退職金の運用に失敗しないための注意ポイントやおすすめの運用方法

投資

おすすめの退職金の運用方法を知りたい。
退職金の運用方法に失敗したくないので注意することを教えて欲しい。

退職金は、安定した老後の生活を支える大切なお金です。できるだけ上手に運用して、理想のセカンドライフを送りたいと考えるシニアは多いはずです。

そこで、この記事では、

・目的で選ぶおすすめの退職金運用の方法
・退職金の運用に失敗しないための6つの注意ポイント
・退職金運用を始める前に知っておきたい基礎知識

についてご紹介します。

退職金を上手に運用して、安心して余裕ある老後を迎えましょう。


1.目的で選ぶおすすめの退職金運用の方法

最初に、目的別におすすめの退職金運用の方法をご紹介します。投資等、全く行なったことがない初心者の方は、2章、3章の基礎知識や注意ポイントなどもしっかり読んでいただくことをおすすめします。

1-1.【絶対に損をしたくない】定期預金・貯蓄型生命保険・国債など

資産運用の方法には、リスクの高いものとリスクの低いものがあります。初心者が最初に考えるのは、元手の資金を失いたくないということでしょう。

損をしない、何かあった時にも元手を失わない資産運用をするには、元本保証の商品を利用します。具体的には、各銀行が提供している定期預貯金、生命保険会社の貯蓄型商品、国債などがあります。

各銀行が提供している定期預貯金

一定期間お金を引き出せない代わりに、普通預金と比較すると高い金利が適用される預金口座。

・預け入れの期間は、1ヵ月~10年まで選ぶことが可能。
・預け入れの額は、ほとんどの銀行が1万円以上〜。1円から預け入れられるところもある。

【定期預金の金利は「単利」と「複利」の2種類】

・単利

元本のみに利息を付与。金利で増えたお金は計算に含まれず、元本に金利を掛け合わせた額が満期まで加算され続ける。

・複利

利息で増えたお金も合わせて金利計算の対象になる。複利の場合、預け入れ期間が長ければ長いほど、利息が増える。
2年以内の定期預金はほぼ全て単利が適用、長期の定期預金であれば複利を選べるものもある

【定期貯金の申し込み/2ステップ】

お金を預ける定期貯金を決める
金利や預入期間などをよく確認してから、預け入れする定期貯金を決める。銀行によっては、定期に入ると普通預金の時間外引き出し手数料がサービスになるなどの特典がつく場合もあるので、よく調べること。

口座を開設する
各金融機関の口座申し込みのステップに従って口座を開設する。すでに普通預金の口座を開設している銀行であれば、ネットや郵送で申し込むこともできる。ネットバンキングを同時に申し込めば、ネットから手軽にお金を送金・入金することもできるようになるのでおすすめ。

 貯蓄型生命保険

万が一のときに備えながら、将来のための貯蓄ができる保険。

【貯蓄型保険の種類】

低解約返戻金型終身保険

通常の終身保険と比較して、加入してから一定期間、解約返戻金の金額が抑制されている。毎月の保険料が抑制されている、一定期間を過ぎてから解約返戻金が一気にアップする、といったメリットがある。

終身保険のなかでもリーズナブルな保険料で、万が一のときの保障と将来のための貯蓄を準備できる。加入してから早くに解約してしまった場合、解約返戻金は全くないか、あってもごくわずかになるので注意が必要。

養老保険
万が一のときの保障を備えながら、満期のときに満期保険金を受け取れるタイプの保険。満期までの間、万が一のことがあれば死亡保険金を家族に届けることができる。満期に保険金としてまとまったお金を受け取ることができる。

個人年金保険
一定期間まで保険料を払い込む代わりに、60歳~65歳のうちいずれかのタイミングから、10年~15年かけて年金形式で保険金を受け取れる。一括で保険金が受け取れるわけではなく、年金形式で毎年一定の保険金を長期にわたって受け取れる

