
「お父さんが一人暮らしになってしまって心配…どうしたらいいのだろう」
高齢のお父さんの一人暮らしは心配だけれど、さまざまな事情から同居は難しいという方が大勢いらっしゃるかと思います。
本記事では、心配を解消するために離れていてもできることや、将来的に考えておくべき介護の問題について解説します。
この記事でわかること
父の一人暮らしで心配になる3つのこと
一人暮らしの父への心配|今できる4つの解消法
一人暮らしができなくなったときの介護問題/介護の方法
記事の終わりには、「つながりほっとサポート」などのサービスが充実していて、高齢者や、高齢の家族をお持ちの方に嬉しい魅力いっぱいのらくらくスマートフォンについても解説しますので、ぜひ参考にしてください。
一人暮らしのお父さんの心身を守り、家族が安心して暮らしていけるように、この記事を役立てて頂けたらと思います。
目次
1.父の一人暮らしで心配になる3つのこと
お父さんへの心配を解消するためには、まず、漠然としている心配ごとを整理して、「何に注意が必要なのか?」「どんな危険が考えられるのか?」を把握しておかねばなりません。
1章では、お父さんの一人暮らしで心配になることを大きく3つにわけて、しっかり把握できるように解説します。
父の一人暮らしで心配になる3つのこと | |
日常生活の心配 |
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怪我や病気の心配 |
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認知症の心配 |
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それぞれ具体的に見ていきましょう。
1-1.日常生活の心配
一人暮らしのお父さんに対して、まず心配になるのが次のような日常生活のことかと思います。
- 食事について
- 掃除について
- 話し相手について
順に説明していきます。
1-1-1.日常生活の心配|食事について
一人暮らしのお父さんの日常生活で、なにより心配なのが食事についてです。
食事作りができない人は購入したり、外食をする必要がありますが、毎日3度3度となると面倒になってしまうことがあるでしょう。
食事を抜いたり、簡単に食べられるものばかりを食べて栄養が偏ってしまうことも考えられます。
また、料理ができるお父さんでも、好きなものばかり作って食べたり、白米と味噌汁だけなどの食事を長く続けていると、栄養の偏りから健康リスクが高まってしまいます。
さらに、高齢者は注意力や判断力が低下しているため、食事作りの際の火の不始末の心配もあります。
1-1-2.日常生活の心配|掃除について
お父さんの一人暮らしでは、家の掃除をして衛生的に暮らしているかどうかが心配です。
掃除をして家を清潔に保って生活することは、体調面、精神面に良い影響があります。
しかしながら、高齢者の一人暮らしでは、訪問者が少ない、あるいは、体にどこか痛いところがある、などの理由から掃除の頻度が減ってしまいます。
埃っぽい部屋で暮らしていると気分的にも怠惰になり、次第にゴミも捨てなくなって溜まっていきます。
お風呂やトイレが汚れていると、使うのが嫌になり、自分自身を身ぎれいにする気も失せていきます。
汚い部屋で、お風呂にもあまり入らずこもっていると出不精になり、気が滅入ったり、体調を崩したりといった悪循環に陥ってしまいます。
1-1-3.日常生活の心配|話し相手について
お父さんが一人で暮らしていると、話し相手のいない寂しさが心配です。
人と接する機会が少なくなることから孤独感が高まり、元気がなくなってしまうことが考えられます。
特に仕事を退職して、趣味も持たない方では、たまに親族と電話で話す以外、日常生活で人との交流が全くないというケースが珍しくありません。
昔は地元のご近所好きあいが活発な地域もありましたが、今の時代、特に都心部では近隣の付き合いは薄く、特に男性高齢者の多くは、自分から地域の集まりやイベントに参加して知り合いを増やしていくことが苦手です。
パートナーを亡くして一人暮らしになったことで、一層社会から孤立していかないように注意が必要になります。
1-2.怪我や病気の心配
お父さんの一人暮らしでは、体の老化に伴った怪我や病気が心配になります。
持病の有無など個人差はありますが、以下のようなことが考えられます。
- つまずいたり、転んだりする
- 注意力が散漫になり、小さな怪我を繰り返す
