
「祖父母から孫へのお祝い金っていくら位なんだろう」と思っていませんか?お祝い金は”めでたい時に贈るもの”なので気持ちが大切ですが、いくらにしようかと悩みますよね。
住んでいる地域や信仰している宗教などによって行事や習慣が異なりますが、出産祝いや入学祝いなど大きなライフイベントにはお祝い金の相場があります。
なぜなら、大都市圏では日本各地の人々が生活していて、慣習の異なるエリアの人々が家族になることも多いので、全国平均値的な相場が存在するのです。
ここでは、お宮参りや初節句、七五三、成人式も含めた6つのお祝い事に関して、お祝い金の相場や渡す時期、マナーや注意点などをみていきます。
この文章を読むことで、孫に贈るお祝い金の相場がわかり、悩むことなく準備できれば幸いです。
目次
1.祖父母から孫へのお祝い金はどのくらい?
子どもの誕生や成長を祝う行事やイベントは大切であり、それが孫のためであればなおさらです。ここでは、多くの家族がお祝いする
● 出産祝い
● お宮参り
● 初節句
● 七五三
● 入園・入学祝い
● 成人祝い
上記6つの行事やイベントについて、祖父母が贈るお祝い金の相場を中心にみていきます。
1-1.出産祝い金の相場は5万円
赤ちゃんが無事に生まれたこと祝福し、健やかな成長を願うのが「出産祝い」です。
以前は「内孫(戸籍上直系の孫)・外孫(戸籍上直系ではない孫)」という言葉が普通に使われていて、その内孫が生まれたときは10万円前後包むのが目安となっていました。また、赤ちゃんを災厄から守る縁起物として、デンデン太鼓・犬張子・御守り袋・扇子の4点を添えるという習慣もありました。
<お祝い金の相場>
● 現在、孫誕生のお祝い金の相場は1~10万円と幅広いので、経済的に無理のない範囲で決めるのがよいでしょう。決めかねるのであれば、その中間を取って5万円という考え方もあります。
<お祝い金を渡す時期>
● 出産後間もない時期は、母子の体調などにも配慮してお祝い金を渡します。
● 遅くとも生後1か月以内に渡しましょう。
● ベビーベッドや寝具など出産後すぐに使う物を贈る場合は、出産前でも大丈夫です。
● 紅白の蝶結びの水引がついたのし袋を使用します。表書きは「御出産祝」「祝御安産」「御祝」などとし、下段に贈り主の氏名を記します。
● 4万円、9万円という金額は避けましょう。
● 現金でない物を贈る場合は、両家の祖父母同士で相談し、同じ物にならないように。
● 最近は本当に必要なものを贈るということで、本人に直接聞くのも良しとされてきています。
1-2.お宮参りのお祝い金の相場は5千円から1万円
男児は誕生31日目、女児は誕生32日目に、土地の産土(うぶすな)神社に初めてお参りして神主におはらいをしてもらい、祝詞(のりと)をあげてもらうのが正式な「お宮参り」です。表書きを「御初穂料」「御神饌料」「御玉串料」として、赤ちゃんの名前も記し、5千円から1万円ほど社務所に納めます。
現在は赤ちゃんの生後1か月目あたりに、産土神社にこだわらず、安産祈願した水天宮や著名な神社でお宮参りを行う家族が多いようです。神社によっては、お宮参りの規定料金が設定されていることもあり、その場合はその初穂料を納めれば大丈夫です。
お宮参りの初穂料を誰が支払うという決まりはないので、祖父母が負担する家族もいます。また、このときの食事会の費用を祖父母が支払う場合もあります。
<お祝い金の相場>
● お祝い金を渡したい場合、祖父母は5千円から1万円が目安です。
<お祝い金を渡す時期>
● 出産祝いを渡すのであれば、順序としてはその後 で、お宮参りの日までに渡しましょう。
<マナー・注意点>
● 紅白の蝶結びの水引がついたのし袋を使用します。表書きは「祝御宮参」「祝初宮参」「御祝」などとし、下段に贈り主の氏名を記します。
1-3.初節句のお祝い金の相場は5千円から1万円
子どもが生まれて初めて迎える節句が「初節句」です。
● 女児は「上巳の節句(じょうしのせっく)・桃の節句」として知られる3月3日に、ひな人形を飾って健やかな成長を祝います。
● 男児は「端午の節句(たんごのせっく)・菖蒲の節句」である5月5日に、こいのぼりや兜を飾って健やかな成長を祝います。
