
親の介護が頭をよぎると、介護費用・介護期間・できること・できないことなど家庭の事情によってさまざまな問題が出てきます。同時に、介護のスタートによって、自分の生活がどのように変わっていくのかも気になりますね。
親の面倒は見てあげたいが、自分の生活も守りたい、親と家族全員にとって最も良い介護環境は、どうやったら作っていけるのかは、誰もが知りたいことです。
そこで今回は親の介護に関して以下のようにまとめました。
- 親の介護を考える3つのタイミング
- 親の介護3パターンと介護費用の目安
- 親の介護をスムーズにするために家族ですること
- 親の介護に経済的・精神的な余裕がないケースの対処法
- 状況別:親の介護で使える14のサポート
最後までお読みになれば、介護の方法・介護に必要な金額・費用の捻出方法、使えるサポートなど、介護のための武器と予算の目安ができ、自分の人生を守りながら、親の介護もしてあげられることがわかります。また、親の介護に関して親子と家族でオープンに話し合える環境つくりの役にも立ちます。
目次
- 1. 親の介護を考える3つのタイミング
- 2. 親の介護3パターンと介護費用の目安
- 3.親の介護をスムーズにするために家族ですること
- 4.親の介護に経済的・精神的な余裕がないケースの対処法
- 5.状況別:親の介護で使える14のサポート
- 5-1.介護のよろず相談先「地域包括支援センター」
- 5-2.医師や看護師に家に来てもらいたい「訪問診療・訪問看護」
- 5-3.家事と介護をちょっと助けて欲しい「ホームヘルパー」
- 5-4.親の食事だけなんとかしたい「食宅配」
- 5-5.もし、夜中に倒れたらどうしよう「緊急通報サービス」
- 5-6.離れたところにいる親の安否確認したい「見守りサービス」
- 5-7.日中、親を預かってほしい「デイサービス」「デイケア」
- 5-8.親を頻繁に泊りで預かってほしい「多機能ホーム」
- 5-9.家の中を安全にしたい「住宅改修費の給付」
- 5-10.ベッド・車いす・手すりが必要「福祉用具貸与」
- 5-11.介護保険以外のサービス「地域支援事業」「ボランティア」
- 5-12.介護で仕事は休める 介護休業制度
- 5-13.介護の帰省の交通費支援「介護帰省割引」ほか
- 5-14.高額介護サービス費と払戻金
- まとめ
1. 親の介護を考える3つのタイミング
本章では「まだまだ先の話」だと思っていた親の介護を、真剣に考えなければならなくなる3つのタイミングをまとめています。介護のことを考え始めるサインとして、お役立てください。
1-1.親が病気になった・入院をした
親が病気やケガなどで入院・手術したなど、どなたにでも想定されるケースです。病院は投薬や外科的手術による治療をメインとする場所ですので、仮に重病で入院しても、ある程度の回復が認められると、退院を告げられます。
「まだ体力が不十分だし、もう少し病院にいたいな」と思っていても、これから入院してくるより重症な患者のために、病院は回復した患者には出て行ってもらう必要があるのです。
そのため、退院をして自宅で通常の生活に戻れるまでの期間は、在宅での療養や介護が必要になります。また、元通りの状態にならない場合でも、サポートを受けながら日々の生活を円滑にできるようにしていく必要があります。
これが病気や入院などによる、親の介護のはじまりになります。
1-2.親が要介護認定を受けた
同居の有無にかかわらず、親が要介護認定を受けるところから介護がスタートすることもあります。
加齢による多少の生活の不自由は仕方がないと、親子とも、高齢化による日常生活の小さな問題を放置したことが原因で起きやすくなります。例えば以前に比べて、
- よくつまずく、転びやすくなった
- 手すりがないとヨロヨロしている
- 老眼が進み、小さなケガが増えた
- 家の中に物があふれていても放置している
- 物忘れが強くなっている
- 同じことばかり話すようになった
- 外出や人付き合いが減った
など、親の小さな老化に気づいていても、本人も周りも「年のせいだから」「年寄りってこういうもの」と長期間、変化を気に留めないでいることがあります。
その結果、気が付いたら身の回りのことなどが自分で十分にできなくなり、自立がおぼつかなくなり、要介護認定を受けるようになります。
要介護認定とは、「この人は今、どれくらいの介護をする必要があるか」を判断する公的な基準です。
診断方法は、コンピュータによる一次判定と、保健医療福祉の学識経験者による二次判定の二段階で慎重に判断をしています。
自動で認定されることはなく、親が住んでいる地域の役所に申請をして、審査をしてはじめて認定されます。
認定は全7段階に分かれており、以下のような内容になります。
要支援1 | 日常生活の能力はあるが、生活の一部にサポートが必要 |
要支援2 | 立ち上がりや歩行が不安定。トイレや入浴には一部介助が必要だが、日常生活は問題ない。このままの状態を維持または改善が期待できる。 |
要介護1 | 立ち上がりと歩行が不安定で、トイレと入浴などに一部介助が必要。 |
要介護2 | 横になった状態から自力での起き上がりが難しく、トイレと入浴には全介助が必要。 |
要介護3 | 起き上がりと寝返りが自力でできず、トイレ・入浴・衣服の着脱で全介助が必要。 |
要介護4 | 日常生活能力の低下があり、トイレ・入浴・衣服の着脱ほか多くの行為で全介助が必要 |
要介護5 | 介護なしで日常生活をするのはほぼ不可能で、意思伝達も難しい状態 |
例えば、老化によって少しずつ弱った足腰を気にしていた高齢者が、外に出ると何もないところでつまずき、転んで人に助けてもらったなどの経験があったとします。
若い方にとっては大したことではないように感じられても、高齢者である親世代にしてみると「散歩に出て人様にご迷惑をおかけしてしまった」と考え、少しずつ外出を控えるようになります。
その結果、次第に筋力が衰えていき、自立~要支援1程度だった筋力や体力が、要支援2へと進み、自立でのトイレや入浴が不安定になります。
お風呂で転んで骨折した、などの事故が起きてから、初めて本人も家族も「大変だ!」となり、介護がはじまります。
1-3.80歳を超える高齢である
高齢=介護ではないのですが、高齢者は介護が必要な状況になりやすいのは事実です。筋力や体力が若い時とは違いますので、動作も遅くなり、疲れやすくなります。
その結果、今までならばしなかったケガなどが増えて、家族が「1人では心配だな」と思い、介護の必要性を感じ始めます。
