老人ホーム・介護施設を見学する際の3つの重要なチェックポイント

老人ホーム

ご自身や高齢のご家族が老人ホームや介護施設への入居を検討している方へ。
入居先を決める前には、必ず介護施設の見学をしておくことをおすすめします。

パンフレットやホームページ上の情報だけでは伝わらない、実際に住んでみないとわからないことが多くあるためです。

自分の目で施設の雰囲気や設備を確認することで、入居後の生活をイメージしやすくなります。
施設への入居には費用がかかり、いかに快適に過ごせるかに直結する問題です。

今回は、老人ホームや介護施設を見学することの重要性について解説します。
見学の際にチェックすべき3つのポイントについてまとめました。

介護施設の見学を予約するまでの流れも記載しています。


1. 介護施設を見学しておく必要性

老人ホーム

介護施設への入居前に、しっかりと見学することは非常に重要な意味を持ちます。

理由は大きく2つあります。

1:現地を見てはじめてわかることが多い
2:イメージとの乖離を防ぎ、入居後の後悔やトラブルを避けやすくなる

介護施設への入居は人生の中での大きな決断であり、手続きのための労力と多くの費用がかかります。

そのため、見学を通して入居後の生活をイメージし、問題点があれば把握しておくことが大切です。

事前の見学をせずに入居を決めてしまった場合、短期間での退居や別の施設への入居を繰り返すかもしれません。

自身や家族、介護施設側の誰もが負担を背負う結果になってしまうため、必ず見学するようにしましょう。

1−1. 実際に見てみないとわからないことが多い

介護施設を見学することで、初めて見えてくる面は多くあります。

例えば、以下のような内容は実際に見てみなければ判断できないものです。

  • 写真ではわからない施設内の雰囲気
  • 施設の立地や周辺環境の詳細
  • 介護職員の入居者に対する姿勢
  • 他の入居者の生活の様子
  • 共同設備の規模や清潔感
  • 自室の環境
  • 食事の好みが合うかどうか

事前情報にて立地条件やある程度の設備内容は把握できますが、実際に暮らしやすいかどうかは別問題です。

また、施設の雰囲気や勤務している介護職員の仕事への取り組み方などは、実際に現場を目にしてみないとわかりません。

共同生活を送ることになる入居者に関しても、実際に触れ合ってみないことには長く付き合っていけるか判断できない部分といえます。

1−2. 入居後の後悔やトラブルを回避しやすくなる

介護施設を事前に見学することは、入居後に「こんなはずじゃなかった……」と後悔するリスクを減らすことにつながります。

見学時に施設の雰囲気や設備、食事の内容などが肌に合わないと感じたら、その場所への入居は慎重になるべきでしょう。

また、他の入居者や介護職員とトラブルを起こしてしまうのは避けなければなりません。

だれもが穏やかに快適な生活を送ることを目的としている介護施設ですから、自分に合っていると思える場所を選ぶべきなのです。

せっかく入居したのに短期間で退居するようなことになれば、かかった費用や労力が無駄になってしまいます。入居者にとっても介護施設側にとっても、不利益しか生まないのです。


2. 介護施設の見学時に見るべき3ポイント

老人ホームや介護施設を見学する際に、見ておくべきポイントをまとめました。

下記のリストをもとに、次の3~5章にて個別に解説します。

「スタッフや施設内の雰囲気」、「施設内の設備や環境」「食事やレクリエーションの内容」の大きく3つのポイントから、重点的にチェックすべき点を把握していきましょう。

介護施設を見学する際のチェックポイントリスト

ポイント1:スタッフや施設内の雰囲気

1. スタッフの人員体制の確認

2. スタッフのモチベーションの高さを確認

3. 提供されるサービス内容が希望と合っているか

4. ケア体制の確認(ユニットケア、フロア分けケア、混在型ケアなど)

5. 医療機関との連携が行われているか

ポイント2:施設内の設備や環境

1. 立地条件と周辺環境が優れているか

2. 共有スペースに清潔感があるか

3. 個室の設備が利用しやすいか

4. 入浴設備の安全性

5. 清掃やメンテナンスの状態

ポイント3:食事やレクリエーションの内容

1. 提供される食事の食べ方やメニュー

2. レクリエーションの内容が充実しているか

介護施設の見学時のチェックリストは、こちらからダウンロード(クリックでダウンロード開始)できます。

印刷するなどして、見学時にお役立てください。


3. ポイント1:スタッフや施設内の雰囲気

老人ホーム

 

