初節句って何するの?祖父母として知っておきたい初節句の基礎知識

初節句

赤ちゃんが生まれて、最初のお節句を初節句と言います。祖父母となる方々にとっては、親だった時代に初節句をやった記憶はあるものの、すでに子育てからも遠のいているため、「初節句って、何したんだっけ?」「誰に、何をもらったかな?」など、当時の記憶もあやふやですね。

また、経験はあるものの、祖父母としての初節句は初めてですので、ジイジ・バアバとして何をするのが正解なのかもよくわからず、お困りのことと思います。そこで今回は、初節句について以下のようにまとめました。

  1.  初節句の基礎知識
  2.  女の子の初節句 3月「桃の節句」
  3.  男の子の初節句 5月「端午の節句」
  4.  よくある初節句に関した8つのQ&A

最後までお読みになれば、初節句に関することがしっかりと理解できます。

また、ご自身の過去の体験と一緒に、当時のいろいろな思い出がよみがえりますので、子世代に何か質問をされても、人生の先輩として堂々と受け答えをすることができるようになります。本記事を参考に、初節句で素晴らしい祖父母デビューを飾ってください。


1.初節句の基礎知識

初節句

本章では、お孫さんの初節句に、祖父母として、いつ・何を・どうしたら良いのかがスグわかる、カンタンな説明をしています。各節句の細かな解説は2章になります。

1-1.初節句っていつのこと?

初節句とは、女の子は生まれて初めて迎える3月3日の「桃の節句」、男の子は生まれて初めて迎える5月5日の「端午の節句」のことです。

この時期に生後一か月を過ぎていない場合には、翌年にすることもあります。どちらも、赤ちゃんの健やかな成長と、幸せな人生を祈るためのものです。

1-2.どんなお祝いをするの?

女児の「桃の節句」は、健康で幸せになれる様に祈願し、男児の「端午の節句」はたくましく成長することを願うために行われます。

初節句では、赤ちゃんに和装をさせて、ひな人形や五月人形と一緒に写真を撮り、祖父母などを招いて伝統的な行事食などを用意して御祝いをします。

家族にとって良い思い出になり、孫本人は、大きくなってから「小さな時に、こんな風にしてもらったんだ」とわかる大切な思い出になります。

1-3.いくら包んで、何を贈ればいいの?

節句のための人形か、お祝い金の形で贈り物をします。基本的には、母方の実家から、女児にはひな人形を、男児には武者人形や鯉のぼりを贈ることになっています。

しかし昨今では、さまざまな事情により、両家や夫婦で話し合って分担しているケースもあります。わからない場合は、夫婦(子)に「どうして欲しいのか」を聞いてしまったほうが早いでしょう。

お祝い金で贈る場合は、1万円を目安に、のし袋に「初節句御祝」などと書いて包みます。


2.女の子の初節句 3月「桃の節句 」

初節句

本章では、3月3日のひな祭りで知られる「桃の節句」について以下のようにまとめています。桃の節句のスケジュールは、以下のイラストのようなイメージです。

初節句

  1.  行事について
  2.  「桃の節句」でやること
  3.  準備するもの
    3.1. 人形
    3.2. 人形以外のお祝いの品
    3.3. 赤ちゃんの衣装
    3.4. 部屋の飾り付け
    3.5. お節句のお花
    3.6. 行事食
  4.  お返し

2-1.行事について

桃の節句は、女児の成長を願うひな祭りを行う、女の子の節句です。ひな祭りの起源は、所説ありますが、どれも古代中国からきています。

3月3日にあたる時期は、邪気にみまわれやすい期間とされていたため、古代中国の人は川で身を清めて不浄を払う風習がありました。

これが古代日本にも伝わり、日本では、川に入る代わりに、紙で作った人形に穢れを託して川に流す風習が生まれました。この紙人形が、貴族の子供たちが人形を飾ってから流す「ひいな遊び」(お人形さんごっこ)と結びつき、今のひな人形のスタイルとなっています。

今でも、一部の地域では穢れを人形に託して川に流す「流し雛」の風習が残っています。この時に使われる人形には、子供の身代わりとなって疫病などを肩代りしてくれることを祈願しています。

昔は、抗生物質などの良薬が少ないため、病気になると子供はすぐ死んでしまい、大人になるまで無事に育てることは大変なことでした。そのため、子供の無事な成長を祈願するお祭りとして、ひな祭りが行われるようになりました。

一般的には、3月3日には親戚や知人などを招いて宴を催すことを「桃の節句」と呼び、前夜の3月2日夜に身内だけで御祝をすることを「宵節句」(よいせっく)と言います。

現代では、3月3日が平日だった場合は、諸事情から集まれないことも多いため、前日夜の食事をひな祭りとしてしまうこともあります(宵節句)。日本の行事ではありますが、あまり堅苦しく考えず、それぞれの家庭の事情に沿ってフレキシブルに行うべきでしょう。

2-2.「桃の節句」でやること

桃の節句では、室内にひな人形と桃の花を飾り、ちらし寿司や甘酒などのごちそうを用意して御祝いの宴を用意します。お祝いの場所は以下を参考に、それぞれの家庭の事情に合わせます。

  •  子世代の家でお祝いをする
  •  祖父母の家でお祝いをする
  •  レストランなどに家族で出かける

初節句の場合は、ひな人形のお披露目も兼ねていますので、両家の両親(祖父母)が集まって祝うことが一般的です。昨今では、住宅事情の問題から、食事はレストランなどでするケースも増えています。

2-3.準備するもの

「桃の節句」では、前もって準備するものと、当日近くなってから準備するものがあります。

  1.  人形
  2.  人形以外のお祝いの品
  3.  赤ちゃんの衣装
  4.  部屋の飾り付け
  5.  お節句のお花
  6.  行事食

2-3-1.人形

初節句ですので、赤ちゃんはひな人形を持っていません。親子代々から受け継いだひな人形を贈るというやり方もあるようですが、基本的に、ひな人形には、子供の厄払いとしての役割を兼ねていますので、人形はひとり一代限りで終わらせる方が良いでしょう。