また、比較的体が頑健であっても、認知機能に問題が出ることもあります。高齢者というのは、周りにいた同世代の知人友人がどんどん少なくなっていきますので、社会が小さくなります。
これを周囲が放っておくと、次第に会話をする機会が減っていき、認知症を発症しやすい環境作りに手を貸していることになってしまいます。
会話を含めた社会的な交流が少ないグループは、会話や人との交流が多いグループに比べて、認知症の発症率が約8倍も高くなることがデータ*にもあることから、今、目立った疾患などがなくても、1人でいる時間が長くなってきたら、ボケないように周囲も気を配ってあげる必要があります。
体が元気なら自宅で暮らさせてあげたいという気持ちがあるのであれば、親の年齢が80歳を超えたら、介護が不要な状態であっても、予防として、何らかの手段を講じていく必要があります。
【参照:理化学研究所 大武美保子 防ぎうる認知症にならない社会に向けた技術開発を起点とする取り組み*】
2. 親の介護3パターンと介護費用の目安
本章では、親の介護にかかるお金の話をまとめています。基本的に、親の介護費用は「いくらかかるか」ではなく、「いくらかけるか」で考えます。親に必要なこと、自分たちができることを考え、できる介護のパターンから、予算を立てていきます。
2-1.介護費用の負担ベースは「介護保険」
介護費用の負担は主に、介護保険を使います。日本は皆保険制度という、国民であれば誰でも使える社会保険制度が2つあり、一つは医療保険、もう一つは介護保険です。
●医療保険:
病院での治療が必要なときには、医療保険を使います。普段、私たちが病院に行ったときに提出している健康保険証は、医療保険です。
多くの会社員は医療費を3割負担で支払っています。高齢者も、病院での治療の時には医療保険を使います。後期高齢者である75歳以上は原則として1割負担です。
●介護保険:
介護が必要な時には介護保険を利用します。介護保険は2000年に創立した「介護が必要になっても、高齢者が住み慣れた地域で自立した生活が送れるように、介護を社会全体で支えよう」という趣旨の、40歳以上の国民全員が強制加入の社会保険です。
65歳になると介護保険証が送られてきて、必要な場合は申請をして支援や介護が必要だと認められれば、全員が介護サービスを受けられます。
【参照:介護保険】
2-1-1.介護保険の負担割合と平均受給額
介護保険では、次の表のように、要介護ごとに一か月に利用できる金額に上限が設定されています。負担割合によって、限度額の1~3割を負担します。
ただし、介限度額を超えた場合は10割負担になります。
以下の表は介護サービスの利用限度額と、平均受給額などをまとめたものです。
限度額を超えて介護サービス利用をしている人は、最も介護が重い要介護5でも、全体の5.9%であることから、介護をしているほとんどの世帯では、介護保険の適用内で介護サポート費用を賄えていることがわかります。
介護度 | 限度額(月額) | 1割負担の場合* | 平均受給額 | 限度額を超えた人の割合 |
要支援1 | 50,030円 | 5003円 | 22,900円 | 0.7% |
要支援2 | 104,730円 | 10,473円 | 41,960円 | 0.3 % |
要介護1 | 166,920 円 | 16,692円 | 75,800円 | 2.1% |
要介護2 | 196,160円 | 19,616円 | 104,560円 | 4.2% |
要介護3 | 269,310円 | 26,931円 | 104,560円 | 4.5% |
要介護4 | 308,060円 | 30,806円 | 190,490円 | 5.3% |
要介護5 | 360,650円 | 36,065円 | 233,080円 | 5.9% |
* 2割負担は表の数字を2倍、3割負担は3倍にしてください。【参照:厚生労働省 区分支給限度基準額についてPDF】
平均受給額が、おおよその月額費用になりますので、要介護の申請結果で、月額費用もある程度は想定できます。これら1~3割負担割合は所得によって決まります。負担割合をかんたんな割り振りをすると、以下のような分布になります。
つまり、国民の多くは2割負担、それ以外が所得によって1割か3割負担をしています。現時点で自分の世帯の負担割合がわからない場合は、最も分布が多い2割で想定しておけば間違いないでしょう。
この負担割合は、前年度の年収をもとに毎年7月ごろ「介護保険負担割合証」が自宅に届きます。年収などが変わった場合は、翌年度分から更新されます。
2-2.介護は大きく分けて3パターン
介護には大きく分けて 在宅・遠隔・施設の3パターンがあります。どれが良いということはなく、「必要なこと」「できること」から選択してきましょう。
2-1-1.在宅介護
自宅での介護を在宅介護と言います。
国の政策としても、介護の基本は在宅介護とし、地域包括ケアシステムとの連携で、家にいたまま医療・介護サポートを受けて、高齢者が安心して生活できる社会を目指していますが、現実には「すべて現在進行中」の状態です。
介護が必要になっても、社会や所属している企業が介護に対して協力的でない場合は、在宅介護者の負担は増える一方になります。
例えば、家で親の介護をするということは、下記のような日常生活のこまごまとしたことを、必要なタイミングで介護スタッフまたは家族がすることになります。
- 口腔ケア・歯磨きなど
- 移動や立ち上がりなどの介助
- 衣服の着脱と、見た目を整えてあげる
- 食事の介助・配膳・下膳
- 薬の管理と正確な投与
- 普段の見守りと安否確認
- 車椅子・ベッドへの移動
- トイレ/おむつの交換
- 入浴
- 通院
- 夜間の安否確認
- 水分補給
- 話し相手
夜間の見守りなども入れたら、基本的には24時間365日の身体介護を行うのと同じことになります。
例えば、立ち上がりの介助一つにとっても、自分が1~2時間の間に、何回、椅子から立ったり座ったりをしているかを数えてみれば、現実の介護の大変さがイメージできるでしょう。
仮に介護者が1名のみで、その人が介護のために仕事を辞めれば介護はできますが、今度はその人の今後の生活と将来の自分の人生設計が狂ってしまいます。
日本の介護状況はまだ、国策としては「現在進行中」であることを前提に、在宅介護を考える際には、親の人生と自分たちの人生をさまざまな角度から長期的に見る必要があります。
◆コラム1◆平均的な介護期間って?
