高齢者が筋トレで得られる5効果と今すぐ始められるメニュー3種

ノートパソコンでオンライントレーニングをする白髪のシニア男性

年齢を重ねると、疲れやすくなり、同時に膝・腰・肘などの関節の痛みも感じやすくなります。老化だから仕方ないと思いはするものの、同年代の中にはびっくりするほど元気で快活な知人友人もいて、一体自分とは何が違うのかと不思議に思う方も多いのではないでしょうか。

実は、高齢になっても元気はつらつである理由の多くは、その人の筋肉量が深く関係しており、適切な筋肉量を維持するためには、筋トレが必要なことがわかっています。そこで今回は、高齢者の筋トレについて以下のようにまとめました。

  1. 高齢者が筋トレをして得られる5つの効果
  2. 高齢者の筋トレで注意すべき4つのこと
  3. 高齢者向け3つの筋トレメニュー
  4. 自然に筋トレになる暮らしの中の10行動

最後までお読みいただければ、年を取ってから筋トレを続けることの重要さが理解できるとともに、積極的に筋トレを毎日の生活に取り入れるきっかけにもなります。また、親の体力低下を心配する子供世代にとっては、適切な運動を促し、親の見守りの一つとして、筋トレをすすめる大切さがわかります。


1.高齢者が筋トレをして得られる5つの効果

本章では、高齢者が筋トレをして得られる効果を5つにまとめて解説しています。

  • 筋トレ効果1 筋量が増えて転倒防止効果が期待できる
  • 筋トレ効果2 基礎代謝がアップして生活習慣病を予防できる
  • 筋トレ効果3 要介護・寝たきりを予防できる
  • 筋トレ効果4 認知症の予防が期待できる
  • 筋トレ効果5 日常生活がラクになる

人間の身体は、普通に暮らしていると6080歳代の間に一気に筋力低下が進むことがわかっています。つまり、加齢による筋力低下をそのまま放置していると、筋肉量が減少して身体が少しずつ弱り、酷い場合には、日常生活にまで支障が出る「サルコペニア」という症状になることもあります。
※サルコペニアに関しては後述のコラムを参照してください。

意識して筋トレを取り入れていかないと、気が付いたら動くのが面倒くさくなってしまい、ますます筋肉量が減るというマイナスのサイクルになることもあります。質の良いシニアライフを送るためには、筋トレは必要不可欠だと言えます。

1-1.筋トレ効果1 筋量が増えて転倒防止効果が期待できる

高齢者が筋トレをすると、筋量が増えて足腰が丈夫になり、転倒防止効果があります

筋肉は、スポーツや走るなどの激しい運動をするときだけに使っているわけではなく、日常生活の立つ・座る・歩く・同じ姿勢を維持するなどの、日々の何でもない動きでも使っています。

筋量が減ってくると、これら一連の行動に支障が出始め、ちょっとした段差で転倒しやすくなります。

例えば、

家の外

  • 歩道・階段・駅などにあるわずか数センチの段差や石ころにつまずく
  • 雨上がりなどの足元が滑りやすい場所で転ぶ
  • エスカレーターの揺れでふらつき転倒する

家の中

  • ドアやカーペットの段差で足先がひっかかる
  • 玄関で靴を脱いだ時に、バランスを崩して転ぶ
  • 風呂場などの滑りやすいところで足を踏ん張れずに転ぶ

など、若くて筋量がたくさんあった時には考えもしないような場所で転倒をするようになります。

例え持病などがない健康な状態でも、筋量が減っている状態で転倒をしてケガ(捻挫・ヒビ・骨折など)をすると、しばらく安静にする必要があります。すると、その間にさらに筋肉量が減ってしまい、ケースによっては一気に「寝たきり」などの介護が必要な状態になることもあります。

1-2.筋トレ効果2 基礎代謝がアップして生活習慣病を予防できる

筋トレをすると身体全体の筋力を使うので、血流がよくなって体温が上がり、基礎代謝が良くなります。そのまま筋トレを続けていくと、筋肉が増えていきますので、基礎代謝がアップして血流が良い状態を自力で維持できるようになります。

血の巡りが良くなりますので、今まで感じていた冷えや疲労感などが解消することもあります。また筋トレによる、適度な疲労で寝つきもよくなり、深い睡眠ができるようになります。

さらに、基礎代謝がアップすると、カロリーを消費しやすくなるため、肥満や生活習慣病の予防ができます。

1-3.筋トレ効果3 要介護・寝たきりを予防できる

筋トレによって筋肉量を維持できれば、毎日の暮らしの中での活動量が自然と増えます。例えば、

  • 今までは階段を使うことを面倒に感じていたが、階段を使うようになる
  • 外に出歩くのが億劫だったが、散歩に出たり、人に会うようになる
  • 掃除や洗濯などをキビキビとやるようになる
  • 買い物の際にも、重たいものを持てるようになる

