
「盆栽を始めてみたいけど、自分にできるかな」
「盆栽ってどうやって育てたらいいんだろう」
盆栽の基本的な育て方を知らないまま、観葉植物や鉢植え植物と同じような世話をすることで失敗してしまう盆栽初心者の方が増えています。
また、盆栽人気の高まる一方で、盆栽専門店が自宅周辺になく、初めての盆栽をネットなどの通販で購入することも、盆栽初心者の方が失敗しやすい原因のひとつと言えるでしょう。
盆栽初心者の方がやりがちな失敗は、以下の4点です。
盆栽初心者がやりがちな4つの失敗
- 初めての盆栽を通販で買う
- 盆栽を室内で育てる
- 盆栽に定期的な水やりをする
- 盆栽の樹形イメージを持っていない
盆栽をこれから始めてみたい方や、盆栽を始めたばかりだという方は、盆栽ならではのお手入れ方法を知り、盆栽に必要な道具を用意する必要があります。
この記事では、盆栽初心者の方がやってしまいがちな失敗を通して、盆栽初心者の方にとって育てやすい盆栽の選び方を知り、初めてでも失敗なく育てていけるコツをわかりやすく解説してきます。
初めての盆栽選びの3つのポイント
- 実物を見て購入する
- 大きすぎないサイズを選ぶ
- 有名樹種から選ぶ
盆栽育て方の5つのポイント
- 屋外で育てる
- 水やりは状態を見ながら
- 消毒を定期的に行う
- 肥料は成長期に与える
- 植え替えは暖かくなる前に行う
この記事を読むことで、盆栽初心者の方が身につけておくべき必要な知識を得て、盆栽作りを失敗なく楽しむことができるようになります。
本記事のポイント
- 盆栽初心者の人がやりがちな失敗を知ることができる
- 盆栽と観葉植物、鉢植え植物の育て方の違いが理解できる
- 盆栽の基本的な育て方を知ることができる
- 盆栽に必要な道具を知ることができる
- 盆栽初心者にも育てやすい盆栽を知ることができる
目次
1.盆栽初心者がやりがちな4つの失敗
冒頭でもお伝えしましたが、盆栽初心者の方がやりがちな失敗は以下の4点です。
盆栽初心者がやりがちな4つの失敗
- 初めての盆栽を通販で買う
- 盆栽を室内で育てる
- 盆栽に定期的な水やりをする
- 盆栽の樹形イメージを持っていない
盆栽初心者の方にとって、具体的に何がどういけないことなのか、それぞれ詳しく見ていきましょう。
1-1.盆栽初心者の人がやりがちな失敗①:初めての盆栽を通販で買う
「初めての盆栽だから、手始めに購入しやすい通販で買う」という方は少なくありませんが、初めての盆栽を通販で購入すると、以下のことが問題として起きやすくなります。
- 想定していなかった高さや大きさだった
- アップされていた画像のものと、種類は同じでも異なる枝ぶりのものが届いた
- 説明書の通りに育てているのに、元気がなくなっていく
どれも「通販あるある」と言える問題ですが、詳しく見ていきましょう。
■想定していなかった高さや大きさだった
スマホやパソコンの画面で見ていると、盆栽の実際の大きさや高さのイメージが掴みにくいものです。
もちろん、高さや横幅などの数値は明記されているものですが、それでも画像で見た盆栽と実際に手元で立体で見た盆栽では、量感が異なることが多いものです。
置こうと思っていた場所に鉢は収まっても、枝が収まらないという事態も起こります。
手元に届いてから高さや大きさに戸惑い、盆栽にとって良かれと想定していた場所に置けなくなるということは、初めての盆栽を盆栽にとって厳しい環境で育てることに繋がるため、失敗しやすくなるのです。
■アップされていた画像のものと、種類は同じでも異なる枝ぶり
通販で見た盆栽の枝ぶりが気に入ったのに、届いた盆栽が、種類は同じでも枝ぶりは異なることがあります。
盆栽にとって「枝ぶり」はかなり重要な要素です。
後ほど詳しく説明しますが、その盆栽がどんな形に育つかの「個性」と、自分が盆栽をどんな形に育てていくかの「樹形イメージ」が合致しないと、盆栽は盆栽ではなくなり、観葉植物や鉢植え植物と変わらないものになってしまいます。