そのため、初節句には、新しいひな人形を用意することになります。

  •  人形:ひな人形
  •  販売時期:前年11月ごろから
  •  販売場所:デパート・専門店・通販・ベビーグッズ店
  •  飾り付け時期:2月4日立春ごろから飾ります。遅くともお節句の1週間前。ただし、初節句の場合は、お正月から飾っても良いとされています。

桃の節句のメインの人形は「ひな人形」です。ひな人形には7段・5段・3段飾り、親王飾り・収納飾り・ケース飾りなど、予算やスペースに合わせて様々なものがあります。

初節句では、ひな人形を受け取る側にも準備が必要ですので、なるべく早めに用意をしておきます。

◆ひな人形 段飾りタイプ◆

初節句

段飾りは最も一般的なおひな様のスタイルです。段の分だけスペースが必要で、お人形もお道具も、自分で出して飾り付けをする必要があります。

段飾りは、平安貴族の婚礼の様子を表していると言われています。昔の婚礼は夜に行われたので、雛段飾りには雪洞(ぼんぼり)の灯りをともします。

新郎新婦である内裏雛、そのお世話をする三人官女や、護衛の随身、宴を盛り上げる五人囃子、さまざまなお嫁入り道具などが揃ったものが標準的な段飾りです。7段飾りだと、ひな人形のフルセットになります。

広間に飾るものから、テーブルに飾れるようなコンパクトタイプなど、昨今の住宅事情に合わせてさまざまなサイズのものがあります。

【参照:七段 Amazon ミニ雛人形『若菜雛 木製七段飾り 黒 3263』
【参照:五段 Amazon ミニ雛人形 『弥生雛木製五段飾り 黒 3260』
【参照:三段 Amazon ミニ ひな人形 3段飾り円山雛 木製三段十人飾り

◆ひな人形 親王飾りタイプほか◆

初節句

段飾りができるほどのスペースが取れない、またはたくさんのお人形とお道具を飾り付けるのに自信がない方は、こちらの、親王飾り・収納飾り・ケース飾りがおすすめです。

ひな人形は、前年の11月頃から販売がスタートします。生まれてすぐお節句が来るようでしたら、人形の購入は翌年にしてもかまいません。

ひな人形には飾り付けの大切なタイミングがあり、2月4日の立春〜中旬ごろから早めに飾り付けをはじめます。初節句に限っては、お正月から飾っても良いことになっています。

あまり早くから飾ると部屋が狭くなってしまう場合でも、最低でも、ひな祭りの1週間前までには飾るようにします。ひな人形を購入する祖父母は、子夫婦の家の事情などを考慮して、どのくらいの時期に贈ってあげるべきかを確認しておいた方が良いでしょう。

3月3日の前日に慌てて飾ることは「一夜飾り」と呼ばれ、縁起が良く無いとされています。ひな祭りが終わったら、今度は逆に、お雛様を早く片付けないと「婚期が遅れる」という言い伝えがあります。

これは、ひな祭りの人形には、子供の災いを身代わりとなって引き受ける厄払いの意味があったため、一夜飾りのように、設営して翌日には跡形もなく片付けるやり方はお通夜・お葬式と同じで縁起が悪いことから来ています。

同様に、ひな祭りが終わった後は、お雛様を早く片付けることで、厄を祓った(昔であれば、川に流した)という考え方から来る俗信です。今風に考えるのであれば、ひな人形の保存を考えて、カラっと晴れた湿気の少ない日に片付けるので良いと言えます。

2-3-2.人形以外のお祝いの品

  •  人形:日本人形など
  •  販売時期:前年11月ごろから。ひな人形と同じ売り場。
  •  飾り付け時期:いつでもOK

ひな人形以外で御祝の品として贈るものには、以下のようなものがあります。

初節句

  • 名前旗
    孫の名前が刺繍された旗です。色鮮やかな刺繍が華やかで、ひな人形と一緒に飾ってあると、お祝いムードがアップします。
    【参照:Amazon 名前旗 小 特織 白桃 兎リース 薄ピンク ピンク糸刺繍

  • 市松人形
    美男子で有名だった江戸時代の人気歌舞伎役者・佐野川市松に似せて作られた人形です。市松人形には、身代わり人形として、子供にふりかかる災厄を代わりに受けてくれるという伝承があります。
    【参照:Amazon 市松人形 公司作

  • 浮世人形
    さまざまな浮世風俗を表現した人形です。主に、日本人に親しまれた昔ばなし・能・狂言・歌舞伎などの美しいポーズをかたどったものが多く、「お姫様」「藤娘」「舞妓」等があり、こんな女性に育って欲しいという願いが込められています。気品のある顔と立ち姿に、華やかな着物を着ているので、ひな祭りに華を添えてくれます。
    【参照:Amazon 舞踊 舞妓 日本人形

  • 吊るし雛
    縁起が良いと言われる鞠・鯛・金魚・鶏・羽子板・ほおずきなどの小さな細工物を吊した飾りを、つるし飾り・つるし雛と言います。江戸時代には、高価なひな人形が手に入らない庶民が、初節句を祝おうという意味で飾られました。
    一つ一つの細工には職人の技術と共に、健康と長寿の祈りが込められています。現代では、スペースの問題や、子供がもう少し大きくなってからひな人形を購入したいという方に好まれています。
    ※吊るし飾りは、ひな人形の代わりに使う場合は、ひな人形と同じように早く片付ける様にします。
    【参照:Amazon つるし雛

これらの人形は、桃の節句とは関係なく、赤ちゃん誕生のお祝いに贈っても良いものです。すでにメインのひな人形がある、または今の段階では、部屋のスペースの問題などから、ひな人形の購入を先送りする場合に、ひな人形の代わりに贈ることができます。