- ちょっとした気温の変化で体調を崩す
視力や筋力が衰えると、室内でも転倒などで怪我をする可能性が出てきます。
小さな怪我を繰り返しているうちに、骨を折ったり、頭を打つなど大怪我に発展する場合もあります。
また、高齢者は気温変化に体力が追いつかず、風邪をひきやすくなります。持病のある人は悪化する可能性が出てきます。
さらに、夏場は猛暑による「熱中症」も心配です。気温に鈍感になりがちな高齢者は、エアコンをつけなかったり、水分補給をしなかったりすることから、熱中症が大事に至ってしまう例が多くあります。
怪我や病気そのものの心配もさることながら、最も懸念されるのが、具合が悪くなったとき、一人暮らしでは人に知らせられない場合があるということです。
最悪のケースとして、万が一のときに救急車が呼べず、孤独死に繋がってしまうことも考えられます。
1-3.認知症の心配
お父さんが一人暮らしをしていると、認知症の発症が心配になります。
『高齢者が1人で長期間暮らしていると認知症になりやすい』、という話を聞いたことがあるのではないでしょうか。
実際、科学的な研究(※)で、一人暮らしの高齢者は配偶者や家族と暮らしている人と比べて、認知症発症の可能性が高まることが立証されています。
電話で話したとき、久しぶりに会ったとき、お父さんに以下の症状が見られた場合は、認知症を疑った方がいいかもしれません。
- もの忘れがひどい
- 判断力や理解力が衰えている
- 時間や場所がわからない
- 人柄が変わった
- 不安感を強く感じている
- 意欲がなくなっている
少しでもおかしいと感じたら、早めに精神科又は内科に相談することをおすすめします。
(※)参照元:理学療法科学誌 独居高齢者における地域活動への参加と抑うつとの関連性
2.一人暮らしの父への心配|今できる4つの解消法
一人暮らしのお父さんが心配でも、現状同居はできない、頻繁に訪ねることも厳しい…という方のために、今できる心配の解消法をご紹介します。
一人暮らしの父への心配解消のために今できること
- 家族で協力して見守る
- 近隣の人にお願いする
- 地域包括支援センターに登録する
- 見守りサービスを利用する
それぞれ具体的に解説しますので、できることから実行に移していきましょう。
2-1.心配の解消法①|家族で協力して見守る
心配の解消法として、最初にできることは家族で協力して見守ることです。
お父さんの兄弟、子ども(息子、娘、そのパートナー)、孫など、皆で話し合い、交代で会いにいくなど、なるべくお父さんが一人きりでいる時間を減らすようにしましょう。
遠方にいたり、多忙なために会いにいくことが難しい場合でも、順番に電話を掛けるなどルールを決め、それぞれが週に1度はお父さんの声を聞き、会話を交わすようにしてください。
毎日数分でも誰かと話すことで、お父さんが孤独を感じたり、社会から孤立することが防げます。
怪我や病気などの異変にも早めに気づくことができるでしょう。
ただ、昨今は高齢者を狙った電話での詐欺が横行しているので、その点、注意が必要です。
普段からよくある詐欺の実情、手口などをお父さんとの話題にすることが注意喚起になり、騙されにくくなります。
詐欺について話す中で、家族間での「合い言葉」を決めておくというのも効果的な対策です。
2-2.心配の解消法②|近隣の人にお願いする
一人暮らしのお父さんのことを住まいの近隣の人にお願いしておきましょう。
緊急連絡先を記した名刺などを配り、お父さんが一人暮らしをしていること、何かあったときに連絡が欲しいことを頼んでおくと安心です。
「昨今の都心部では近隣の付き合いが薄い」と先に述べましたが、それは普段お互いに関わる必要がなく、相手も近所にどんな人が住んでいるのか知らないからです。
誰でもとはいえませんが、普段から交流して、顔見知りになっておけば、お父さんのことに多少とも気を配ってくれる人(家族)が必ずいます。
近隣の住民となるべく親しくなっておくことも、お父さんの一人暮らしに対する心配の解消法のひとつになります。
2-3.心配の解消法③|地域包括支援センターに登録する
地域包括支援センターの利用は、心強い心配の解消法になります。
センターに登録して、お父さんが子供と離れた場所で一人暮らしであることを伝えましょう。
地域包括支援センターとは、介護・医療・保健・福祉などの全て含めた、高齢者のライフスタイルの困りごと全般の相談にのってくれる総合相談窓口です。