初めて買った盆栽の形が想定と異なるということは、どう育ててもお気に入りのイメージにはならないため、最初の段階から失敗をしていると言えるのです。
■説明書の通りに育てているのに、元気がなくなっていく
盆栽は、生きています。
基本的な育て方は説明書にある通りで本来は問題ありませんが、生きているので日々求めるものが異なるのが当たり前です。
画一的に用意された説明書の通りに画一的な世話をしていても、樹種によって個体によって、その都度必要なものや不必要なものが変わってきます。
説明書よりも、目の前にある盆栽の様子を見て世話をしないと、初めての盆栽はうまく育っていかないことが多いのです。
1-2.盆栽初心者の人がやりがちな失敗②:室内で育てる
本来、盆栽は屋外で育てるものです。
屋外で育てることで自然の環境下と同じように日光や雨風に当て、四季の温度や湿度の変化を通して、あるべき姿に育っていきます。
しかし人の生活空間である室内は、以下のような環境のことが多いでしょう。
- 直射日光が当たらない
- 自然の風が当たらない
- 冷暖房の風が直接当たる
- 朝夕や四季の気温変化がない
もちろん、このような環境でも常緑樹の盆栽は観葉植物のように通年楽しむことができますが、花をつける樹種の場合は、四季サイクルを狂わせてしまうため、花をつけさせることはできません。
また、エアコンの風は樹木を極端に乾燥させてしまうため、どんな盆栽にとっても厳しい環境となり、葉枯れを生じさせることがあります。
「室内で育てられるミニ盆栽」という謳い文句で、盆栽初心者の方向けに出回っている盆栽もたくさんありますが、自然の環境が必要な盆栽にとって、必要なのは「窓越しの日当たり」だけではないのです。
窓越しの日当たりだけでも、長ければ半年ほどは室内インテリアとして鑑賞することはできますが、多くは数ヶ月で枯れてしまうでしょう。
1-3.定期的な水やりをする
盆栽は自然の環境で育つため、朝夕に一回ずつなどの定期的な水やりが苦手です。
あくまでも盆栽の様子、土の乾き具合や成長の度合いなどを見て、その樹木に合ったタイミングで水やりをするのが基本です。
室内用として売られているミニ盆栽などの説明書には、季節ごとに水やりの回数が書かれている場合もありますが、しっかりと盆栽そのものの様子を見て加減することも大切です。
初めのうちはどんなタイミングで水やりをすればいいのか分からないものですが、毎日様子を見たり土を触ったりして育てているうちに、必要な頻度が見えてきます。
この「状態を見ての世話」が面倒だという方は、残念ながら盆栽には手をつけない方が良いでしょう。
1-4.樹形イメージがない
盆栽は、鉢の上であなたのイメージを表現するものです。
つまり、盆栽はアート作品であると言っても、過言ではないでしょう。
そのため、どんな風に仕上げていくかのイメージを持たないと、観葉植物や鉢植え植物と変わりのないものになってしまいます。
もちろん、鉢と樹木とのバランスが購入した段階ですでに好みであるといった場合は、観葉植物と同じようにあるがままの形を楽しんでインテリアにするというのも楽しみ方のひとつですが、盆栽はやがて成長していきます。
成長に合わせて少しずつ矯正し、より自分好みの樹形を作り上げて表現することこそ、盆栽の楽しみのメインと言えます。
盆栽は、はっきり言って手のかかるものです。
しかしそれは、自分の思う自然の光景を映し出すためのクリエイティブな作業そのものなのです。
樹形イメージを持つことは盆栽の楽しみの基本であり、同時に目標であると言えます。
2.盆栽とは【上手に育てるための基礎知識】
盆栽は、一見すると矛盾したように見える、以下のふたつの要素を持っています。
|