このような人形は、普段から部屋に飾っておくものですので、お部屋のインテリアと子供の成長を見守る厄除けの意味を込めて贈ることができます。

2-3-3.赤ちゃんの衣装

赤ちゃんの衣装も用意すると、写真に残って良い思い出になります。伝統的なものでは、被布着(ひふぎ)という、七五三の時に着物の上に被る、袖なしの綿が入った、ベストのような上着を着せます。

初節句

【参照:Amazon 七五三 3歳~4歳 被布コート
【参照:Amazon ベビー キッズ 袴風 カバーオール ロンパース 女の子
【参照:Amazon 着物 ロンパース

被布着は、頭からスポット被せるだけなので、赤ちゃんに着せるのもカンタンです。これは少し大きめのものを買えば、3歳の七五三でも使えます。

また、袴風や着物風のロンパースも人気があります。赤ちゃんの衣装のサイズめやすは、60〜90センチです。用意する時には、ひな祭りをする3月3日の時点での大きさを想定して選びます。

2-3-4.部屋の飾り付け

室内には、桃の花を飾ります。時期になると花屋で桃の切り枝を売り始めます。また、桃の花以外でも、おひな様や女児のイメージに合う、季節のお花を飾り付けます。

また、ひな壇についているもの以外で、ぼんぼりや明かりをつける、頂いたお人形やタペストリーを飾るなどがあります。その他、吊るし飾りという、小さな細工物を天井から吊るす飾りもあります。

初節句

【参照:Amazon 京ちりめん 傘宝つるし飾り【簡単手づくりキット】
【参照:Amazon タペストリー ひな祭り

吊るし飾りはひな人形を販売していているお店や通販でも売っていますが、家族や親族の方が一つひとつ細工を作る、手作りキットも打っています。いろいろとひな祭りに関連性のあるものを飾ると、より一層、華やかさが演出できます。

2-3-5.お節句のお花

お節句の行事花は、桃の花です。桃の花は、3月の時期に咲いている花だということもありますが、節句という意味においては、魔除け・厄払いの効果があるとされています。

古代中国の書物には、桃の木と花は鬼を祓うと言われ、日本の2月の節分に「ヒイラギにイワシ」を飾るのと同じように、魔除けを目的としています。

桃の節句が近くなると、どこの花屋にも桃の切り枝が並びます。花粉のアレルギーなどがある場合は、造花もあります。同じ季節に菜の花が咲くことから、桃の花と一緒に飾ると、黄色とピンクで室内が華やぎます。

2-3-6行事食

「桃の節句」として準備をする行事食には以下のようなものがあります。

  • 白酒(甘酒)
    桃の節句に白酒を飲むと邪気を払うといわれ、江戸時代から飲まれるようになりました。蒸したもち米にみりん、焼酎と麹をくわえて醸したお酒のことです。
    現代では、子供が飲めるように酒粕を使った甘酒を出すようになっています。
  • ちらし寿司
    ちらし寿司に入っている具材は、お正月のおせち料理と同様に、おめでたい意味を持っています。
  • 海老:腰が曲がるまで元気で丈夫という意味で「長寿」
  • 豆:健康にマメに働く 
  • レンコン:穴から先を見通せることから、世の見通しが利く
    など、これからの人生に幸せが多いことの祈りが込められています。

    上記以外にも、いくら・サーモン・錦糸卵・桜でんぶなどをつかって、女の子らしいかわいらしいものにします。

  • ハマグリのお吸い物
    ハマグリのお吸い物は、桃の節句にはなくてはならない汁物です。二枚貝であるハマグリは、もともと対になっている貝とはぴったり合いますが、別々の貝を2枚あわせても合わず、すき間ができます。
    このことから、仲の良い夫婦の象徴とされており、良縁につながるとされています。1つのお椀に2つのハマグリを使い、盛り付けるときには、一つめの開いた貝殻の両方に貝の身をのせます。飾りとして、季節の葉物である菜の花を飾ります。

  • 菱餅(ひしもち)
    ひし形の赤・白・緑のお餅を重ねたのが菱餅です。繁殖力の強いヒシの実をかたどっているとされています。
    昔は合成着色料がないため、赤はクチナシ、緑はヨモギ、白にはヒシの実が入っていたと言われています。
    当時はどれも民間薬として使われており、クチナシは消炎剤・ヨモギは造血・ヒシは健胃と解熱の薬効があるため、健康長寿と子孫繁栄を願ったものです。
  • 雛あられ
    菱餅と一緒にお供えしている雛あられは、マメと餅を炒って砂糖で味付けをしたものです。昔は、ひな人形に外の景色を見せる遊びで「ひなの国見せ」という風習があり、その時に持ち出しやすいお菓子として雛あられが作られたと言われています。

  • 草餅・桜餅
    桃の節句は草餅の節句とも言われ、昔から、草餅が用意されます。草餅に使われるヨモギは、昔はゴギョウ(御形)という春の七草の一つを使っていました。ゴギョウは、母子草(ハハコグサ)とも言われるため、母子の健康を願うものでした。
    桜餅は、季節の和菓子ということで草餅と一緒に売られており、見た目も桜色でかわいらしいため、桃の節句に草餅と一緒に供されています。

          上記は、「桃の節句」の定番の行事食ですが、最近ではあまり形式にこだわらず、家族や子供の好きなものを用意するというスタイルもあります。

          また、赤ちゃんの初節句のお祝いではありますが、集まるのは大人の方が多いため、子供用のメニューと大人用のメニューの用意をするのは、新生児を抱えたお母さんには体力的に厳しい面もあるため、記念写真を撮った後は、レストランに行くなどもあります。

          2-4.お返し

          基本的に、子や孫の成長を祝うためのものには、お返しは不要とされています。お返しが不要なものには、初節句以外にも、お食い初め・お宮参り・誕生日・七五三・入学祝・卒業祝などがあります。

          しかし、高価な人形を買ってもらって何もしないのも気がひけますので、お返しの代わりとして、初節句にお招きして一緒に御祝をし、食事を提供するというのが、お返しになるとされています。