両親や祖父母でお祝いの御膳を囲む家族も多いようです。また、初節句が赤ちゃんの生後1か月以内など慌ただしい時期の場合、翌年に持ち越しても大丈夫です。
<お祝い金の相場>
● お祝い金を渡したい場合、祖父母は5千円から1万円が目安です。
<お祝い金を渡す時期>
● お祝い金は当日までに渡しましょう。
● ひな人形やこいのぼり・兜を贈る場合は、飾る期間を考えて、前月上旬(女児なら2月上旬、男児なら4月上旬)までに贈りましょう。
<マナー・注意点>
● 紅白の蝶結びの水引がついたのし袋を使用します。表書きは「御初節句御祝」「祝初節句」「御祝」などとし、下段に贈り主の氏名を記します。
● ひな人形やこいのぼり・兜を贈りたい場合、孫の親である息子や娘、および両家の祖父母で相談するのが無難です。
● お祝いの金品を贈るのは初節句のときだけで、毎年贈る必要はありません。
1-4.七五三のお祝い金の相場は1万円から3万円
子どもの成長を祝い、将来の幸せを願う伝統的な儀式が「七五三(しちごさん)」です。女児は3歳と7歳、男児は3歳と5歳に祝うものですが、男児は5歳だけとしている地域もあります。
かつての七五三は、11月15日に産土神社でおはらいを受け祝詞をあげてもらっていました。
現在は11月15日前後の土日や、写真館の予約が取れた日に、近隣または著名な神社でおはらいをしてもらう家族が多いようです。また、祝い着もレンタルを利用する人が増えています。
「七五三」は「お宮参り」同様、初穂料や食事会の費用を祖父母が持つというケースもあります。
<お祝い金の相場>
● 祖父母の場合、金額の目安は1万円から3万円です。
<お祝い金を渡す時期>
● 七五三のお祝い金は、両親がレンタル衣装代や記念写真の撮影代に当てたいという事情を考えると、10月初旬から11月初旬に渡すのが理想的です。
● 七五三の食事会に招かれている場合は、お祝い金を当日に渡しても大丈夫です。
<マナー・注意点>
● 紅白の蝶結びの水引がついたのし袋を使用します。表書きは「七五三御祝」「祝七五三」「御祝」などとし、下段に贈り主の氏名を記します。
● のし袋には、以下の表書きも使用されます。
・三歳は「御髪置御祝」「祝御髪置」「賀御髪置」
・五歳は「御袴着御祝」「祝御袴着」「賀御袴着」
・七歳は「御帯解御祝」「祝御帯解」「賀御帯解」
● 12月のクリスマスや1月のお正月に、孫にプレゼントやお年玉を与える方も多いと思いますので、11月の七五三に経済的に無理する必要はありません。
1-5.入園・入学祝い金の相場は3千円から5万円
保育園または幼稚園への入園、小学校や中学校、高校や大学への入学を機に、子どもの成長を祝うのが「入園祝い」「入学祝い」です。一般的には身内だけで食事会など行い、それぞれお祝い金の相場は変わります。
<お祝い金の相場>
● 祖父母から孫へのお祝い金の相場です。
・保育園や幼稚園:3千円から1万円が目安
・小学校や中学校:5千円から3万円が目安
・高校や大学など:1万円から5万円が目安
<お祝い金を渡す時期>
● 入園・入学の2~3週間前までに渡します。
<マナー・注意点>
● 紅白の蝶結びの水引がついたのし袋を使用します。表書きは「御祝」のほか、
・入園の場合「入園御祝」「祝御入園」「入園おめでとう」
・入学の場合「入学御祝」「祝御入学」「御入学御祝」など。
● 現金でない場合、自由に使える商品券、図書券、文具券なども喜ばれます。
● 物を贈りたい場合、息子や娘、および両家の祖父母で相談して決めるのが無難です。
● 高校や大学の入学祝いは、必ず合格を確認してからにしましょう。
1-6.成人祝い金の相場は1万円から5万円
20歳のお祝いが「成人祝い」であり、毎年1月の第2月曜日が「成人の日」で祝日となっています。市区町村で記念式典が催され、日本人女性(概ね未婚女性)の正装である振袖、男性はスーツや羽織袴などを着用して、多くの人が参加します。
祖父母が振袖を贈りたいという場合もあると思いますが、近年は振袖を着る機会が限られるので、レンタルで済ませるケースも少なくありません。家族でよく相談してください。
<お祝い金の相場>