観葉植物や鉢植えの植物を育てたことがあるという方も多いでしょうが、盆栽と、観葉植物および鉢植え植物とは、以下のように楽しみ方や育て方が異なるのです。
飾る場所 | 育てる場所 | 手入れ | |
盆栽 | 主に室内 | 屋外 | 目指したい樹形を作る |
観葉植物 | 室内 | 室内 | 生育に合わせて |
鉢植え植物 | 屋外 | 屋外 | 生育に合わせて |
それぞれ、詳しく違いを見ていきましょう。
2-1.盆栽と観葉植物との育て方の違い
盆栽と観葉植物では、飾る場所はだいたい同じでも、育てる場所と手入れ方法が異なります。
飾る場所 | 育てる場所 | 手入れ | |
盆栽 | 主に室内 | 屋外 | 目指したい樹形を作る |
観葉植物 | 室内 | 室内 | 生育に合わせて |
観葉植物は室内で育て、お部屋のインテリアとして楽しむものです。
観葉植物とは一般的に、植物の葉の形・大きさ・色・模様などを見て楽しむ栽培植物と言われています。
基本的に耐陰性がある品種が多く、室内の直射日光の当たらない場所でも育てやすいのが特徴です。
一方で盆栽は、鉢の上に自然の光景を自分で作り上げて楽しむものなので、基本的に屋外で日光や風を当てて育てます。
室内に飾って楽しむ場合も、最長で1週間程度に留め、季節ごとに異なる盆栽を用意するのが、盆栽作りの最終的な目標の一つとなります。
同じように室内に飾って楽しむ観葉植物と盆栽ですが、観葉植物は購入してすぐに鑑賞を楽しめるもの、盆栽は飾るまでの工程も楽しみながら育てていくものという違いがあるのです。
2-2.盆栽と鉢植え植物との育て方の違い
盆栽と鉢植え植物では、育てる場所は同じでも、そのお手入れ方法に大きな違いがあります。
飾る場所 | 育てる場所 | 手入れ | |
盆栽 | 主に室内 | 屋外 | 目指したい樹形を作る |
鉢植え植物 | 屋外 | 屋外 | 生育に合わせて |
どちらも屋外で、自然に日光や風当たる環境の中で育てますが、盆栽には鉢植え植物よりももっと人為的な矯正が入ります。
鉢植え植物は、その樹種が持つ花の美しさや姿の様子を楽しみ、成長に合わせて鉢を大きくしたり地植えに替えたりするものです。
基本的に植物を育つままにさせ、添え木をして樹形を倒れないようにするといった、生育を助けるために手を入れることはあっても、姿形そのものを矯正することはあまりないでしょう。
対して盆栽は、鉢の上で自分の目指す自然の光景を「表現」するものです。
枝の伸び方や向き、土に茂るコケも含めて、鉢の上で自然の縮尺を表すために、長い時間をかけて育てあげていきます。
また盆栽は、木を剪定し針金をかけながら育てることで、思い描いたイメージに沿って樹形を作り上げていくものです。
樹種が本来持つ個性を大切にしながらも、創造物として造形していく点が、鉢植え植物との大きな違いと言えます。
3.盆栽の基本的な育て方
盆栽を育てるにあたり、大切なのは以下の2点です。
- 自然の環境で育てる
- 樹木の様子に合わせる
この2点を踏まえて、盆栽を育てるには以下の5つの世話を行います。
盆栽の基本的な育て方
- 屋外で育てる
- 水やりは状態を見ながら
- 消毒を定期的に行う
- 肥料は成長期に与える
- 植え替えは暖かくなる前に行う
盆栽の世話におけるそれぞれの注意点を見ていきましょう。
3-1.屋外で育てる
盆栽は、風通しがよく日のあたる屋外で育てます。
1-2.盆栽初心者の人がやりがちな失敗②:室内で育てるでもお伝えしましたが、季節による温度や湿度の変化を体験させることで、樹木らしく自然に育っていくからです。
雨にさらされても問題はありません。
ただし、梅雨時期など連日雨が降るなどで土が常に湿った状態が続くと、カビが生えてしまうことがあるため、軒下など雨が直接当らない場所へ移す、または棚の上などに置くことで水はけや風通しを良くします。
夏場は、日除けをしたり場所を移したりして、特に強い日差しが長時間当たらないようにします。