          食事会を開くことができない場合は、記念写真と一緒に気持程度の品を送り、次回の節句や行事などでカバーするので問題ありません。


          3.男の子の初節句 5月「端午の節句」

          初節句

          本章では、5月5日の「端午の節句」について以下のようにまとめています。端午の節句のスケジュールは、だいたい以下のイラストのようなイメージです。

          ゴールデンウイークの最終日に近い日程ですので、早めに家族の予定を確認・調整をしておく必要があります。

          初節句

          1.  行事について
          2. 「端午の節句」でやること
          3.  準備するもの
            3.1. 人形
            3.2. 人形以外のお祝いの品
            3.3. 赤ちゃんの衣装
            3.4. 部屋の飾り付け
            3.5. お節句のお花
            3.6. 行事食
          4.  お返し

          3-1.行事について

          端午の節句は、鯉のぼりや武者人形を飾り、男の子の成長を祝う行事です。端午とは「月のはじめのウマの日」という意味です。端午(たんご)の「午」と、5月5日の「五」が同じ発音であることから、5月5日が端午の節句になりました。

          端午節句の起源は、桃の節句と同様、古代中国にあります。当時の中国では、5月は現在の6月にあたり、高温多湿になりはじめ、伝染病や害虫の被害が増える時期でした。そのため、古代中国では「五」が重なるこのタイミングで、菖蒲やよもぎなどの薬草を使って邪気を払う行事が行われてきました。

          そのころの日本では、5月は田植えの時期であり、苗を植える女性たち(早乙女)が菖蒲やよもぎでふいた屋根の下で身体を清めるという行事があり、このことと古代中国の行事がむすびついて、端午の節句には菖蒲を入れた湯につかり、厄を払うという行事になりました。

          端午の節句が男の子の行事となったのは、江戸時代からで、菖蒲が「勝負」「尚武」(武道・武勇を重んじること)に通じることから、勇ましい男の子に育って欲しいという願いが結びついています。

          はじめの頃は武士の間で行われる行事でしたが、庶民もこれをマネするようになり、一般的な行事になりました。

          3-2.「端午の節句」でやること

          端午の節句には、内飾りと外飾りがあり、両方ともするのが習わしです。室内には五月人形などを飾り、戸外に鯉のぼりなどを設置します。

          室内の飾り物には「厄除け」の意味があり、屋外の飾り物には天の神様により強く守ってもらえるようにという「守護」のための飾りです。

          端午の節句の集まりの場所は、以下を参考に、それぞれの家庭の事情に合わせます。

          •  子世代の家でお祝いをする
          •  祖父母の家でお祝いをする
          •  レストランなどに出かけて家族でお祝いをする

          当日は、両親(祖父母)や親類などを呼び、柏餅やちまきを食べてお祝いします。ゴールデンウイーク中の行事なので、親族なども集まりやすい時期ということもあり、にぎやかな宴になることが多い傾向にあります。

          3-3.準備するもの

          「端午の節句」では、以下のような準備が必要になります。

          1.  人形
          2.  人形以外のお祝いの品
          3.  赤ちゃんの衣装
          4.  部屋の飾り付け
          5.  お節句のお花
          6.  行事食

          3-3-1.人形

          人形は、初節句の赤ちゃんの内飾りです。武具や人形などを、家の中に厄除けとして飾ります。

          端午の節句は、もともとは武家がやる行事でしたので、五月の節句に鯉のぼりを家の前に飾ることで「この家には男児がいる」ことを世間に示し、その家には後継ぎが存在することを証明するものでした。

          そのため、鯉のぼりや兜などの「物品」はその家に代々伝わるものや、父親が使っていたものなどを継いでいっても問題がありません。

          しかし、五月人形には、子供の厄除けの意味があり、一代で終わらせるべきものですので、初節句に購入してあげる必要があります。

          人形などの準備は以下の通りです。

          •  人形:鎧飾り、兜飾り、武者人形などの五月人形
          •  販売時期:3月3日以後
          •  販売場所:デパート・専門店・通販・ベビーグッズ店
          •  飾り付け時期:早めであればいつでも可。遅くともお節句の1週間前。

          伝統的な室内の飾りは、以下の画像のような「三段飾」と言って、上段に鎧兜を置き、太刀や弓、かがり火を置きます。中段に軍扇、太鼓、陣笠を並べ、下段に柏餅、菖蒲酒、ちまきなどを並べて、横に小さな鯉のぼりを飾ります。

          初節句

          三段とは言っても縦横幅で1メートルずつくらいはありますので、住宅事情の影響から、コンパクトなものも揃っています。上記のような伝統的なもの以外の、人形や飾りには以下のようなものがあります。

          五月人形は子供の身代わりとなって子供を守る厄除けの意味がありますので、複数の内飾りを買う場合でも、最低でも一体は人型(ひとがた)の物を用意してあげましょう。

          【参照:Amazon 五月人形兜三段飾り

          ◆武具タイプの飾り◆
          初節句

          • 兜飾り
            甲冑の頭に被る部分である「兜」だけを飾るタイプものです。様々なデザインの兜がありますので、気に入ったものを選びます。戦国武将の兜を模したものなどもあります。
            飾る用のものと、大きくなったらお子さんがかぶれる着用タイプとがあります。
            【参照:Amazon 五月人形 吉徳大光 兜飾り

          • 鎧飾り
            鎧は、甲冑の総称で、五月飾りには具足と大鎧を含めた鎧装束すべてを飾るタイプのものです。 こちらも、兜飾りと同様に、気に入ったデザインのものや、好きな戦国武将の甲冑を選んでも良いでしょう。兜と鎧がセットになったものもあります。
            【参照:Amazon 五月人形 吉徳大光 鎧飾り

          ◆五月人形タイプ◆

          初節句

          • 武者人形
            武者人形は子供大将とも呼ばれ、伝説的な英雄や物語の主人公が中心になった勇ましい衣装を着た人形のことです。

            桃太郎や金太郎などの子供向け物語の、強いことで知られる子供の主人公や、古事にある武者と平和の象徴である第一代の天皇・神武天皇など、さまざまな伝説や物語がモデルになった人形があります。
            【参照:Amazon 五月人形 真多呂 金太郎