など、暮らしの中での活動量が増え、それが筋肉量を増やすことにつながるというプラスのサイクルになります。

その結果、日常生活の中に細かな支障がおきにくくなり、寝たきりなどに代表される、普段の生活に介護やサポートが必要な状態を、出来るだけ自力で遠ざけることができます。

1-4.筋トレ効果4 認知症の予防が期待できる

筋量が減る=認知症ではないのですが、筋量が減ることによって日常生活の活動範囲が狭まっていき、新しい人・モノ・ことに触れにくくなり、脳に刺激がいかなくなります。その結果、見る・聞く・話す・判断するなどをつかさどる神経感覚が衰え、認知機能が低下することがわかっています。

高齢者が適切な筋トレをしていれば、日常生活の範囲を今と同じ、または今よりも若い時分と同程度に維持することができます。その結果、常に新しい人・モノ・ことによる刺激を脳に与え続けることができますので、認知機能の低下を防ぐことができます。
【参照:高齢者における認知機能と身体機能の関連性の検討

1-5.筋トレ効果5 日常生活がラクになる

高齢者の多くが抱える、病気ではない体の悩みに「膝痛」と「腰痛」があります。どちらも、抗重力筋という、身体の重みを支えるための筋肉が衰え、関節に負担がかかることで発生します。

身体の重さを支えているのは、背中・腹部・お尻・太もも・ふくらはぎなどの大きめの筋肉です。これらの筋肉が筋トレによって正しく鍛えられると、身体を自分の筋肉だけでしっかり支えられるようになりますので

  • しっかり立っていられるようになる
  • 転びにくくなる
  • 大股で歩くことができるようになる
  • 階段を楽に上り下りできるようになる
  • 素早く動けるようになる
  • 咄嗟の反応が良くなる

など、日常動作にも俊敏さが出るようになり、ケガをしにくい身体になります。筋力が身体全体についてくると関節への加重が減り、膝や腰の痛みも軽減していきます。不定愁訴である膝痛や腰痛がなくなるだけで、日常動作に出来ないことが減ってくるため(かがむ・しゃがむ・中腰など)かなり生活が快適に感じられます。

また、水や食べ物を「ごくん」と飲み込みにくくなる嚥下障害も、首回りの筋力低下によって起こります。筋トレによって身体全体の筋肉が復活してくると、自然と解消していきます。

◆コラム長生きすればするほど大切になる サルコペニア予防=筋トレ

サルコペニアとは、身体の筋肉量が減ることにより、筋力低下と身体機能低下が起き、日常生活に支障がおきるほどに弱ってしまう状態です。例えば、

  • 信号が青のうちに横断歩道を渡り切れなくなった
  • 手すりがないと、椅子などから立ち上がれなくなった
  • ペットボトルのフタが自力で開けられなくなった
  • ドアのノブを回すことができない

などが起き、暮らしの中での不自由度が上がります。今、健康に暮らしている高齢者でも、誰にでもサルコペニアになる可能性があります。

例えば、ちょっとしたケガや入院などで、安静にしていなければならない状態が数日間続いた結果、一気に筋力が低下してサルコペニアになることも考えられます。サルコペニアになってしまうほど筋力が低下してしまうと、自宅で日常生活を送ることそのものが難しくなりますので、誰かのサポートが必要になります。

このような状態から自力で生活ができるレベルに回復するため必要なことは、食事療法により筋肉の材料となるタンパク質を食事で補うことと、運動療法(筋トレ・リハビリテーション)によって筋肉に負荷をかけ、筋肉量を増やすのが有効です。

上記の療法は、そのまま普段の生活でもできますので、サルコペニア予防として積極的に高齢者の生活に取り入れるべきでしょう。

高齢化社会になっている日本にとって、サルコペニア予防は避けては通れない問題となっています。サルコペニア予防のための筋トレは、長寿とセットで考えるべきものと言えます。

【参照:厚生労働省 サルコペニア


2.高齢者の筋トレで注意すべき4つのこと

本章では、高齢者が筋トレを始めるにあたり、本人と周りが注意しておくべき4つのことをまとめています。

  • 注意1 出来る範囲でやる
  • 注意2 継続できる方法でやる
  • 注意3 息を止めない
  • 注意4 有酸素運動とセットでやると効果絶大

2-1.注意1 出来る範囲でやる

本人にとって無理のない範囲で筋トレをします。例えば、膝が痛いのに屈伸運動をする、腰痛なのに腰を反らす運動を取り入れるなど、問題のある個所に負荷がかかるような運きは避けるようにします。

どのような運動をすべきかは複数のテキスト本やDVD・テレビ放映があります。

運動の参考例

画面内には必ず椅子に座った状態で体操している人がいるため、その人合わせた動きをすれば、1人でも安全に筋トレが行えます。NHKなので、全国どこでも放送されてます。

筋トレメニューはどれも高齢者が取り入れられる安全な動きが多いのですが、心配な場合は、厚生労働省が指定する「健康増進のための運動を安全・適切にできる施設」で、プロのトレーナーによる運動指導を受け、オリジナルの筋トレメニューを作成してもらってからスタートすれば、より効果が期待でき、安心して取り組めます。【参照:厚生労働大臣認定健康増進施設一覧(2021年4月13日現在)