現実の子供世代は、介護以前に仕事・家事・子育てなどで忙しく、1日24時間のうちで余っている時間的余裕はほとんどありません。その中で、これから長く続く介護期間を、どのようにして対処していくかは、介護がスタートする前に、家族全員で真剣に考えていく必要があります。
子育てと違い、介護はエンディングを最終ポイントとしているため、家族間でも話し合うことが難しいデリケートな話題です。親子仲が良くない場合は、この話題に触れただけで怒り出す親もいます。
費用や負担と直結するのは、介護期間がどのくらいの期間続くかですが、公的な数値としての平均介護期間はありません。
しかし、日本人の平均寿命と健康寿命の差が、実質的に介護が必要となる期間であるとみなした場合は、以下のような数値が出てきます。
● 日本の平均寿命 男性80.21歳 女性86.61歳
● 日本人の健康寿命 男性71.19歳、女性74.21歳
● 男性 80.21-71.19=9.02年(男性のおおよその介護年数)
● 女性 86.61-74.12=12.49年(女性のおおよその介護年数)
短くても9年、長ければ12年以上という介護期間を、親も家族も納得のいく形で過ごすためには、家族にしかできない部分を家族が支え、それ以外の介護はプロにお任せするという選択肢があることも忘れないでおきましょう。
【参照:厚生労働省 健康寿命】
2-1-2.遠距離介護
遠距離介護は、離れて暮らす親の介護と、介護の予防をすることです。介護度が軽い場合は自宅で、介護サポートが多く必要な場合は施設に入居することもあります。目標は、現在認定されている介護よりも、介護が重くならない「現状維持」です。
遠距離介護になる理由は大きく分けて二つあります。
遠距離介護になる理由1・親が家から離れるのを嫌がる
親が住み慣れた家から離れたがらないため、子世代との同居・施設入居共に拒否する場合です。親には親の人生がありますので、親が嫌がることを無理にさせることはできません。
無理に馴染みのない土地や施設に移動させても、結果的に認知症などを進行させる結果になるケースもありますので、慎重な判断が必要です。
遠距離介護になる理由2・子世代が忙しい
親の介護が始まる頃、子世代は40~50代の働き盛りです。企業内では重要なポジションを任され、孫世代は受験を控えているご家庭も多くあります。このような背景があると、親の介護に専念するのは難しいでしょう。
遠距離介護の場合、日常生活に必要な介護サポートを利用しつつ、月1~2回、週末などに子世代が精神的なケアのために帰省するのが、親子ともに長期間の介護を続けるためにはベストでしょう。
遠距離介護の場合は、親が住民票のある場所にいますので、今までの交友関係も続けながら、必要な部分だけ地域のサポートを受けることができます。
2-1-3.施設介護
施設介護は、介護サポートのついた老人ホームなどに入居してもらうことです。要介護が重くなり、在宅介護や遠距離介護では対応しきれなくなった、子世代が海外などの離れた場所にいて、たまの安否確認をすることも難しい場合などは、安全をとって施設介護を選択します。
施設は公的施設と民間施設があり、どちらの場合でも自治体などから「特定施設」の指定を受けていれば、施設のスタッフによる入浴・排泄・食事などの介護サポートと、日常生活上の支援をしてもらえます。この指定がない施設の場合は、介護サポートは個人で別契約をし、外部から来てもらうことになります。
公的施設は、基本的に介護保険の適用範囲内で支払いができます(個人的な費用は除外)。
公民あわせて多数の施設があり、あまり知識のない状態で適切なものを選び出すのはかなり難しいでしょう。親の住所がある地域包括支援センターで、無料の資料提供と個別相談を行っていますので、活用しましょう。
2-3.介護費用は原則・親のお金を充当する
介護費用には、原則として親のお金を当てます。介護をするのは子供なのですが、これは、あくまで親の自立を支援するためにするわけですから、その介護にかかる費用は親持ちです。
しかし、親のお金を介護費用に充てるためには、そもそも親がどのくらいお金を持っているのかを把握する必要があります。
また、実際に確認をしてみたら、まだ実家や車のローンが残っていたなど、借金があるケースも想定できます。
親の介護に充てられるお金がいくらあるのかを確認するためには、以下を確認しましょう。
・年金
公的年金、企業年金、個人年金を合わせていくらあるのか
・預貯金
預貯金と積立などがいくらあるか
・ローンの有無を確認
住宅ローン・学資ローン・リフォームローン・マイカーローンなど、子育て時代に組んでいたローンの支払いが終わっていない可能性もあります。
・金融商品
株式・ビットコインなど、金融資産があるかどうか。
・不動産
実家以外にアパートや別荘などの不動産があるか。これから親族などの相続があるかどうか。
2-3-1.親の資産の確認方法4つ
親の資産の確認方法は、大きくわけて4つあります。
・親の資産の確認方法その1 本人に直接聞く
「いざというとき、どのお金を使えばいいのか教えておいてほしい」と直接的に聞きます。これができるのは、普段から親子のコミュニケーションが良く、なんでもオープンに話し合える関係性であることが前提です。
あまりコミュニケーションが活発ではない親子関係でこの方法をとると、「私の財産を狙っている!」と気分を害してしまう可能性があります。
・親の資産の確認方法その2 よその家の話をしながら聞く
「近所のAちゃんって知ってるでしょ?あの子の親が倒れたときにね……」とあくまで他人の家の話として、入院費用などが必要なのに、通帳などがどこにあるかわからなくて困った話などをして、親に自発的に状況に気づいてもらう方法です。
その日にすぐ回答があるかはわかりませんが、しばらくしてから「これが私に何かあったときのリストだから」と連絡が来る可能性があります。
・親の資産の確認方法その3 確定申告の手続きを利用する
すでに親に何らかの持病がある場合、医療費が年間10万円を超えると、確定申告で税金の還付があります。その手続きを代わりにしてあげて、年収などを調べるときに、通帳や保険証券などを一緒に確認できます。
ただし、この方法は、親が自分で確定申告をしておらず、あまり経理の知識がないことが前提です。
・親の資産の確認方法その4 エンディングノートを作ってもらう
親世代が参加するカルチャーセンター講義の中で大変に人気があるのが「エンディングノート」という、セカンドライフのためのライフプランニングがあります。
親本人が知らなくても、同世代の知人友人には必ず、どなたかエンディングノートの存在を知っている人がいますので、後で話題したときにエンディングノートの大切さはお友達が説明してくれるはずです。
エンディングノートは市販のものや、説明のための書籍もありますので、これらを買ってきてあげて「今すぐじゃないけど、将来は必要になるから」と手渡して、書いておいてもらいましょう。その中には、財産目録に相当するものがありますので、ある程度の目安になります。
【参照:アマゾン 一番わかりやすいエンディングノート】
2-4.介護費用の捻出法4つ
介護費用は原則として親のお金を充当することは説明しましたが、その資金が足りなかった場合の捻出方法です。この場合も、まずは、親の財産から捻出する前提で考えます。
・ 介護費用の捻出方法1. マイホーム借り上げ
マイホーム借り上げとは、かんたんに言えば、親が住んでいる家を人に賃貸して、親の介護費と生活資金を捻出する方法です。
一般的な賃貸契約との違いは、一般社団法人移住住みかえ支援機構が借り上げてから、一般の人に転貸をします。そのため、終身にわたって借り上げができるため、医療費や高齢者施設への支払いにも充当できます。