          • 木目込み人形
            小さな子供が外で元気に遊んでいる姿や、兜などをかぶっている姿など、武者人形のような「誰」というモデルが決まっていないタイプの男の子の人形です。
            見た目がかわいらしいものが多いので、女親や祖母などが好んで買う傾向があります。
            【参照:Amazon 五月人形 一秀作 木目込み 武者飾り

          スペースの問題から、初節句では五月人形だけを飾り、兄弟が増えてから兜や鎧などを徐々に増やしていくなどもできます。内飾りを5月5日前日に慌てて飾ることは「一夜飾り」と呼ばれ、縁起が良く無いとされています。

          五月人形には、子供の災いを身代わりとなって厄を引き受ける意味があるため、設営して翌日には跡形もなく片付けるやり方はお通夜・お葬式と同じで縁起が悪いと考えられていますので、最低でも1週間前には飾るようにしましょう。五月人形は、早い分には、お正月から飾っても問題ありません。

          また、五月人形も鯉のぼりも、お節句が終わってから、しばらく飾っていても問題ありません。鯉のぼりと合わせ、湿気の多い梅雨が来る前までに片付けるようにします。

          3-3-2.人形以外のお祝いの品

          端午の節句の、人形以外のお祝いの品です。一般的には、鯉のぼり、名前旗、武者のぼりになります。端午の節句は、もともとは武家がやる行事でしたので、五月の節句に鯉のぼりやのぼり旗を家の前に飾ることで「この家には男児がいる」ことを世間に示し、その家には後継ぎが存在することを証明するものでした。

          ◆鯉のぼり◆

          初節句
          【参照:Amazon 【鯉のぼり】 アルミ伸縮ポール 9m 6段式
          【参照:Amazon こいのぼり ベランダ ミニ

          • 鯉のぼり
            鯉のぼりは、外飾りです。端午の節句では、戸外に鯉のぼりの飾りをしますので、鯉のぼり一式(竿・籠玉・矢車・吹き流し・真鯉・緋鯉・子鯉)を準備します。

            鯉のぼりは、住宅事情によって大きさや規模も違います。マンションの方はベランダ用のコンパクトな鯉のぼりがあり、一軒家は、庭などに設置するもので4〜10メートルまでの高さがあります。

            外飾りですので、天の神様に強い守護をしてもらうためには、なるべく神様に近いように、鯉のぼりの高さは高ければ高いほど良いとされています。

            しかし、鯉のぼりは風に吹かれて揺れるため、都心部では、電柱や隣家の屋根などに当たらないように注意が必要です。

          ◆その他の飾り◆
          初節句

          • 武者絵幟(武者のぼり)
            武者絵幟(武者のぼり)は外飾りです。細長い旗に、勇壮な武者絵や武運をよくするモチーフなどを描いたのぼり旗です。一般的な大きさとしては、お店の前にあるのぼり旗と同じくらいあります。

            その家に男の子が生まれたことを祝い、子供の健やかな成長と家督の繁栄の願いを込めた織物です。

            鯉のぼりと同様、この家に、後継ぎがいることを世間に示すための物でもあります。天の神様によくわかるための目印として、長く大きなものほど良いとされており、とても長いものは、鯉のぼりのポールと同じくらい高い竿をさして飾ることもあります。
            【参照:武者幟 庭園用 7m

          • 名前旗
            内飾りです。内飾りは、五月人形などの横に飾ります。
            【参照:Amazon 刺繍 名前旗

          3-3-3.赤ちゃんの衣装

          端午の節句の定番衣装としては陣羽織・産着・ベビー着物等があります。
          初節句

          • 陣羽織
            陣羽織は、合戦時に武士が着ていたことから、強く雄々しく育つ願いをこめて初節句に着せるようになりました。着せると言っても、袖もなく、ただ服の上から羽織るだけですのでカンタンです。
            【参照:Amazon 陣羽織(黒) 鉢巻付き 男児ベビー用【端午の節句】

          • 産着
            節句の時に月齢が少なく、陣羽織が大きすぎる場合には、お宮参りなどで使う産着をかけて衣装とすることもあります。

            産着には、兜・鷹・龍・宝船など、男の子の成長や成功を願う柄が施されているため、縁起の良い掛物として使われます。
            【参照:Amazon お宮参り 男の子 着物

          • ベビー着物
            初節句用の羽織・袴・着物のセットなどがあります。見た目は着物なのですが、羽織袴などが一体となっているため、脇紐やスナップをとめるだけのカンタンなものです。

            また、鎧風ロンパースなどのベビー服も人気があります。
            【参照:Amazon 袴 ロンパース 男の子

          どれもサイズめやすは、60〜90センチです。用意する時には、端午の節句をする5月5日時点での大きさを想定して選びます。

          3-3-4.部屋の飾り付け

          用意をした五月人形のほかに、室内外に以下のような飾りをする風習があります。地域によって違いがありますので、お住まいの地域でのやり方にならって下さい。

          • 室内飾り用の鯉のぼり
            室内で飾って楽しむタイプの小さな鯉のぼりです。モビールや小さなスタンド、小さなタペストリーのような物があります。五月人形のそばに置く、天井などから吊るすなどをします。

          • 軒菖蒲
            菖蒲を2〜3本、ヨモギを2〜3枚一緒に紐でくくり、屋根に挿したり、投げ上げたりします。邪気や疫病を祓う力があるとされています。

          • 菖蒲湯
            菖蒲の葉を4〜5本束にしたものをお風呂に浮かべて入浴します。菖蒲湯には精神を落ち着かせ、打撲に効果があるとされており、江戸時代の宮中でも使われていました。現代でも、節句や男の子のいるいないに関わらず、一般的な時節の風習として、菖蒲湯に浸かることがあります。