2-2.注意2 継続できる方法でやる

頑張りすぎず、しかし効果が期待できる範囲で続けます。毎日出来れば理想的ですが、忙しい日に無理してまで筋トレをする必要はありません。

めやすとしては、最低週3回くらいの低めの目標にしておき、体力・スケジュールともに無理のない範囲で続けます。予定していた日に筋トレが出来ない時は「何もしないより良い」という考えに切り替え、

  • 孫のお迎えに行った
  • ひとつ遠くのコンビニで買い物をした
  • 犬の散歩を10分長くした

など、日常生活の中で筋力アップにつながることで運動を補填していきます。筋トレをいつやるのかは自由ですので、

  • 朝陽を浴びながらやる
  • テレビの体操番組の時間に合わせる
  • 晩御飯のご飯が炊ける時間を使う
  • お風呂から出たらやる

など、本人にとってやりやすいタイミングにしましょう。また、自分が決めたスケジュールを守れた週は「自分へのご褒美」で好きなケーキを買うなど、筋肉がつく以外の目標も作っておくと、継続しやすくなります。

2-3.注意3 息を止めない

筋トレ中は、ゆっくりとした呼吸で、息をとめないように注意します。大きな負荷のかかるトレーニングをする際には、思わず力が入って息を止めてしまっていることがあるので注意が必要です。

筋トレ中に息を止めると、血圧が急上昇します。それによって気分が悪くなる(気持ちが悪くなる・心臓がドキドキする・めまい)ことがあり、心臓や血管の持病がある方にとっては大きな事故につながることもあります。

息を止めずに筋トレする方法は2つあります。

2-3-1.少ない負荷で数多くする

力を入れないでも動ける範囲の運動を回数多くやる方法です。筋トレメニューのほとんどは「この動きを〇回×〇セット」という設定がありますので、例えば

・途中から息が止まってしまう場合
 椅子に座って太もも上げの動き  10×3セット

➡息をとめずにできる方法
 椅子に座って太もも上げの動き  5×6セットに変更

など、楽に動ける範囲での回数に組みなおしてやってみましょう。合計の動きの数は同じですので、必要な筋肉の運動は出来ています。その日の体調や天候などに合わせ、うまく調整していきます。

また、最初の1回目から息が止まってしまうほどの力が必要な動きは、そもそも今の筋力では無理な動きですので、数週間ほど別の筋トレメニューを続け、筋肉が増えてから再チャレンジしてみましょう。

2-3-2.スロトレをする

スロトレとは、近年注目されている安全に筋力を増やすことができる筋トレ方法です。正式名をスロートレーニングと言い、筋トレの動きを非常にゆっくりとやるという特徴があります。

どのくらいのテンポでやるかというと「35秒程度かけて上げ、35秒かけて下げる」がひとつの動きになり、これを所定の回数繰り返します。この方法だと、筋肉増大を狙っている部位全体に、じわじわと負荷をかけることができるため、自重(腕なら自分の腕の重さ)だけの負荷で筋肉を育てることができます。

また、ゆっくりとした動きを止めずに、なめらかに継続する運動ため、関節を伸ばし切らないという動き方をします。そのため、膝・肩・肘・腰などの関節に負担がかかりにくく、運動によるトラブルを招きにくいという利点があります。

スロトレは、テキストやDVD以外にも、自治体が提供する高齢者向けレクリエーションでのスロトレ講座などがあり、自治体の広報誌・ホームページ・地域包括支援センターなどで告知があります。また、厚生労働省が指定した運動施設であれば、個別またはグループでのスロトレ指導があります。

【参照:厚生労働省 スロートレーニング

【参照:厚生労働大臣認定健康増進施設一覧(2021年4月13日現在)

2-4.注意4 有酸素運動とセットでやると効果絶大

筋トレは有酸素運動とセットでやると相乗効果があります。有酸素運動とは、ウォーキング(歩く)・早歩き・走る・サイクリング・水泳などの酸素がたくさん必要な負荷の軽い運動のことです。

有酸素運動は、たくさん呼吸をしながら全身の筋肉を一度に使うため、血糖値が短時間で下がり、コレステロール・中性脂肪・体脂肪を減らし、心肺能力がアップするので持久力もつきます。

筋トレは狙った部位の筋肉増大を図るものですので瞬発力がつきます。つまり、筋トレで瞬発力、有酸素運動で持久力をつけると、相乗効果で体力全体が向上し、若い頃のように、素早く動ける丈夫な身体になっていきます。

個人の心肺能力・筋量などを基準として負荷を考える必要があるため、定期的にプロによる指導をしたほうが、より確実に効果が上がります。

筋トレを含む有酸素運動のトレーニングメニューは、全国の厚生労働省が指定する運動施設および、地元の地域包括センターと連携している施設で受けられます。

【参照:厚生労働大臣認定健康増進施設一覧(2021年4月13日現在)