賃貸人には、3年ごとの定期借家契約をしているので、親の実家に賃貸人が居座ることができません。所有権が親の名義のままですので、賃貸契約終了後は、子供に相続や、売却することもできます。
ただし、人に家を貸してしまうので、親がそこに住み続けることができません。親が長期入院や施設入居をするタイミングで考えてみましょう。
【参照:一般社団法人移住住みかえ支援機構】
・ 介護費用の捻出方法2. リバースモーゲージ
リバースモーゲージとは、親の家を担保にしてお金を借りることです。もともとは、住む家はあっても年金だけでは心細い、生活費や老後のちょっとした旅行などに充てられるお金が借りられればな……というシニア世代のニーズに答えた金融商品です。
基本的には老後資金としてのお金を、自宅を担保にして銀行や公的機関から借入をし、死亡したら自宅を売却して一括返済する方法です。契約をした時点で、所有権がいったん、金融機関へと移動します。
リバースモーゲージを使うと、親が住み慣れた家に居ながら、必要な生活費と介護費用を準備でき、子供世代にも迷惑をかけないでエンディングを迎えることができます。
借入限度額は不動産の評価額(売却予定額)と同程度であり、資金を一括で借りても、必要な資金だけちょこちょこ借りてもOKです。
また、借りていた金額を全額返済すれば所有権は戻ってきます。リバースモーゲージを取り扱っている銀行は都市銀行・地方銀行含めて多数あります。銀行によって手数料などが違うため、よく比較をしましょう
【参照:住宅金融支援機構リバースモーゲージ取り扱い金融機関一覧】
・介護費用の捻出方法3. 医療費控除
親に医療費がかかっている場合、その医療費負担を子世代が支払っているのであれば(ということになっていれば)、親の医療費は子供世帯の医療費に加算できます。子供世帯と親の医療費が合わせて10万円以上あった場合は、確定申告をすれば医療費控除され還付金が発生します。
親の介護保険料・生命保険料・実家の地震保険の料金なども、すべて子供世代が支払いをしていれば、その全額が控除されます。
金融機関から借りる金額と比べれば大きな額ではありませんが、毎年必ず控除されることと、親の医療費だけで計算するよりも合算したほうが控除される確率が高くなります。この医療費控除により、子供世代は、所得税・住民税の支払い額が減額されます。
【参照:国税庁 医療費控除を受ける方へ】
・ 介護費用の捻出方法4. 扶養者控除
同居の有無に関わらず、親を扶養に入れると、子供世帯には確定申告時に扶養者控除が適用されます。1世帯で妻子と同居親を扶養に入れている方は多くても、離れて暮らす親を扶養に入れている方は少ないかと思います。老親の扶養は、
- 同居で58万円
- 別居で48万円
が所得から控除されますので、非常に大きな節税ができます。
税務上の「扶養」には明確なくくりがないため、何らかの形で最終的に面倒を見ているのであれば「扶養」と見なされます。
また、この扶養には、自分の親だけではなく、配偶者の親も入れることができます。例えば、夫婦とも高齢者の親がいて、何らかの形で面倒をみているのであれば、
例)夫婦の両親が高齢 別居だが定期的に仕送りや安否確認に行っている
別居の老親の扶養控除 48万円 ×4人分 =192万円
年間所得から192万円(プラス家族分の扶養控除)が毎年控除されます。*
*扶養控除ができるのは1人だけですので、兄弟姉妹などがすでに親を扶養に入れている場合は重複しての扶養はできません。
このように、老親の扶養を適用した子世代は、所得から扶養者控除の人数分が控除されるため、介護している期間の所得税と住民税の支払額が大幅に減額できます。
【参照:国税庁 家族と控除】
◆コラム2◆介護とは主に「扶養」のこと
親の介護の話が出てきた時に必ず問題になるのが「介護を誰がするか」という部分です。
一昔前は「長男がやるもの」「嫁がやるもの」で通ってきましたが、現代社会のような多様なライフスタイルがある時代には、昔通りのやり方では親の介護は難しいでしょう。
では、この「介護」とは具体的には何を指しているのでしょうか。
民法においては、家族間には以下のような相互扶助・扶養の義務があります。
<民法877条>「直系血族及び兄弟姉妹は、互いに扶養をする義務がある」
<民法752条>「夫婦は同居し、互いに協力し、扶助しなければならない」
民法上の観点から言えば、上の図のとおり、赤・青・緑のラインで囲われた人たちは、困った時にはお互いに【生活を助け合う義務(扶助・扶養)】があります。
しかし介護の現実に即して考えると、要介護者の親兄弟と配偶者は同じく高齢であり、同じく要介護か、または他界している可能性も高いことから、基本的には子に扶養義務が生じる可能性が高くなります。
ただし、ここでいう扶養とは、「身体的なケア」などの具体的な介護サポートのことではなく、民法上の【生活を助け合う義務】として、生活費などの衣食住の経費や医療費・介護費など、要介護者が生きていくために、最低限必要なお金のサポートをすることを指しています。
つまり、介護ケア・サポートは介護保険を使いながらプロに任せ、家族は要介護者の精神的なサポートのために、励ましたり顔を見せたりすることが介護のベースになります。
このような方法であれば、在宅介護・遠距離介護・施設介護のどのパターンでも、子世代は仕事を辞めずに介護が続けられます。
さらに、民法の観点から言えば、夫の親の面倒を妻(または妻の親を夫)が見る必要はなく、あくまで「やってあげたければやってあげる」というスタンスで全く問題ありません。
3.親の介護をスムーズにするために家族ですること
本章では、親の介護をスムーズにスタートさせるために、介護が始まる前に家族間で話し合っておくことなどをまとめました。
3-1.家族での役割分担を決める
家族間で、介護責任のある順に話し合い、介護の関係者となる人に協力要請をしましょう。民法上では、以下の図の赤・緑・青で囲われた家族には、要介護者への扶助・扶養義務が生じます。(コラム2参照)
各人からどのくらいの協力を得られるかは、実際に話してみないとわかりませんが、それぞれ無理のない範囲で介護に協力してもらいます。例えば全家族メンバーのうち、
- 最低限の生活費負担をしてもらえるのが何人かいるか
- どこにも預け先がないときなど、一時的に泊りに来てもらえるか
・介護をメインでしている家のメンバーのリフレッシュのため、協力をしてもらえるのか - お金ではなく、家事労働や現物支給などの援助などをお願いできるのか
などを確認しておきます。
もちろん、それぞれの関係者の家族にも介護者は発生しますし、途中で、メンバー自身が要介護者になることもあります。お互いに無理のない範囲で助け合っていくことが話し合いの目的です。
また、このような介護の話を先にすることで、全くあてにできない人物を最初から介護メンバーの頭数として除外しておくこともできます。
例えば、要介護者に兄弟姉妹が多くても、長年引きこもりで就労経験がないなど、兄弟姉妹の存在があっても必ずしも頼りになるわけではありません。
逆に、要介護者の孫世代が福祉関係の大学に通っており、福祉と介護についての理解が深く、自分の勉強もかねて積極的にサポートをしてくれることもあります。
メンバーの人数は多いほうが安心はできますが、最初にした小さな約束を誠実に守ってくれるメンバーだけでチームを組んだほうが、実際の介護のストレスは最小で済みます。
3-2.家族で介護の「キーパーソン」を決める
家族間での話し合いがまとまったら、次は介護の「キーパーソン」を決めましょう。介護には主たる介護者と 「キーパーソン」の2役が必要です。
- 主たる介護者
- キーパーソン
主たる介護者は、要介護者にとって距離的・精神的に近い存在の人物として、介護そのものの中心的な役割を担う人です。