最初のチェックポイントは、勤務している介護職員などのスタッフや、施設全体の雰囲気です。

事前の情報で施設の外観や内観はわかりますが、実際にどのような空気感であるかは見学してみなければわからない部分といえます。

職員たちが活気をもって仕事をしているか、共同生活を送ることになる他の入居者たちは健康的で前向きに生活できているかなど、雰囲気から伝わってくるものをチェックしてください。

3−1. スタッフの人員体制を確認

介護施設内で勤務する介護スタッフが、どのような人員体制になっているかをチェックします。

介護付き有料老人ホームの場合、厚生労働省により入居者の人数に対して介護職員や看護職員を常勤させなければならない割合が決められています。

介護付き有料老人ホームでは、入居者(利用者)の人数に対して介護職員または看護職員を何人常勤させていなければいけないかを法律で定めています。

  • 要介護の利用者3人に対し、介護職員を1人以上配置
  • 要支援の利用者10人に対し、介護職員を1人以上配置

介護施設によっては、要介護の利用者3人に対し、2人の介護職員を配置するなど、より手厚い介護サービスを提供しているケースがあります。

介護職員の人数の差があると、以下のように受けられるサービス内容にも差が生まれる場合があります。

介護職員の配置に余裕のある施設

  • 入居者一人ひとりに気を配りやすくなる。
  • 介護スタッフ一人当たりの負担が減り、その分の労力を施設の改善業務に回せる。
  • いざという時に相談しやすい

介護職員の配置が少ない施設

  • 介護職員一人あたりの担当人数が増え、きちんと気を配れなくなる可能性がある
  • 負担により介護職員が疲弊しやすくなる
  • 施設の細かい部分まで目が行き届かない

介護スタッフの多さは快適な暮らしやすさに直結するため、チェックしておくとよいでしょう。

3−2. スタッフのモチベーション

介護施設を見学する際に、勤務している介護職員などのスタッフのモチベーションもチェックしておきましょう。

入居者への接し方や挨拶時の元気のよさなど、活力をもって前向きに仕事に取り組んでいるか確認します。

スタッフに元気がないなどモチベーションの低さを感じた場合、介護施設の勤務環境に問題がある可能性があります。

スタッフのモチベーションの有無が介護施設全体に与える影響は大きいため、見学時にチェックしておきたいところです。

スタッフのモチベーションが高い施設の場合

  • 活気があり明るい雰囲気になりやすい
  • スタッフ間の労働環境や人間関係が良好な可能性が高い
  • 入居者の細かな変化に気づいてもらいやすくなる

スタッフのモチベーションが低い施設の場合

  • 活力に乏しい重苦しい環境になりやすい
  • スタッフ間の労働環境や人間関係がよくない可能性がある
  • ミスが起こるリスクが高まる

入居後に介護サービスを受けることになる相手なので、事前にどのような気持ちで勤務しているかはチェックしておきたい所です。

3−3. 提供されるサービス

入居後に提供されるサービス内容も、施設見学の際に確認しておきましょう。

介護サービスの質の高さをチェックしておくことは重要です。

入居者の要介護度などを考慮して、どのような介護サービスを受けたいかを明確にしておく必要があります。

入居後に「充分な介護サービスを受けられていない」「自分でできることはこなしたいけど、介護サービスが過剰すぎた」という行き違いのないよう、自身に必要な介護の内容を確認しておきましょう。

以下は、老人ホームごとに受けられる介護サービスをまとめたものです。

費用は高めながら充実した介護サービスを受けられる民間の施設と、比較的低予算で入居できる公的な施設の2種類の特徴をまとめました。

民間の施設の場合 

老人ホームの種類

介護サービスの特徴

入居費用の相場

介護付き有料老人ホーム

スタッフが24時間常駐し、サポート体制が充実。

10~50万円ほど。数億円の場合もある。

住宅型有料老人ホーム

スタッフが24時間常駐し、自分に合わせた介護サービスを選べる。

10~50万円ほど。

数千万円の場合もある。

 