【運動方法の参考:国立長寿医療センター 健康長寿テキスト

【参考文献:「有酸素運動」と「レジスタンス運動」を組合せると効果は最大に


3.高齢者向け「今スグできる」3つの筋トレメニュー

本章では、思い立ったらすぐにスタートでき、なおかつ、1人でも安全に安心して行える高齢者向けの筋トレメニュー3つを紹介します。

主に、高齢者に最も大切な「立つ」「歩く」能力を支えている部位である

  • おしりの筋肉
  • ふくらはぎの筋肉
  • 背中と腕を含めた全身の筋肉

をまんべんなく鍛えることができ、道具も不要です。家の中で半~1畳(普段、食事をするところか、寝ているところ)ほどのスペースさえ用意できれば、今からスグに始めることができます。

3-1.おしりの筋肉(ヒップリフト)

おしりの筋肉全体(大臀筋)と、ハムストリングスという、おしりの付け根から太ももの裏側、太ももから膝裏までつながっている筋肉を鍛える筋トレです。

おしり全体に筋肉がつくと、しっかりとした足取りで歩けるようになります。続けていくと階段をラクラク上り下りできるようになる以外に、長時間じっと座っていられるようになります。またおしりにある大きな筋肉で腰回りをしっかり支えられるようになるので、腰痛予防にもなります。

ヒップリフト

  1. 床に仰向けに寝転がり、両手は両脇にそっと下ろし、両膝を立てます。
  2. そのまま腹筋に力を入れて5秒かけてゆっくりとお尻を真上に持ち上げ、6秒間維持します。
  3. また5秒かけてゆっくりと腰を床につけます。これを何度か繰り返しましょう。

【参考:公益財団法人長寿科学振興財団 体幹トレーニング

3-2.ふくらはぎの筋肉(かかと上げ)

ふくらはぎの筋肉は、歩く・背伸び・ジャンプするなどの動きを支える足の筋肉です。また、身体の「第二の心臓」として、下半身にある血液を上半身にまで送り上げる血流ポンプとしての役割があります。

ふくらはぎの筋肉が鍛えられると、歩くこと自体がラクになります。ラクに歩けるのでたくさん歩くようになると、ふくらはぎのポンプ効果によって全身の血行がよくなります。さらに、心臓へ血液を送り出す役割がしっかりと果たされるため、心臓への負担も減り、ドキドキや息切れをしにくくなります。

かかと上げ

  1. 足の親指と人差し指に重心を置き、まっすぐに立ちます。
    身体がふらつく場合は、壁やテーブルなどの前に立ち、支えにできるものを用意します。
  2. そのままの状態でかかとをゆっくり上下させましょう。
    このとき、ふくらはぎの筋肉を意識しながら動くと、より効果的です。
  3. これを20回行います。

【参考:公益財団法人長寿科学振興財団 レジスタンス運動の効果と方法

3-3.背中全体と腕の筋肉(体幹を鍛える)

うつぶせで床に肘をついた状態の身体をキープする運動で、身体の中心である体幹を鍛える筋トレです。「プランク」とも呼ばれています。

体幹は身体の五臓六腑が収まっている大事な部分であり、身体の軸になる背骨と骨盤があります。体幹が鍛えられると、内臓機能が活発になり、ふだんの姿勢が安定し、あらゆる日常動作がスムーズになります。

見た目はとてもカンタンそうなのですが、やってみるとプルプル震えるくらい、全身の筋肉を使います。

特に背中の筋肉と腹筋などの大きな筋肉を使いますので、全身を鍛えることができます。肘で上半身を支えるため、肩と腕の筋肉も強化されます。肘を床につけるので、床面が硬い場合は、布団やヨガマットの上でやるほうが良いでしょう。

体幹

  1. うつぶせになり、腕を肩幅に広げ、ひじ下を床つけて状態を起こします。
    この時、肩からまっすぐ降りた位置に肘がくるようにします。
  2. 足を肩幅ほどに開き、つま先を立てます。
    この姿勢がキツイと感じた場合は、無理をせず、床に膝をついて下さい。
  3. おしりをゆっくりと持ち上げ、肩・おしり・かかとが一直線になることを意識したまま、1020秒間キープをします。これを最低3回繰り返したものを1セットとし、1~3セットを目指します。

【参考:公益財団法人長寿科学振興財団 サルコペニアの予防

【参考:公益財団法人長寿科学振興財団 ファンクショナルトレーニング


.自然に筋トレになる暮らしの中の10行動

本章では、毎日の生活の中で筋量を自然に増やすことができる以下の10行動をまとめています。

  1. なるべく徒歩で移動する
  2. 出来る限り階段を使う
  3. 歩幅を広く・早く歩く
  4. 掃除や洗濯はキビキビやる
  5. ながらストレッチをする
  6. お風呂で「あいうべ体操」
  7. 遠くのスーパーやコンビニまで行く
  8. 近所の公園や運動施設を利用する
  9. 地域のスポーツイベントに参加
  10. 休日は家族や友人と出かける