【貯蓄型保険のメリット】
・支払った保険料よりも受け取る保険金のほうが多くなる可能性がある
・万が一のときの保障としても活用できる
・自分のライフスタイルに合わせて柔軟に用途を選べる
・貯金が苦手な人でも計画的に資金を積み立て可能

【貯蓄型保険のデメリット】

・早いタイミングで解約すると元本割れになってしまう
・月々の保険料が高額になる傾向がある
・固定金利タイプの貯蓄型保険にはインフレリスクがある

【貯蓄型保険の加入の仕方/3ステップ】

加入する保険を決める
数社の保険会社からパンフレットを取り寄せたり、窓口で相談して加入する貯蓄型保険を決める

加入申し込みの準備
申し込みには以下の3点の提出が必要となる(保険会社によっては追加で書類の提出を求められる)

 ・本人確認書類(免許証、保険証等)
 ・銀行の口座番号
 ・健康診断の結果表

毎月決められた額の保険料を支払う
銀行口座から引き落としされる。

国債

国債とは、国が発行する債券である「国庫債券」の略称で、国が資金調達する手段の1つ。国が債券を発行しているため、国が破綻しない限りは元本割れリスクはないといえる。

 【国債の種類】

①利付国債
1年に2回(半年に1回)利子の支払いが行われる国債。満期が発行時に設定されており、通常は満期時に発行価格と同額の額面金額が支払われるため、満期時まで保有している場合は元本割れはない(国が破綻しない限り)

②割引国債
利付国債のような利子の支払いはない。利付国債と同様に、満期が発行時に設定されているが、発行価格は満期までの利子分が額面金額から割り引かれた形となっている。そのため、満期時に受け取る額面金額は発行金額を上回り、その差額が利益になる。

【個人投資家が購入できる】

①個人向け国債
個人投資家しか購入することができない国債。個人向け国債は途中解約が認められているなどのメリットがある。3年・5年・10年と3つの期間設定があり、3年と5年は固定金利、10年は変動金利となっており、インフレリスクにも対応。

新窓販国債
個人向け国債のように個人に限定されているわけではなく、法人などの名義でも購入できる。途中解約は認められていないものの、市場への売却は可能になっており、売却のタイミングによっては元本割れする可能性がある。2年・5年・10年満期と3つの期間設定があり、全て固定金利。

【国債の金利】

固定金利
固定金利は、発行時に設定された利率が満期まで変化しない。
実勢金利の変動に利子が左右されないので、発行した時点で最終的な投資結果がわかる。しかし、金利が上昇しても発行時の金利が適用されるため、変動金利であればもらえはずの利子がもらえないといったデメリットがある。

変動金利
変動金利は、半年毎に適用金利が変更され、その時々によって受取利子の金額に増減が発生する。
実勢金利の動きに左右されるため、発行した時点で最終的な投資結果を知ることはできない。実勢金利の動きに左右されるので、金利が上昇し、受取金額が増えることもあれば、金利が低下し受取金額が減る可能性もある。
※実勢金利/市中金利とも呼ばれ、金融市場でお金の貸し借りが発生する際に適応される金利

【国債のメリット】

・安全性が高い
・定期預金よりも金利が高い
・少額投資ができる(個人向け国債は最低1万円から1万円単位で購入可能)

【国債のデメリット】

・すぐに換金できない(個人向け国債は最低1年間は途中解約不可)
・購入できる期間が決まっている
・投資信託などと比較すると金利は低い
・国の信用リスク(国が破綻すれば国債の価値はなくなる)

【国債の買い方/3ステップ】

各金融機関で国債の取り扱いを確認
国債は全ての金融機関で取り扱っているわけではないのでまず確認。どの金融機関で購入しても金利や手数料は変わらないが、一部の金融機関では口座管理手数料等が発生する場合があるため、事前確認が必要。

