
人生の終わりを見つめ、自分の身の回りの状況をまとめる「終活」。
終活とは、家族や身近な方へ伝えたいことや相続関係でトラブルにならないよう、自分の意志を整理する行為です。
終活の一環として、エンディングノートの作成が人気です。
エンディングノートとは、家族や身近な方へ向けて伝えたい内容を文章として一冊にまとめたもの。
自分の身に何かが起きた時に残された家族が困らないよう、元気のあるうちにエンディングノートを作成する人が増えています。
エンディングノートの書き方は自由です。
下記のような内容を記載できます。
- 家族や身近な方へのメッセージ
- 医療、介護面の要望
- 葬儀やお墓について
- 不動産や保険、銀行などの情報
- 友人や知人の連絡先
エンディングノートは自由に作成できる分、どのような内容を押さえておけばよいか迷う人も多いことしょう。
ここでは、エンディングノートを自作する際に必要な10項目を解説します。
合わせて市販で購入できるものや便利なスマホアプリなども紹介。
読み終えた後すぐに、エンディングノートの作成に取り掛かることができます。
目次
1. エンディングノートを作成するメリット
「エンディングノートの存在は気になるけど、本当に必要なの?」と、疑問に思われる人も多いことでしょう。
先のことは考えたくない、自分のことを書くのは恥ずかしいという気持ちは少なからず誰でも抱くものです。
まずは、エンディングノートを作成するメリットについて紹介します。
主に以下の3つのポイントは、老後の人生を有意義にするために重要な意味を持つものです。
- 人生を振り返り、余生を考えるきっかけになる
- 残された家族への思いを伝えられる
- 自由度が高く好きなことが書ける
1−1. 人生を振り返り、余生を考えるきっかけになる
エンディングノートに自身のプロフィールを記載することで、自分のこれまでの人生を振り返るきっかけになります。
これまでにどのように生きてきたかを再確認することで、人生を振り返りながら思い出に浸ることができるでしょう。
それにより、成し遂げられなかったこと、残りの人生で挑戦したいことなどを明確にできます。
これからの人生を魅力的で前向きなものにするために、新たな目標を立てることが可能です。
新しい趣味を始めたり、軽い運動を習慣化したりと、健康で前向きな生き方の実現につながります。
1−2. 残された家族への思いを伝えられる
エンディングノートには、残された家族への思いを伝えるメッセージを残すことが可能です。
面と向かって話しづらいことや、縁起でもないといわれて話を聞いてもらえない場合でも、文章として自分の思いを伝えることができます。
また、終末期に備えて持病や服用中の薬などの情報を記載しておけば、事態が急変した時に備えられます。
介護や延命処置の希望など、自分の意識がはっきりとしている時期に明確にしておけば、家族の心理的な負担を軽減できるでしょう。
1−3. 自由度が高く好きなことが書ける
エンディングノートには押さえておきたい項目はいくつかありますが、それを満たしていれば書き方は自由です。
自分らしさが伝わる、独自性の高いエンディングノートをつくることができます。
家族や親族一人ひとりへの思いや感謝の気持ちを綴ってもよいでしょう。
家族が読み直す度に生前の姿を思い出してくれるような内容であれば、ずっと大切にしてもらえるはずです。
また、エンディングノートは一度作成したら完成というわけではなく、心境や時代の変化に合わせて書き直したり追加したりすることができます。これも自由度の高いエンディングノートならではといえるでしょう。
2. エンディングノートには遺言書の効力がない点に注意
エンディングノートには遺産相続についての希望を記載することができます。
ただし、エンディングノートには遺言書としての効力はありません。
定められた記載方法のある遺言書のように、法的な効力がないためです。
エンディングノートに書いた要望がすべて通る保証はありません。
そのため、下記の内容については遺言書を作成します。
- 財産に関する事項:遺産の相続、生命保険金受取人の変更など
- 身分に関する事項:子供の認知や未成年後見人の指定など
- 遺言執行者の指定:遺言執行者を選べる
エンディングノートには、遺言書の存在と保管場所を記載しておくとよいでしょう。
むしろ、遺言書には載せられない自分の思いや終末期の処遇などについて記載できるのは、エンディングノートならではのメリットといえるのです。
3. エンディングノートを書き始めるタイミング
エンディングノートを書き始めるタイミングは人それぞれ。