筋肉を増やすための筋トレは、一度はプロの指導者に見てもらいながら、自分に必要な運動量等も含めた筋トレメニューを知り、正しい指導をしてもらうことをおすすめします。

しかし、そのような本格的な筋トレ以外にも、前章で紹介した3つの筋トレに加え、暮らしの中のちょっとした努力と工夫で、地道に筋肉量を増やしていくことができます。

どの行動も全て無料であり、いつでも思い立った時に出来るものばかりです。

4-1.なるべく徒歩で移動する

主に鍛えられる筋肉

太もも

おしり

ふくらはぎ

背中

腹筋

腰まわり

肩まわり

顔の筋肉

 

 

効果があるもの

つまずきによる転倒防止・基礎代謝アップ(ダイエット)

お出かけをするときに、バス・車・タクシーを利用していた区間を、徒歩で行きます。めやすとして、徒歩で30分くらいで帰ってこれる距離であれば、頑張って歩いてみましょう。

その日の天気や体調に合わせ、全部を徒歩、または12駅手前で降りて歩くなど、少しずつ歩く距離を増やしていくことで、太もも・ハムストリングス・おしりの筋肉・ふくらはぎが徐々に鍛えられます。

これらの筋肉が鍛えられることにより、しっかりとした足取りで歩けるようになり、つまずきによる転倒をしにくくなります。また歩行は有酸素運動ですので、基礎代謝が上がり、脂肪燃焼をしやすくなりダイエットにもなります。

4-2.出来る限り階段を使う

主に鍛えられる筋肉

太もも

おしり

ふくらはぎ

背中

腹筋

腰まわり

肩まわり

顔の筋肉

 

 

効果があるもの

転倒防止・腰痛改善・基礎代謝アップ

駅や公共施設などで、無意識に使ってしまうエスカレーターやエレベーターから、意識をして階段を使うようにします。たった20秒の階段昇降でも、やらないでいるよりも、やった方が筋トレ効果があります。

1日のお出かけの中で、合計で階段昇降が30分程度になるのが理想的です。階段の上る・下るに筋トレ負荷の大きな差はありません。

階段の上り下りの速さは、一回を3分以内で終わるように調節しながら階段を使います。例えば、短めの階段であれば息が切れる程度の速さでサッサと上がり、長い階段であれば丸々3分かけてゆっくり深呼吸しながら上がる、などです。手すりを使っても問題ありません。

下半身全体が鍛えられますので、だんだんと力強い足取りで歩けるようになります。階段昇降には前ももを大きく上げる運動が多いため、おしり全体から腰までの筋肉が強くなり、腰痛が改善されます。また、大きな筋肉の運動により血流がよくなり、基礎代謝が上がります。

【参照:マックマスター大学  マーティン・ギバラ教授「ジムに行かなくても筋トレはできる」

4-3.歩幅を広く・早く歩く

主に鍛えられる筋肉

太もも

おしり

ふくらはぎ

背中

腹筋

腰まわり

肩まわり

顔の筋肉

 

 

 

効果があるもの

基礎代謝アップ・筋量の増加・腰痛の改善・肩こりの改善

大股・早足で動けるようになることが目的ではなく、運動量そのものを増やすのが目的です。いつもより歩く速度を上げ、大股で歩くようにすると、使う筋肉量が増えますので、その分、たくさん運動したことになります。

まずは散歩やお買い物の時、わずかな時間だけでも、大股や早く歩くことを試してみましょう。例えば、次の角を曲がるまでの間だけ大股で歩こう、早足で歩いてみよう、などで良いのです。身体に自信がある方は、常日頃から大股で早く歩くようにすれば、さらに体力が向上します。

大股にしようとしても大きく足が出ない、うまく歩けない場合は、内もも・おしり・太ももの裏にあるハムストリングスという筋肉が硬くなっているので、しばらくストレッチを続けてから再挑戦をしてみましょう。

大股でサッサと歩くには、肘をしっかり曲げて前後に大きく振ると歩きやすくなりますので、慣れて来たら鞄はリュックにしたほうが歩きやすくなります。

続けていくと、基礎代謝力が上がり、生活習慣病予防とダイエット効果があります。足腰の筋肉をたくさん使いますので腰痛が改善され、腕を大きく振って歩きますので、肩こりなども解消されます。

【参照:厚生労働省 アクティブガイド

4-4.掃除や洗濯はキビキビやる

主に鍛えられる筋肉

太もも

おしり

ふくらはぎ

背中

腹筋

腰まわり

肩まわり

顔の筋肉

効果があるもの

全身の筋肉の筋トレができる・体幹が強くなる

家事のことを「生活活動」と言いますが、家事で使われる筋肉の動きは、スポーツや体力づくりの運動と同じように、軽い筋トレ代わりになることがわかっています。

家事をするにも身体のさまざまな筋肉を使います。いつもの家事をキビキビとこなすだけで、ある程度の運動をしたのと同じことになります。以下の表は、それぞれの家事を1015分行った場合を、同時間の運動強度に換算したものです。