● 祖父母の場合、1万円から5万円が目安です。
● 定年退職されている方は、無理せず5千円から1万円でも大丈夫です。
<お祝い金を渡す時期>
● 「成人の日」の前日までに渡せればよいでしょう。当日でも問題ありません。
● 孫が遠方に住んでいる場合、その年の正月など会える機会に渡しても大丈夫です。
<マナー・注意点>
● 紅白の蝶結びの水引がついたのし袋を使用します。表書きは、「祝御成人」「御成人御祝」「御祝」などとし、下段に贈り主の氏名を記します。
2.孫へのお祝い金を事前に備えるのも一考
現役で働いている間は収入のあてがありますが、定年退職後は年金のみで生活する方もいるでしょう。孫への出費に備え、毎月計画的に貯金しておくとよいでしょう。
なぜなら、1章で見てきたように、孫が節目を迎えるたびにお祝い金を渡したいのであれば、7歳までほぼ毎年のように行事などがあります。また8歳以上になるとライフイベントの数は減りますが、中学・高校・大学の入学祝いのほか、毎年のお年玉など、孫の人数が多ければ多いほど金額が大きくなってきます。
また、小学校の入学祝いとして贈るランドセルや学習机など、高額なものを孫に贈りたい場合、百貨店の「友の会」の積み立てを利用するのもおすすめです。たとえば毎月1万円積み立てすると、1年後に13万円分の商品券を受け取れるなど、預金よりもお得なケースが多いのです。
3.孫破産や孫名義の預金に注意
孫のためにお金を使い過ぎて、ご自身の生活資金が危うい状態になってしまうことを「孫破産」と呼ぶこともあります。また、孫のために作った預金口座には注意すべき点があります。以下でその内容や対策方法を紹介します。
3-1.孫破産に注意
もしご自身が「物やお金で孫の関心を引いてしまうタイプ」であれば、「孫破産」に注意すべきです。
なぜなら、毎月数千円から数万円の積み重ねでも、10年経てば結構な金額になるからです。
具体的な例としては
● 将来的にかかる医療費などを見込まずに預貯金を孫に使ってしまうケース
● 孫の教育資金の一括贈与(非課税)などで資産転用し過ぎてしまうケース
などが挙げられます。
かわいい孫に対してのお金の使い過ぎを防止するには、老後の平均値的な医療費なども考慮して、10年先、20年先の生活費シミュレーションを行い、本当に余裕があるのか確認しておくとよいでしょう。
3-2.孫名義の預金にも注意
さらに、孫名義の通帳での貯金にも注意が必要です。
なぜなら、ご自身が亡くなったときには「名義預金」として扱われ、実質「祖父母の財産の一部」とみなされるので、孫にあげたつもりのお金にも相続税がかかる可能性もあります。つまり、孫名義の預金でも、孫が全額受け取れない可能性大なのです。
そうならないように、以下の3点を実行しましょう。
● 孫自身が通帳や印鑑を管理しているということにして、孫専用の印鑑を使う。
● 預金の際は振り込みという形にして、通帳に記録を残すようにする。
● 贈与契約書を作成し、その金額にも注意する。税理士など専門家に相談するのが無難です。
まとめ
この文章では、祖父母から孫へのお祝い金に関して、その相場・渡す時期・マナーや注意点を中心に見てきました。
まず、祖父母から孫へのお祝い金を渡す行事・イベントとして
1. 出産祝い
2. お宮参り
3. 初節句
4. 七五三
5. 入園・入学祝い
6. 成人祝い
を取り上げて詳しく紹介しました。ご自身の無理のない範囲でお祝い金を渡せば大丈夫です。
また、孫誕生から7歳までは毎年のように行事があり、孫の数が増えるとお祝い金の額も増えるので
● 孫のために毎月計画的に貯金するなど事前に備えておくこと
をおすすめしました。
さらに以下2つの注意点について
● 孫のために散財し、老後の生活資金が危うい状態になってしまう「孫破産」に注意
● 孫のために作った預金口座に関する注意
その対策方法も紹介しました。
孫に贈るお祝い金の相場や気を付けるべきことがわかり、不安がなくなれば幸いです。また何よりも、お孫さんが健やかに成長することを願っています。
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