          • 菖蒲酒
            中国から伝わった風習で、菖蒲の根っこを漬けたお酒です。端午の日に飲むと、悪疫を避けられると言われています。

          • 菖蒲ハチマキ・菖蒲枕
            男の子がハチマキをして、そこに菖蒲を挿したり、枕の下に菖蒲を敷いて寝ます。邪気を払うおまじないです。

          • 兜作り(紙兜)
            大きな包装紙でつくる、紙の兜です。軽いので赤ちゃんの頭にかぶせることもできます。子供が少し大きくなると保育園や幼稚園で、自分で兜を作ってくることもあります。
            【参照:子供を祝う 端午の節句と雛祭 是澤 博昭

          3-3-5.お節句のお花

          花菖蒲をかざります。菖蒲や花菖蒲が花屋にない場合は、同じ菖蒲の仲間である、杜若(カキツバタ)、菖蒲(アヤメ)、著莪(シャガ)、ヨーロッパ原産のジャーマンアイリスなどでも良いでしょう。

          3-3-6.行事食

          「端午の節句」として準備をする行事食には以下のようなものがあります。

          • 柏餅
            関東では端午の節句には柏餅です。柏餅を食べる風習は江戸時代からです。柏の木は新芽が出るまで葉が落ちないことから、子孫が絶えないという意味があります。

          • ちまき
            関西では端午の節句ではちまきを食べることが一般的です。「茅(ちがや、かや)の葉」でもち米を巻いて蒸したものなので「ちまき」といいます。

            端午の節句にまつわる中国の故事に由来した、とても古い風習です。現在は、もち米ではなく、ういろうや葛を包んだ和菓子として売られています。

          • ブリ・カツオ・竹の子
            出世魚であるブリ、勝つ男という言葉をかけたカツオ、まっすぐに伸びるという意味で竹の子を使った料理が好まれます。

            ただ、端午の節句には「これを食べなければならない」というものはないので、お祝いに集まる方の好きなものを選ぶので良いでしょう。

          3-4.お返し

          女の子の桃の節句と同様、子や孫の成長を祝うためのお祝いには、お返しは不要とされています。お返しが不要なものには、初節句以外にも、お食い初め・誕生日・七五三・入学祝・卒業祝などがあります。

          しかし、高価な五月人形や鯉のぼりを買ってもらったまま、何もしないというのも気がひけますので、お返しの代わりとして、初節句にお招きして一緒に御祝をし、食事を提供するというのが、お返しになるとされています。

          食事会を開くことができない場合は、気持ち程度の品やカタログギフトなどを送り、次回の節句や行事などでカバーするのであれば問題ありません。

          ◆コラム◆コロナ禍での初節句

          コロナ禍はワクチン接種により、始まった当時よりはかなり収まったとは言うものの、新生児はワクチンを打てませんので、依然、赤ちゃんがいるご家庭での大人数での集まりは避けられている傾向にあります。

          孫の初節句を家族で祝えないのはさみしいことですが、写真をたくさん撮ってもらうことで、家族の思い出として共有することができます。

          祖父母として贈った、人形や衣装などに囲まれた孫の姿を写真や動画に撮影してもらい、たくさん送ってもらいましょう。将来、孫が大きくなった時に、「あの時はね………」と話してあげられる日が来ます。

          もちろん、会いに行ける距離に住んでいて、一緒にお祝いができた方は、ご自分でもたくさん動画と写真を撮って、家族と共有し、記念に残しておきましょう。

          画像や動画は、家族間で共有する以外にも、らくらくスマホの利用者がたくさん登録している、らくらくコミュニティの掲示板で、孫自慢をすることもできますよ。
          初節句

          らくらくコミュニティは、日本で最も60代以上の登録者が多い、良識ある大人世代が楽しむタイプの掲示板SNSで、2021年8月現在で約220万人ものシニア世代が登録をし、毎日、活発に利用しています。

          同年代が圧倒的に多いため、お節句の時期になると、孫自慢の投稿がたくさん出てきます。人様のお孫さんでも、自分の孫の成長と重ねて見ることができるため、幸せな気持ちになります。

          ご自分で投稿しなくても、人が投稿したものを眺めているだけでも十分楽しめます。「ああ、孫ってカワイイ」「うんうん、そうそう」などと、心の中で共感したら、いいね!というボタンを押すことで、「私もそう思います!」という意思表示ができます。

          また、過去の投稿済みの写真を見ることで、よそのお家ではどんなお人形や、どんな衣装などを使っているのかもわかりますので、初節句のお祝い選びの参考にもなります。
          【参照:らくらくコミュニティ】


          4.よくある初節句に関した8つのQ&A

          初節句

          本章では、初節句に関して、よくある以下のような8つの質問や疑問に答えています。

          1.  お嫁さんのお母さんを差し置いて、ひな人形を買ってもいいのでしょうか?
          2.  初節句のお祝い会をしないという子夫婦たちに戸惑っています。
          3.  初節句のお祝いに呼んでもらえないのがさみしい。
          4.  ご祝儀はいくら包めばよいでしょう。先方の祖父母とのバランスも気になります。
          5.  娘夫婦のご祝儀の使い方が理解できない。
          6.  お祝いに飾り人形を買おうとしたら、お金でくれと言われてしまった。
          7.  初節句のしきたりの地域差について。
          8.  孫に差をつけられている気がして、モヤモヤします。

          4-1. Q1 お嫁さんのお母さんを差し置いて、ひな人形を買ってもいいのでしょうか?

          初孫の内孫の初節句で、とても楽しみにしています。しかし、そろそろ2月になるのに、お嫁さんからも、お嫁さんのお母さんからも特に何も言って来ません。

          「お雛様はどうするの?」と、こちらから聞いたら催促しているみたいで気がひけます。先方に買う気がないのなら、私が買ってあげたいのですが、お嫁さんのお母さんを差し置いて、こちらで買ってしまっても良いのでしょうか?