冬場に氷点下になる場合でも、基本的には屋外に置いたままにします。
特に寒い地域や豪雪地帯では、発泡スチロールの箱に入れるなどして寒さを少し緩和させます。
室内で観賞する期間は長くても1週間を限度にし、旅行などで出かける時は、必ず外に出すのを忘れないようにしてください。
3-2.水やりは状態を見ながら
土の表面が乾いていたら、底から水がでるまでたっぷり水やりをします。
乾いていなければ、水やりをする必要はありません。
盆栽の水やりは底から水が流れるほど行いますが、これにより鉢の中の土に新しい空気を送り込みます。
盆栽の鉢は小さいことが多いため、土が必要な酸素や水を蓄えておくことができないのです。
通常はジョウロで鉢土に水をかけますが、盆栽そのものが小さい場合は、水を張ったバケツの中に鉢ごとつける方法もあります。
注意したいのは、土の表面が「乾いていたら」であり、「乾いてきたら」ではないことです。
水のやりすぎは根を腐らせたりカビを生えさせたりするため、しっかりと状態を見てやってください。
3-3.消毒を定期的に行う
盆栽は、殺虫・殺菌・殺ダニを目的に、定期的に消毒を行います。
盆栽を育てるのにあたり、消毒についてだけは、状態を見てではなく成長期に月に一回定期的に行います。
病害虫などがついてから行うだけでなく、予防も兼ねています。
盆栽の消毒のタイミングは以下の通りです。
盆栽の消毒のタイミング |
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園芸用の農薬を2~3種類合わせて用意し、混ぜられるものは混ぜて一度に与えます。
中には混ぜることで薬害が出るものもあるため、必ず注意書きを読み、購入時に店頭で問い合わせましょう。
始めたばかりのうちは盆栽の数も少ないので、スプレータイプの殺虫剤も効果的で便利です。
3-4.剪定と芽摘みで造形する
盆栽の醍醐味、剪定と芽摘みによる造形を行います。
剪定と芽摘みで大切なのは「どのような樹形に仕上げていくか」のイメージです。
このイメージを持っていないと、切るべき場所が明確になってきません。
ただし、樹木の健全な成長のために、切ってはいけない部分もあるため、慣れないうちは実物を持ってどこを切ればいいのか具体的に聞けるような環境を作っておいた方が良いでしょう。
いつでも相談できる盆栽先輩を持ったり、購入店のスタッフに相談したりするなど、経験豊かな人の意見を参考にして行ってください。
3-5.肥料は盛夏を避けた成長期に与える
盆栽には、肥料を与えて栄養をつけることが必要です。
肥料を与える期間は、4月〜11月の間の梅雨を避けた時期です。
冬は木の成長が止まるため、肥料を与えると逆に負担になってしまいます。
自然の環境であれば、落ち葉や虫などが栄養を運んできてくれますが、盆栽の土には栄養分はほとんどありません。
底から流れるほどの水やりによっても、栄養分は流れ出てしまいます。
また、植えている樹木と比較すると小さな鉢に植え込んでいるため、土がそもそも少ないことも、肥料を補わなければならない理由となります。
一方、五葉松をはじめとする松柏類では、枝が太くなり過ぎるのを押えたり葉を短くしたりするために、水や肥料をほとんど与えない「痩せ作り」という育て方があります。
これは植物にとってはギリギリの栄養状態を作るため管理が難しく、盆栽初心者の方はよく盆栽先輩に相談しながら進めていく必要があります。
3-6.植え替えは暖かくなる前に行う
毎年春先に盆栽の状態を確認し、植え替えをするかどうか判断します。
植え替えをするかどうかの判断ポイントは、以下の通りです。
盆栽の植え替えの判断 |
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水の染み込みが悪くなっているかどうかは、日々の世話の中での感覚値によるところが大きいです。