家事の内容

筋トレや運動に換算した動き

皿洗い

10~15分ジッと立っている

料理や食事の準備・洗濯をする

ゆっくり歩くウォーキング

庭の手入れ・ガーデニング

ストレッチ・ヨガなどの軽い体操

孫や動物のお世話・家の片づけ・掃除機をかける

太極拳・ピラティス・座って行うラジオ体操

モップがけ・床の拭き掃除・風呂掃除・草むしり

自重を使った筋トレ・体幹トレーニング

階段の昇降・雪下ろし・家族の介護

立って行うラジオ体操第一

大股で早く歩く・スコップでの雪かき

水泳の普通の速さの平泳ぎ

階段を早く上る

ランニング・水泳の普通の速さのクロール

【参照:公益財団法人長寿科学振興財団 運動強度とエネルギー消費量から編集部まとめ

例えば、掃除機を10分間かけた場合は、椅子に座ったままするラジオ体操第一を10分したのと同じ運動量と筋トレ効果が期待できます。また、そのあとすぐに風呂掃除をすれば、体幹トレーニングを10分したのと同じことになります。その結果、この日は合計で座ったラジオ体操と1つの筋トレメニューをこなしたことになるのです。

家事は筋トレのように、目的とする筋肉部位を絞った運動にすることは難しいのですが、同程度の負荷がかかる運動量には必ずなります。

つまり家事をキビキビと片付けていけば、同じ時間で複数の家事を同時にこなしていくことができますので、それだけ数多くの筋肉を使うことになり、全身をくまなく使った筋トレの効果が期待できます。

4-5.ながらストレッチをする

主に鍛えられる筋肉

太もも

おしり

ふくらはぎ

背中

腹筋

腰まわり

肩まわり

顔の筋肉

効果があるもの

身体の柔軟性向上・関節の可動域が広がる・血流が良くなる・ケガ予防

筋トレの効果をアップさせるには、関節と身体の柔軟性が必要です。関節と身体の柔軟性は主にストレッチで得られます。ストレッチには、

  • 固くなっている筋肉の柔軟性を取り戻す
  • 続けるとどんどん筋肉が柔らかくなる
  • ストレッチをしていると身体と関節の動きがスムーズになる
  • 関節の可動域が広がるのでケガや痛みが減る
  • 血流が良くなる

という効果があります。高齢者のストレッチは、自分が身体を伸ばして「気持ちいいな」と感じる範囲で良いので、ながらストレッチがとても効果的です。

ながらストレッチには「これをしなければならない」などの決まりが特にありませんので、思い立った時に、手首・足首・首筋などの関節を右左にクルクル回したり、気になるところを伸ばすだけでOKです。

ながらストレッチ

例えば、腕をグーンと頭の上まで伸ばす「のび」、前膝をまげてアキレスけんを「伸ばす」、座った状態で足を前に伸ばして「膝裏を伸ばす」、少し段差のあるところで「足首とふくらはぎを伸ばす」など、気持ちよいと感じる範囲で、身体のあちこちを軽く伸ばすようにします。

このように、テレビを見ながら・電話で話しながら・家事をしながら・本を読みながらなど、何かをしながらできるストレッチを生活に取り入れるようにすると、自然と身体の柔軟性が維持できます。

【参照:日本理学療法士協会 一次予防高齢者に対する集団体操(転ばんごとがんばらんば体操)の長期的な効果

4-6.お風呂で「あいうべ体操」

主に鍛えられる筋肉

太もも

おしり

ふくらはぎ

背中

腹筋

腰まわり

肩まわり

顔の筋肉

 

 

 

 

 

 

効果があるもの

嚥下障害の解消・口呼吸改善・顔の見た目が若返る・いびきの解消

あいうべ体操とは、口まわりの筋肉を鍛える筋トレです。もともとは口呼吸を鼻呼吸に直していくための舌と喉周辺の筋肉を鍛えるための運動でしたが、

相乗効果として、食べ物や薬などを上手に「ごっくん」とできるようになり、嚥下障害による誤飲事故などを避けることができるようになるため、多くの老人ホームや自治体の高齢者向け講習などで取り入れられています。

あいうべ体操のやり方は、以下の4動作をくり返します。声は出しても出さなくても問題ありません。

  1. 「あー」と口を大きく開く
  2. 「いー」と口を大きく横に広げる
  3. 「うー」とくちびるを強く前に突き出す
  4. 「ベー」と、あっかんベーをするときのように、舌を下に伸ばす

以上を1セットとし、1日合計30セットになるように続けます。続けていると、舌と咽頭周辺の筋肉が鍛えられて、口呼吸と嚥下の問題が解消します。

口呼吸になっていると口内が乾燥し、それによる虫歯・歯槽膿漏・口臭などの口回りのトラブルが増え、細菌やウイルスにも感染しやすくなりますので、高齢者は積極的に取り入れたほうが良いでしょう。

いつ行っても良いのですが、食事の後か、入浴の最中が良いでしょう。どちらも体操中に口の中が乾燥しずらい環境であることと、万が一、口の中が乾いてしまっても、すぐに口内を潤すことができるためです。顔回りの筋肉が鍛えられるため、法令線が消え、顎のラインがシャープになって見た目が若返る、いびきが解消されるという副次的な効果もあります。