多くの場合は60代以降に書き始めるようです。
60代になると身体の自由がこれまでのように効かなくなり、持病が気になり始める年齢でもあります。
残された人生を見据えてこれまでの生き方を振り返るのに、適した年齢といえるでしょう。
ただし、エンディングノートの作成をはじめる年齢に決まりはないため、40~50代から人生を見つめなおす意味を込めて、執筆に取り掛かる人も増えています。
3−1. 定年退職した時
定年退職を迎えて第二の人生を歩みだすタイミングに合わせ、エンディングノートを作成する人は多くいます。
一日の多くを仕事に費やしてきた頃と比べ、自由に使える時間が飛躍的に増えるため、自分を見つめ直すのによいタイミングといえるでしょう。
映画や読書に興じたりスポーツにチャレンジしたりと、有意義な時間の使い方を考えるため、エンディングノートの作成に取り組めます。
3−2. 節目となる年の誕生日
「エンディングノートを書かないといけないけど、きっかけが掴めない」という人は、何かしらの節目となる日を境に開始するのがおすすめです。
自分や家族が覚えていて意識しやすい、節目となる年の誕生日も候補に入ります。
- 還暦(60歳の誕生日)
- 録寿(66歳の誕生日)
- 古希(70歳の誕生日)
- 喜寿(77歳の誕生日)
- 傘寿(80歳の誕生日)
節目となる日は自由に決められるため、特別な記念日や祝日を選ぶことも検討できます。
- 60歳以降の誕生日
- 結婚記念日
- 金婚式
- 敬老の日
- 正月
- お盆
誕生日や結婚記念日など一年の中で当別な日であれば、腰を据えて行動を起こしやすくなります。
誕生日をきっかけにエンディングノートを購入したり、市販のノートを使って執筆を進めるとよいでしょう。
3−3. 病気を患った時
これまでは病気とは縁のない健康な毎日を送っていても、ある日突然に重い病気やけがに襲われる可能性があります。
病気を患ったときに感じる痛みや不安が、残された家族のことを考えるきっかけになるでしょう。
普段通りの日常が送れなくなったときのために、エンディングノートに機能を書いておくことは重要です。
病気や服用している薬について記載しておけば、自分が意識を失った場合でも家族に適切な対応をゆだねることができます。
3−4. 家族との別れが訪れた時
大切な家族との別れが訪れた時、自分の今後を見つめ直すきっかけになります。
両親が亡くなった場合は自分の立場に当てはめることで、残りの人生を見つめやすくなります。
配偶者との別れが訪れた際には、子供や孫に何を残せるかを考えるようになるでしょう。
自分に残された家族のことを考える上で、身辺整理や伝えたい内容をまとめるために、エンディングノートの執筆を開始するケースは多くあるのです。
4. エンディングノートに記載すべき10項目
実際にエンディングノートを作成するにあたり、最低でも押さえておきたい10項目を紹介します。
市販のエンディングノートの多くは下記の情報を網羅していますが、自作する際にはきちんと抑えておきましょう。
- 生年月日などの個人情報
- 伝えてほしい人の連絡先
- 財産に関する情報
- 各種契約に関する情報
- ペットについて
- 医療に関する情報
- 介護に関する要望
- 葬儀に関する要望
- 墓や納骨に関する要望
- 遺言について
エンディングノートの書き方は自由ですが、残された家族へ向けて必要な情報が記載されているほうが、受け取った側も安心できます。
別れを迎えた時に慌ただしい中で家族が疲弊しないよう、必要な要素をまとめておきましょう。
4−1. 生年月日などの個人情報
自分の生年月日などの個人情報を記載します。
基本的な情報であっても家族がしっかりと把握しているとは限りません。
急な場面で家族を混乱させないためにも、改めて個人情報を書き出しておきましょう。
エンディングノートに記載する個人情報の例
- 名前
- 生年月日
- 血液型
- 本籍地
- 家系図
- 運転免許証番号
- 保険者番号
- マイナンバー
- 趣味
- 特技
- 好物
- 友人関係
- 自分の人生
趣味や好きな食べ物などを記載しておけば、残された家族が振り返られる思い出の一冊にできます。
4−2. 伝えてほしい人の連絡先
エンディングノートには、家族以外の友人や知人の連絡先を記載しておきましょう。
自分では行動できない状況になった場合、声をかけてもらいたい人へ家族から連絡してもらえます。
エンディングノートに記載する連絡先の例
- 友人や知人の名前
- 連絡先の住所、電話番号
- 当人との関係性