鉢のフチの様子は、根を傷つけないように鉢の中をそっと動かして、実際に見てみます。
根がぎゅうぎゅうに巻き込んでいたら、植え替えをするべきでしょう。
植え替えのタイミングは、以下の通りです。
盆栽の植え替えのタイミング |
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植え替え作業は、まだ芽が動き出していない春先に行います。
この時期であれば、樹木は成長した枝葉を維持する必要がないため、たとえ植え替えによって根が損傷しても、根の修復に集中することができます。
植え替えによるダメージを最低限におさえることができるので、基本的には春先が植え替えのベストタイミングと言えます。
樹木の種類によっては、細菌の活動が弱くなる秋に植え替えをするものもありますが、寒害により冬越しができなくなる場合もあるため、いつ植え替えをするかについては、最終的にはどのリスクを取るかの本人の判断によります。
4.盆栽に必要な道具
盆栽作りを楽しむためには、それぞれの世話の工程で必要になる道具があります。
- 水やり
- 剪定と芽摘み
- 植え替え
それぞれの世話において必要な道具をご紹介します。
4-1.水やりに必要な道具
盆栽を初めて最初に必要になるのが、水やりのための道具。盆栽初心者の方が揃えるべきは、以下の2つの水やり道具です。
- じょうろ
- 霧吹き
それぞれ選ぶポイントがあるため、詳しく見ていきましょう。
■じょうろ
盆栽に水やりをするときに必要なじょうろですが、実は選び方のポイントがあります。
ポイント1:ハス口の穴が小さいこと
ポイント2:ノズルが長いこと
ハス口とは、水の出てくる穴のこと。ここが小さいと、出てくる水の量が制限され、勢い良く水がかからないのです。
鉢植え植物の水やりと異なり、盆栽は土部分に苔を生やしたり小石を並べたりと、とてもデリケートな作り込みをすることが多いため、水流の強いじょうろでは、苔や小石が流れてしまうことがあります。
ハス口の穴が小さくノズルの長いじょうろであれば、上からふんわりと水をかけるように水やりすることができるのです。
大きすぎるものは重くなるため、盆栽の数が少ない始めのうちは、2ℓ以下の小さめのじょうろを選ぶのがおすすめです。
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ハス口の穴が小さく、やさしい水流で水が出てきます。銅製で殺菌作用があるため、常に新鮮な水で盆栽に水やりすることができるのも魅力です。
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■霧吹き
盆栽の葉に水を吹き付けることで、汚れや小さな虫を落とすことができます。
霧吹きの選び方で気をつけたいのは、以下の2点です。
- できるだけ細かい霧状で出ること
- 葉水用と消毒用とを使い分けること
勢い良く出てくるスプレータイプでは、葉に穴が空いてしまうこともあります。
盆栽の葉水やりには、細かいミスト状で吹き付けを行うことができるものがおすすめです。
また、消毒薬の残っている霧吹きで葉水やりをしてしまうと、盆栽にとって非常に大きな負担になります。
間違いを防ぐためにも、葉水用と消毒用とは分けて用意をし、それぞれを専用使いできるようにしておきましょう。
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4-2.剪定と芽摘みに必要な道具
盆栽初心者の方がまず揃えるべきは、以下の2つです。
- 細めの枝や葉・根などを切る剪定ハサミ
- 葉や虫を取り除くヘラ付ピンセット
盆栽初心者の方は小品以下の小さなサイズで始めるのが良いのですが、小さなサイズの盆栽の手入れは、ほぼこの剪定ハサミとヘラ付ピンセットだけで行うことができます。