あいうべ体操に関しては、考案者である医師のホームページ以外にも、複数の本やDVDがあります。

【参照:あいうべ体操考案者 みらいクリニック 今井一彰院長

【参照:岐阜県 関市国民健康保険板取診療所 あいうべ体操  】

【参照:自律神経を整えて病気を治す! 口の体操「あいうべ」

4-7.遠くのスーパーやコンビニまで行く

主に鍛えられる筋肉

太もも

おしり

ふくらはぎ

背中

腹筋

腰まわり

肩まわり

顔の筋肉

 

 

 

 

効果があるもの

足腰が強くなる・基礎代謝アップ・ダイエット・生活習慣病予防

運動量を増やすことが目的です。普段使っているスーパーやコンビニを、少しだけ遠くのお店に行くようにします。「遠くのお店に行く」という目標を設定すると、買い物をするという目的は変わりませんが、毎日少しずつ余分に歩くことが日課となります。

洗濯洗剤などを取り扱う花王株式会社の調査によれば、75歳以上の高齢者の半数近くはほぼ毎日、食料・日用品・生活雑貨などの買い物に出かけています。

多くの人は、このようなお買い物には近くて便利な場所を選びますが、行き先を「少し遠くのお店」に変更すれば、一か月でかなりの運動量をこなすことになり、結果的に、足腰の筋トレとなります。

その結果、全身の血流が良くなり、新陳代謝が良くなるため生活習慣病予防やダイエット効果が期待できます。ご自分の体調や天候に合わせ、無理のない範囲で「少し遠く」を目指しましょう。

【参照:花王株式会社 生活者研究センターライフスタイル研究室

4-8.近所の公園や運動施設を利用する

主に鍛えられる筋肉

太もも

おしり

ふくらはぎ

背中

腹筋

腰まわり

肩まわり

顔の筋肉

効果があるもの

全身の運動量アップ・転倒防止・基礎代謝アップ・柔軟性アップ

週に何回かは、近所の公園や運動施設にも足を延ばしてみましょう。筋トレは、基本的には決められた回数とセット数を黙々とやるタイプのものが多いので、「筋トレはつまらない」と感じている方も少なくありません。

グループで行う高齢者向けの筋トレ講座などもありますが、参加している日以外は、結局、1人でやることになります。いくら健康維持のために必要だと頭ではわかっていても、楽しくないことは続かないものです。

こういうケースでは、気晴らしもかねて、近くの公園や運動施設にある健康遊具も利用してみましょう。健康遊具とは、主に高齢者が使うことを前提としたアスレチック器具のことです。

どれも軽い運動と身体のストレッチを目的としていますので、体力に自信がない方でも安心してお使いいただけます。

ただし、これらの健康遊具は、自治体と公園の広さによって設置状況が違いますので、お住まいの自治体の広報紙や電話問い合わせで、どこに行けば健康遊具があるのかを確認してみましょう。

いつも行く公園に健康遊具がなかったとしても、公園にある普通の遊具を使えば、以下のような運動ができます。

・鉄棒

鉄棒を強く握るだけでも、手首と手の筋トレになります。鉄棒を握ったまま、鉄棒に顔を近づけると、立ったままで腕立て伏せができ、肩腕と背中の筋トレになります。

背の高い鉄棒があれば両手でつかまり、つま先を地面につけたままにすれば、自力ではできないような伸びができ、肩こり解消にもなります。鉄棒がない場合は、ジャングルジムなどを使って同じことができます。

・低い平均台

背の低い平均台の上をゆっくり歩くことで、体幹トレーニングになる上に、全身のバランス感覚がアップします。慣れないうちはバランスを崩して途中で落ちてしまうことがあるため、最初は最も低いものからチャレンジしましょう。

・ベンチ

ベンチに座って、ベンチの背もたれに向かって上半身をひねります。ベンチは地面にしっかりと固定されていますので、身体を強くねじっても転倒したりすることがありません。

また、ベンチに座ったまま、背中全体をベンチの背もたれにあずけると、上体そらしというストレッチになります。上半身から腰までが適度にストレッチされ、肩こりや腰痛の解消になります。

【参照:葛飾区 公園・児童遊園の健康遊具で健康づくり

【参照:宮城県多賀城市 市内の公園に健康遊具を設置しています

公園や運動施設は、自宅とは違い、もともと身体を動かすための場所ですので、広々として運動にも適しています。家と同じメニューの筋トレをする場合でも、気分がリフレッシュされていきますので、自宅で黙々とやる筋トレとは違った気分で運動ができます。

運動施設が併設された大きな公園以外では、広さの関係上、健康遊具は23個ずつ設置されています。近所の公園を順番にめぐっていくだけでも、かなりの運動量になります。

【参照:前橋市内の健康遊具が設置されている公園一覧表

4-9.地域のスポーツイベントに参加

主に鍛えられる筋肉

太もも

おしり

ふくらはぎ

背中

腹筋

腰まわり

肩まわり

顔の筋肉

効果があるもの

つまずきによる転倒防止・基礎代謝アップ・全身の筋力アップ

地域で催されるスポーツイベントには顔を出してみましょう。例えば、東京都では、シニア健康スポーツフェスティバルという催しが毎年開催されています。参加資格は59歳以上、参加種目は

