
ニュースなどでたびたび話題になる「還付金詐欺」。
主にシニアを狙った悪質な犯罪であり、いつ自分や家族がターゲットにされるか不安に感じている方も多くいらっしゃるでしょう。
突然の詐欺グループからの電話によるトラブルを回避するには、『還付金詐欺』の手口をしっかり把握しておくことが大切です。
今回は、『還付金詐欺』によく使われる手口を紹介します。
合わせて、詐欺を見抜く方法と適切な対処法を理解しておくことで、電話がかかってきてもすぐに見抜けるようになるでしょう。
目次
1. 還付金詐欺とは?
『還付金詐欺』とは、市役所などの自治体や年金事務所の職員を名乗る存在から、
・払いすぎた保険金の返金
・医療費の還付が受けられる
などの名目で電話がかかってくるというものです。
主な手口として、返金のために銀行やコンビニのATMの操作が必要と騙し、携帯電話で指示を出しながら端末を操作させ、被害者から金銭を振り込ませます。
被害者に還付金を支払う素振りをみせ、反対に振り込ませるというのが、『還付金詐欺』の一連の流れです。
2. 還付金詐欺の具体的な手口を把握
『還付金詐欺』に騙されないよう、具体的な手口を把握しておきましょう。
主に、以下の4つのパターンで還付金が受けられるという電話がかかってきます。
・税金が還付されるという内容
・医療費が還付されるという内容
・保険料が還付されるという内容
・年金が還付されるという内容
2−1. 税金が還付されるという内容
「住民税の還付金が受け取れる」という内容です。
日頃から無意識のうちに収めるのが当たり前になっている税金ほど、還付金が受けられるという誘いには、疑いなく信じてしまうものです。
犯人は市町村の職員を名乗って電話をかけてきます。
2−2. 医療費が還付されるという内容
「医療費の払い戻しを受けられる」という手口の内容です。
社会保険所の職員を名乗り、医療費の還付が受けられると電話してきます。
また、後期高齢者医療制度を悪用し、職員を名乗る人物が自宅に押し掛け、「被保険者証の更新時期のため、古いほうを回収している」と被保険者証を騙しとろうとするケースが報告されています。
2−3. 保険料が還付されるという内容
「保険料の還付を受けられる」という内容の手口です。
介護保険負担限度額認定制度の変更を悪用し、市町村の職員を名乗る犯人が接触してくる場合があります。
「制度が変わったため、介護保険負担限度額認定を受けるために通帳の写しが必要になる」という内容の電話です。
盗まれた個人情報は詐欺を含め、別の犯罪に利用される恐れがあります。
2−4. 年金が還付されるという内容
「年金の還付が受けられる」という内容です。
市町村の職員を名乗る犯人から電話があり、ATMの操作で金銭を騙し取られるケースが多発しています。
年金の還付金を語る詐欺の電話は、年金が支給される偶数の月に増える傾向にあります。
3. 還付金詐欺の電話の内容と会話の流れをチェック
『還付金詐欺』の手口を把握するため、犯人からの電話の内容と会話の流れを確認しておきましょう。
犯人が金銭を騙し取る方法として、以下の2つの手口があります。
- ATMでの振り込みを指示する場合
- 自宅まで通帳やキャッシュカードを受け取りにくる場合
それぞれの、犯行にいたるまでの流れをチェックしましょう。
3−1. ATMでの振り込みを指示する場合
電話にて、ATMでの振り込みを指示する場合は、以下の流れとなります。
3−1−1. 自治体の職員を名乗り電話をしてくる
市町村の役所や社会保険など、公的機関の職員を名乗る人物から、
「医療費の過払い分を返金します」
「年金の未払い分があるため還付します」
といった内容の電話がかかってきます。
現実に存在する組織の部署を名乗ることで、電話口の相手を信頼させる目的があります。
還付金が受けられるという耳障りのよい話をして、金銭を
し取ろうとしてくるのです。
誘導セリフのイメージ例
「返還金が〇〇〇〇円あります。今からお伝えする番号に電話していただければ、返金いたします」
「〇〇区役所の〇〇です。医療費の還付金が〇万円あります。以前に書面にて連絡いたしましたが、期限が近づいているため電話しました。」
3−1−2. ATMへの移動を指示してくる
電話にて、「還付金を振り込むため、指定のATMへ移動してほしい」と話します。
この時、銀行のキャッシュカードと携帯電話を持って移動するよう指示してきます。
犯人側は事前に被害者の自宅周辺をリサーチし、管理者の目が届きにくい無人のATMを指定する場合が多いようです。
誘導セリフのイメージ例
「還付金を指定の口座に振り込むには特別な操作が必要なため、指定のATMへお越しください」
「最寄の〇〇のATMでお支払いしますので、キャッシュカードを持ってすぐに向かってください」
3−1−3. ATMの操作方法を指示してくる
ATMに移動したら、携帯電話にて振り込みの方法を指示してきます。
「操作方法を説明するので、指示したように動かしてください」
と被害者を巧みに誘導します。