ピンセットは落ち葉を拾ったり虫を取り除いたりするのに使いますが、ヘラ付のものを選ぶと、土を鳴らしたりするのにも使うことができるので、ヘラ付ピンセットがおすすめです。
剪定ハサミの選び方のポイントは、以下を参考になさってください。
- 自分の手に合う
- よく切れる
- 錆びにくい
なお、持ち手の大きさによって、剪定ハサミは大まかに2種類の形があります。
持ち手部分の大きなタイプは、力が入れやすく枝切りなどに向いてはいますが、最初のうちはそこまで太い枝を切ることもないため、持ち手の小さいタイプの方が盆栽初心者の方には使いやすいと言えるでしょう。
4-3.植え替えに必要な道具
盆栽の植え替えは、盆栽初心者の方は当分やる機会がないでしょう。
初めての植え替えは、盆栽を始めてからおおよそ1~2年ほどで行うことになるからです。
そのため、植え替えに必要な道具はいますぐに揃えなくて良いものですが、おおよそどんなものが必要になってくるのか、代替の効くものがあるのかについて、お伝えします。
盆栽の植え替えに必要な道具は、以下の通りです。
盆栽の植え替えに必要な道具 | ||
道具 | 必要度 | 代替品 |
剪定ハサミ | ◎ | ー |
針金 | ◎ | ー |
針金切り | ◎ | ペンチ、ニッパー |
針底網 | ◎ | 網戸ネット |
ミズゴケ | ◯ | バーク(樹皮) |
ヘラ付ピンセット | ◯ | 竹串、割り箸 |
ふるい | ◯ | 洗濯ネット |
盆栽を始める前から、上記のすべての道具を揃える必要はありません。
まずはひとつ気に入った盆栽を育て、慣れてきたらほかにもいくつかの盆栽を育てるなどして、剪定ハサミやヘラ付ピンセットといった基本道具の応用的な使い方に慣れていくことが大切です。
5.盆栽初心者が初めての盆栽を選ぶポイント
盆栽初心者の人は、初めてでも育てやすい盆栽を選んで盆栽生活をスタートさせる方が良いでしょう。
盆栽初心者が選ぶべき盆栽として、注意するべきポイントは以下の2点です。
初めての盆栽選びのポイント
- 実物を見て購入する
- 大きすぎないサイズを選ぶ
- 有名樹種から選ぶ
それぞれどのような理由によっておすすめなのか、詳しく見ていきましょう。
5-1.実物を見て購入する
これから盆栽を始めようと思っている盆栽初心者の方は、通販ではなく実店舗で盆栽を購入することをおすすめします。
1-1.盆栽初心者の人がやりがちな失敗①:初めての盆栽を通販で買うでもお伝えしましたが、通販で盆栽を購入すると、想定していなかった大きさや高さだったり、アップされていた画像のものと種類は同じでも異なる枝ぶりのものが届いたりといった問題が発生する場合があります。
盆栽は、これから長い時間をかけて育てていく樹木です。どんな盆栽を迎えるか、どんな枝ぶりなのかなど、実際に見て選んで気に入ったものを選ぶと良いでしょう。
また、実店舗で購入すると、お店の方に分からないことをいろいろと質問することができます。
特に、家の近くの盆栽店であれば、剪定の細かい場所や肥料のタイミングなど、実物を持ち込んで教えてもらうこともできるのです。
お店で出会った盆栽仲間と、情報交換を楽しむこともできるでしょう。
初めて迎える盆栽は、ぜひ実店舗で実物を見て選ぶことをおすすめします。
5-2.盆栽初心者が選ぶべき盆栽の大きさ
盆栽初心者の方は、大きすぎず小さすぎない大きさの盆栽を選ぶと良いでしょう。
盆栽は、鉢のフチの上面から樹木の最上部までの高さによって、以下のように分類されます。
盆栽の高さによる分類 | |
大品(だいひん) | 60cm以上 |
中品(ちゅうひん) | 20~60cm |
小品(しょうひん) | 20cm以下 |
ミニ盆栽 | 10cm |
プチ盆栽 | 5cm以下 |
豆盆栽 | 3~4cm以下 |
一般的に、大きいものほど高額で専門的な手入れが必要になるため、盆栽初心者の方は手を出さない方が無難です。