例えば、両親が揃っているケースでは、元気な方が主たる介護者になります。あるいは、同居している子世代がいる場合は、要介護者にとって最も身近(心情的・距離的)な存在の子(娘や息子)が主たる介護者になります。
「キーパーソン」とは、介護の総合的な窓口となる人のことで、実際に介護が始まると、行政と医療で必ず聞かれる重要人物のことです。「キーパーソン」の主な仕事は
- 要介護者の意向をしっかりくみ取る
- 家族間での意見調整をしてまとめる
医師・看護士・介護スタッフ・ケアマネジャーなど外部の人との交渉をする - 交渉内容を的確にまとめて、家族に説明し意見調整をする
など、内外の情報を統括し、介護全体を円滑に進めるための存在です。この窓口になる人物がいないと、例えば、
地域包括支援センターなどの担当者などに
- 長男「では、候補の施設からのキャンセル待ち連絡をお待ちします」
- 長女「まだなんですか?早く施設を探してください!!」
- 要介護者の妻「夫が○○という施設が良いと言っていますのでお願いします」
と、同一の要介護者の家から複数のオーダーが入ることになります。こうなると地域包括支援センターなどの担当者は対応に困りますので「キーパーソンを決めてから来てください」つまり、窓口は一本化してから来てください、となります。
主たる介護者が「キーパーソン」を兼任することも多いのですが、その人物が後期高齢者になるような年齢の場合や、性格的に向いていない場合は、この役割をするのは難しい可能性があります。
そのため、「キーパーソン」は必ずしも身近にいる人物である必要はなく、家族によっては長男よりも次女や三男が適していたり、営業や渉外の仕事が得意な人が向いていることもあります。
要介護者に親兄弟がおらず、子世代が1人の場合は、主たる介護者と「キーパーソン」は同じ人物がすることになります。
介護の計画書であるケアプランは、この主たる介護者と「キーパーソン」が担うことができない部分を、介護サービスで補う形で作り上げますので、仮に、1人介護という状況になったとしても、介護はできますので安心してください。
4.親の介護に経済的・精神的な余裕がないケースの対処法
子は親に対して民法上の扶養義務がありますが、それは、未成年の子供を監護教育するような義務とは違い、あくまで自分たちの生活を維持したうえで、親の面倒を見られるだけのゆとりがあれば発生するタイプの義務です。
本章では、親の介護に直面した際、経済的な理由や、精神的な理由が原因で、現実には介護ができないケースをまとめました。
4-1.経済面編「お金がないときの親の介護」
本記事前半でも説明した通り、親の介護費用は原則として親のお金を充当します。しかし、それでも費用が足りない場合は、主に子世代が扶助・扶養をすることになります。
子世代が生活の余裕がなく、経済面で厳しい状況に立たされている場合は、親の介護をする義務が発生しませんが、世間一般の「親の面倒は子供が見るものだ」という風潮や、親が困っているのに「見て見ぬふりをした」ような罪悪感から、心情的に介護を断ることができないケースもあります。
しかし、介護は自分たちの生活を犠牲にしてまでするものではありません。
また、生活の余裕のない状態で介護をしても、結果的には十分な介護ができずに、要介護者の病状を悪化させる、家族の負担が重くなり、新たな病気やケガのもとになるなど、さらなる悪い事態を引き寄せる可能性も含んでいます。
どのくらいの経済レベルであれば一般的に「生活が厳しい」ことになるのかは、生活保護の基準額を参照し、自分たちの生活がこれらの基準と接近しているかどうかで判断します。
そのうえで、以下の2通りの対策があります。
4-1-1.対策1 親と行政に経済的に余裕がないことを伝える
親・兄弟姉妹に経済面で厳しくて介護ができないことを伝え、介護メンバーから除外してもらいます。
説明する際には、生活保護の基準額などの公的な数値をもとに「生活の余裕がない」ことを明示し、理解をしてもらいましょう。
経済的な余裕への感じ方は人それぞれであり、説明してもわかってもらえないことがあります。その場合は、家庭裁判所に間に入ってもらい、収入や生活水準などをもとに、誰が介護者であるのが適当なのかを審判してもらいます。
【参照:扶養請求調停】
4-1-2.親への生活保護を申請する
自分たちの生活には余裕がなく、親の年金収入もごくわずかで、預貯金などがほとんどないようなケースもあります。現代のような社会情勢では、去年までは頑張ってサポートができても、ずっと継続できるかどうかはわかりません。
要介護者の子世代は、早期退職や定年が近づいている世代でもあるため、あるタイミングで年収が激減することがわかっていますので、無理は禁物です。
このようなケースでは、無理をせず、親への生活保護申請をします。
生活保護とは、生活に困窮する人に対して、その困窮する程度に応じた保護をするセーフティネットです。「健康で文化的な最低限度の生活」を国が保証し、要介護者の自立を助けるための機能ですから、親のために申し込みましょう。
親の暮らす自治体の福祉事務所で、本人または家族が申請します。申請が通ると事務局から「なんとか介護費用の支援ができませんか?」と連絡が来ますが、無理はせず、もう一度、事情をよく説明します。
要介護者である親への扶養義務は、自分の子供を守り育てるような義務とは違い、子世代が自分たちの健全な生活を維持したうえで、生活に余裕があればするものであることを覚えておきましょう。
【参照:第820条 監護及び教育の権利義務】
4-2.精神面編 「顔も見たくない親への介護」
「顔も見たくない親」というのも実際に存在します。親子には家庭の数だけ関係性が存在し、歴史があります。例えば、幼いころに親から暴力や精神的虐待を受けていた親子関係、毒親に苦しめられた親子関係などもあります。
このように、大きく距離を置いているほうが有益である親子関係に「介護」が発生した場合の対処方です。
大前提として、
「このタイプの親は年をとっても決して丸くはならず、親子関係は変わらないので期待をしない」
ことです。もう親も年だし、少しはわかってくれるかな?という甘い期待を持っても、このタイプの親は年を取るとさらに特徴が強化されている傾向があります。
支配欲の強いタイプの親であれば、子に自分の面倒をみさせようと、弱ったフリをしたり、言葉巧みに近づいてくる可能性もあります。
自分たちの親子関係の背景を無視して「親の面倒は子供が見るべきである」という世間一般の基準で介護をスタートすると、子が深い精神疾患になるケースが多いので、最大の注意を払う必要があります。
「顔も見たくない親」への介護方法に迷ったら、ひとりで抱え込まず、まず地域包括支援センターに相談をします。その際、過去の親子関係の概要を説明し、介護をすることで自分へのダメージが大きいことを伝えた上で、できる介護方法を選択します。
このような複雑な背景を持つ親子は想定外に多く、地域包括支援センターでは、適切で現実的な対処方法を持っています。原則として対策は、以下の2つです。
4-2-1.同居は避ける
同居をしてしまうと、過去の親子関係のサイクルに再び入り、親の介護が終わるまで続くことになります。そのため、同居は極力避けるようにします。具体的には、施設に入ってもらい、可能な限り他者からの介護サービスを利用して、接触を極力避けるようにします。
低コストで適切な介護サービスをしてもらえる特別養護老人ホームに入居するのが一般的です。地域包括支援センターでも同様の提案をしてくれます。
施設で適切な介護をしてもらったうえで、あとは自問自答しながら、許容できる範囲で子としての介護をしていきます。例えば、
「1~2か月に1回くらいなら、なんとか顔を合わせて様子を見たりくらいならできるかな」
と自分でそう思えれば、そのようにするのがベストです。しかし、中には、親と会おうとすると、急に動悸がして体が動かなくなる、吐き気と冷や汗がすごいなど、適応障害の症状が出るケースもあります。