専門知識を持った職員が、高齢者が住み慣れた地域で生活できるように介護サービスや介護予防サービス、保健福祉サービス、日常生活支援などの相談に応じており、介護保険の申請窓口も担っています。
利用条件は、対象地域に住んでいる65歳以上の高齢者、あるいはその支援に関わっている方(家族)で、相談者と高齢者が離れて暮らしている場合は、介護が必要な高齢者の住む地域のセンターが担当になります。
地域の包括支援センターの連絡先は介護保険担当の窓口に問い合わせてください。
市区町村のWebサイトでも探すことができます。
2-4.心配の解消法④|見守りサービスを利用する
離れて暮らすお父さんへの心配を解消する方法として、家族に変わって高齢者を見守りサポートしてくれる、見守りサービスの利用があります。
「見守りサービス」は主に民間企業が提供しており、下記のようなタイプがあります。
- 訪問型
- センサー型
- オート電話/オートメール型
- カメラ型
- 宅配型
それぞれイメージが湧くように、簡単に説明します。
2-4-1.訪問型
訪問型は、専任のスタッフが高齢者の自宅を定期的に訪れて安否確認をする見守りサービスです。
スタッフは、高齢者から相談を受けたり、食事の摂取状況を聞いたりした内容を記録して、離れて暮らす家族に伝えます。
費用相場 | 月1回30分の訪問で月額1,980円、月1回60分の訪問では月額2,480円程度 |
こんな人におすすめ | 簡単な安否確認や状況を知りたい人。そこまで頻繁な連絡は求めておらず、比較的安価な見守りサービスを求めている人。 |
2-4-2.センサー型
高齢者の自宅に設置されたセンサー機器の感知によって安否確認を行うのが、センサー型見守りサービスです。センサーが異変を感知すると、家族のPCやスマートフォンなどに連絡がいきます。
費用相場 | よく見られるのは、初回契約料と月額利用料はセットになっていて、機器等代金は別というタイプです。 各料金の相場は、初回契約料が約15,000円、月額利用料が約3,000円、機器等代金が50,000~80,000円程度 |
こんな人におすすめ | PCやスマホなどでの連絡を選択したい人。センサー機器設置が物理的にも価格的にも負担に感じない人。 |
2-4-3.オート電話/オートメール型
自動配信の電話もしくはメールを通して、高齢者と家族が安否確認のやり取りを行えるサービスです。
【高齢者側の利用方法】
日々決められた時間にサービス提供者から電話もしくはメールが高齢者に配信されます。その際、高齢者は健康状態や安否確認を問われます。
【家族側の利用方法】
高齢者から定期的に送られてくるメッセージを確認できます。電話の場合は、高齢者が選択したプッシュボタンの内容が反映されます。メールの場合は、シンプルな定型文で表示される情報から高齢者の安否が把握できます。
費用相場 | 初回契約料と月額利用料が発生します。 各費用の相場は、初回契約料が約2,000円 月額利用料は、固定電話が約800円、携帯電話が約1,200円程度 |
こんな人におすすめ | 親御さんと意思疎通があり見守りサービスに対して協力的な人。親御さん側が電話や簡単なメール操作が可能な人。 |
2-4-4.カメラ型
高齢者の自宅に設置されたカメラを通して、遠隔地から健康状態などを確認できるのがカメラ型の見守りサービスになります。提供者による24時間・365日体制での監視が実施されているだけでなく、高齢者からの緊急時の呼びかけなどにも対応します。
費用相場 | 初回契約料と月額利用料が発生します。 初回契約料が約50,000円程度、月額利用料が約8,000円程度 |
こんな人におすすめ | 24時間・365日体制の見守りを求めている人。 |
2-4-5.宅配型
平日週5回の食事の宅配時に、配達員が高齢者の健康状態などを確認するサービスです。訪問型と似ていますが、宅配型には健康に配慮された食事提供があります。
費用相場 | 基本的に、週5回・1日2食(昼と夕)の食事代の中に、見守りサービス料が含まれています。食事代の相場は1食につき500円前後。月額で換算すると、約20,000円が宅配型の費用相場(1日2食) |
こんな人におすすめ | 食事提供のついた見守りサービスを求めている人。月額20,000円ほどの料金が負担にならず続けられる人。 |
いかがでしょう。
5つの中で、訪問型と宅配型は人を介しているもの、それ以外は「機器」を使ったサービスになります。
向き不向きもありますので、お父さんとよく話し合い、最適なサービスの利用を検討してください。
※記載の費用相場はあくまでも目安です。