②口座開設
国債を購入するために、金融機関の口座を開設する必要がある。

購入の申し込み
国債を購入するためには、窓口で購入代金、印鑑、本人確認書類などの提出が求められる。購入後は原則キャンセルができない。

【国債を購入する際のポイント】

・なるべく満期まで保有する
個人向け国債は、発行から1年が経過した段階で途中解約可能になるが、ほとんど利子がつかない(元本部分は保証される)

・目的に応じて固定金利、変動金利を選ぶ
満期後にどのような目的に使用するものなのかを事前によく検討してから金利を選択する。将来の目的が現時点で明確なら固定金利、不明確なら変動金利も検討する。

 1-2.【リスク高でも短期集中で利益を出したい】FXなど価格変動が激しい商品

短期間で利益を得たいというのであれば、リスクは高くなりますが、価格変動が激しい商品があります。レバレッジ(後述)を効かせることができるので、大きな利益を得ることもできますが、反面大きく損を出すこともあるので、初心者にはおすすめしません。

◉FX

FX」とは「Foreign Exchange」の略で、「外国為替証拠金取引」のこと。ドルやユーロなど外国の通貨を売買し、その差額を利益とする取引。

運用の基本は「通貨の価値が安くなったときに買い、高くなったときに売る」

たとえば、1ドル=90円のときに日本円から米ドルに両替し、1ドル=100円になったときに米ドルから円に戻せば利益は10円。仮に1万ドル購入していれば、10万円の利益が得られることになる。

【FXのメリット】

・少ない資金でも大きな投資が可能(レバレッジ取引)

FXの最大の魅力とも言われるのが「レバレッジ」。より大きな利益を出すためには多くの資金が必要となるが、FXでは手元に大金が少なくてもレバレッジをかけることで大きな取引が可能。

・相場が下がっていても利益が出せる

「売ってから買う」というFXならではの特殊な取引ができるため。

 ・スワップ金利(スワップポイント)で利益が出せる

FXにも「金利」が存在するので、外貨を買って持っているだけで預金金利のように資金を増やすことができる。

・24時間いつでも取引が可能

・FX業者が倒産したとしても資金は守られる

 

【FXのデメリット】

高いレバレッジによる大きな損失が生じる可能性がある

FXはレバレッジによって自己資金以上の金額を投資することができる。利益が大きくなる反面、損失も大きくなる可能性がある。

例えば10倍のレバレッジをかけていた場合、上手くいけば利益は10倍となるが、損失が10倍になるリスクもある。

寝ている間も相場が動くので心が落ち着かない

24時間、自分が寝ている間も相場が動いているので、いつでも相場が気になって仕方がない、夜も眠れないということになる恐れがある。

【FXを始める前に知っておきたい基本用語】

チャート
相場の動向をグラフに表したもの。価格が上がっているのか下がっているのか、日々の値動きを視覚的に確認し、解析・予想することができる。

 スプレッド
FXには「買値」と「売値」の2つの値段がある。スプレッドとは、「売値と買値の差」を指す。

 スワップポイント
FXで売買を行ったときに発生する2国間の金利の差が「スワップポイント」で、FXでは、毎日付与されるスワップポイントで稼ぐことも可能。

レバレッジ
レバレッジとは「てこの原理」のこと。実際に保有している資金よりも大きな金額の取引ができる。資金が10万円でも10倍のレバレッジをかけて100万円の取引ができるようになり、小さな資金で大きな利益を得られる可能性がある反面、失敗すれば多額の損失を出すことになる。

 ロスカット
FXには、利用者の資産を守るため、ある一定の損失が発生した際に、これ以上損失が大きくならないよう強制的に取引を終了させる仕組みがある。含み損が大きくなって一定水準以下になった場合に強制決済するのが「ロスカット」。

【FX会社の選び方】
スワップポイントの高い会社
「スワップ運用」といって、長期間ポジションを保有してスワップポイントを積み上げて利益とする方法もある。高金利通貨と呼ばれるトルコ・リラやメキシコ・ペソなどのスワップポイントがより高いFX会社を選ぶのもおすすめ。