4−3. 財産に関する情報
自分の財産に関する情報は、家族でもすべて把握できていないケースは多くあります。
財産を残された家族に受け継いでもらうためには、どこに何を保管してるかを伝えねばなりません。
エンディングノートに財産に関する情報を記載することで、家族が把握しやすくなります。
エンディングノートには通帳や印鑑、貴重品などの保管場所を記載しておくとよいでしょう。
ただし、インターネットバンキングの口座やクレジットカード、各種インターネットサービスのパスワードや暗証番号は、エンディングノートに直接記載してはいけません。
万が一エンディングノートが盗難の被害に遭った際に、パスワードがわかると現金を引き出されたり、不正な買い物に使われたりする危険性があるためです。
パスワードではなく家族間でしかわからない合言葉や暗号として残しておけば、情報漏洩のリスクを低減できます。
エンディングノートに記載する財産情報の例
- 金融機関の情報(銀行名や口座番号)
- 通帳やカード、印鑑の保管場所
- クレジットカード
- 保険の加入情報(保険会社)
- 年金の情報(基礎年金番号、年金の種類、受取口座)
- 不動産情報
- 貴重品などの財産(貴金属、骨董品、現金など)
- お金の貸し借りの情報(相手の連絡先と貸し借りしている金額)
4−4. 各種契約に関する情報
光熱費や通信費など、生活に必須の契約情報を記載します。
解約や名義変更のために必要な情報であるため、エンディングノートに分かりやすく記載しておきましょう。
家族が手続きをしやすいよう、下記の情報をまとめておきます。
- 契約先
- 名義人
- IDとパスワード
- 支払い方法
- 契約書
エンディングノートに記載しておく契約情報は以下の通りです。
エンディングノートに記載する契約情報の例
- 携帯電話
- インターネットのプロバイダ
- 主要なメールアドレス
- SNSやネット通販用のパスワード
- 電気
- ガス
- 水道
- 家賃
- 参加している組合、同好会の年会費
4−5. ペットについて
犬や猫などを飼っている場合、残されたペットをきちんと引き取ってもらえるよう、引き取り手を指定しておくと安心です。
食べ物の好き嫌いや性格、かかりつけの動物病院などの情報を記載しておくことで、新しい生活先での不自由さを緩和できます。
エンディングノートに記載するペット情報の例
- ペットの名前
- 年齢と生年月日
- 普段の餌の種類
- かかりつけの動物病院
- 持病と服用中の薬
- ペット保険への加入の有無
- 引き取り先の希望
4−6. 医療に関する情報
自分のかかっている病気や服用中の薬などの情報は、きちんと家族に伝えるべき内容です。
急な容体の急変で入院になったり、認知症が進行して受け答えが難しくなったりと、自分で伝えることが難しい状況を想定し、エンディングノートに記載しておくと安心です。
また、終末期を迎えるにあたり、延命治療を行うかどうかの判断を家族にゆだねるのではなく、事前に意思表示しておくこともできます。
家族の負担を減らすためにも、医療情報はしっかり記載しておきましょう。
エンディングノートに記載する医療情報の例
- 持病
- 治療中のけが
- 入院歴
- かかりつけの医療機関名
- 常用中の薬(用法と容量を記載)
- アレルギーの有無
- 延命治療の希望の有無
- 臓器提供の意思の有無
4−7. 介護に関する要望
今は自分で身の回りのことができていても、将来的に介護を受ける可能性は誰にでもあります。
そのため、介護が必要になった際の対応についても、エンディングノートに記載しておきましょう。
事前に家族と話し合いをしておくことも有効です。
エンディングノートに記載する介護情報の例
- 認知症になった際の対応
- 介護施設の希望
- 介護を希望する人
- 介護費用の支払い
4−8. 葬儀に関する要望
葬儀をどのように行ってほしいか、生前のうちに決めておくことで、残された家族への負担を減らせます。
葬儀の準備は慌ただしい中で行われ、家族も心の整理がついていない場合が多いため、エンディングノートの記載した情報は非常に役立ちます。
自分では行えない葬儀だからこそ、事前に明確な意思表示をしておくことが大切なのです。
エンディングノートに記載する葬儀の希望の例
- 葬儀の方法(家族葬、密葬など)
- 信仰している宗教
- 遺影に使う写真
- 喪主の希望
- 葬儀費用の支払い
- 葬儀の列席者の希望
4−9. 墓や納骨に関する要望
お墓や納骨に関する要望がある人は、それもエンディングノートに記載しておきます。