サービス付き高齢者向け住宅

日中はスタッフが常駐し、バリアフリー環境で自立した生活を送れる。

5~50万円ほど。

健康型有料老人ホーム

家事などのサポートを受けられ、自立した生活を送れる。

10~40万円ほど。

グループホーム

認知症に詳しいスタッフのサポートにより、共同生活をしながらリハビリを受けられる。

10~30万円ほど。

公的な施設の場合

老人ホームの種類

介護サービスの特徴

入居費用の相場

特別養護老人ホーム

介護スタッフが24時間常駐し、介護サービスを受けられる。

10~15万円ほど。

介護老人保健施設

食事や入浴などの介護サポートを受けられる。医師や専門スタッフなどがいる。

8~15万円ほど

ケアハウス

A型:見守りと食事の提供。

B型:見守りのみ

C型(一般型):生活支援や緊急時の対応

C型(介護型):食事や入浴の介助

A型:6~17万円ほど

B型:3~4万円ほど

C型:6~17万円ほど

介護療養型医療施設

医療的な処置とリハビリテーションを受けられる。運営元が医療法人のため、看護師が多い。

9~17万円ほど

3−4. ケア体制の確認

介護体制がどのように行われているかもチェックすべきポイントです。

施設ごとにケア体制が異なるため、見学時に確認しておきましょう。

以下は、主な2つのケア体制の特徴をまとめたものです。

ケア体制

介護体制

メリット

デメリット

ユニットケア

入居者を10人ほどのユニットに分けて、決められた介護職員が担当する。

 

少人数に絞ることで入居者の身体状況を把握しやすく、細やかな介護サービスを提供可能。

また、個室があるためプライベートな空間が生まれ、感染症などのリスクも軽減できる。

従来型ケアよりも費用が割高になる。

人によっては孤独を感じやすい。

従来型ケア

入居者を介護度や身体状況で分けず、介護職員が担当する。

運用の歴史が長く、施設ごとのノウハウが蓄積されている。

ユニットケアと比べて、低予算で入居できる。

介護職員全員で対応にあたるため、入居者の状況を把握しやすい。

他の入居者と交流を持ちやすい。

数人での相部屋生活となるため、人によってはプライベートな空間を持ちにくい。

近年では従来型ケアからユニットケアへと移行を進めている介護施設が増えています。

新しく設立された介護施設はユニットケアが多いようです。

介護スタッフが入居者としっかり向き合え、入居者のプライバシーも守られるユニットケアの需要が高まっています。

介護施設の見学時にはどのタイプのケア体制か質問したり、実際に入居者の暮らしを見たりして、自分が生活しやすいスタイルと合っているかを確認しましょう。

3−5. 医療機関との連携

老人ホームは医療機関と連携し、さまざまな医療的サポートを行います。

入居後にどの程度の医療サービスを受けられるかは、事前に確認しておきたいポイントです。

医療法人が経営する介護施設の場合、医療面の連携が整っています。

介護付き有料老人ホームの場合は、どの医療機関と連携しているかが重要です。

これらの情報は施設の見学前に調べおきたいものです。

施設の見学時には、より細かい医療面のケアを把握するために、下記の内容を質問するとよいでしょう。

緊急時の対応が受けられるかなどは、気になるポイントです。

  • 協力先の医療機関名
  • 医療機関までの距離
  • 訪問診療はどの程度の期間で行われているか
  • 自分に必要な診療に対応しているか
  • 看護師の常駐時間(24時間体制、日中のみなど)
  • 緊急時の対応について

4. ポイント2:施設内の設備や環境

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施設内の設備面や環境は、見学しなければ掴みにくい情報です。