スプレッドの安い会社
スプレッドはFX取引の手数料にあたるので、スプレッドが狭いFX会社を選ぶ。

サポート体制は充実している会社
電話サポート等、24時間体制で行っているところを選ぶ。

【FXの口座開設の流れ/5ステップ】

①口座開設の申込み
ほとんどのFX会社が口座開設はネットで申し込みできる。必要事項の入力は10分程度。申込から口座開設完了までにかかる時間はわずか23日程度。

本人確認書類およびマイナンバー確認書類の提出
口座を開設には、本人確認書類およびマイナンバー確認書類の提出が必要。以下のいずれかを用意する。

本人確認書類
・運転免許証
・健康保険証
・個人番号カード
・パスポート
・住民基本台帳カード
・特別永住者証明書
・外国人登録証明書
・住民票(郵送のみ、コピー不可)
・印鑑登録証明書(郵送のみ、コピー不可)
・マイナンバー確認書類
・個人番号カード(顔写真付き)
・通知カード(顔写真なし)
・住民票(マイナンバー記載)

※個人番号カード(顔写真付き)は1点のみで可。それ以外は、顔写真の有無によって23点必要。

③FX会社による審査
口座開設の審査基準は以下の3点だと言われている

・資産を持っている
・満20歳以上(学生も可)
・ウソのない正しい情報を提供

クレジットカードの審査のように信用情報機関に問い合わせるようなことはない。入力された住所や氏名、年齢などが「本人確認書類」の内容と相違ないかチェックされる。口座開設に年収は関係ないので、主婦や学生なども開設できる。

④ユーザーIDとパスワードの付与
郵送で送られてくるユーザーIDとパスワードを使ってログインする。

⑤口座へ取引資金を入金する
ほとんどのFX会社では入金額に決まりはないので、数百円から数千円あれば取引がスタートできる。

1-3.【リスク低で利益も出したい】投資信託(ファンド)等

近年、人気が高まっている金融商品が投資信託です。「投資信託(ファンド)」とは、個人の投資家から集めた資金をひとつの大きな資金としてまとめ、資産運用の専門家が株式や債券などに投資し、運用する商品です。

運用の成果は各投資家の投資額に応じて分配される仕組みとなっており、集められた資金をどのような対象に投資するかは、投資信託の運用方針に基づいて専門家が決定します。

投資信託によく似た「ヘッジファンド」という金融商品もありますが、こちらは最低でも1000万円以上の資金が必要となります。

 ◉投資信託

「ファンド」とも呼ばれ、多数の投資家から集めた資金を1つにまとめ、運用の専門家が株式や債券などで運用し、その運用成果を各投資家に分配する。

【投資信託のメリット】
・運用のプロに資金運用を任せることができる

・分散投資でリスクを軽減できる

投資信託の最大の特徴が、複数の銘柄や、株式・債券を組み合わせた商品であること。それがすでに分散投資をしていることになる。

・個人では投資しにくい国や地域、資産に投資できる

投資信託であれば、多数の投資家から資金を集めることができるため、ファンド側からみても販売窓口を広げられ、それに伴い投資家側にも購入機会が与えられる。

 【投資信託のデメリット】
・元本保証がない

・コスト(管理費・手数料)がかかる

投資信託には手数料がかかる。主な手数料は、購入時手数料、信託報酬、監査報酬、信託財産留保額。

【投資信託の種類】

①投資先・投資対象による分類
株式投資信託/国内、海外の株式に投資を行う投資信託で、値動きは相対的に大きくなる。

公社債(債券)投資信託/「中期国債ファンド(中国ファンド)」「MRF」「MMF」等。国内、海外の国債、地方債、社債等の債券に対して投資を行い、株を組み入れず、安定運用を目指す。

不動産投資信託(REIT)/国内、海外のマンションやビルといった不動産に投資する。日本の不動産投資信託はJ-REITと呼ばれ、証券取引所で株式と同様売買されている。