葬儀から納骨まで滞りなく行ってもらうためにも、必要な情報です。
エンディングノートに記載する墓や納骨の例
- お墓の情報(住所、連絡先)
- 墓の継承者の希望
- お墓を買う際の費用
- 散骨する場合の希望先
4−10. 遺言について
先述の通り、エンディングノートには遺言書としての法的な効力はありません。
そのため、別途作成した遺言書についての記載をしておくとよいでしょう。
残された家族のために、きちんと効力を発揮する遺言書とセットでエンディングノートを運用するのが効果的です。
エンディングノートに記載する遺言関連の例
- 遺言書の有無
- 遺言書の保管場所
- 遺言書の種類(自筆証書遺言・公正証書遺言・秘密証書遺言)
5. エンディングノートの作成方法
エンディングノートは自由な内容にできるため、どのような作成方法を試しても問題ありません。
市販のノートに手書きで記載するのもよいでしょう。
ここでは、手書き以外でエンディングノートを作成できる、下記の3つの方法を紹介します。
- パソコンを使って自作する
- 市販のエンディングノートを購入する
- スマホのアプリを使って作成する
5−1. パソコンを使って自作する
「あまり字が上手ではない」「手書きは時間がかかる」という人には、パソコンを使ったエンディングノートの作成がおすすめです。
Wordなどのソフトを使って、紹介した10項目を含めたオリジナルのエンディングノートを作成することが可能です。
パソコンで作成する場合、後から修正がしやすいなどのメリットがあります。
写真を添付できるなど、手書きにはない要素が多くあります。
5−1−1. 無料でダウンロードできるおすすめテンプレート
インターネット上でダウンロードできるテンプレートを使えば、記載すべき内容があらかじめ揃っているため時間の短縮になります。
見栄えのよさにこだわりたい人も、テンプレートを活用してみましょう。
無料でダウンロード可能なエンディングノートのテンプレートを紹介します。
テンプレート名 | 特長 |
Microsoftの提供するテンプレートのため、Wordとの相性がよい。 | |
2章構成で、1章には自分史を、2章には家族への希望を記載できる。 | |
予め必要な要素をチェックしてダウンロードできる。 |
5−2. スマホのアプリを使って作成する
「パソコンを持っていない」「タイピングのスキルがない」という人には、スマホで作成する方法がおすすめです。
エンディングノートを作成できるアプリをインストールすれば、スマホだけで手軽に作成できます。
スマホなら時間や場所にとらわれずに、自由なタイミングで作成を進められる点が便利です。
エンディングノートのアプリは、下記の記事で詳しく紹介しています。
5−2−1. らくらくスマートフォンならアプリの操作も楽々
出展:らくらくスマートフォン F-52B
「スマホを持っていない」「スマホの操作は難しく感じる」という人は、「らくらくスマートフォン」シリーズの利用がおすすめです。
「らくらくスマートフォン F-42A」は、シニア層やスマホ初心者向けに設計された機種で、使いやすさにこだわっています。
大きな画面と実際に押し込むようなボタン操作により、タッチパネルに不慣れな人もすぐになじめるはずです。
5−3. 市販のエンディングノートを購入する
「あくまでも手書きにこだわりたい」「デジタルは苦手」という人で、決まった形式に沿って作成したい場合は、市販品を購入する方法があります。
エンディングノートは複数販売されており、書店で購入可能です。
おすすめの5つのエンディングノートを紹介します。
- コクヨ エンディングノート もしもの時に役立つノート
- 書いて安心 エンディングノート
- 一番わかりやすいエンディングノート
- 未来に向けてスッキリ整理する! 新エンディングノート
- もしものときのエンディングノート
5−3−1. コクヨ エンディングノート もしもの時に役立つノート
「コクヨ エンディングノート もしもの時に役立つノート」は、B5サイズのコンパクトなエンディングノートです。
64ページの中に、医療や相続など必要な情報をまとめられます。
5−3−2. 書いて安心 エンディングノート
「書いて安心 エンディングノート」は親しみやすい内容のエンディングノートです。
これからエンディングノートを書き始めたいという人におすすめできます。
預貯金口座やクレジットカード番号など、財産に関する情報を漏らさず記載可能です。
5−3−3. 一番わかりやすいエンディングノート