          A:古い風習にしばられないで、臨機応変に。

          昔からある習わしだと、初節句の人形や飾り物などは、お嫁さんの実家が購入することになっています。しかし、現代では、それぞれの家の事情により、昔の通りには行かないことも多いでしょう。

          子供が小さいうちはお祝いごとが続きますので、両家の祖父母で分担し、お互いに金銭的・精神的に負担にならないように配慮しておく必要があります。孫ができたら、一度、連絡をとって、今後どうするのかを確認しあっておくほうが良いでしょう。

          また、何か購入したり、贈る場合には、子夫婦に必ず前もって確認をし「どうしたいか」を聞いてから動くようにします。古い習慣にこだわるのではなく、臨機応変に対処していきましょう。

          4-2. Q2 初節句のお祝い会をしないという子夫婦たちに戸惑います。

          初節句のお祝いをしたいからと、息子にそれとなく聞いても「俺も奥さんもこだわっていないから要らない」という返事。

          最近はそういうものなのかもしれませんが、可愛い孫の初節句、せめてお祝いだけでも送りたいのですが、もしかして、これも迷惑なのでしょうか。

          A:親の考え方を尊重し、昔の考えの押しつけは止めておきましょう。

          初節句以外にも、赤ちゃんが生まれると、お七夜・お宮参り・七五三などが続きます。これらは、あくまで日本の伝統行事であるというだけで、絶対にやらなければならないことではありません。

          また、言葉には出さなくても、赤ちゃんの月齢が少ないうちは、お母さん(お嫁さん)の体調が回復しておらず、遠まわしに遠慮して欲しいことを伝えているのかもしれません。

          せっかくの初節句をナシに済ませるのは、祖父母としてはさみしいものですが、子世代の考え方は尊重して、昔の考え方を押し付けないようにしましょう。

          お祝いそのものは、祖父母の気持ちですから、贈ってあげたいのであれば、必ず「何が良いか」という希望を聞いてから、欲しいと言われたものを贈るようにしましょう。

          4-3. Q3 息子が、初節句は親子だけでこじんまりやりたいと断ってきました。

          初節句をとても楽しみにしていたのに「自分たちと赤ちゃんだけで祝いたい」という理由で、初節句では家族での集まりはしないと言ってきました。

          もちろん、親の気持ちは尊重したいけど、伝統やしきたりを孫に伝えるのは、祖父母の役割でもありますよね?しきたりを省略するのはアリだとしても、何もしないっていうのはどうかな、と思ってしまいます。

          A:孫が1歳を過ぎるまでは、行事の面でも、親夫婦を労わりましょう。

          祖父母側がしきたり通りの行事を望むのであれば、スムーズにことが運ぶように協力してあげましょう。実際、伝統やしきたりを孫に伝えるのは祖父母の役目であることには間違いありませんので「私たちのときは、こう教わったのよ」という形で、正しいやり方を伝授できる場を提供してはいかがでしょう。

          初節句の頃は、親は赤ちゃんのペースに振り回され、慣れない育児で心身共に、疲労困憊している可能性があります。初節句だ、行事の準備だ、などと言われても、気持の上では賛同できても、体力的に「無理、限界だ」と感じているのかもしれません。

          行事の準備などを含め、ほとんどを祖父母側で準備するなど、子夫婦は孫を連れて来訪するだけで良いようにしてあげるなど、子夫婦の負担がなくなるような提案をしてみましょう。

          「それなら出来そう」と気持が軽くなり、前向きに考えられるようになるかもしれません。どちらにしても、孫が1歳になるまでの間は、親だって新米なのですから、子世代への配慮も必要です。

          4-4. Q4 ご祝儀はいくら包めばよいでしょう。先方の祖父母とのバランスも気になります。

          孫の初節句のお祝いに、いくら包めばよいのかがわからなくて困っています。結婚式の時も、先方の家との格差を感じたことがあり、先方の祖父母が包むご祝儀とのつり合いが気になります。

          一般的には、初節句のご祝儀は、どのくらいが適当なのでしょうか。

          A:相場を目安に、無理のない範囲で贈れば良いでしょう。

          基本的には世間でいうところの「相場」の金額を包めば、問題にはなりません。初節句の場合は1万円が目安になります。それ以外の相場では 出産祝いで5〜10万円、七五三は1〜2万円が相場です。

          ご祝儀の金額は、先方の家と金銭感覚が違うことが原因で、差が出るときもあります。例えば、先方が会社経営者や手広く商売をしている場合は、桁が変わってしまうこともあり、サラリーマン家庭では同じだけの額が出せないこともあります。

          また、経済事情以外にも、先方は一人っ子の初孫、こちらは4人兄弟の末っ子で孫は5人目など、孫の数の違いによって、孫への金銭感覚が違ってきてしまいます。

          しかし、どのようなケースでも、世間相場に合わせている限りは、何も問題になりません。

          質問者ご自身が、相場よりも多い金額を包んでいる場合には、なるべく、相場または相手のお家に金額を合わせるようにしましょう。

          4-5. Q5 子世代との金銭感覚の違いに戸惑っております。

          両家にとっての初孫で男の子だったので、初節句に張り切って両家で50万ずつの合計100万円を贈りました。祖父母としては「これからのことに役立てて欲しい」という気持ちだったのですが、娘は、その全額で有名な人形作家の武者人形を買うと言っています。

          あまりの子世代との金銭感覚の違いに、開いた口が塞がらないのと、先方のご両親に申し訳ない気持でいっぱいです。止めたほうがいいでしょうか。

          A:お祝い金をどう使うかは、子世代の自由です。

          もらったご祝儀を、どのように使うのかは子世代の自由です。また、子世代には子世代の金銭感覚があり、こちらが価値を感じなくても、その世代にとっては大事なもの、とても価値の高いものであるケースもあります。

          「そうはいっても………」という気持ちがある場合は、今後は、「学費に」「旅行に」など、使途を指名して贈るなどにしてみましょう。

          孫が成人するまでには、祖父母の協力が必要な時は何度もありますので、そのような時に、今回のようなまとまった金額を出してあげるようにし、普段の行事のご祝儀は、相場の範囲内で渡すようにしましょう。