商品(コモディティ)/商品先物市場で取引されている原油、ガソリン等のエネルギー、金、銀、プラチナ等の貴金属、大豆、トウモロコシなどの農産物、穀物といった「商品(コモディティ)」に投資する。

②運用方法による分類

インデックス型/日経平均株価やTOPIXのような株価指数などと同じ値動きをするような運用方法。購入時手数料や運用管理費用(信託報酬)がアクティブ型と比べて安価。

アクティブ型/運用のプロであるファンド・マネージャーが調査や分析を行ない、銘柄を選択し、売買する運用方法。運用がうまくいけば、市場平均を上回る運用成果が期待できる。

③分配方法による分類

投資信託は、原則年1回以上決算を行ない、収益の一部が分配金として支払われる。分配金の受取方法は主に以下の2種類あり、どちらか選択できる。

分配金受取型/分配金を決算の都度、受け取るタイプ。毎月分配型の投資信託なら、こまめに分配金を受取ることができる。

分配金再投資型/分配金を決算の都度、受け取らず再投資をするタイプ。複利効果が期待できる。

【投資信託の始め方/4ステップ】

①資産運用の方針を決める
まずは元手資金額を定め、増やす目標金額など具体的な目標を策定する。

購入する投資信託を決定
投資信託は証券会社や銀行によって、取り扱う種類や数が異なり手数料も違うので確認する。以下のような点に注意して投資信託を選ぶ。

・手数料
・投資対象
・純資産額の推移
・投資信託の運用方針

一般的にはネット証券の方が手数料が低い傾向がある。

口座を開設
投資信託で投資を始めるには、証券会社で口座開設をする必要がある。投資信託には「店舗型」と「ネット型」があり、口座開設の流れや方法は、各証券会社によって異なるので確認する。

店舗型/実際に店舗がある証券会社

担当者が顧客へ直接説明してくれるため、ていねいなサポートを望む人向き。そのぶん手数料が高めの設定となっていることが多い。

店舗型の場合は、身分証明証・印鑑、その他必要書類を揃えて、店舗で直接口座開設の手続きを行う。

ネット型/インターネットを介して口座開設や投資ができる

インターネット上でいつでも口座開設が可能。店舗を持たず、担当者による説明等はないので、人件費を削減できることで手数料が低い傾向がある。

ネット型の場合は以下のような流れで口座を開設する

インターネット証券会社のWebサイトにて資料請求

書類が自宅に届く

書類に必要事項を記入し、捺印等をしてから書類を返送

郵送で口座開設通知書を受け取る

通知書に記載されているID・パスワードを入力して口座へログイン

④投資信託を購入する

口座開設が完了したら口座に投資金額を入金して投資信託を購入する。入金方法は各証券会社などにより異なる。

購入方法は複数あり、金額を指定できる「金額買付」、口数を指定できる「口数買付」、毎月積み立てて買付できる「積立買付」など。

投資信託の運用成績は、市場環境などによって変動します。投資信託の購入後に、運用がうまくいって利益が得られることもあれば、うまくいかず損失を被ることもあります。つまり、株式と同様、投資信託での運用には価格変動リスクが伴い、元本は保証されていません。

主要銀行の退職金運用金融プランには注意が必要

退職金はまとまった大きな額のお金なので、各銀行は好条件の退職金運用のための金融プランを用意しています。退職金運用プランにはメリットもありますが、よく調べないと損をしてしまうこともあるので注意が必要です。

まず、退職金運用プランは一定期間預け入れ金利を優遇することが多く、低金利時代の今、通常の定期預金なら0.01%程度のところ、年率56%とかなり高い金利が適用されます。しかし、優遇金利が適用される期間は限定的で、ほとんどが、3ヶ月か6ヶ月、長くて1年間のみです。その期間が終了してしまえば、元の低金利に戻されてしまいます。