対面することに強い抵抗がある場合は、無理をせず、入院・入居・介護サービスの手続きだけをして、あとは接触しないという方法でも問題ありません。
4-2-2.イヤだからといって放置をしない
親に介護が必要な状況を知っていたうえで放置をすると、「保護が必要な状態の人を置き去りにした」と見なされ、刑法第218条・保護責任者遺棄に抵触し、懲役刑が課せられます。
すでに「顔も見たくない親」と介護同居をしてしまっているケースもあり、精神的に追い詰められて「もう嫌だ!もう無理!」と思っていても、決して放置をしてはいけません。
必ず、地域包括センターか担当のケアマネージャーに話をし、間に入ってもらい、最悪の事態を回避するための方法として、例えば
- 緊急枠でショートステイを利用する
- 特別養護老人ホームなどへの入居をする
など、親との距離を物理的に大きく取るための対策が打てます。
距離をあけることができたら、その後は、手続き関連のみに参加し、親が居る施設には最低月1回は様子見のために顔を出すなどの取り決めを、親とではなく「行政」とするようにします。
「行政との約束事」であれば、精神的な圧迫もなく、事務的に行えますので、子世代のストレスは激減します。
5.状況別:親の介護で使える14のサポート
本章では、親の介護シーンで使えるさまざまなサポートを14用意しました。
5-1.介護のよろず相談先「地域包括支援センター」
介護のことが何もわからなくても、各地域にある地域包括支援センターで介護に関する総合相談を受け付けています。地域包括支援センターには
・社会福祉士
高齢者などの福祉サービスを必要とする人の相談に応じ、助言や援助を行う専門職
・保健師・看護士
健康と健康のための手助けに関した専門職
・主任ケアマネージャー
ケアマネージャーとしてキャリアを積んだ、指導者的な立場の専門職
などの福祉の資格を持つ職員が、専門性の高い相談対応を無料でしてくれます。相談内容は多岐にわたり、介護と福祉に関した情報が一か所で把握できます。
- 生活のお困りごと心配事
- 介護保険やその他の保険に関した利用方法や手続きサポート
- 介護に関すること
- 認知症などの症状や、成年後見制度の利用方法など
- 高齢者を介護している家族へのサポート
- 介護ケアマネジメント作成
- 介護保険の代行申請
まだ介護の状態ではない、入院などもしていないが年を取ってきたから心配で、という状況でも相談ができ、地域の介護と福祉のよろず相談所として機能しています。
地域ごとに管轄が決まっているので親の暮らす地域があるセンターを利用します。どこにあるかわからない場合は、親の居住地の管轄の役所に問い合わせをすれば確認できます。
【参照:地域包括支援センターの業務】
5-2.医師や看護師に家に来てもらいたい「訪問診療・訪問看護」
家に医師や看護師が来てくれると、在宅療養ができるようになります。昔からある往診と訪問診療の違いは以下のとおりです。
・往診:病状の急変や急病などで、不定期に来てもらうこと
・訪問診療:週一回などの定期的な診療のこと。医師が来訪時は診療、看護士は医師の指示のもと必要な看護をします。訪問看護の主な内容は以下の通りです。
・病気などの状態・体温・血圧チェック
・床ずれ予防と処置
・酸素機器や人工呼吸器管理
・リハビリ
・認知症ケア
・介護予防アドバイス
・在宅での終末期医療
・家族への介護支援と相談
・体の清拭 洗髪 入浴 食事 排泄の介助と指導
訪問診療をしてくれるなかでも「在宅療養支援診療所」の指定を受けている医療機関は、24時間いつでも医師か看護士と連絡がつき、訪問診療をしてくれます。
これらの指定医療機関はケアマネージャーとも連携をしており、日々の細かな変化なども相互に把握しており、訪問診療をしている患者が緊急入院できるためのベッドの確保もあります。
在宅での医療と看護にも、医療保険または介護保険が適用され、上限額以上の金額はかかりません。
【参照:在宅医療と連携について】
5-3.家事と介護をちょっと助けて欲しい「ホームヘルパー」
介護を同居でしていても、自分が仕事に出ている時間、親は家に一人です。別居の場合は、ずっと親は一人です。親が1人の時間に、ちょっとした介護の手助けや、家事をサッと手伝ってくれるのが、ホームヘルパーです。以下の2種類の手助けをしてくれます。
- 身体サポート:入浴・排泄・食事・寝返りなどの身体に関したサポート
- 生活サポート:掃除・洗濯・食事・買い物・薬の受け取り代行などの身の回り家事
どちらも介護保険のサービス適用対象です。必要に応じた訪問の定期巡回・24対応の随時対応がありますので、必要なタイプのサービスを指定して、利用します。
同居をしている場合は、自治体によっては生活サポート面をサービス対象外にされてしまうことがあります。これは、その自治体が「同居をしている場合は子世代も生活をしているのだから、家事は普通にしているだろう」と判断しているためです。
介護保険の対象外になってしまった場合は、生活面でのサポートを地域のボランティアサービスで代用することもできます。ただし、ホームヘルパーは家政婦とは違いますので、要介護者と介護に直接関係ない事柄はお願いできません。
【参照:厚生労働省 介護従事者のキャリアアップのしくみ ホームヘルパー】
【参照:全国ホームヘルパー協議会】
5-4.親の食事だけなんとかしたい「食宅配」
親と離れて暮らしている場合、親の心身の調子が悪いと食事の用意が難しくなってきます。離れて暮らしている実家へ食事の用意だけをしに帰るのは難しいし、クール便などで作り置きおかずを送っても、食べたかどうかが確認できません。
このような場合は、食の宅配サービスを利用します。
これらは介護保険サービスの適用はありませんが、自治体が地域支援事業として行っているため、運営のための助成金があり、比較的低コストで利用できます。地域によってはボランティア団体が運営しているところもあります。また、民間企業の参入も多く、かなりの選択肢があります。
自分で作り置きを親元に送ることとの違いは二つあります。
一つ目は、栄養管理の面で高齢者に適正なものが作られている点です。二つ目は、食の宅配は手渡しをし、食器(弁当箱)の下げがありますので、安否確認と、食事をとったかどうかの確認ができることです。
食の宅配は毎日あるところと、曜日が決まっているものなどさまざまです。食の宅配情報はたくさん集めておくほうが、味に飽きずに続けられますので、できるだけ多くの情報を集めておきましょう。これらのサービス情報も地域包括支援センターで無料リーフレットなどが入手できます。
【参照:厚生労働省 地域高齢者等の健康支援を推進する配食事業の栄養管理に関するガイドライン】
5-5.もし、夜中に倒れたらどうしよう「緊急通報サービス」
緊急通報サービスは全国でほとんどの自治体が地域支援事業の一つとして提供しています。内容は自治体によって違いはありますが、おおむね、1人暮らしの高齢者にペンダント型の緊急ボタンを身に着けてもらうことです。
このボタンを押すと、地域で緊急通報サービス対応登録をしている住民・警備会社職員がかけつけ、必要な場合は救急車の出動をします。無料または補助金を利用して低額で購入できます。
親には、普段から緊急通報用ペンダントを身に着けるようにお願いし、特に、高齢者のトラブルが多い夜中から未明までの1人の時間帯の安全対策にしましょう。
【参照:千葉市 高齢者緊急通報サービス】
5-6.離れたところにいる親の安否確認したい「見守りサービス」
見守りサービスは、一種類だけではなく、複数の高齢者向けサービスを併用することで見守り度合いがアップします。例えば、毎日なんらかのサービスが発生するようにしておけば、日常に異変が起きない限り、普段通りに生活できていることが暗黙に確認できます。