3.一人暮らしの父を守るために家族がするべき11のこと
一人暮らしのお父さんへの心配を解消するための方法が把握できましたでしょうか。
ここでは、前章の内容を踏まえた上で、お父さんが元気な今の間にしておいて欲しいことを一覧にまとめました。
『離れて暮らす一人暮らしのお父さんを守るために今すぐしておくべき11のこと』です。
抜け漏れのないようチェックしながらご覧ください。
一人暮らしの父を守るためにしておくべき11のこと |
☑️家族で話し合って交代で会いに行くようにする |
☑️家族で話し合って毎日電話で(家族の)誰かと会話できるようにする |
☑️お父さんから連絡できるように携帯番号を教えておく (必要なら貼り出したり、合い言葉を決めておく) |
☑️体調を崩した時のために健康保険証や介護保険証の在処を知っておく (コピーをとって預かっておく) |
☑️通院中の医療機関や主治医の名前を聞いておく |
☑️服用中の薬の内容を確認しておく |
☑️通帳や実印など重要書類の在処を確認しておく |
☑️親しくしている友人や近隣の人の連絡先を聞いておく |
☑️近隣の人を回って父の一人暮らしを伝え、緊急連絡先などを伝えておく |
☑️地域の包括センターへ登録しておく |
☑️見守りサービスの利用を検討する |
心配が現実になってからでは手遅れになってしまいますので、必ずこの11のことだけは早めに済ませておきましょう。
4.一人暮らしができなくなったらどうする?父の介護問題
ここまでは一人暮らしのお父さんへの心配事について解消法をお伝えしてきましたが、お父さんが元気なうちに、将来「一人暮らしができなくなったときはどうするか?」を考えておかねばなりません。
つまり…介護をどうするか?という問題です。
心配が現実になったら…と書きましたが、実際、高齢のお父さんはいつ一人暮らしが難しくなるときが来るかわかりません。考えたくないことではありますが、心配解消の対策を万全に講じていても、いつかは病に倒れるときが来てしまうのです。
お父さんの介護の問題でおさえておくべきポイントは2つです。
お父さんの介護の問題でおさえておくべきポイント
- 介護についてお父さんと話し合っておく
- 介護の方法は3つから選択する
ひとつずつ解説します。
4-1.介護についてお父さんと話し合っておく
お父さんの介護の問題について、今のうちに以下の点を話し合って、ある程度考えを共有しておきましょう。
- 介護が必要になったとき誰に介護して欲しいのか
- 介護が必要になったときどんな介護を望んでいるのか
- 介護が必要になったとき子ども(あなた)はどんな介護ならできるのか
介護が必要な状態になったときも、その人らしい生活、その人らしい生き方をしてもらうためには、親自身の希望を子どもが把握しておかねばなりません。
お父さんが介護についてどんな希望を持っているか、誰に、どんな風に介護して欲しいと望んでいるかを聞いてみましょう。
また、子どもの側としても、どのように介護したいか、どのような介護であればできるのかといった主張があるかと思います。それをお父さんに理解してもらえるように伝えましょう。
実際に介護が必要になった時には、認知機能の低下などによって意志の確認ができないといった事態もあり得ます。
介護の問題は、先送りせずに今すぐお父さんと向き合って話し合っておくことが悩み解決の早道です。
4-2.介護の方法は3つから選択する
介護の方法は3つ考えられます。
- 在宅での介護
- 遠距離での介護
- 施設に入居しての介護
それぞれ良い面、悪い面があるので、お父さんの希望も考慮に入れつつ一番良い方法を選ぶようにしましょう。
4-2-1.在宅での介護
在宅介護は、子どもが親と同居するか、ごく近い所に住んで介護をする方法です。
親子の意思疎通があって心の距離が近い場合は、親にとって一番嬉しい、安心感のある介護といえます。
子ども側からいっても、そばにいて見守ることができるので、何かあったときすぐに対応できるという意味で安心です。
ただし、常にそばにいるということは目を逸らしたり、気分が乗らないからといって逃げることができないということです。
そしてそれは、「いつまで」という限定的な期間が定められたものではありません。どこまで続くかわからない道のりになるのです。
在宅介護は安心感はあるものの、介護者にとっては精神的、肉体的な負担が大きいので覚悟が必要になります。
【在宅介護】
メリット |
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デメリット |