さらに、優遇金利の恩恵を受けるためには、投資信託などの金融商品をセットで購入することが条件となっているプランがほとんどです。金融商品の購入には約13%程度の手数料がかかるので、よく確かめないと、せっかく優遇金利で出した利益が手数料で消えてしまいます。最悪のケースでは、利益分よりも手数料が高くなってしまう場合もあるので、退職金運用プランを利用したい場合には、よく調べて慎重に契約するようにしてください。


2.退職金の運用に失敗しないための6つの注意ポイント

退職金運用に失敗しないための6つの注意ポイントをご紹介します。

・お金の運用方法の知識を身につけないまま、運用を始めない
・手持ちの資金のうち、投資に回せる金額をはっきりさせておく
・まとまった金額を一気に投資に回さない(分散投資を行う)
・銀行や投資会社の言いなりにならない
・儲け話を鵜呑みにしない
・仕組みが理解できない・わからない商品には手を出さない

6つのほとんどは、退職金かどうかに関係なく、資金運用の際に気をつけることばかりです。退職金の場合は老後の生活の質を左右する大切なお金ですから、安易な気持ちで金融商品に手を出さず、よく調べてから慎重に運用するようにしてください。

2-1.お金の運用方法の知識を身につけないまま、運用を始めない

基本中の基本ですが、お金の運用方法を勉強しないまま、生半可な知識で運用を始めないように注意してください。投資活動は基本的に損をする可能性があるものだからです。必ずしも利益が出るというわけではないことを知っておき、しっかり運用管理をすることが大切です。

2-2.手持ちの資金のうち、投資に回せる金額をはっきりさせておく

これも資金運用の基本ですが、投資に回すお金と生活をしていくためのお金は明確に分けておき、しっかりと金額も決めておくようにしましょう。生活のための資金がなくなってしまえば、まさに生活していくことが困難になってしまい、最悪のケースでは借金を抱えることになります。

投資はギャンブルではありません。長い期間資産の運用をしていると減益してしまうこともありますが、その時に、「生活のために残していた資金」に手をつけてしまわないように十分に注意してください。

2-3.まとまった金額を一気に投資に回さない(分散投資を行う)

資産運用にはリスクが伴いますので、リスク管理のためにも分散投資を行うようにしてください。ひとつの商品に集中して資金を投入するのではなく、複数の金融商品に資金を分散して運用を行う方法です。

 分散投資をしていれば、所有している金融商品のひとつが仮に暴落するような事態が起こったとしても、手持ちの資金の全てを失ってしまうような危機から免れることができます。

2-4.銀行や投資会社の言いなりにならない

資産運用はよくわからないからと、銀行や投資会社に聞いて勧められるまま運用を始めないように気をつけてください。金融機関は商品を購入してもらうために、リスクよりもメリットをアピールすることが多くあります。しかし、どんなに優れた商品であっても、元本保証されているものでない限り、リスクは避けられるものではありません。

金融機関から勧められた商品については、ご自身でリスクをよく確認してから購入するようにしてください。

2-5.儲け話を鵜呑みにしない

定年退職が近づいてくると、金融機関から投資商品に関する勧誘のダイレクトメールなどが舞い込んでくるようになります。また、友人や会社の同僚などから、「おいしい儲け話」を持ちかけられることもあります。

退職金はまとまった大きな金額のお金なので、つい気まで大きくなってしまい、散財してしまいやすくなります。大切な老後の資金となる退職金を守るためにも、怪しい話には十分気をつけるようにしてください。

2-6.仕組みが理解できない・わからない商品には手を出さない

金融商品の中には複雑な仕組みで儲けが出るようになっているものもあり、初心者レベルでは理解できないものもたくさんあります。基本的には、いくら説明を受けても儲けの仕組みがわからないものには、手を出さないようにすることが大切です。

投資は錬金術ではないので、お金が増やせる反面、必ずお金を失うリスクが伴います。なぜお金が増えてなぜ失うこともあるのか、理解できない商品にあなたの大切な退職金を使ってはいけません。


