メンバー同士で声を掛け合いながら、リズミカルに風船のトスを楽しみましょう。
チーム分けをしない場合は、円をつくって丸くなり、交互に風船のトスを回しましょう。
審判約の人が中央に座り、風船が落下しないようにサポートするとより盛り上がります。
3−2−1. 風船バレーで得られるメリット
ボールに見立てた風船をみんなで高く上げることで、長くトスを回すという共通意識が生まれます。
参加した高齢者同士のチームワークが高まり、親交も深められるはずです。
- 遊ぶ際の人数:数人
- 遊ぶ場所:広めの空間のある安全な場所
- 必要な備品:風船、ネット用の道具
風船バレーの効果の出典先:とっとり方式認知症予防プログラムの開発研究(PDF)
3−3. 風船文字当てクイズ:反射神経を高める
風船に書かれた文字を見ながら当てるという、シンプルなゲームです。
ただし、風船が投げられてから床に落ちるまでの短い時間内に文字を当てなければなりません。
風船の軌道をしっかりと目で追えるよう、リズム感と動体視力が鍛えられる遊びといえます。
風船が落下した後は投げた人が素早く回収し、答えがわかった参加者が挙手や宣言をして文字を答えます。
挙手性ではなく、参加者全員に回答してもらう方法もあります。
これなら身体を動かすのが困難な高齢者でも気軽に参加でき、答える権利が得られるのです。
3−3−1. 風船文字当てクイズで得られるメリット
風船が落下するまでという限られた時間内で、しっかりと集中力を鍛えられるメリットがあります。
座ったままでもできるため、足腰の弱った人でも気軽に参加できます。
- 遊ぶ際の人数:数人
- 遊ぶ場所:どこでもできる
- 必要な備品:風船、油性マーカー
3−4. 紙コップボーリング:狙いを定めて楽しめる
若い頃に親しんだ経験者の多いであろうボーリング。
家庭内や施設で手軽に遊ぶ方法として、紙コップをボーリングのピンに見立てる方法があります。
遊び方は本物と同様で、参加者は2チームに分け、ピンポン玉などの軽めのボールを投げて、紙コップを倒した本数を競います。
最終的に倒した本数の合計がチームのポイントとなり、勝敗を決めます。
いかに多くの紙コップを一度に倒せるか、攻略法を考えるために集中力を高められるでしょう。
3−4−1. 紙コップボーリングで得られるメリット
バランス感覚を養いながら遊べ、腕や指先の感覚が研ぎ澄まされます。
相互に得点を競い合うため、向上心を高められる遊びといえるでしょう。
個人の活躍だけでなくチーム全体の得点を競うため、ボールがうまく投げられない高齢者でも楽しめます。
- 遊ぶ際の人数:数人
- 遊ぶ場所:広めの場所
- 必要な備品:紙コップ複数、ピンポン玉などのボール
紙コップボーリングの効果の出典先:老年看護学実習における学生が行うアクティビティケアの学び(PDF)
3−5. スプーンリレー:手元のバランスを鍛える
いすや車いすに座ったままの状態で、スピード感とリズム感を鍛えられる遊びとして、スプーンリレーがあります。
スプーンを持ってピンポン玉やおはじきなどをすくい、隣の人に渡していくという遊びです。
2つのチームに分かれ、最終的に早くピンポン玉を渡し終えたほうの勝利となります。
日々の生活で使い慣れたスプーンでも、パスを回すという行為は新鮮に感じられるでしょう。
半身麻痺の人でも片手だけで参加でき、楽しめる内容となっています。
3−5−1. スプーンリレーで得られるメリット
スプーンを使うことで指先のバランス感覚が養われます。
市販のスプーンを使うため、遊びで得られた動作感覚は、日々の食事の際にも役立てられるでしょう。
チーム対抗という競技性の高さと、日常生活の機能訓練的なメリットを両立できます。
- 遊ぶ際の人数:数人
- 遊ぶ場所:どこでもできる
- 必要な備品:人数分のスプーン、ピンポン玉、おはじきなど
4. スマホを使ったリズム遊びもできる
高齢者向けのおすすめのリズム遊びを3つの視点から紹介しました。
4つ目として、スマホを使った遊び方を解説します。
スマホというと操作が難しい印象を受けるかもしれませんが、すでに使いこなしている高齢者は多くいます。
スマホのゲーム機能を使えば、自宅や出かけた先での待ち時間などに、手軽にリズム遊びをすることが可能です。
4−1. らくコミュゲーム:さまざまなリズム遊びができる
シニア向けのコミュニティである「らくらくコミュニティ」内でプレイできる、「らくコミュゲーム」は高齢者も楽しめる内容になっています。
らくらくコミュニティは無料で会員登録でき、写真などの投稿を通じて同年代との交流を図れるSNSです。
その思想を踏襲しているらくコミュゲームは操作しやすい内容でつくられているため、リズム感を養う遊びに適しています。
シンプルな内容で遊びやすい内容として、以下の3つのゲームを紹介します。
4−1−1. 2枚かるた
一人でもかるた遊びができるゲームです。
画面に表示されたお題を元に、正解と思う札を選択します。
回答には制限時間が設けられているため、瞬間的な判断力が求められる内容です。
慣れてくるとリズムよく札をめくれるようになるでしょう。
4−1−2. パネルめくり
パネルめくりは表示されたパネルの数字を記録し、裏返された後に「小さな数字の順番」などのルールに合わせてめくっていくというもの。
記憶力だけでなく、パネルをめくる際のリズム感も必要とされる奥の深い遊びです。
4−1−3. 光った場所は?