とはいえ、あまり大量のサービスを使ってしまうと介護保険の上限額を超えてしまう可能性もあります。よく利用されている方法としては介護保険のホームヘルパーやデイサービスなどを使わない日だけ、食の宅配などを利用する方法です。
食の宅配以外にも、人が直接親を確認してくれる見守りサービスには
が見守りサービスを行っています。荷物の受け渡し時の声掛けや、配送がないときでも洗濯物の取り込みや、ポストの郵便物の量などを確認し、異変がないかを確認してくれます。
また、電話やセンサーによる見守りサービスもあります。これらは機械による見守りです。例えば
・湯沸かしポットの見守り
親がポットのお湯を使った時間や回数を子の携帯電話にメールでお知らせ
・冷蔵庫の見守り
冷蔵庫の開閉頻度などを基準に、変化があると子にメールでお知らせ
・リストウォッチによる見守り
iPhoneなどが出している小型の時計タイプの見守りです。主に心拍数などをもとに健康リズムで見守りをします。突然に心身機能が低下した場合などは大音量のブザーがなり、一定の秒数以上ブザーが止まらない場合は、自動で119と登録している家族にメール連絡がいきます。
親がリストウォッチを付けてくれていないと役には立たないのですが、歩数計が一体型になったものなどであれば、身に着ける可能性が高くなります。
【参照:楽天 歩数計 スマートウォッチ 歩数計】
5-7.日中、親を預かってほしい「デイサービス」「デイケア」
介護のためのサービスをしてくれる場所に、通う形で介護のサポートを受けることをデイサービス、リハビリなどのケアをしてくれるところをデイケア、精神面のケアをしてくれるところを精神科デイケア、と言います。
これらの良いところは日中の預かり場所として機能するところです。どちらも自宅前まで巡回ワゴン車などで送迎があります。朝8:30ごろにピックアップし、17:00過ぎてから帰宅します。
つまり、自分が仕事で家を空けている間や、介護のための所用を済ませている時間に、プロが適切なケアをしてくれています。
親に介護が必要になると、身近な介護者にも心身の負担がかかります。例えば、介護の訓練を受けていない子が要介護者の親の入浴補助を繰り返していると、足腰をひどく傷めてしまうことがあります。また、不慣れな車いすの利用で、要介護者にケガをさせてしまうなどの小さな事故は頻繁に起きています。
要介護者も、不安定な体勢でのサポートが怖く、思ったような動きができずストレスがたまります。このような場合は、介護サポートがあるデイサービスを利用しましょう。
自治体ごとに大小複数の施設があり、複数利用ができます。地域包括支援センターやケアマネージャーと相談の上、要介護者の体力も考慮してスケジュール調整をしましょう。
【参照:デイサービス 通所介護サービス】
【参照:デイケア 通所リハビリテーション】
【参照:精神科デイケア】
5-8.親を頻繁に泊りで預かってほしい「多機能ホーム」
出張などで、頻繁に親を宿泊させる必要ある場合は、多機能ホームに登録しましょう。
多機能ホームとは、通い・泊り・訪問がすべて一か所でできる「小規模多機能型居宅介護」という、在宅ベースの介護ケアです。ホームとついていますが、施設名ではなくサービス名です。介護保険が適用できます。
少人数登録制で、スタッフと要介護者の関係が親しく、第二の家庭のような雰囲気があります。通いで慣れているため、急な泊りになっても不安が少なく、宿泊場所も一か所に限定されます。多機能ホームに登録した場合は、ケアマネージャーもそのホームのスタッフになり、家族の代わりに一貫した見守りをしてくれます。
現住所と同一の市町村にある多機能ホームのみ利用可能です。すべての介護サービスは、ホームのスタッフが行い、外部からの提供はできません。
使い方としては、普段は、登録した多機能ホームに家から通いでデイケアやデイサービスを受けます。必要な場合は、多機能ホームスタッフが家に訪問、または要介護者がホームに宿泊します。
子の仕事に出張が多く、定期的に一定期間家を空けなければならないケースでも、多機能ホームであれば、部屋に空きがあれば、いつでも宿泊ができます。一般的な施設の場合、要介護者の宿泊は、ベッドや部屋に空きがないと受け入れができず、必要なタイミングで空きがあるとは限りません。
多機能ホームは、そのホームの利用は登録者しかできませんので、あらかじめ仕事の事情を開示しておけば、頻繁な泊りにも柔軟な対応ができます。また、訪問と宿泊を交互に使えば、長期間の子の不在にも対応可能です。
【参照:小規模多機能型居宅介護】
5-9.家の中を安全にしたい「住宅改修費の給付」
親が要介護認定を受けた場合、家の中を高齢者向けに改造する必要があります。例えば、
- 家の中の段差をなくす
- 手すりなどをつける
- 和式便器を洋式にする
- お風呂を滑らないタイルにする
- ドアを引き戸にする
など、心身機能の低下した親が安心して暮らせるようにするための改修です。このような資金として、介護保険では、要介護認定の重さに関係なく、20万円を上限に住宅改修費を支給しています。自己負担率は介護保険適用と同じです。
また、自治体ごとに、独自の住宅改修費を設けているところがあり、多くの場合、介護保険の住宅改修費と合算できます。
【参照:介護保険における住宅改修】
【参照:兵庫県 人生いきいき住宅助成】
【参照:鹿児島県 高齢者住宅改造費助成】
5-10.ベッド・車いす・手すりが必要「福祉用具貸与」
要介護者の日常生活の自立に必要なものには、福祉器具のレンタルができます。介護保険が適用されますので、実際にかかった費用の1~3割負担です。
対象となる福祉用具とは
- 車いす
- 介護ベッド
- 手すり
- マットレス
- 床ずれ防止用具
- 工事不要のスローブ
などの13品目です。対象外の商品であっても、事情と必要性によっては給付対象になることもありますので、ケアマネージャーや地域包括支援センターで相談してみましょう。
レンタル料は事業所や施設によって多少の違いはありますが、器具ごとに上限額が設定されているため、法外な値段をとられることはありません。全国の平均的なレンタル料は、厚生労働省のホームページで公表されています。
【参照:厚生労働省 福祉用具平均貸与価格】
5-11.介護保険以外のサービス「地域支援事業」「ボランティア」
介護保険サービス以外でも介護のサポートとなるものとしては、地域支援事業とボランティアがあります。
①地域支援事業
地域支援事業は、自治体の運営する地元限定のサービスです。比較的要介護度の低い支援1~介護2くらいまでの方向けに、以下のような訪問・通所サービスをしています。
保険適用外ですが、自治体運営のため、比較的低コストで安心した内容のサービスが受けられます。
・食の宅配サービス
食事の個別宅配です。地域の飲食店などと協力し、お弁当宅配をします。高齢者向けの栄養管理が施されたものですので、栄養面の管理としても安心です。
・生活必需品サービス
紙おむつ、紙シーツ・マスクなど、介護に必要な生活必需品を定期的に配送してくれます。
・安否確認サービス
お弁当やお菓子、紙おむつなどの生活必需品を配送する際に、必ず配達員が「今日は何してました?」「元気そうですね」などの声かけをし、安否確認をします。顔色が悪い、体調が悪そうな場合や、不在やお休み連絡がないのに応答がない場合は、介護者に連絡がいきます。
【参照:地域支援事業の他の事業等との連携方策や効果的な実施方法、在り方について】
②ボランティア
地域のボランティアやNPOのサービスです。その地域に暮らす人たちが実施しているサービスで、以下のような、介護のちょっとしたお困りごとを解決するのに役立ちます。
・生活サポート
代わりにお買い物に行ってきてほしい。
洗濯物を取り込んでほしい。
お買い物には自分で行くので、転んだりケガをしたりしないように一緒に来てほしい。