「あなたの個人番号を入力してください」と嘘をつき、振り込み金額を入力させ、最後に「確認」ボタンを押させて振り込ませてしまうのです。
被害者は自分の口座に還付金が振り込まれたと勘違いしますが、実際は犯人の指定口座に入金しています。
誘導セリフのイメージ例
「暗証番号を入力し、振込ボタンを選んでください」
「還付金振込用の口座を作成するので、指示する口座番号を入力してください」
「個人番号である〇〇〇〇の数字を入力して、最後に決定ボタンを押してください。これで還付金の振込は完了です」
3−2. 自宅まで通帳やキャッシュカードを受け取りにくる場合
電話にて約束を取り付けた後、公的機関の職員を名乗る犯人が、直接被害者の自宅まで通帳やキャッシュカードを受け取りに来る手口が存在します。
3−2−1. 自治体の職員を名乗り電話をしてくる
自治体の職員を名乗って電話してくる手口は同様ですが、ATMでの振り込みの指示ではなく、犯人が直接被害者宅を訪れ、金銭を引き出すために必要な貴重品を受け取ります。
この場合、複数の犯人が銀行員や警察官になりすまし、入れ替わり立ち代わり電話をして、被害者を信用させるケースがあります。いわゆる、受取型と呼ばれる犯行方法です。
誘導セリフのイメージ例
「保険料の返還金が約〇〇〇〇円あるため、後程〇〇銀行の行員から連絡させます」
「〇〇銀行の〇〇です。保険料の還付金のお支払い手続きについてお伝えします」
3−2−2. 個人情報を聞き出し、通帳などを用意するように指示する
被害者から電話口で個人情報を引き出し、「後程、担当の銀行員がご自宅まで伺います」などと伝えます。
異なる役職の人物が登場することで、被害者は完全に還付金が事実だと信じ込んでしまうのです。
誘導セリフのイメージ例
「指定の銀行口座に振込しますので、手続きのため職員がお伺いします。茶封筒を用意して、中にキャッシュカードを入れて割印をしておいてください」
3−2−3. 実際に受け取りに来る
電話の主とは別の犯人が被害者宅に堂々と現れ、通帳やキャッシュカードなどを受け取ります。
銀行員や警察官などの役職を名乗っており、被害者を信じ込ませているため、騙されてしまう方が多くいます。
誘導セリフのイメージ例
「カードを作り直す必要があるようです。暗証番号を同じにするために、番号をお教えいただけますか?」
4. 還付金詐欺の被害に遭わないための6つの対処法
大切な家族や、自分自身が『還付金詐欺』の被害に遭わないために、普段から注意しておく必要があります。
突然の電話には、誰しも動揺してしまうもの。
複数の立場の人物が登場しては、真実だと信じ込んでしまうのも無理はありません。
そこで、以下の6つの対処法を身につけておくことをおすすめします。
- ATMで還付金が返還されることはないと理解しておく
- 不審な相手には個人情報を話さない
- 指示された連絡先に電話をしない
- ATMの利用限度額を低く設定しておく
- 不審な電話を受けたら家族や友人に相談する
- 留守番電話を設定する
4−1. ATMで還付金が返還されることはないと理解しておく
公的機関である市町村や税務署などが、電話口でATMを操作させながら還付金を返還するということは、絶対にありえません。
還付金の電話の中でATMという単語が出た場合は、速やかに電話を切るようにしましょう。
また、ATMにはキャッシュカードを使って還付金を返還する機能はないため、この手の電話はすべて詐欺だと認識しておいて間違いありません。
4−2. 不審な相手には個人情報を話さない
公的機関を名乗りながらも、ATMへの移動を催促するなど、不審な電話の相手には不用意に個人情報を話さないように注意しましょう。
銀行の口座やキャッシュカードの暗証番号などを伝えてしまうと、勝手に金銭を引き落とされる被害に遭う恐れがあるからです。
公的機関が電話にて個人情報を収集することはないと、把握しておきましょう。
4−3. 指示された連絡先に電話をしない
不審な電話相手から、「ATMに到着したら、携帯電話から折り返しの電話が欲しい」と、連絡先を求められる場合があります。
公的機関の場合、利用者に対してフリーダイヤルや特定の携帯電話への連絡を指示することはありません。この時点で還付金詐欺を疑いましょう。
指示された電話番号が本当に公的機関のものであるか、インターネットを使って検索する方法も効果的です。
4−4. ATMの利用限度額を低く設定しておく
どれだけ注意していても、相手の巧みな言葉に惑わされたり、体調不良によって判断力が鈍っていたりすることで、『還付金詐欺』の被害に遭わないとは限りません。
そこで、普段からATMの利用限度額を低めに設定しておきましょう。
これなら万が一の場合でも、被害金額を最小限に抑えることが可能です。
高齢の両親と離れて暮らしている場合など、すぐに連絡が取れない場合は、予め振り込める金額の調整をしておくと安心できます。
4−5. 不審な電話を受けたら家族や友人に相談する
突然の不審な電話に対しては、焦らずに一旦会話を終了し、家族や信頼できる友人に相談するのが効果的です。