シンプルなデザインを探している人におすすめの、「一番わかりやすいエンディングノート」。
3,000人の終活セミナー受講者の声を参考に、書きやすさにこだわったつくりとなっています。
暗証番号などの項目は、秘匿性を高めるためにスクラッチシールで隠すことができます。
5−3−4. 未来に向けてスッキリ整理する! 新エンディングノート
「未来に向けてスッキリ整理する! 新エンディングノート」は、感染症が広がった世の中で自分の人生を見つめ直すために必要な情報を記載できます。
第1章「私に関すること」、第2章「私の“もしものとき”のこと」、第3章「私の財産・資産について」、第4章「遺していくもの」と分かりやすく章ごとに構成されており、初めての人が書きやすくなっています。
5−3−5. もしものときのエンディングノート
「もしものときのエンディングノート」は、文字が大きくて見やすく、書き込みやすい形式で作成されたエンディングノートです。
シニアの人が手書きで作成するのに向いています。
第1章「自分自身に関すること」、第2章「自分の「もしものとき」のこと」、第3章「自分の大切なもの・伝えておきたいこと」の3章構成で、記載する目的を確認しながら作成できます。
6. エンディングノートを書き終わったら
エンディングノートを作成し終えたら、きちんと保管しておきましょう。
紛失したり誰からも見つけられなかったりといったことになれば、エンディングノートを作成した意味がありません。
最後に、エンディングノートの保管方法と状況に応じた加筆・修正について紹介します。
6−1. 厳重に保管する
エンディングノートには銀行口座や利用中のサービスのパスワードなど、貴重な情報が多く含まれています。
そのため、不特定多数の人の目に留まる場所は避け、厳重に保管しておきましょう。
6−1−1. 自宅で保管する場合
自宅で保管する場合は、以下の場所を選ぶ人が多いようです。
- 本棚
- 机の引き出し
- 仏壇
- 金庫
あまりに難解な場所に保管すると誰にも見つけてもらえない恐れがあるため、信頼できる家族にのみ場所を伝えておきます。
口頭で伝えても時間とともに忘れられる場合があるため、エンディングノートの保管場所をメモしておくとよいでしょう。
メモは普段使いしている鞄や財布などに入れておくと、迅速に見つけてもらいやすくなります。
6−1−2. 外部に保管する場合
盗難の被害や生前に家族に見られることを防ぐため、自宅にエンディングノートを保管したくないという人もいるでしょう。
その場合は、信頼できる外部に保管する方法があります。
民間企業やNPO法人が運営する「エンディングノートの預かりサービス」なら、厳重に保管してもらえます。
保管の費用はかかりますが、友人や知人に預ける場合と比べ、情報の漏洩を気にせずに済む点がメリットです。
株式会社ウィッシュレーンでは、ウェブエンディングノートを保管するサービスを提供しています。
6−2. 必要に応じて書き直してみる
一度は書き終えたエンディングノートでも、時代や考え方の変化により、最初に書いた内容と自分の考えが一致しなくなる場合も出てきます。
そこで、エンディングノートは必要に応じて修正を加えてみてください。
終末期の対応や葬儀、お墓の希望などは、その時々の価値観で変わる場合があります。
定期的にエンディングノートを読み直してみて、気になった点は書き直してみるとよいでしょう。
書き直しや修正を考慮する場合は、パソコンやスマホアプリでの作成がおすすめです。
まとめ
終活を進めるにあたり、エンディングノートの存在は不可欠なもの。
残された家族への負担を減らし、葬儀や相続などが問題なく進められるように、必要事項をまとめておきましょう。
下記の10項目があれば、エンディングノートとして十分機能します。
- 生年月日などの個人情報
- 伝えてほしい人の連絡先
- 財産に関する情報
- 各種契約に関する情報
- ペットについて
- 医療に関する情報
- 介護に関する要望
- 葬儀に関する要望
- 墓や納骨に関する要望
- 遺言について
エンディングノートには決まった形式がないため、自由に作成可能です。
すべて手書きで行ったり、市販品を購入したりしてもよいでしょう。
デジタルに抵抗のない人は、パソコンやスマホを使えばスムーズに作成できます。
ただし、自由につくれるということは、法的な効力がないということ。
相続で家族がもめることのないよう、遺言書とセットで用意しておくことが大切です。
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