きちんとメンテナンスや清掃が行き届いていない施設であれば、運営に問題を抱えている可能性があります。

入居後に快適で安心した生活を送れるよう、施設の見学を行う際には下記の5項目をチェックしておきましょう。

4−1. 立地条件と周辺環境

介護施設の立地条件は重要な指標です。

入居者の家族が面会などのために、頻繁に通いやすい場所であるかを考慮しましょう。

あまりに距離が離れすぎている場合、緊急時に到着が遅れる場合があります。

また、周辺にスーパーやコンビニなどの商業施設があるかを確認しておけば、必要な物資の調達などが容易になります。

施設に入居しながら自立した生活を送る人の場合は、買い物や移動のしやすい立地条件が重要になってきます。

立地条件と周辺環境については、見学の際に以下のポイントをチェックしておきましょう。

  • 周辺にスーパーやコンビニがあるか
  • 施設の駐車場の有無
  • 最寄り駅からの距離
  • 最寄りの医療機関との距離

4−1−1. 介護施設の周囲の環境も確認

介護施設の周辺環境も確認しましょう。
入居者が暮らすうえで、落ち着いた生活ができるかがポイントです。

自然の多さや騒音の少なさなど、リラックスできる環境かどうか、実際に施設内を見て周りながらチェックしましょう。

少し外出する際には自然が多い方が、気分をリフレッシュできます。

周辺環境のチェックと合わせて、施設の敷地内の空気のよさや過ごしやすさを確認してください

介護施設周辺は、以下の要素を見ておくと安心できます。

  • 中庭や公園など憩いの場が用意されているか
  • 周囲の騒音が気になるかどうか
  • 隣接する道路の交通量
  • 部屋の窓からの景色は良好か

4−2. 共有スペースの清潔感

食事やレクリエーションなど、多くの時間を過ごすことになる共有スペース。

きちんと清掃が行き届いているか、居心地のよさや使いやすさをチェックしましょう。

他の入居者との交流の場にもなるため、憩いの場所であるか実際に見ておくべきです。

共有スペースを見学する際には、以下のポイントをチェックしておきましょう。

  • 隅々まで清潔感が保たれているか
  • 高齢者に使いやすいように配慮されているか
  • 入居者が気兼ねなく利用できているか

4−2−1.共有スペースへの移動のしやすさもチェックする

食堂などは各フロアに設置してあるかも重要項目になります。

各階への移動を伴う場合、入居者にとっては困難に感じるためです。

食堂や共有スペースが一か所にしかない施設の場合、移動のしやすさや食事の際の介護職員の見守り体制が整っているかを確認しましょう。

  • 廊下に手すりなどが整備されているか
  • 階層が異なる場合はエレベーターが使いやすいか
  • 移動中の介護職員の見守りは十分かどうか

 

4−3. 個室の設備

入居者用の個室がある介護施設の場合は、部屋の広さや間取り、備え付けの設備面をチェックしましょう。

睡眠やプライベートのための空間になるので、リラックスして過ごせるかは重要なポイントです。

個室内にトイレや浴室、洗面台などの設備がある場合は、清潔感があり使いやすい設計になっているかを確認しておくとよいでしょう。

入浴時や排泄時は思わぬトラブルが起こり得るため、使用上の安全性が確保されているかもチェック対象となります。

個室では下記の部分を細かく見ておきましょう。

  • 洗面台の使いやすさ
  • 浴室の安全性との使いやすさ
  • トイレの安全性との使いやすさ
  • 水回りから不快な臭いがしないか
  • 収納スペース、棚などの容量
  • ベッドの安定性
  • 電源設備の位置
  • バリアフリー構造かどうか

4−4. 入浴設備の安全性

入浴設備に関しては、寝たきりの状態など要介護度が高い場合は、介助を受けながら利用することになります。

そのため、利用者の身体状態に対し、入浴施設が対応しているかをチェックしておきます。

浴室には入居者自身で利用できる一般浴とは別に、以下の2種類があるため、どの設備を利用できるかは重要です。

中間浴(リフト浴)

座りながらの入浴ができる人向け。リフト浴の場合は、車いすから機械式のリフトを用いて入浴を行う。

機械浴

リフト浴よりも大がかりな機械を使用して入浴を行う。

機械浴にはチェアー浴とストレッチャー浴がある。

  • チェアー浴:専用のいすと浴槽を用いた入浴ができます。
  • ストレッチャー浴:ストレッチャーを利用し、横になったまま入浴が可能。寝たきりの状態でも利用できる。