スーパーで小さな字が見えないので、お買い物のお手伝いをしてほしい。
・病院サポート
病院に薬をもらいに行くので、往復の道を付き添いしてほしい。
・ちょっとしたお話し相手サポート
定期的な話し相手などをしてほしい。
本を読んだり、かんたんなお手玉遊びなどのおつきあいをしてほしい。
・送迎サポート
近所の〇〇スーパーまで、車いすを押してほしい。
車で送迎をしてほしい。
など、介護保険サービスの規格では頼めない、でも足りない部分を解決してくれます。無償~有償までさまざまですが、時給が発生する場合でも時給600~900円前後と、安価にお願いできます。
有償の場合は社会福祉協議会という半官半民の期間が管轄をしており、ボランティア員の厳正な審査をしています。ボランティア情報は、地域包括支援センターのチラシまたはホームページから入手できます。
【参照:全国社会福祉協議会】
5-12.介護で仕事は休める 介護休業制度
介護で仕事を「休業」状態にできる制度があります。例えば、在宅や施設介護などを続けてきたが、さまざまな理由で24時間体制での見守りが必要になった時に使えます。
働く人が家族の介護のために一定期間、仕事を休むことができ、その期間の生活保証をする制度として、介護休業制度と、介護給付金があります。これらは、育児・介護休業法という法律で守られた労働者の権利です。
①介護休業給付金制度
介護休業給付金制度は、勤続年数1年以上であれば、正社員・派遣社員・パートを含めほとんどの労働者に適用されます。
- 期間:対象家族1名につき 通算93日 3回までの分割取得
- 申請:介護休業開始日の2週間前までに事業主に申請
②介護休業給付金
介護休業給付金は、①の介護休業をした期間の賃金を67%まで保証してくれる制度です。以下のような条件が必要です。
- 65歳未満
- 雇用保険の一般被保険者
- 介護休業開始前に2年間の間に、賃金支払い基礎日数が11日以上ある月が12か月以上ある
- 申請方法:休業期間が終わった後、ハローワークに申請をします。
入社間もない方、何らかの理由でお休みが多かった方は利用できませんが、2年以上普通に勤務していた方であれば雇用保険から適用されます。また、休業給付金は介護休業がすべて終わってからでないともらえませんので、注意しましょう。
その他にも、所属している企業にある福利厚生で介護支援メニューがないかも確認してみましょう。
【参照:育児・介護休業法】
5-13.介護の帰省の交通費支援「介護帰省割引」ほか
遠距離で介護をしている場合は、親元に通うための交通費も負担になってきます。
①飛行機
各航空会社では、介護帰省割引といった特別運賃の設定があります。早期割引のほうが割引率は大きいですが、急な帰省が必要な時には活用できます。
【参照:日本航空 JAL】
【参照:全日空 ANA】
【参照:スターフライヤー航空】
②JR
JRには介護帰省割引がないのですが、男性65歳、女性60歳以上が入れる「ジパング倶楽部」に親名義で入会し、割引適用を使います。ジパング倶楽部の会員は
- 全国のJR線のきっぷが年間20回まで最大30%割引、
- JR西日本線のきっぷがネット購入で何回でも30%割引
という大きな割引があるため、非常におトクです。年会費は個人会員 ひとり 3,840円(税込)ですので、アメックスや、その他一般のクレジットカードのゴールドカードよりも安く、さらに、SUICAポイントに換算できるJRポイントも貯まります。
【参照:JRジパング倶楽部】
5-14.高額介護サービス費と払戻金
①介護保険
介護保険の上限額を超えてしまった場合は、高額介護サービス費という軽減策を利用すれば、超えた分だけ払い戻し金として支給されます。1人分で上限額を超えなくても、世帯で超えれば申請可能です。
例えば、世帯での介護保険の利用上限額を超えると、その金額を按分した額がそれぞれに支給されます。
本人か世帯全員が住民税を払っている | ① 3割負担の人 | 世帯 負担上限額 44,400円 |
② ①③④⑤以外の人 | 世帯 負担上限額 44,400円 | |
世帯全員が住民税の課税をされていない | ③ ④⑤以外の人 | 世帯 負担上限額 24,600円 |
④ 年金年収80万円以下の人 | 世帯 負担上限額 24,600円 個人 負担上限額 15,000円 | |
⑤ 生活保護者 | 個人 負担上限額 15,000円 |
【参照:高額介護サービス費】
例えば、②に属している世帯(黄色)では、要介護者である父母2人分の介護費を合算し、その世帯上限額を超えれば、差額が戻ってきます。
例)②に属している世帯 要介護者 父母2人
父の介護費 35,000円
母の介護費 18,000円
(35,000円+18,000円)-44,400円=9,000円が高額介護サービス費として支給
対象となるのは、介護保険の対象になっている介護サービス費の自己負担額分です。食費や居住費は対象外です。
さらに、一年間の介護費と医療費の利用負担額の上限を超えた場合には「高額医療・高額介護合算療養費制度」があります。例えば、数か月の入院後、在宅介護が始まった場合などで、入院・通院などの医療費と、その後の介護費用の合計額が、上限額を超えるなどのケースが当てはまります。
該当する場合は、医療保険者から案内が来ますので、申請をすれば払戻金が発生します。ただし、途中で医療保険の変更した場合は案内が来ませんので、両方の医療保険に自分で確認の問い合わせをする必要があります。
【参照:高額医療・高額介護合算療養制度】
②高額医療費
要介護者が病気による入院と通院で費用がかさみ、自己負担額を超えた場合も払戻金が支給されます。特に、75歳以上の後期高齢者医療制度の同じ保険に入っている場合は、
- 入院
- 外来
- 診療科目
の区別なく、世帯で自己負担額を合算ができます。
例えば、一般の所得世帯(黄色の帯)で、両親(2人とも78歳)のうち、母が内臓疾患で消化器科に入院、父がケガで形成外科に通院となった場合、世帯での医療費合算ができます。
被保険者の所得 | 個人の負担上限額 外来 | 世帯の負担上限額 外来・入院 | 入院時の食事代 1食 |
A:現役なみ・3割負担の人 | 57,600円 | 80,100円 | 460円 |
B:AC以外の人 | 14,000円 | 57,600円 | 460円 |
C: 年金80万円以上ある低所得者 年金収入80万円以下の人 |
8,000円 |
24,600円 15,000円 |
210円 100円 |
例)一般世帯 父が外来で30,000円 母が入院で50,000円支払った場合
父 30,000円-14,000円=16,000円支給
世帯 (30,000円+50,000円)-57,600円=22,400円支給
上記2つの払い戻し申請は、初回だけすると、2回目からは上限額を超えると自動的に口座に振り込まれます。
まとめ
いかがでしたでしょうか。親の介護に関して、以下の5つをまとめました。
- 親の介護を考える3つのタイミング
- 親の介護3パターンと介護費
- 親の介護をスムーズにするために家族ですること
- 親の介護に経済的・精神的な余裕がないケースの対処法
- 状況別:親の介護で使える14のサポート
親の介護問題をスタートさせるタイミングや、介護方法が選べること、費用の捻出方法などがかなり具体的に把握できたと思います。
一番大切なのは、親と自分たち家族を含めた、介護にかかわる家族全員が一致団結し、地域サポートを賢く利用しながら「家族だからこそしてあげられる」ことを、エンディングまで続けられることです。本記事を参考に、ぜひご家庭ごとの最善策が生まれることを応援しています。
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