他者からの冷静な意見をもらうことで、自分がトラブルに巻き込まれようとしていることに気づける可能性が高まります。
家庭用電話機を使う場合は、目に留まりやすい場所に「『還付金詐欺』に注意」といったメモを貼りつけておくとよいでしょう。
家族との約束を思い出し、犯人の言葉を疑う余裕が生まれるかもしれません。
4−6. 留守番電話を設定する
高齢の方の場合は家庭用電話や携帯電話に限らず、留守番電話設定にしておくのが効果的です。
特に、知らない番号からの着信については、留守番電話に残されたメッセージを聞いてから、折り返すかどうかの冷静な判断ができます。
例え公的機関を名乗る人物からの電話でも、自己判断や周囲に相談を仰ぐ時間的な余裕が生まれるのです。
5. 還付金詐欺への対策機能を持つスマホを利用するのも効果的
4-6にて留守番電話の設定が『還付金詐欺』対策として効果的と説明しました。
それを発展させ、『還付金詐欺』自体への対抗策を充実させた電話機を利用すれば、シニアがトラブルに巻き込まれる可能性を大幅に低減できるでしょう。
固定電話やスマホの機種には、還付金詐欺などへの対策機能がついたものがあります。
一人暮らしをしているシニアの場合、固定電話機よりもスマホを持ってもらったほうが、外出時でも連絡が取れるため家族も安心できるはずです。
ここでは、『還付金詐欺』に巻き込まれないためのスマホを紹介します。
5−1. おすすめは「らくらくスマートフォン F-42A」
出典:富士通コネクテッドテクノロジーズ らくらくスマートフォン F-42A
富士通コネクテッドテクノロジーズが製造し、世代を重ねてシニア層からの厚い信頼を得ている、らくらくスマートフォン。
その最新機種が「らくらくスマートフォン F-42A」です。
NTTドコモユーザーのシニアにとって、利用すべきメリットが非常に多い機種となっています。
らくらくスマートフォン F-42Aの詳細についてはこちら
5−2. 「還付金詐欺対策」機能で被害を未然に防ぐ
出典:らくらくスマートフォン F-42A 製品特長(あんしん)
らくらくスマートフォンには、『還付金詐欺』対策の機能が搭載されています。
これは、警視庁犯罪抑止対策本部からのアドバイスを元に、富士通コネクテッドテクノロジーズが提供する機能です。
『還付金詐欺』対策機能の内容を解説します。
スマホの電話帳に登録されていない番号からの着信に対し、発信者側にけん制メッセージを自動で伝えます。
また、通話音声を解析し、『還付金詐欺』の可能性があれば自動で検出。犯人側にけん制と注意喚起を自動で発信するなど、スマホ側の判断でトラブルを未然に回避できる可能性が高まるのです。
『還付金詐欺』対策機能や迷惑電話対策機能の標準搭載が評価され、標準搭載公益財団法人 全国防犯協会連合会が推奨する「優良迷惑電話防止機器」(優良防犯電話)の認定を受けています。
5−3. 「らくらく迷惑メール判定」で不審なメールに対応
出典:らくらくスマートフォン F-42A 製品特長(あんしん)
頻繁に届く、悪意を持った迷惑メールに対しての対策機能も充実しています。
らくらく迷惑メール判定により、メールやSMSの開封時に注意喚起を行い、利用者に慎重な行動をうながすのです。
スマホを使う上でネックになる迷惑メールの対処もできるため、シニアに安心して持ってもらうための重要な機能といえるでしょう。
5−4. シニアの使いやすさを追求した機能を満載
出典:らくらくスマートフォン F-42A 製品特長(あんしん)
らくらくスマートフォンには、シニアが安心して利用できる機能が多く盛り込まれています。
例えば、側面の音量ボタンを長押しするだけで、防犯ブザーの役割を果たします。
外出時だけでなく、自宅で何かしらのトラブルに見舞われた際には、すぐに周囲に状況を伝えることが可能です。
また、同時に登録先の番号へと自動で電話をかけるため、家族への迅速な連絡が可能になります。
出典:らくらくスマートフォン F-42A 製品特長(あんしん)
また、生活防水に対応し、本体ごと泡タイプのハンドソープを使って丸洗いが可能です。
外出の後など、こまめに洗うことでスマホを清潔に保ち、健康上のトラブルの予防を心がけられます。
まとめ
『還付金詐欺』はいつのタイミングでかかってきて、自分や家族が被害者になるかわからないもの。
普段から手口を把握して、いざという時に冷静な判断ができるようにしておきましょう。
大前提として、公的機関が電話にてATMの操作による還付金を行うことは、絶対にないということを覚えておきましょう。
警察官など複数の立場の人間が電話してきても、すべて詐欺と考えて対処すべきです。
また、ATMに限度額を設けたり、留守番電話や還付金対策機能つきのスマホを使ったりするなど、万が一の際の対抗策を設けておくことも重要になります。
犯人側は巧妙な手口を進化させています。
新たな『還付金詐欺』の手法に対応できるよう、定期的に公的機関の注意喚起に目を通すように心がけましょう。
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