自力での入浴が困難な場合はスタッフからの介助を受けることになるため、中間浴や機械浴が利用できるかの確認は大切です。

また、浴室が清潔に保たれているか、脱衣所は寒くないかなどもチェックしておきましょう。

4−5. 清掃やメンテナンスの状態

介護施設全体を通して、きちんと清掃がなされ、メンテナンスが行き届いているかをチェックしましょう。

汚れている部分が多かったり、ごみが散乱している介護施設の場合、勤務するスタッフ間で清掃が正しく行われていない可能性があります。

スタッフの人員に余裕がなく、細かい所まで目が届いていないのかもしれません。

また、連絡掲示板や季節の飾りつけなどが、きちんと取り換えられているかも確認しておくとよいでしょう。

介護サービスとは無関係に見える細かい部分でも、介護施設全体の雰囲気やスタッフの置かれている環境を想像することができます。

施設内がきちんと清掃され、メンテナンスが施されているかは、下記の場所を見ると確認できます。

  • 施設内に老朽化している場所はないか
  • 部屋の隅まで清掃が行き届いているか
  • 共用のトイレや浴室は清掃されているか
  • 掲示板のプリントやポスターはきちんと整理されているか

5. ポイント3:食事やレクリエーションの内容

老人ホーム

介護施設選びのポイントの3つ目は、提供される食事やレクリエーションの内容です。

日々の生活での楽しみであり、健やかな生活に欠かせない栄養補給となる食事は、重要なチェックポイントといえます。

また、ほかの入居者と時間を共にできるレクリエーションは、活力の源になる重要なイベントです。

これらの要素は、介護施設での暮らしの満足度に大きく関わる要素といえます。

5−1. 提供される食事の食べ方やメニューについて

介護施設での食事は、以下の2つのパターンで用意されています。

  • 施設内で調理したものを提供する
  • 外部で調理した食事を提供する

施設内で調理を行っている場合、出来立ての料理が食べられるメリットがあります。

外部から食事を納入している施設の場合は、どのような献立があるのか確認しておくとよいでしょう。

食事内容にこだわっている介護施設の場合、豊富なメニューや季節感を重視したものなど、提供される料理の内容もバラエティに富んでいます。

介護施設の見学時には、事前に時間を合わせれば食事の風景を見学することができます。

入居予定の施設ではどのような食事が提供され、適切な介助が受けられるのかを確認しておくとよいでしょう。

食事を見学する際には、以下のポイントを重点的にチェックしてください。

  • メニューが豊富かどうか
  • 季節やイベントごとのメニューがあるか
  • 調理場所の確認(施設の内外どちらか)
  • 介護食の提供はあるか(噛む力や飲み込む力が弱った人向けの食事など)
  • 持病に合わせた食事になっているか(糖尿病や腎臓病など)
  • 必要な場合は食事の介助を受けられるか

高齢者向けの食事については、「高齢者の食事における注意点とおすすめメニュー一覧」の記事で詳しく紹介しています。

5−2. レクリエーションの内容

ある程度自立した生活を送れる入居者の場合、施設内で行われるレクリエーションの内容をチェックしておきましょう。

レクリエーションでは、下記のようなゲームをほかの入居者と共に楽しむことができます。

  • じゃんけん
  • 合唱
  • ラジオ体操
  • 脳トレゲーム
  • 手芸
  • 身体動かす遊び
  • クイズ大会

いずれも適度に身体を動かし、頭を使うため認知症予防に効果的です。

同年代の入居者と触れ合う機会を持つことで、多くの刺激を受けられる貴重な時間となります。

施設の見学時には、どのようなレクリエーションが行われているか、和やかな雰囲気で実施されているかを確認しておくとよいでしょう。


6. 介護施設を見学する際の流れと事前準備

介護施設で見ておくべきチェックポイントを確認した後は、実際に見学の予定を立ててみましょう。

介護施設を見学するためには、具体的に以下の6つのステップを踏む必要があります。

  1. 気になる施設を探す
  2. 見学の日時を決めて予約する
  3. 質問内容や見学時のチェックポイントをまとめる
  4. 施設について事前に調べておく
  5. 見学の際の心構えやマナーの把握
  6. 見学へ向かう