しかしその一方で、小さすぎるものは水やりや土の管理が難しくなるため、見かけのかわいらしさで手を出すと失敗してしまうことが多いものです。
盆栽初心者の方は、ミニ盆栽から小品、高さにして7~20cmほどのものを選ぶことをおすすめします。
5-3.盆栽初心者が選ぶべき盆栽の種類
盆栽初心者の方は、黒松や真柏、モミジ、長寿梅といった有名樹種から始めることをおすすめします。
有名樹種は盆栽初心者にも玄人にも人気が高く、盆栽店でも取り扱いが多いものです。
盆栽の本で紹介されていたり、同じ樹種を育てていたりする人も多いため、育て方を調べる情報源が多く、相談できる相手も多くなります。
盆栽になる植物は5種類あります。
- 松柏
- 雑木
- 花もの
- 実もの
- 草もの
種類によっても、樹種によっても、育て方は少しずつ異なるため、どれが最も育てやすい種類であるとは、一概には言い切れません。
しかし大切なのは、盆栽はこれから長い時間自分の手をかけて育てるものなので、気に入ったものを選ぶことです。
育てようと思った盆栽について、その個性を認めながら状態を見てこの先ずっと世話をしていこうと思えるものが、何より初心者の方が選ぶべき盆栽と言えるでしょう。
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盆栽は決して難しいものではありませんが、自然を扱うものなので、季節や地域ごとの温湿度といった環境や、樹木の種類によって細かいお世話が必要になります。
5.盆栽初心者が初めての盆栽を選ぶポイントでもお伝えしましたが、初めての盆栽だからこそ、すでに盆栽をやっている人に意見を聞いたり、同じ樹種を育てている人と悩みを共有したりすることが大切です。
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ほかの人の投稿写真に「いいね」をしたり、コメントを送ったり、小さな交流から、生涯の盆栽仲間が見つかるかもしれません。
まとめ
今回は、盆栽初心者の方のために、盆栽の育て方のコツや選び方について、初心者の方がやりがちな失敗を通してお伝えしました。
盆栽初心者の方が気を付けるべき、やりがちな失敗は以下の4つです。
盆栽初心者がやりがちな4つの失敗
- 初めての盆栽を通販で買う
- 盆栽を室内で育てる
- 盆栽に定期的な水やりをする
- 盆栽の樹形イメージを持っていない
また、盆栽と、観葉植物や鉢植え植物とでは、育て方に以下のような違いがあることも覚えておいてください。
飾る場所 | 育てる場所 | 手入れ | |
盆栽 | 主に室内 | 屋外 | 目指したい樹形を作る |
観葉植物 | 室内 | 室内 | 生育に合わせて |
鉢植え植物 | 屋外 | 屋外 | 生育に合わせて |
盆栽の基本的な育て方は、以下の通りです。
盆栽の基本的な育て方
- 屋外で育てる
- 水やりは状態を見ながら
- 消毒を定期的に行う
- 肥料は成長期に与える
- 植え替えは暖かくなる前に行う
盆栽を育てるに当たり、それぞれの工程で必要になる道具は以下の通りです。
盆栽作りに必要な道具 | |
世話 | 道具 |
水やり | じょうろ |
霧吹き | |
剪定と芽摘み | 剪定ハサミ |
ヘラ付ピンセット | |
植え替え | 針金 |
針金切り | |
針底網 | |
ミズゴケ | |
ふるい |
初めての盆栽選びにおいては、以下のポイントを押さえることをお勧めします。
初めての盆栽選びのポイント
- 実物を見て購入する
- 大きすぎないサイズを選ぶ
- 有名樹種から選ぶ
この記事が、あなたの初めての盆栽作りの不安をなくし、失敗なく楽しむためのお役に立ちますように。
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