  1. ソフトボール
  2. テニス
  3. ペタンク
  4. ラージボール卓球
  5. ソフトテニス
  6. 剣道
  7. 弓道
  8. サッカー
  9. ゲートボール
  10. マラソン

の全10種目です。本大会の上位入賞者した人・チームは、厚生労働省主催のスポーツの祭典「ねんりんピック」東京都代表選手の選考対象となります。

このような大会やイベント催しに参加・見学に行く意義は、「同年代の高齢者がこんなに動ける!」という事実を見て、自分も筋トレを頑張ろうというモチベーションアップです。

もちろん、気になる競技があれば、参加をして一緒に何かを目指せば運動量が飛躍的に増え、筋量がアップしていきます。他にも、高齢者が参加できるイベントには以下のようなものがあります。

<大きなイベント>

  • ワールドマスターズゲーム
    概ね30歳以上であれば誰もが参加できる国際的なスポーツの祭典です。世界中から参加者を募っており、種目ごとに年齢別・競技経験別でエントリーをします。競技者としての参加・ボランティアとしての参加・応援者としての参加が、自由に選択できます。
    【参照:ワールドマスターズゲーム

<小規模なイベント>

  • 地元自治体開催の運動会 スポーツ大会など
    地元開催の運動会やスポーツ大会があります。自治体によっては高齢者向けのスポーツ大会を積極的 に行っているところがあります。自治体広報紙とホームページに告知が出ます。 例)恵庭市
  • 地元自治体主催のハイキング・ラジオ体操イベントなど
    小さな地域ごとに行われる、近隣の山や野原へのハイキング・BBQ・ラジオ体操などのイベントで  す。自治体広報紙とホームページに告知が出ます。町名ごとに行う場合には、掲示板や回覧板のお知らせが来ます。

これらのイベントは、参加をするにしろ、見学だけにしろ、筋トレをする「目標」のようなものになり、「よし、頑張ろう」という前向きな気持ちになれることが重要です。

【参照:第23回シニア健康スポーツフェスティバルTOKYOの参加者を募集します!

【参照:厚生労働省 全国健康福祉祭(ねんりんピック)

※新型コロナウィルス感染症の影響により、33回ねんりんピックは延期されています。

4-10.休日は家族や友人と出かける

状況が許すのであれば、なるべく、休日には家族や友人と出かけるようにします。例えば、同じ筋トレとして外を歩くのでも、1人で筋トレのためにただ黙々とやるのと、誰かと一緒にお出かけをするために歩くのでは、楽しさが全然違うだけではなく、脳の働きにも大きく影響します。

例えば、誰か友人1人と会う約束をした場合

  • 〇月〇日〇時に会う
  • A駅の1番出口改札で待ち合わせ
  • 何時に家を出れば間に合うのか?
  • どの交通機関を使うか?
  • 行き先に適した服は何か

などの事柄を並行して同時に考える必要があり、さらに当日まで、約束したことを記憶しておく必要も出てきます。さらに、実際に人と会っているときには

  • 相手の言っていることを理解する
  • 食事をしながら会話をする
  • 周辺環境に合わせた振る舞いをする
  • 相手の話に合わせて適切な返答をする
  • 声や表情を含めた相手の様子を見てメッセージを理解する

など、非常に複雑で高度な能力を使って相手とコミュニケーションをします。このように、友人1人相手でもこれだけの脳機能を使いますので、この対象者が増えれば増えるほど、回数が増えれば増えるほど、脳機能が活性化し、認知機能の衰えを防ぐことができます。

特に、同年代と会う時には、お互いが毎日どんなことをしているかなどの情報交換も兼ねています。同じように年を取っていく友人同志で、シニアライフを快適に過ごすための情報を聞く・話すことは、脳に適度な刺激を与え、お互いの認知能力の維持にも役立ちます。また、友人が頑張っている姿を見て「私も負けずに頑張ろう」という気持ちの維持にもつながります。

休日などに家族や友人と出かけることは、単なる運動や気晴らしになるだけではなく、筋トレへのモチベーション維持と、高齢者の認知機能の維持にも大いに役立っています。

【参照:高齢者の閉じこもり予防と生きがい支援の連接に関する研究

【参照:国立長寿医療センター


まとめ

いかがでしたでしょうか。高齢者の筋トレについて、以下のようにまとめました。

  1. 高齢者が筋トレをして得られる5つの効果
  2. 高齢者の筋トレで注意すべき4つのこと
  3. 高齢者向け3つの筋トレメニュー
  4. 自然に筋トレになる暮らしの中の10行動

高齢者が筋トレを生活に取り入れることの重要さと、それを支える家族が親世代の筋トレの大切さを理解していると、健康で質の高いシニアライフを送れることがお分かりいただけたと思います。

元気な状態でも、筋トレをしなければ筋量は毎年少しずつ減ってきます。自力で老化による衰弱を防ぎ、自立したシニアライフを送るために、高齢者向けの筋トレを、今日からでも生活に取り入れていきましょう。

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