実際に目で見て確かめられる見学の機会を有意義なものにするためにも、事前の下調べや現地でのマナーについて把握しておきましょう。

6−1. 気になる施設を探す

まずは、周辺地域から老人ホームなどの介護施設を探しましょう。

近隣の役所や地域包括支援センター、高齢者総合相談センター、福祉事務所などへいけば、地域の老人ホームについての情報を得られる場合があります。

すでに介護サービスを受けている場合は、担当のケアマネージャーに紹介してもらうことも可能です。ケアマネージャーであれば入居希望者の身体状況を詳しく把握しているため、適した内容の介護施設を紹介してもらえるかもしれません。

ただし、ケアマネージャーは在宅介護の専門であり、介護施設に詳しいとは限らない点は理解しておきましょう。

他にも、インターネットを使って地域の老人ホームの情報を入手することができます。

自宅にいながら手軽に情報収集できる点がメリットです。

らくスマ

出典:らくらくスマートフォン F-42A

パソコンがない場合でも、スマホがあればインターネット検索や地図上での検索が可能になります。

「地域名」と「老人ホーム」などのキーワードで検索すると、該当する介護施設のホームページを検索可能です。

ただし、検索時には見やすい位置に広告を出している施設が表示されるため、時間をかけて他の介護施設までしっかり閲覧したほうがよいでしょう。

Googleマップなどを使えば地域の介護施設を一覧でき、周辺環境と合わせてチェック可能です。

地図

スマホをお持ちでないという場合は、「らくらくスマートフォン F-42A」など、初心者向けの機種でデビューするとよいでしょう。

6−2. 見学の日時を決めて予約する

気になる介護施設を見つけたら、実際に見学の予約を入れます。

施設側の都合を考慮したうえで、希望の日時を伝えましょう。

見学時はレクリエーションや食事などのタイミングと合わせることが効果的です。

レクリエーションの風景を見れば施設の空気感が伝わり、食事の内容からどのようなメニュー体制なのかを把握できるからです。

食事の試食をしたい場合は、事前に施設側に可能かどうか確認しましょう。

他にも見学時に見ておきたい部分があれば、事前に相談しておくことで、当日はスムーズに進められます。

6−3. 質問内容や見学時のチェックポイントをまとめる

 

施設見学時は、入居の際の条件などを質問する機会でもあります。

当日考えてもまとまらず、聴き忘れてしまうことがあるため、見学前にしっかりとまとめておきましょう。

主に以下の6つの項目を質問しておくと、入居へ向けてスムーズな手続きが可能になります。

入居の条件

老人ホームによっては介護度などにより入居の条件が決まっているため、受け入れ体制について質問しておきましょう。

退去の要件

入居後の体調不良や病気により、施設から退居を余儀なくされる場合があります。退居の際の要件も確認しておきましょう。

月額の利用料

入居後の毎月の費用について確認しておきましょう。

おむつなどの消耗品や部屋の光熱費などが別途必要か質問します。

入居一時金の償却条件

有料老人ホームの場合は入居一時金を納める必要があります。

退居時にいくら返金されるかも質問しておきましょう。

保証人の責任範囲

老人ホームなどの介護施設に入居する場合、保証人を立てる必要があります。緊急時の連絡先や利用料金未払いの際の保証など、責任の範囲を質問しておきましょう。

介護の方針

介護施設としてどのような介護方針を持っているかを、事前の下調べと同じかどうか確認しておくと安心できます。

6−4. 施設について事前に調べておく

介護施設については、見学前にパンフレットやホームページの記述をみて、下調べをしておきましょう。

見学時に事前情報と合わせてチェックしていけば、どのような設備が整っているかなど、細かい部分まで見落とさずに確認しやすくなります。

また、介護職員の働き方については、見えない分までチェックしておきたいものです。

介護施設の「重要事項説明書」には、施設の運営元や介護職員や看護師などの人員配置、離職率などが記載されています。

重要事項説明書を読む際には、以下の情報に注目してください。

入居者への介護サービスがきちんと行きわたるような人員配置がされているかを把握できれば、安心して入居できる介護施設内かの判断基準になります。

反対に、介護職員の離職率の高さや勤続年数の短さは、施設全体の労働環境に問題点がないかの判断材料になるでしょう。

6−5. 見学の際の心構えやマナーの把握

ha見学時には必要なマナーを厳守しましょう。

施設を見学させてもらう側として、迷惑をかけないようにする必要があります。

下記のマナーを守って行動すればOKです。

  • 見学の日時を厳守し、到着時間が前後する場合は必ず連絡する
  • 他の入居者に配慮して大声での会話を避ける
  • 勝手に部屋に入らない
  • 入居者の話を聞く際には職員に許可を取る
  • 施設内の撮影時には必ず許可を取り、個人情報がわかるものは撮影しない