3.退職金運用を始める前に知っておきたい基礎知識

大切な退職金の運用を始める前に知っておきたい資産運用の基礎知識をご紹介します。

・保有金融資産を短期・中期・長期運用で仕分けする
・元本保証ありと元本保証なしのメリット・デメリット比較
・金融商品にかかる手数料を必ず確認する

退職金は老後の生活を支える大切なお金ですが、大きく増やそうとし過ぎて、結果的にリスクを負うことがないように十分に注意してください。

3-1.保有金融資産を短期・中期・長期運用で仕分けする

退職金だけではなく、これまで貯めてきた貯金や金融資産等も全て合算して、短・中・長期と期間ごとに資金を分けてから、運用する金額や方法を決めるようにしてください。

お金を使う時期によって、短期資金(1年以内に使う予定のお金)、中期資金(1年~5年以内に使うお金)、長期資金(5年以上使う予定のないお金)に分けます。

短期資金は元本保証されていることと、いつでも引き出せることが重要です。手数料がおトク、家の近くにATMがあるなど、使い勝手の良さで金融機関を選びましょう。

中期資金も短期同様、安全性を重視します。普通預貯金よりも多少金利の高い5年以内の定期性預貯金や国債などをお勧めします。

しばらく使う予定のない長期資金の一部は、収益性が期待できる投資信託などの金融商品を活用します。リスクを考慮して必ず長期資金の一部だけを運用するようにして、全額を投資資金等に使ってしまわないように気をつけましょう。

お金を使う時期

運用のポイント

金融商品の例

短期(1年以内)

安全性とともに流動性(短期間で動かせること)を重視する

普通預金等で運用

中期(15年以内)

安全性を一番重視する

定期預金、財産形成貯金、個人向け国債等

長期(5年以上)

収益性を重視しつつ、リスク分散を考えて運用する

投資信託、株式、外貨預金等、

3-2.元本保証ありと元本保証なしのメリット・デメリット比較

元本とは、金融商品の購入・投資に充てた資金の額のことで、いわゆる元手のことです。元本保証の商品とは、一言で言えば「貯蓄型」商品です。元本保証がない(非元本保証)の商品は「投資型」商品と言えます。

元本保証の商品は、預けたお金よりも減ることはないのですがデメリットはあります。非元本保証商品のデメリットはその名称の通り、元本が保証されず元本割れを起こすリスクがあることです。

ここで、二つのメリット・デメリットを確認しておきましょう。

 

元本保証あり

(貯蓄型)

元本保証なし

(投資型)

メリット

・元本割れしない

・安全性が高い

・利率が高い

・短期間で利益を出すことが可能

デメリット

・利回りが小さい

・短期間で利益を出すことができない

・元本割れを起こすことがある

・コスト(管理料、手数料等)がかかる

3-3.金融商品にかかる手数料を必ず確認する

金融商品の運用には手数料がかかることを知っておきましょう。たとえば投資信託では、購入手数料、信託報酬(運営管理費)、信託財産留保額(解約手数料)の3つの手数料がかかります。

手数料は、資金の運用方法や金融機関によって異なりますので、必ず確認してから金融商品を購入するようにしてください。


まとめ

退職金の運用方法は、さまざまあり、元本保証されている、定期預金、国債などから、短期に利益をだすFX、長期的に運用がおすすめの投資信託まであります。

ここで、退職金の運用に失敗しないための6つの注意ポイントを復習しておきましょう。

・お金の運用方法の知識を身につけないまま、運用を始めない
・手持ちの資金のうち、投資に回せる金額をはっきりさせておく
・まとまった金額を一気に投資に回さない(分散投資を行う)
・銀行や投資会社の言いなりにならない
・儲け話を鵜呑みにしない
・仕組みが理解できない・わからない商品には手を出さない

退職金は余裕ある老後の生活が送れるかを左右する大切なお金です。元本保証のない投資型の金融商品は、大きなリターンも望める反面、リスクも高くなりますので、十分検討してから購入し、安全に退職金の運用を行なってください。

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