          4-6. Q6 息子夫婦から、初節句のお祝いは全て現金で欲しいといわれてしまいました。

          息子夫婦から、初節句の飾りは一切要らないから、現金を下さいと言われました。そして、今後のお祝いも、全て、現金でお願いしますと言われました。

          たしかに、子育てはお金がかかりますし、何に使うかは子供世代が決めれば良いことですが、あまりにもドライで、なんだかさみしい気持ちでいっぱいです。

          A:本当に欲しいもの、必要なことに役立ててくれるはずです。

          今の子世代は、日本が長い景気低迷の時代に子供から大人になった世代ですので、将来や、今後の生活に対する不安が大きいせいか、形骸化したもの、形式的なものにお金を使うことを嫌う傾向があります。

          お節句が、日本の伝統的なしきたりだということは理解していても、子世代から見ると、お人形やお飾りに何十万もつぎ込むのは、無駄なことに見えるのでしょう。

          これを、ドライと言ってしまえばそれまでですが、自分たちとは時代背景が違うところで育った人にしかわからない感覚というものもあるはずです。

          ただし、この世代は「本当に欲しいもの」「本当に必要なもの」に対しては真面目に比較検討をしますので、贈ったお金は、子と孫にとって有意義に使ってもらえる可能性は高いでしょう。

          初節句のお祝いを選ぶ楽しみは無くなってしまうのは残念ですが、孫への贈り物は、普段会う時の、おもちゃ・おやつなどの、ちょっとしたもので楽しむようにしましょう。

          4-7. Q7 初節句のしきたりの地域差について。

          地域によってお節句の仕方が違うのを知らず、こちらのしきたりでいろいろ送ってしまったら、後で、お姑さんに小言を言われたとのこと。お節句のやり方って、そんなに違うものですか?

          A:伝統行事に地域差はつきもの。嫁いだ先のしきたりに倣いましょう。

          お祝いの仕方が地域によって違うのはよくあることです。

          おひな様でいえば、関東と関西では、おひな様たちの位置が左右逆です。お内裏様の位置が「京雛は向かって右」、「関東雛は向かって左」になっています。

          おひな様のお顔も、関東のおひな様は、少し微笑んでいる目の大きなお人形が多く、関西のおひな様は、いわゆる「京美人」のお顔をしています。

          端午の節句でいえば、関東は柏餅、関西ではちまきが一般的です。また、お飾りに関しては、関東では兜がメインの「兜飾」が多く、関西では兜と鎧がセットになった「鎧飾」が選ばれる傾向があります。

          お祝いの仕方が地域によって違うことは、その地域から出てみないとわからないことですので、娘さんの嫁いだ先のやりかたに倣うので良いでしょう。

          将来、孫がご自宅へ遊びにきたときには、「こちらではこうするのよ」と、祖父母がいる地域のしきたりを教えてあげましょう。

          ただし、初節句で人形や飾りの贈り物をする際には、相手の地域のしきたりに沿ったものを贈るように、気を付けておく必要があります。

          4-8. Q8 孫に差をつけられている気がして、モヤモヤします。

          初節句のお祝い金やお人形などについてです。先方のお家では、内孫にだけお祝いをはずみ、お人形なども豪華なものを贈っていることがわかりました。

          物の大きさや金額がそのまま気持ちというわけではないでしょうが、今どき、内孫外孫などと、同じ孫なのに差をつけられて、何となくモヤモヤした気持ちになりました。

          A:内孫・外孫にこだわる人は、年齢に関係なく、まだまだ多いようです。

          内孫とは、跡取りの夫婦から生まれた子供、外孫とは、嫁がせて姓が変わった娘夫婦・息子夫婦から生まれた子供のことです。

          もともとは、明治時代に民法で制度化された「家制度(いえせいど)」に関係してできた言葉です。家制度は、家を単位として一つの戸籍を作り、そこに所属する家族を、家父長たる戸主が統率するという仕組みのことです。

          当時の天皇制という国家体制を支えることが目的で、家長である戸主と家族の関係を、天皇と国民の関係になぞらえたものです。つまり、天皇は国の家長である、ということを体現するための法律でした。

          この家制度にならうと、内孫は、一族の戸籍の後継者になる直系の人物となり、次世代の家父長になる可能性が高い人物となります。

          戦後の民法改正で「家制度」は廃止されているのですが、戸籍による管理システムは残りました。

          そのため、制度としての家父長制は消えて、苗字(氏)は単なる個人の呼称になったはずなのに、実態は、男系の苗字(氏)の継承という形で、家制度の名残として、人々の中に存続しているのです。

          その結果、21世紀となり、世界がスマホで一瞬でつながるような時代になった今でも、男子の誕生は苗字(氏)の跡取りの誕生であると考え、内孫・外孫の区別する方は、年代関係なく大勢いらっしゃいます。

          この考え方は、日本人の多くが「何となくそう思っている」という形で残っているため、すぐに意識を変えてもらうことは、かなり難しいでしょう。

          しかし、孫が祖父母から受ける愛情は、物品や金銭だけではありませんので、一緒に過ごす時間なども含めて、すべてが祖父母から孫への贈り物であるという、広い気持ちで捉えておきましょう。
          【参照:地域政策研究 高崎経済大学地域政策学会・千 葉 貢 日本の家父長的家制度について


          まとめ

          いかがでしたでしょうか。初節句について、以下のようにまとめました。

          1.  初節句の基礎知識
          2.  女の子の初節句 3月「桃の節句」
          3.  男の子の初節句 5月「端午の節句」
          4.  よくある初節句に関した8つのQ&A

          ご自分が親としてする初節句、祖父母とする初節句には少し違いがあり、当時の親がしてくれたことなどを思い出して、胸が熱くなった方もいらっしゃるかもしれません。

          現代の晩婚化・少子化の中で、孫がいること自体、かなり幸せなことです。本記事を参考に、思う存分、祖父母であることを楽しみ、喜びをかみしめていただきたく思います。

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