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こんな人におすすめ |
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4-2-2.遠距離での介護
お父さんと離れて暮らしていて、介護が必要になってもそのままの暮らしを続ける選択をした場合は、遠距離での介護となります。
遠距離での介護は、必然的に介護サービスを利用したり、人を介しての介護ということになり、事前にリサーチしたり、ケアマネージャー等と相談して準備をしておかねばなりません。
メリットとしては、お父さんは、子どもの生活を自分のために変えさせてしまったという負い目を感じないで済みます。
子ども側からすると、仕事や家族との生活が今まで通り維持できるという点で負担は少ないです。
しかしながら、何かがあったときにすぐ駆けつけることは難しく、遠距離であればあるほど行ったり来たりの肉体的、金銭的負担はあります。
離れているせいで万一の際に立ち会えず、後悔するような事態も想定しておかねばなりません。
【遠距離での介護】
メリット |
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デメリット |
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こんな人におすすめ |
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ここもチェック!
【「ホームヘルパー(訪問介護員)を頼む」という選択肢】
遠距離介護の中には、公的な介護保険制度を利用したホームヘルパーを要請するという選択肢があります。
ホームヘルパーの訪問介護とは、次のような人に対して、食事や入浴などの身体介護と掃除や洗濯など生活支援を行うサービスです。
- 日常で部分的に介助が必要な方
- 他の介護サービスと組み合わせてサポートを充実させたい方
- 住み慣れた自宅で生活したい方
ホームヘルパーの利用には、要介護認定を受けることが必要になります。まずはお住まいの市区町村の窓口で、要介護認定の申請を行いましょう。
要支援1、2と認定された場合は地域包括支援センターに、要介護1以上と認定された場合はケアマネジャーのいる居宅介護認定支援事業者に介護サービス計画書を依頼してください。
介護サービス計画書が完成すると、それに基づいたサービスの利用が始められます。
サービスにかかる料金は、サービス内容と所要時間、介護度などで細かく単位が決められています。ケースによって違い、かなり煩雑な規定になりますので、市町村役場の担当窓口や地域包括支援センターにお問い合わせください。
4-2-3.施設に入居しての介護
同居は難しいけれど、お父さんだけで生活させたくないという場合は、施設に入居しての介護という選択肢があります。
ケアスタッフが24時間在中しているので、お父さんを見ている人が誰もいないという不安からは解放されます。
親御さん側にも、身内に負担をかけるより、介護の心得のある専門スタッフに介護されたいという希望を持つ方は少なからずいます。
子ども側のメリットは、生活を変えなくて済む上に、お父さんの様子は常に把握できるという安心感です。
ただし、施設入居には当然安くない費用がかかります。
施設での介護には、費用面を含めて、施設を終の住み処とすることに抵抗はないかなど、お父さんとの話し合いと共に、しっかりとした合意が必要です。
【施設に入居しての介護】
メリット |
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デメリット |
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こんな人におすすめ |
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介護施設について詳しく知りたい方はコチラの記事をご覧ください |
5.つながって安心!シニアに嬉しい魅力いっぱいの「らくらくスマートフォン」
一人暮らしのお父さんへの心配ごとについて解説してきましたが、スマートフォンで『高齢のお父さんの様子をときどき確認したい』という方に、ぜひおすすめしたいサポートサービスがあります。
それは、NTTdocomoの「つながりほっとサポート」です!