入居後に共同生活を送ることになるかもしれないため、入居者や介護職員への迷惑行為は避けましょう。

6−6. 見学へ向かう

予約を取り質問内容やマナーを把握したら、見学へと向かいましょう。

見学時に下記のものを持参しておけば、内容をメモしたり比較したい場所を記録に残したりしやすくなります。

  • メモ帳や筆記用具
  • 見学時のチェックリスト
  • 質問をまとめたメモ
  • 撮影用のカメラ
  • 寸法を測れるメジャーなど

7. 介護施設の見学を有意義なものにするための考え方

最後に、介護施設の見学を通して、有意義なものにするための考え方を3点紹介します。

  1. 細かくチェックしたい場合は再度見学をお願いする
  2. 複数の施設を見学して比較検討するのが効果的
  3. 気に入ったら体験入居が可能か問い合わせる

入居すれば長期間過ごすことになる場所であるため、見学を通してしっかりと見極めておく必要があるといえるでしょう。

7−1. 細かくチェックしたい場合は再度見学をお願いする

一度の見学だけでは、施設の隅々までチェックすることが難しい場合があります。

より詳しく把握したいという場合は、再び見学を依頼するとよいでしょう。

初回の見学で気になった部分をメモにまとめておき、再度細かく確認するのが効果的です。

部屋の広さや家具を持ち込める場合は置き場所の寸法などを、実際に暮らす姿をイメージしながらチェックしやすくなります。

また、見学に訪れる時間を変えることで、レクリエーションや食事などの内容をチェックしやすくなります。

7−2. 複数の施設を見学して比較検討するのが効果的

介護施設を選ぶ際は、いきなり一つに絞るのではなく、複数の候補の中から条件や設備面を比較検討することが大切です。

気になる施設は日時をずらして、複数見学して回りましょう。

文面上では条件が似ていたとしても、実際に足を運ぶことで細かな違いが明確になります。

介護施設の見学は無料でできるため、なるべく多くの施設を見てから選びましょう。

7−3. 気に入ったら体験入居が可能か問い合わせる

施設の見学時に気に入った場所があれば、体験入居が可能か問い合わせてみましょう。

見学では見ることのできない、夜間などの状態を把握できるためです。

24時間対応の施設の場合でも、介護職員や看護師が常に常駐しているか、夜間でも医療的処置を受けられるかは異なります。

受けたいサービス通りの内容かどうか、体験入居を経て確かめられます。

介護施設への体験入居の費用は、一般的に4,000円~15,000円ほどの所が多いようです。

体験入居の際には大荷物は不要ですが、下記の必需品を持参しておくと安心です。

  • 普段着と着替え
  • タオルや洗面用具
  • 室内用のスリッパ
  • 服用中の薬
  • 健康保険証

まとめ

介護施設の見学により、入居後の生活を飛躍的にイメージしやすくなります。

ポイント1:スタッフや施設内の雰囲気

ポイント2:施設内の設備や環境

ポイント3:食事やレクリエーションの内容

上記の3ポイントをチェックしておくことで、入居後ミスマッチを防ぎ、長く快適に暮らせる確率を高められるでしょう。

スタッフや施設内の雰囲気は、書類や写真だけでは伝わらない情報です。
実際の場の空気を感じることで、初めて得られる情報といえるでしょう。

施設内の設備や環境からは、入居者の暮らしの水準を図ることができます。
きちんと手入れが行き届いた施設であれば、安心して身を任せられるはずです。

食事やレクリエーションは、日々の楽しみになります。
孤独を感じにくくなるだけでなく、脳への刺激により認知症予防にも効果が期待できるでしょう。

実際に暮らす場所を見ることで、入居者もその家族も安心できます。
介護施設の見学は無料なため、見たい時間に合わせたり、複数の施設を比較検討したりするとよいでしょう。

見学の際には確認事項や質問内容をチェックシートにまとめ、見てわからない点は積極的に聞いてみてください。

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