画面に表示された数枚のパネルが順番に光ります。
どの順番で光ったのかを覚えておき、自分で再現しながら入力して正しければクリアという内容です。
シンプルながらも、視覚情報と記憶力をフルに活用するゲームであるため、脳への刺激を多く受けられるといえるでしょう。
4−2. 初めてスマホを持つなら「らくらくスマートフォン」がおすすめ
スマホのゲームに興味があるけど、まだ持っていないという人には、NTTドコモの初心者向けスマホである「らくらくスマートフォン F-42A」の利用がおすすめです。
大きめの画面で文字が見やすく、ゲームをストレスなく楽しめます。
上記のらくコミュゲームもすべて遊べるため、スマホデビューに最適な一台といえます。
5. リズム遊びを習慣化するためのポイント
高齢者がリズム遊びを続けるためには、いくつかのポイントがあります。
それは、高齢者自身が楽しんで打ち込めることです。
娯楽としてリズム遊びを続けることで習慣化され、隙間時間などを活用して継続できるようになるでしょう。
リズム遊びには認知症の予防や身体各部の筋肉を程よく鍛える効果があるため、日常の一コマとして組み込めるようにしていきたいところです。
5−1. 短時間でできる内容を選ぶ
高齢者のリズム遊びを習慣化するには、短時間で遊べる内容のものを選ぶことが大切です。
高齢者にとって長時間の遊びの場合、体力や集中力の面でつらいと感じてしまうためです。
負担にならない程度の長さで遊べて、手軽に気分転換ができる遊びを心がけるとよいでしょう。
5−2. 複数の遊びを覚えて飽きないようにする
気に入ったリズム遊びが見つかると、どうしても集中して取り組みがちです。
あまり一つの遊びにこだわっていると、飽きてしまう恐れがあります。
そのため、今回紹介した複数の遊びを覚えることで、うまくローテーションを組みながら遊ぶようにしましょう。
一つの遊びを極めることも大切ですが、少しずつ上達しながら興味を持続させることも大切なのです。
まとめ
高齢者向けのリズム遊びとして、以下の3つの視点から紹介してきました。
- 高齢者向けの身体を動かすリズム遊び
- 高齢者向けの歌や音楽を使ったリズム遊び
- 高齢者向けの道具を使ったリズム遊び
リズムに乗せて、適度に身体を動かすことで、身体のなまりを防ぐことができます。
気軽に外出できなくなった現在では、貴重な運動の習慣づけとなるでしょう。
歌や音楽に合わせてリズム遊びをすれば、声を発する習慣をつけられます。
周囲の迷惑にならないよう、配慮しながら遊ぶとよいでしょう。
道具を使う遊びは、ゲーム性を高めることが可能です。
施設など複数人で遊ぶ場合に適しているといえます。
現代的なリズム遊びとして、スマホを使ったゲームも候補に入れてみてください。
いずれにせよ、リズムを刻むことで身体や脳にとって、多くの刺激を受けられる可能性が高まります。
遊びとして楽しみながら真剣に取り組めるように、日々の生活に取り入れてみてください。
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