「つながりほっとサポート」は、らくらくスマートフォンをお持ちの方の体調や利用状況(歩数計の歩数、電池残量等)を、あらかじめ登録するつながりメンバーに自動でお知らせするサービスです。
「つながりほっとサポート」を利用すれば、離れたご家族の様子を定期的に確認することができて、あんしんです。
出典:NTTdocomo
シニア向けに特化して設計された「らくらくスマートフォン」は、他にも、高齢者や、高齢の家族をお持ちの方に嬉しい魅力がいっぱいです。
この章ではらくらくスマートフォン F-42Aを例にとって、らくらくスマートフォンの特長をご紹介します。
5-1.らくらくスマートフォンの特長
らくらくスマートフォンには次のような特長があります。
- 文字が大きくて見やすい(拡大機能でさらに大きくできる)
- アルコールやウェットティッシュでの拭き取りもOK
- 押し込みでガイドを固定表示できるから誤作動の心配がない(普通のフリック入力も選べる)
- 操作に困ったときのサポートが充実(※)
- 迷惑電話対策機能などあんしん機能が搭載されている
- 泡タイプのハンドソープや食器用洗剤で洗える
らくらくスマートフォンはこんな方におすすめです。
- シニアにわかりやすく親切なスマホを使いたい
- 機械が苦手なので簡単に操作できるスマホが欲しい
- ガラケーと使い方が変わらないようなスマホを求めている
- 操作で困ったときすぐに教えてもらえる安心感を求める人
- 特殊詐欺などを防ぐ機能のついたスマホが欲しい人
(※)らくらくスマートフォンではサポートが大変充実しています。 かんたん操作ガイドが同梱、さらに、専用ボタンを押すだけで、「らくらくホンセンター」につながり、専門のアドバイザーに無料で操作方法を優しく教えてもらえます。 |
5-2.「らくらくスマートフォン」をおすすめしたい理由
「らくらくスマートフォン」をおすすめしたい理由は3つあります。
- 周りと連絡がとりやすくなる
- 写真や動画の共有ができる
- 詐欺対策機能がある
それぞれ具体的に説明していきましょう!
5-2-1.周りと連絡がとりやすくなる
固定電話やガラケーに比べて、スマートフォンではメールやLINEなどのチャットツールを使ってこまめに連絡をとりやすくなります。
「わざわざ電話するほどのことでも…」とこれまでなら連絡しないようなことも、チャットツールでなら『朝晩涼しくなってきたね』とか『庭の花が咲いたよ』と、気軽にお話することができます。
電話は億劫というときもメールなら負担にならないし、返信も好きなときにできるという利点があります。
5-2-2.写真や動画が共有できる
スマートフォンは写真や動画を送り合えるので思い出を共有できます。
なかなか会えない子供や孫の映像を鮮明に見ることができるのは、何よりの喜びですよね。
帰省したときにまとめて見せてもらうのもいいですが、スマートフォンならリアルタイムで簡単に共有することができるので、間近に感じることができます。
家族以外にも、親しい友人と共通の思い出画像を送り合って楽しんだり、子供や孫を自慢したりと盛り上がれます。
5-2-3.詐欺対策機能がある
らくらくスマートフォンには、犯罪から高齢者を守るため、①「還付金詐欺対策」機能、②「迷惑電話対策」機能、③「らくらく迷惑メール判定」機能という3つの機能が搭載されています。
① 発信時に有効な「還付金詐欺対策」機能 |
「還付金詐欺対策」機能を設定すると、電話帳に登録していない相手に発信した通話の内容に還付金詐欺と思われる会話を検出すると、通話している双方に還付金詐欺の警告を行います。
具体的には、会話の中に『振込』『ATM』といった還付金詐欺が疑われるキーワードを検出したとき、発信者、通話相手双方に「この通話は迷惑電話防止のために録音されます」という音声での警告が流れます。
さらに、発信者のスマホ画面に『還付金詐欺に関するキーワードを検出しました。録音している旨を相手へお知らせしている間、一時無音になりますが、その後通話できます。』という文章が表示されます。
② 着信時に有効な「迷惑電話防止」機能 |
「迷惑電話防止」機能を設定すると、電話帳に登録していない番号から電話がかかってきた時、相手に会話を録音する「この通話は迷惑電話防止のために録音されます」という音声メッセージが流れます。
一方、スマホ側は専用の着信音が鳴って「迷惑電話にお気をつけください」と注意喚起があり、電話に出ると通話の録音が開始されます。
こうした注意喚起があることで、詐欺電話に無防備に出ることが防げます。
仮に詐欺電話に出てしまったとしても、会話が録音されていることから、家族や警察に相談しやすくなり、詐欺被害の抑止になります。
③ あんしんを強化する「らくらく迷惑メール判定」機能 |
「らくらく迷惑メール判定」機能は、見ず知らずの相手から口座への振り込みなどを依頼するメール及びメッセージを受信した際に、容易く信じてしまわないよう注意喚起を呼びかける機能です。
たとえば、買った覚えもない商品に対して「期日までに支払わないと法的手段に訴えます。」という内容のメールが来ることがあります。あるいは、使った覚えがないのに高額なインターネット料金請求のメッセージを受信するケースも考えられます。
こういった場合、メールに慣れている人であれば無視して済ませられますが、不慣れな高齢者の場合、慌てて確認の電話や返信をしてしまうことが往々にしてあります。
らくらくスマートフォンで「迷惑メール判定」を設定しておくと、現金を騙し取る目的の迷惑メールである可能性が高いと判定された場合は注意メッセージが表示されるので、冷静な判断ができます。
いかがでしょう。
らくらくスマートフォンには、他にも「脳の健康ケア」機能や「dヘルスケア」など健康づくりへアプローチできる機能、また「花ノート」などシニアライフを楽しんでいただける機能が充実しています。
6.まとめ
一人暮らしのお父さんへの心配を解消するために、今すぐできることは4つです。
- 家族で協力して見守る
- 近隣の人にお願いする
- 地域包括支援センターに登録する
- 見守りサービスを利用する
こうした対策を講じても、いつか一人暮らしが難しくなるときが来てしまうかもしれません。
そのときのために、今から次のような介護の問題についてお父さんと話し合っておきましょう。
- 介護が必要になったとき誰に介護して欲しいのか
- 介護が必要になったときどんな介護を望んでいるのか
- 介護が必要になったとき子ども(あなた)はどんな介護ならできるのか
大切なお父さんに、これからも健康でいてもらえるよう、心配ごとをできる限り解消し、今できる策を講じておきましょう。
そうすることで、あなたやご家族も安心して、充実した日々が送れます。
この記事があなたのお悩み解消に、少しでもお役に立てば幸いです。
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